みんかぶニュース 市況・概況
じもとHD急騰、SBI「第4のメガバンク構想」再始動とステーブルコインへの思惑も◇
配信日時:2025/08/20 10:11
配信元:MINKABU
じもとホールディングス<7161.T>が急騰、一時13%を超える上昇で459円まで駆け上がった。時価は昨年4月末以来、約1年4カ月ぶりの高値圏に突入した。山形県地盤のきらやか銀行と宮城県の仙台銀行の経営統合で発足した持ち株会社で公的資金の注入行でもあるが、注目ポイントといえるのは、SBIホールディングス<8473.T>の子会社であるSBI地銀ホールディングスが筆頭株主となっており同社発行株式の3分の1を保有していること。今回SBIが東北銀行<8349.T>に出資し、「第4のメガバンク構想」を約3年ぶりに再始動する構えをみせていることから、SBIが大株主に入っている地銀株への注目度が増している。同社はその流れに乗る銘柄として存在感がクローズアップされている形だ。特にSBIが米ドル連動型のステーブルコインの取り扱いを3月から開始するなど、同分野に積極的な動きをみせていることから、ステーブルコインを巡る地銀株の動向なども株価の思惑材料として作用している。ステーブルコインは米国でもシティグループ<C>やJPモルガン<JPM>など大手銀行が相次いで参入を表明しており、日本でも金融庁が今秋にも円建てステーブルコインの発行を認める方向にあるなど、それに追随する動きが意識されている。
(注)タイトル末尾の「◇」は本文中に複数の銘柄を含む記事を表しています。
出所:MINKABU PRESS
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「ペロブスカイト太陽電池」が15位にランク、国や地方自治体が政策推進<注目テーマ>
★人気テーマ・ベスト10
1 データセンター
2 人工知能
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4 防衛
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6 農業関連
7 JPX日経400
8 地方銀行
9 国土強靱化
10 仮想通貨
みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「ペロブスカイト太陽電池」が15位となっている。
東京都は2035年までに都内の太陽光発電設備を350万キロワット設置するという目標を掲げている。これに関連して都はペロブスカイト太陽電池の普及拡大を図るために親しみやすい名前を決める「次世代型太陽電池ネーミング総選挙」を実施。最多得票となった「Airソーラー」を愛称とすると8日に発表した。
ペロブスカイト太陽電池は軽量・柔軟という特徴があるため、低耐荷重の屋根や壁面といった従来は設置が困難だった場所に導入できる。東京都をはじめとした自治体や国の政策推進を背景に今後の需要拡大が見込まれるなか、住友重機械工業<6302.T>は18日、ペロブスカイト太陽電池に必要な電子輸送層を、安価な材料を用いて環境負荷の少ないプロセスで形成する新規技術を開発したと発表。三菱HCキャピタル<8593.T>や北海道電力<9509.T>などは今月から約マイナス25度の低温環境下における共同実証実験を開始。積雪寒冷地にも適した施工・管理方法を開発し、社会実装の牽引役を目指すという。成長分野で事業を拡大しようとする企業が相次いでいる。
20日の東京株式市場において主要な関連銘柄の動きをみると、ペロブスカイト太陽電池の量産化に動いている積水化学工業<4204.T>は日経平均株価が一時700円を超す下げとなるなかでも頑強な動きをみせ、上場来高値を更新した。半面、主原料であるヨウ素を生産する伊勢化学工業<4107.T>やK&Oエナジーグループ<1663.T>はともに直近で高値を形成していたが、この日は利益確定売りに押されて軟調に推移している。
出所:MINKABU PRESS
2025/08/20 12:21
みんかぶニュース 市況・概況
東京株式(前引け)=続急落、主力株に利益確定売り加速
20日前引けの日経平均株価は前営業日比663円12銭安の4万2883円17銭と続急落。前場のプライム市場の売買高概算は10億1497万株、売買代金概算は2兆5603億円。値上がり銘柄数は668、対して値下がり銘柄数は864、変わらずは87銘柄だった。
