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ネクスグループ Research Memo(4):M&Aによる収益力強化が加速。黒字化に向けた収益体質の良化が進む(1)
配信日時:2025/08/28 12:04
配信元:FISCO
*12:04JST ネクスグループ Research Memo(4):M&Aによる収益力強化が加速。黒字化に向けた収益体質の良化が進む(1)
■業績動向
1. 2025年11月期中間期の業績概要
ネクスグループ<6634>の2025年11月期中間期の連結業績は、売上高が1,296百万円(前年同期比166.8%増)、営業損失が65百万円(前年同期は196百万円の損失)、経常損失が54百万円(同195百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失が1,234百万円(同203百万円の損失)となった。M&Aによるのれん償却を加味したEBITDAは56百万円(前年同期は137百万円のマイナス)と黒字に転じた。
同社グループは、メタバース・デジタルコンテンツ事業、暗号資産・ブロックチェーン事業などのWeb3領域への進出及びM&Aによる収益力の強化に取り組んでいる。2025年2月には、ZEDホールディングスの株式を取得し、連結子会社化した。2025年11月期中間期末時点では貸借対照表のみ取り込みが完了しており、損益計算書への反映は第3四半期以降となる見通しだ。ZEDホールディングスの傘下には、暗号資産交換業者であるZaif、Web3コンサルティング企業であるチューリンガム、システム開発等を手掛けるネクスソフトなどが含まれ、同社グループとの連携を通じて新たな価値創造を目指している。なお、ZEDホールディングスの取得時に計上したのれんに関しては、事業収益性を踏まえて回収可能性を検討した結果、1,160百万円の減損損失を特別損失として計上した。
メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍配信を行う実業之日本デジタルがクロスメディア展開によって販売を伸ばし、イラストリクエストサービス「Skeb」などを展開するスケブはイベント開催などで認知拡大が進んだ。IoT関連事業では、エッジAI端末「AIX-01NX」などを手掛けるネクスが主要製品を多分野に展開しており、ソリューション事業では、ケーエスピーが既存顧客の業績回復を背景に安定した収益を確保し、ネクスソフトは高稼働率を維持しながら「ASTERIA Warp」を用いた案件が拡大した。暗号資産・ブロックチェーン事業では、イーサリアムとジムのステーキング導入や、チューリンガムの研究開発体制の拡充などが進んだ。これらのことから、2025年11月期中間期は前年同期比で大幅増収となり、営業損失と経常損失は改善した。
2. セグメント別動向
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
売上高は290百万円(前年同期比253.5%増)、営業損失は10百万円(前年同期は7百万円の利益)となった。デジタルコンテンツの分野については、実業之日本デジタルの2025年1月にアニメ化された「天久鷹央の推理カルテ」が売上をけん引した。電子書籍キャンペーンとの相乗効果もあり、シリーズ既刊が各電子書店で上位にランクインした。加えて、同年4月開始のドラマ化も後押しとなり、好調な売上を維持している。同じく4月にドラマ化された「霧尾ファンクラブ」は、現在アニメ制作が進行中であり、クロスメディア展開を通じた継続的な話題喚起を図っている。また、「Kindle Unlimited」への掲載作品拡充により、新規読者層の獲得が進展している。読み放題サービスへの展開については、出版から4ヶ月後に自動移行するモデルを構築しており、収益の拡大に貢献している。加えて、公共電子図書館に続き、大学電子図書館への提供も本格化しており、主要な電子図書館の大半で実業之日本デジタルの作品が閲覧可能となった。今後も映像展開・読み放題チャネル・電子図書館を活用し、読者基盤の拡大と収益の安定化を目指す。
一方、スケブでは、2024年12月に開催し好評を得たオフラインイベント「VRC大交流会」を、会場規模を拡大し「超メタフェス~VRC大交流会~」として2025年5月に開催しており、前回開催時は4,000人以上であった来場者数は、想定を上回る延べ10,000人以上を記録した。イベント開催後には「Skeb」においてもVR関連のリクエストが増加する等の波及効果が確認されており、既に2026年の開催を決定するなど、今後も定期的に開催していく。引き続きバーチャル・リアルの両面でのプロモーションを強化し、利用者の増加と取り引きの活性化を目指す。同プラットフォームの総登録者数は2025年5月末時点で361万人を超えており、さらなる成長が期待される。
