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三機サービス Research Memo(5):売上高、営業利益及び最終利益は過去最高、教育機関向けが伸びる(1)
配信日時:2025/08/25 13:05
配信元:FISCO
*13:05JST 三機サービス Research Memo(5):売上高、営業利益及び最終利益は過去最高、教育機関向けが伸びる(1)
■業績動向
1. 2025年5月期の業績概要
三機サービス<6044>の2025年5月期の連結業績は、売上高20,636百万円(前期比6.2%増)、営業利益1,020百万円(同38.6%増)、経常利益1,021百万円(同34.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益689百万円(同47.3%増)と増収増益となり、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益については過去最高を記録する好決算となった。業績予想に対する達成率は、売上高が96.2%、営業利益が98.6%、経常利益が98.5%と計画をやや下回ったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は108.8%と計画を達成した。なお、2025年5月期は、2023年5月期からの3ヶ年中期経営計画の最終年度で、売上高、営業利益について中期経営計画と同じ業績予想を掲げていたものの、わずかに届かず着地した。
同社を取り巻く事業環境は、エネルギーコストの上昇などに伴って顧客企業の省エネ対策への関心が高まっており、設備維持管理費用の削減ニーズは引き続き高い状況にある。同社はこのような状況を追い風としつつ、長年培ってきた技術力を活用し、建物、電気設備、空調設備、給排水衛生設備等のあらゆるメンテナンスで不要なエネルギー消費の削減に取り組み、顧客ニーズに応えた。メンテナンスを広範囲に一括して請け負うトータルメンテナンスサービスのほか、データに基づく予防保全、省エネ設備更新等の事業拡大に注力し、業績寄与につなげた。売上面を見ると、小売業向けを中心とした工事や修理案件の増加や、教育機関等への空調機器の入替工事案件が好調に推移し、業績向上に寄与した。単体ベースの売上構成比は、工事分野が34.5%と前期比2.0ポイント上昇、修理分野は48.6%と同0.5ポイント上昇した。定期メンテナンスにおいては、一部顧客都合による受注額の減少から16.9%と同2.5ポイント減少し、金額ベースでも他の受注の堅調により微減となった。利益面では、工事等のストック型案件の増加による増収効果や、定期メンテナンス等のフロー案件での利益率向上が増益につながった。中期経営計画で推進した、顧客に寄り添った高いソリューションの提案力や、品質向上施策が奏功したことで顧客への適正価格でのサービス提供が進み、売上総利益率が改善した。また、サービスエンジニアの多能工化や新入社員の早期育成に取り組んできた効果が現れ、受注増に対して安定したサービス提供が可能となった点も寄与しただろう。販管費においては、今後の大型総合メンテナンスの施工管理及び販路拡大を見込み、採用や人財育成等の人財投資を活発化させているものの、増収効果や利益率改善が上回り利益向上につながった。その結果、営業利益率は前期比1.1ポイント増の4.9%となった。
同社は「人的資本経営は企業価値向上の源泉」と考え、事業の拡大には人財の拡充が不可欠であるとの認識の下、「専門技術者内製化・育成」と「営業体制の強化」を2本の柱として目標達成に向けた施策を展開している。電気工事や管工事などの建築工事においては、建設業法により現場ごとに主任技術者や監理技術者の設置が義務付けられており、さらに工事内容に応じた専門の資格を有する者の作業への従事が必要になることから、事業規模に応じた資格保有者を有することは企業にとって必須となる。同社は、現在の人手不足による人員確保が困難な業界にあって、2024年5月期には工事メンテナンス部門及び管理部門を中心に100名を超える人財採用を実現した。また2025年5月期には工事メンテナンス部門を38名増員して434名体制に、営業部門を26名増員して114名体制とした。全体の社員数は2024年5月期の534名から2025年5月期は598名と64名増加し、同社の目指す、ソリューション営業力と内製力の強化に向けて体制強化が図られた。さらにサービス提供の担い手となるエンジニアに対しては、同社の研修センターにおいて、実際に顧客が導入している機器を用い、修理の研修・指導を実施しているほか、社内のベテランエンジニアが若手エンジニアに対してマン・ツー・マンで指導するなどの施策を推進している。これら施策によりエンジニア間でのノウハウ共有や技術の高度化・標準化を進め、エンジニアの多能工化を含めた能力向上が図られている。
2. セグメント別業績
メンテナンス事業においては、同社が従来から手掛けている建物設備のメンテナンス・維持管理、ソリューション提案を行うメンテナンスサービス、及びそこから派生する工事を手掛けるメンテナンス事業が対象となる。メンテナンス事業の売上高は18,573百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益は909百万円(同30.5%増)と増収増益となった。建設関連製品サービス事業は、兵庫機工が手掛ける各種建物を対象とする金属製ドア・シャッター・サッシの製造・販売、及び取付工事が対象となるが、売上高は2,072百万円(同5.1%増)、セグメント利益は111百万円(同180.1%増)と大幅な増益となった。この要因は高利益率のスポット案件によるものである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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1. 2025年5月期の業績概要