きょう前場の東京株式市場は日経平均が大きく下値を探る展開を余儀なくされた。前日の米国株市場でハイテク株を中心に売り圧力が強まったことで、東京市場でも半導体関連などをはじめ主力どころに利益確定の動きを誘発した。日経平均の下げ幅は一時700円を上回る場面があった。先物を絡めたインデックス売りがかさむなか、一部の日経平均寄与度の高い値がさ株が売り込まれ、指数押し下げ効果をもたらしている。ただ、中小型株など個別株の物色意欲は旺盛で、値上がり銘柄数も全体の4割以上を占めている。
個別では売買代金で断トツとなっているソフトバンクグループ<9984.T>が大幅安、ディスコ<6146.T>、アドバンテスト<6857.T>などが売られ、フジクラ<5803.T>も大きく値を下げた。三菱重工業<7011.T>、IHI<7013.T>なども安い。ソシオネクスト<6526.T>、東洋エンジニアリング<6330.T>が急落、日東紡績<3110.T>の下げも目立つ。半面、トヨタ自動車<7203.T>が底堅く、オリエンタルランド<4661.T>も買いが優勢。楽天銀行<5838.T>も買い戻しが入った。アステリア<3853.T>が値上がり率トップに買われ、ピジョン<7956.T>、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>なども大幅高。
出所:MINKABU PRESS
2025/08/20 11:47
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7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (4) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
●企業業績
○S&P500指数構成銘柄の2025年第2四半期の営業利益と売上高:
⇒284銘柄が決算発表を終え、そのうち223銘柄(78.5%)で営業利益が予想を上回りました。
⇒2025年第2四半期の営業利益は前期比で10.2%増、前年同期比では8.6%増が見込まれており、四半期での過去最高の更新が予想されています。
⇒283銘柄中223銘柄(78.8%)で売上高が予想を上回りました。2025年第2四半期の売上高は前期比で3.2%増、前年同期比では3.1%増が見込まれています。
⇒2025年第2四半期の営業利益率は、2025年第1四半期の11.77%を上回る12.58%となる見通しです(2024年第2四半期は11.94%)。1993年以降の平均は8.54%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%となっています。
⇒2025年第2四半期中に株式数の減少によってEPSが大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は現時点で18.0%となっています。この割合は、2025年第1四半期は13.8%、2024年第2四半期は12.7%でした
○2025年通年の利益は前年比10.2%増が見込まれており、これに基づく2025年の予想株価収益率(PER)は24.7倍となっています。
○2026年通年の利益は前年比16.4%増が見込まれており、予想PERは21.3倍となっています。
●配当金
○2025年7月の配当支払額は前年同月比2.2%増となりました。6月は同12.8%増、5月は同0.02%増、4月は同9.5%増、3月は24.8%増、2月は同8.2%減、1月は同12.5%増でした。年初来では前年同期比で6.4%増となっています。2024年通年の配当支払額は前年比6.44%増でした(2023年は同5.05%増、2022年は同10.81%増)。
⇒7月の配当支払い金は1株当たり4.78ドルと、前年同月の4.68ドルを上回りました。
⇒2025年初来の配当支払い金は前年同期の1株当たり41.02ドルを上回る43.64ドルとなりました。
⇒2025年7月までの12ヵ月間の配当支払い金は1株当たり77.45ドルと、2024年7月までの12ヵ月間の72.36ドルを上回りました。
→2024年通年の配当支払い金も、前年の1株当たり70.30ドルから74.83ドルに増加し、過去最高を更新しています。
⇒2025年7月は、増配が33件、配当開始が1件、減配が1件で、配当停止が0件でした。2024年7月は、増配が32件、配当開始が1件で、減配が0件、配当停止が0件でした。年初来では、増配が231件、配当開始が4件、減配が5件、配当停止が1件となっています。
→2024年は、増配が342件、配当開始が8件、減配が15件、配当停止が2件でした。