なお、実業之日本デジタル及びスケブは単体での営業損益は黒字であるが、のれん償却を含めるとマイナスとなっている。しかしながら、2025年11月期においては想定どおりに成長しており、今後も各種施策により、のれんの償却を考慮した営業損益の早期黒字化に注力する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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1. 2025年11月期中間期の業績概要
ネクスグループ<6634>の2025年11月期中間期の連結業績は、売上高が1,296百万円(前年同期比166.8%増)、営業損失が65百万円(前年同期は196百万円の損失)、経常損失が54百万円(同195百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失が1,234百万円(同203百万円の損失)となった。M&Aによるのれん償却を加味したEBITDAは56百万円(前年同期は137百万円のマイナス)と黒字に転じた。
同社グループは、メタバース・デジタルコンテンツ事業、暗号資産・ブロックチェーン事業などのWeb3領域への進出及びM&Aによる収益力の強化に取り組んでいる。2025年2月には、ZEDホールディングスの株式を取得し、連結子会社化した。2025年11月期中間期末時点では貸借対照表のみ取り込みが完了しており、損益計算書への反映は第3四半期以降となる見通しだ。ZEDホールディングスの傘下には、暗号資産交換業者であるZaif、Web3コンサルティング企業であるチューリンガム、システム開発等を手掛けるネクスソフトなどが含まれ、同社グループとの連携を通じて新たな価値創造を目指している。なお、ZEDホールディングスの取得時に計上したのれんに関しては、事業収益性を踏まえて回収可能性を検討した結果、1,160百万円の減損損失を特別損失として計上した。
メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍配信を行う実業之日本デジタルがクロスメディア展開によって販売を伸ばし、イラストリクエストサービス「Skeb」などを展開するスケブはイベント開催などで認知拡大が進んだ。IoT関連事業では、エッジAI端末「AIX-01NX」などを手掛けるネクスが主要製品を多分野に展開しており、ソリューション事業では、ケーエスピーが既存顧客の業績回復を背景に安定した収益を確保し、ネクスソフトは高稼働率を維持しながら「ASTERIA Warp」を用いた案件が拡大した。暗号資産・ブロックチェーン事業では、イーサリアムとジムのステーキング導入や、チューリンガムの研究開発体制の拡充などが進んだ。これらのことから、2025年11月期中間期は前年同期比で大幅増収となり、営業損失と経常損失は改善した。
2. セグメント別動向
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
売上高は290百万円(前年同期比253.5%増)、営業損失は10百万円(前年同期は7百万円の利益)となった。デジタルコンテンツの分野については、実業之日本デジタルの2025年1月にアニメ化された「天久鷹央の推理カルテ」が売上をけん引した。電子書籍キャンペーンとの相乗効果もあり、シリーズ既刊が各電子書店で上位にランクインした。加えて、同年4月開始のドラマ化も後押しとなり、好調な売上を維持している。同じく4月にドラマ化された「霧尾ファンクラブ」は、現在アニメ制作が進行中であり、クロスメディア展開を通じた継続的な話題喚起を図っている。また、「Kindle Unlimited」への掲載作品拡充により、新規読者層の獲得が進展している。読み放題サービスへの展開については、出版から4ヶ月後に自動移行するモデルを構築しており、収益の拡大に貢献している。加えて、公共電子図書館に続き、大学電子図書館への提供も本格化しており、主要な電子図書館の大半で実業之日本デジタルの作品が閲覧可能となった。今後も映像展開・読み放題チャネル・電子図書館を活用し、読者基盤の拡大と収益の安定化を目指す。
一方、スケブでは、2024年12月に開催し好評を得たオフラインイベント「VRC大交流会」を、会場規模を拡大し「超メタフェス~VRC大交流会~」として2025年5月に開催しており、前回開催時は4,000人以上であった来場者数は、想定を上回る延べ10,000人以上を記録した。イベント開催後には「Skeb」においてもVR関連のリクエストが増加する等の波及効果が確認されており、既に2026年の開催を決定するなど、今後も定期的に開催していく。引き続きバーチャル・リアルの両面でのプロモーションを強化し、利用者の増加と取り引きの活性化を目指す。同プラットフォームの総登録者数は2025年5月末時点で361万人を超えており、さらなる成長が期待される。
なお、実業之日本デジタル及びスケブは単体での営業損益は黒字であるが、のれん償却を含めるとマイナスとなっている。しかしながら、2025年11月期においては想定どおりに成長しており、今後も各種施策により、のれんの償却を考慮した営業損益の早期黒字化に注力する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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