三機サービス<6044>の2025年5月期の連結業績は、売上高20,636百万円(前期比6.2%増)、営業利益1,020百万円(同38.6%増)、経常利益1,021百万円(同34.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益689百万円(同47.3%増)と増収増益となり、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益については過去最高を記録する好決算となった。業績予想に対する達成率は、売上高が96.2%、営業利益が98.6%、経常利益が98.5%と計画をやや下回ったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は108.8%と計画を達成した。なお、2025年5月期は、2023年5月期からの3ヶ年中期経営計画の最終年度で、売上高、営業利益について中期経営計画と同じ業績予想を掲げていたものの、わずかに届かず着地した。
同社を取り巻く事業環境は、エネルギーコストの上昇などに伴って顧客企業の省エネ対策への関心が高まっており、設備維持管理費用の削減ニーズは引き続き高い状況にある。同社はこのような状況を追い風としつつ、長年培ってきた技術力を活用し、建物、電気設備、空調設備、給排水衛生設備等のあらゆるメンテナンスで不要なエネルギー消費の削減に取り組み、顧客ニーズに応えた。メンテナンスを広範囲に一括して請け負うトータルメンテナンスサービスのほか、データに基づく予防保全、省エネ設備更新等の事業拡大に注力し、業績寄与につなげた。売上面を見ると、小売業向けを中心とした工事や修理案件の増加や、教育機関等への空調機器の入替工事案件が好調に推移し、業績向上に寄与した。単体ベースの売上構成比は、工事分野が34.5%と前期比2.0ポイント上昇、修理分野は48.6%と同0.5ポイント上昇した。定期メンテナンスにおいては、一部顧客都合による受注額の減少から16.9%と同2.5ポイント減少し、金額ベースでも他の受注の堅調により微減となった。利益面では、工事等のストック型案件の増加による増収効果や、定期メンテナンス等のフロー案件での利益率向上が増益につながった。中期経営計画で推進した、顧客に寄り添った高いソリューションの提案力や、品質向上施策が奏功したことで顧客への適正価格でのサービス提供が進み、売上総利益率が改善した。また、サービスエンジニアの多能工化や新入社員の早期育成に取り組んできた効果が現れ、受注増に対して安定したサービス提供が可能となった点も寄与しただろう。販管費においては、今後の大型総合メンテナンスの施工管理及び販路拡大を見込み、採用や人財育成等の人財投資を活発化させているものの、増収効果や利益率改善が上回り利益向上につながった。その結果、営業利益率は前期比1.1ポイント増の4.9%となった。
同社は「人的資本経営は企業価値向上の源泉」と考え、事業の拡大には人財の拡充が不可欠であるとの認識の下、「専門技術者内製化・育成」と「営業体制の強化」を2本の柱として目標達成に向けた施策を展開している。電気工事や管工事などの建築工事においては、建設業法により現場ごとに主任技術者や監理技術者の設置が義務付けられており、さらに工事内容に応じた専門の資格を有する者の作業への従事が必要になることから、事業規模に応じた資格保有者を有することは企業にとって必須となる。同社は、現在の人手不足による人員確保が困難な業界にあって、2024年5月期には工事メンテナンス部門及び管理部門を中心に100名を超える人財採用を実現した。また2025年5月期には工事メンテナンス部門を38名増員して434名体制に、営業部門を26名増員して114名体制とした。全体の社員数は2024年5月期の534名から2025年5月期は598名と64名増加し、同社の目指す、ソリューション営業力と内製力の強化に向けて体制強化が図られた。さらにサービス提供の担い手となるエンジニアに対しては、同社の研修センターにおいて、実際に顧客が導入している機器を用い、修理の研修・指導を実施しているほか、社内のベテランエンジニアが若手エンジニアに対してマン・ツー・マンで指導するなどの施策を推進している。これら施策によりエンジニア間でのノウハウ共有や技術の高度化・標準化を進め、エンジニアの多能工化を含めた能力向上が図られている。
2. セグメント別業績
メンテナンス事業においては、同社が従来から手掛けている建物設備のメンテナンス・維持管理、ソリューション提案を行うメンテナンスサービス、及びそこから派生する工事を手掛けるメンテナンス事業が対象となる。メンテナンス事業の売上高は18,573百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益は909百万円(同30.5%増)と増収増益となった。建設関連製品サービス事業は、兵庫機工が手掛ける各種建物を対象とする金属製ドア・シャッター・サッシの製造・販売、及び取付工事が対象となるが、売上高は2,072百万円(同5.1%増)、セグメント利益は111百万円(同180.1%増)と大幅な増益となった。この要因は高利益率のスポット案件によるものである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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