→2023年は、増配が348件、配当開始が11件、減配が26件、配当停止が4件でした。
→2022年は、増配が377件、配当開始が7件、減配が5件、配当停止が0件でした。
○7月の増配率の中央値は6月の5.34%から6.38%に上昇し(5月は4.98%、4月は4.96%、3月は4.71%、2月は6.67%、1月は5.73%)、年初来では5.97%となっています。2024年通年では6.25%でした。7月の平均増配率は6月の8.17%から7.82%に低下し(5月は7.27%、4月は7.62%、3月は7.98%、2月は8.75%、1月は7.97%)、年初来では8.21%となっています。2024年通年の平均値は8.31%(いずれも2倍以上になった銘柄は除く)でした。2023年の年間の増配率の中央値は7.01%(2022年と2021年はともに8.33%)、平均値は8.68%(同11.80%、同11.76%)でした。
○2024年通年の配当支払い額は前年比6.44%増加しました。これにより、S&P500指数の株主への実際の年間の現金配当は15年連続で増加し、13年連続で過去最高を更新しました。
○2025年に関して:
⇒配当の伸びは持続し、従来期待されていた水準は大幅に下回っているものの、経済の不確実性を踏まえれば予想並みとなっています。現時点で、不確実性は配当の伸びに歯止めをかけていない模様ですが、伸び率を抑制しているようです。企業の将来に対するコミットメントの度合いは消極的になっているようです。
⇒世界の政府の政策を巡る現在の不確実性の度合いに加えて雇用とインフレを巡る個人の懸念を踏まえると、企業は引き続き進展する様々な変化を評価し、これが生産、設備投資、雇用、あるいは配当であれ、将来に対するコミットメントの縮小につながる可能性があります。
⇒政府の行動と交渉におけるスピードを踏まえると、企業が様子見のアプローチを継続することで、配当の伸びは抑制される可能性があります。ただし、今年の夏までに政府間・国際間のハイレベルでの解決策が見出されるとの基本シナリオを想定すると(ただし、なお多くの具体的内容には欠ける見込み)、2025年下半期の配当の伸びは過去平均を上回るかもしれません。配当の伸びを後押しする材料として、FRBによる銀行のストレステストが成功裏に終わったことで(2025年6月27日に結果が発表され、22行全行が合格)、大手銀行は増配を発表しています。2025年通期のS&P500指数の配当支払額は6%の伸びが予想されます。これは2025年に入る前の時点の8%の予想値から低下していますが、年間の配当支払額は過去最高を更新する見通しです。対して、2024年は前年比6.4%増、2023年は同5.1%増、2022年は同10.8増%でした。
●インデックス・レビュー
◇S&P 500指数
2025年7月にS&P500指数は2.17%上昇し(6月は4.96%上昇、5月は6.15%上昇)、11セクターのうち6セクターが上昇となり(6月は9セクター)、279銘柄が値上がりし、222銘柄が値下がりしました(同340銘柄と163銘柄)。パフォーマンスが最高となったのは前月に続いて情報技術で(3ヵ月連続でパフォーマンストップ)、5月の10.79%上昇、6月の9.73%上昇に続き、7月は5.16%上昇し(3ヵ月累計では27.85%上昇)、年初来では13.26%上昇となりました。パフォーマンスが最低だったのはヘルスケアで3.44%下落し、年初来では5.38%下落しています。
年初来で見ると、S&P500指数は7.78%(配当込みのトータルリターンはプラス8.59%)の上昇で11セクター中9セクターがプラス圏となり、値上がり銘柄数が293銘柄、値下がり銘柄数は210銘柄となりました。セクター別では、年初来パフォーマンスが最高となったのは資本財サービスで15.26%上昇し、ヘルスケアが5.38%下落して最低となっています。
S&P500指数の7月のトータルリターンの2.24%はマグニフィセント・セブンを除くと、プラス0.09%になります。また、2025年4月8日の直近安値からのプラス27.72%の大幅なトータルリターンは、これら7銘柄を除くとプラス14.49%となります。ただし、7銘柄の年初来のパフォーマンスは平均するとS&P500指数を下回っています。インデックスの年初来のプラス8.59%のトータルリターンは7銘柄を除いた場合、5.71%となります。
7月に、ボラテイリティが低下する中で、S&P500指数は2.17%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス2.24%)。6月は4.96%の力強い上昇(同プラス5.09%)5月は6.15%上昇(同プラス6.29%)、4月は0.76%下落(同マイナス0.68%)、3月は全面安の展開で5.75%下落(同マイナス5.63%)、2月は1.42%下落(同マイナス1.30%)、1月は2.70%の上昇でした(同プラス2.78%)。S&P500指数は過去3ヵ月間に13.83%上昇しました(同プラス14.21%)。
年初来では7.78%上昇(同プラス8.59%)、7月までの過去12ヵ月間では14.80%上昇しています(同プラス16.33%)。2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。より長期で見ると、S&P500指数は過去3年、5年、10年の期間でそれぞれ53.49%、93.80%、201.33%上昇しており、配当込みの年率トータルリターンはそれぞれプラス17.10%、プラス15.88%、プラス13.66%となっています(3つの数値とも本レポートで報告されているインデックスの中で最高)。
7月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は0.63%と、6月の0.83%から低下しました(5月は1.09%、4月は3.21%、3月は1.71%、2月は1.09%、1月は0.91%)。年初来では1.45%となっています。2024年通年は0.91%で、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.41%)。7月の出来高は、6月に前月比6%増加した後に、同3%減少し(営業日数調整後)、前年同月比では41%の増加となりました。7月までの過去12ヵ月間では前年同期比19%増加しました。2024年通年では前年比2%減、2023年は同1%減、2022年は同6%増でした。
7月は1%以上変動した日数は22営業日中0日(6月は20営業日中3日で、上昇が2日、下落が1日)で、2%以上の変動した日はありませんでした。年初来では、1%以上変動した日数が144営業日中39日で(上昇が18日、下落が21日)、12日で2%以上変動しました(上昇が6日、下落が6日)。2024年通年では、1%以上変動した日数は50日(上昇が31日、下落が19日)で、2%以上変動した日数は7日(上昇が3日、下落が4日)でした。7月は22営業日中2日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。対して6月は20営業日中5日で日中の変動率は1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では、1%以上の変動が79日、2%以上の変動が22日、3%以上の変動が7日となっています。2024年通年では1%以上の変動が83日、2%以上の変動が11日、2023年は1%以上の変動が113日、2%以上の変動が13日でした。
7月は値上がり銘柄数が減少しましたが、なお値下がり銘柄数を上回りました。7月の値上がり銘柄数は279銘柄でした(平均上昇率は6.78%)。6月は340銘柄が値上がりしました(同6.53%)。7月に10%以上上昇した銘柄数は55銘柄(同17.12%)で、6月の71銘柄(同15.83%)から減少し、4柄が25%以上上昇(同30.05%上昇)しました(6月は5銘柄で、同32.53%上昇)。
一方、値下がり銘柄数を見ると、7月は222銘柄が値下がりしました(平均下落率は6.63%)。6月は163銘柄が値下がりしました(同3.81%)。7月に10%以上下落した銘柄数は36銘柄(同18.33%)で、6月の11銘柄(同14.99%)から増加し、6銘柄(6月は1銘柄)が25%以上下落しました。
年初来では、値上がり銘柄数は293銘柄で(平均上昇率は17.70%)、179銘柄が10%以上上昇し(同25.84%)、66銘柄が25%以上上昇しました(同41.58%)。一方、値下がり銘柄数は210銘柄で(平均下落率は13.89%)、119銘柄が10%以上下落し(同20.70%)、26銘柄が25%以上下落しました(同35.49%)。2024年通年では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数が332銘柄(平均上昇率は28.17%)、値下がり銘柄数が169銘柄(平均下落率は16.07%)でした。
[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト
※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。
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株探ニュース
2025/08/20 11:41
みんかぶニュース 市況・概況
7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (3) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
●米国経済
○6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.9となりました。事前予想は(前月と同じ)52.0でした。
○6月のISM製造業景気指数は事前予想の48.8に対して49.0となり、5月の48.5から上昇しました。
○6月のサービス業PMIは事前予想の53.1に対して52.9となり、5月の53.7から低下しました。
○6月のISM非製造業景気指数は事前予想の50.5に対して50.8となり、5月の49.9から上昇しました。
○7月のPMI速報値は、製造業が6月の52.9を下回る49.5、サービス業は6月の52.9を上回る55.2となりました。
○2025年第2四半期のGDP成長率(速報値)は、事前予想の前期比年率2.5%増に対し、同3.0%増となりました。第1四半期は同0.5%減でした。個人消費支出は事前予想の同1.4%増に対して同2.1%増となり、第1四半期の同0.5%増を上回りました。
○6月の消費者物価指数(CPI)は事前予想通りの前月比0.3%上昇となりました(5月は同0.1%上昇)。前年同月比では2.7%上昇となり、5月の同2.4%上昇を上回りました。食品とエネルギーを除いたコアCPIは、事前予想の前月比0.3%上昇に対して同0.2%上昇(5月は同0.1%上昇)、前年同月比では2.9%上昇となりました(事前予想は5月から横ばいの同2.8%上昇)。
○6月の生産者物価指数(PPI)は事前予想の前月比0.2%上昇に対して同横ばいとなりました。5月は当初発表の同0.1%上昇から同0.3%上昇へ上方修正されました。前年同月比では2.3%上昇となり、5月の同2.6%上昇を下回りました(事前予想は同2.5%上昇)。食品とエネルギーを除いたコアPPIは、事前予想の前月比0.2%上昇に対して同横ばい、前年同月比では5月の3.0%上昇を下回る同2.6%上昇となりました。
○6月の個人所得は事前予想の前月比0.2%増に対して同0.3%増となりました。5月は同0.4%減でした。個人消費支出は前月比0.3%増となりました(5月は同横ばい)。
○6月のPCE価格指数は前月比0.3%上昇(5月は0.1%上昇)、前年同月比では2.3%上昇(同2.4%上昇)となりました。コアPCE価格指数は前月比0.3%上昇(同0.2%上昇)、前年同月比では2.4%上昇(同2.8%上昇)となりました。
○5月の建設支出は事前予想の前月比0.1%増に対して同0.3%減となりました。4月は当初発表の同0.4%減から同0.2%減に上方修正されました。5月は前年同月比では3.5%減となり、4月の同2.8%減を下回りました。
○6月の鉱工業生産指数は事前予想の前月比0.1%上昇に対して同0.3%上昇となりました。5月は当初発表の同0.2%低下から同横ばいに上方修正されました。6月の設備稼働率は77.6%となり、5月の77.5%を上回りました。
○6月の自動車販売台数は年率換算で1530万台となり、事前予想の同1550万台、5月の同1560万台を下回りました。そのうち、北米産の自動車販売台数は1200万台でした(5月は1210万台)。
○6月の小売売上高の速報値は事前予想が前月比0.1%増だったのに対して同0.6%増となりました。5月は同0.9%減でした。自動車を除く小売売上高は同0.5%増となりました(5月は同0.3%減)。
○6月の小売在庫の速報値は前月比0.3%増となりました。5月も同0.3%増でした。
○5月の卸売在庫は市場予想通り前月比0.3%減となりました。4月は当初発表の同0.2%増から同0.1%増に下方修正されました。
⇒6月の卸売在庫の速報値は前月比0.2%増でした。
○5月の企業在庫は4月と同様に前月比横ばいでした。
○5月の製造業受注は事前予想が前月比8.1%増だったのに対して同8.2%増となりました。4月は当初発表の同3.7%減から同3.9%減に下方修正されました。
○6月の耐久財受注は事前予想が前月比11.0%減だったのに対して同9.3%減となりました(5月は同16.4%増)。輸送機器を除く耐久財受注は同0.2%増でした(5月は同1.7%増)。
○5月の貿易収支の赤字額は715億ドルとなり、4月の603億ドルから増加しました。
○6月の財の貿易収支の速報値は赤字額が860億ドルとなり、5月の964億ドルから減少しました。輸入は前月比4.2%減(5月は同0.1%減)、輸出は同0.6%減(5月は同5.7%減)でした。
○6月の輸入物価指数は事前予想が前月比0.2%上昇だったのに対して同0.1%上昇となりました(5月は同横ばい)。前年同月比では0.2%低下となりました(5月は同0.2%上昇)。6月の輸出物価指数は事前予想が前月比0.1%低下だったのに対して同0.5%上昇となりました(5月は同0.9%低下)。前年同月比では2.8%上昇でした(5月は同1.7%上昇)。
○7月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は、6月確報値の60.7から上昇して61.8となりました。1年先のインフレ期待は6月の5.0%から4.4%に低下しました。
○民間調査機関コンファレンスボードが発表した7月の消費者信頼感指数は事前予想の95.8を上回る97.2となりました。6月は当初発表の93.0から95.2に上方修正されました。
○6月の景気先行指数は市場予想が前月比0.2%低下だったのに対し、同0.3%低下となりました。5月は当初発表の同0.1%低下から同横ばいに上方修正されました。
●雇用関係
○6月のADP全米雇用統計では、民間部門雇用者数が市場予想の10万3000人増に対して、3万3000人減となりました。5月は市場予想の11万人増に対して3万7000人増でした。雇用者数は専門サービス(5万6000人減)と中小企業(4万7000人減)で減少し、大企業では増加しました(3万人増)。
⇒転職しなかった労働者の賃金上昇率の中央値は前年同月比4.4%(5月と4月は同4.5%、3月は同4.6%、2月と1月は同4.7%)、転職者の賃金上昇率の中央値は同6.8%でした(5月は同7.0%、4月は同6.9%、3月は同6.5%、2月は同6.7%、1月は同6.8%)。
○7月のADP全米雇用統計では、民間部門雇用者数が10万4000人増となり、市場予想の7万5000人増を上回りました。6月は当初発表の3万3000人減から2万3000人減に上方修正されました。
⇒転職しなかった労働者の賃金上昇率の中央値は前年同月比4.4%で前月から変わらず、転職者の賃金上昇率の中央値は同6.8%から同7.0%に上昇しました。
○6月の雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想の11万人増を上回る14万7000人増となりました。5月の非農業部門雇用者数は当初発表の13万7000人増から14万4000人増に上方修正されました。
⇒6月の失業率は市場予想が5月の4.2%から4.3%への上昇を見込んでいたのに対し、4.1%に低下しました(4月と3月は4.2%、2月は4.1%、1月は4.0%、12月は4.1%、11月は4.2%、10月と9月は4.1%、8月は4.2%、7月は4.3%、6月は4.1%、5月は4.0%、4月は3.9%、3月は3.8%、2月は3.9%、2024年1月と2023年12月、11月は3.7%でした。2020年2月は3.5%でしたが、同年5月には13.3%となりました)。
⇒労働参加率は市場予想が5月の62.4%から62.5%への上昇を見込んでいたのに対し、6月は62.3%に低下しました(4月は62.6%、3月は62.5%、2月は62.4%、1月は62.6%、12月と11月は62.5%、10月は62.6%、9月、8月、7月は62.7%)。
⇒6月の週平均労働時間は5月の34.3時間から減少して34.2時間となりました(4月と3月は34.3時間、2月は34.1時間、1月と12月は34.2時間、11月は34.3時間、10月と9月は34.2時間、8月は34.4時間、7月は34.2時間、6月、5月、4月は34.3時間)。
⇒6月の平均時給は事前予想が前月比0.3%増だったのに対して同0.2%増(前月の36.22ドルから36.30ドルに増加)となりました。5月は同0.4%増でした(4月は同0.2%増、3月は同0.3%増、2月は同0.3%増、1月は同0.4%増、2024年12月と11月は同0.3%増、10月は同0.4%増、9月は同0.3%増、8月は同0.4%増)。6月は前年同月比では3.7%増、5月は当初発表の3.9%増から3.8%増に下方修正されました(4月は3.9%増、3月は3.8%増、2月は4.0%増、1月と12月は同3.9%増、11月と10月は同4.0%増、9月と8月は同3.9%増)。
○5月のJOLTS(求人労働異動調査)によると、求人件数は市場予想の730万件を上回る776万9000件となり、4月の739万5000件から増加しました。
○6月のJOLTSによると、求人件数は743万7000件となり、5月改定値の771万2000件(当初発表は776万9000件)から減少しました。
○2025年第2四半期の雇用コスト指数は前期比0.9%上昇となりました(2025年第1四半期は同0.9%上昇)。前年同期比では3.6%上昇でした(第1四半期は同3.6%上昇)。
○失業保険継続受給件数(季節調整済み)は、前月の197万4000件から194万6000件に減少しました。
⇒週間新規失業保険申請件数(当初報告通り):
→2025年7月3日発表の週間新規失業保険申請件数:23万3000件
→2025年7月10日発表の週間新規失業保険申請件数:22万7000件
→2025年7月17日発表の週間新規失業保険申請件数:22万1000件
→2025年7月24日発表の週間新規失業保険申請件数:21万7000件
→2025年7月31日発表の週間新規失業保険申請件数:21万8000件
※「7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (4)」へ続く
株探ニュース
2025/08/20 11:41
みんかぶニュース 市況・概況
7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
●主なポイント
○7月の株式市場は上昇基調が続き、終値での最高値を10回更新しました。市場は目先の不確実性は看過し、関税問題の解決に注目し、万事うまくいくとの見方が広まりましたが、(今のところ)当初の経済指標にも関税による経済への深刻な悪影響は見られていません。さらに、雇用と企業利益の面でも経済は力強さを維持しており、どちらのトレンドも今後も続くと思われます。S&P500指数は7月に2.17%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス2.24%)。6月は4.96%上昇(同プラス5.09%)、5月はそれまでの下落から反発に転じて6.15%上昇(同プラス6.29%)、4月は0.76%下落(同マイナス0.68%)でした。過去3ヵ月では13.83%と力強い上昇となり(同プラス14.21%)、年初来では7.78%上昇(同プラス8.59%)、過去1年では14.80%上昇(同プラス16.33%)となりました。2024年は23.31%上昇(同プラス25.02%)でした。
⇒7月のS&P500指数のトータルリターンはプラス2.24%でしたが、マグニフィセント・セブンを除くとプラス0.09%でした。4月8日に付けた直近安値からのトータルリターンはプラス27.72%と大幅なものになりましたが、マグニフィセント・セブンを除くとプラス14.49%でした。とはいえ、年初来で見るとマグニフィセント・セブンはS&P500指数をアンダーパフォームしており、指数全体の年初来トータルリターンがプラス8.59%となったのに対し、マグニフィセント・セブンを除くとプラス5.71%でした。
○7月の主なデータ
⇒7月のS&P500指数は上昇基調が続き、22営業日のうち10営業日で終値での最高値を更新しました。月曜から金曜まで毎日最高値を更新するパーフェクトな週も達成しました(取引時間中の最高値は6427.02、終値での最高値は6389.77)。S&P500指数は7月に2.17%上昇し、6月の4.96%上昇、全面高となった5月の6.15%上昇を合わせると、3ヵ月累計で13.83%上昇しました。7月は22営業日のうち13営業日で上昇しました。6月は20営業日のうち13営業日で上昇しました。
また、7月は値上がり銘柄数が減少したものの、引き続き値下がり銘柄数を上回り、279銘柄が値上がり、222銘柄が値下がりしました。6月は340銘柄が値上がり、163銘柄が値下がり、5月は347銘柄が値上がり、155銘柄が値下がり、4月は168銘柄が値上がり、331銘柄が値下がり、となりました(3月は154銘柄が値上がり、349銘柄が値下がり、2月は248銘柄が値上がり、255銘柄が値下がり、1月は355銘柄が値上がり、148銘柄が値下がり)。年初来では293銘柄が値上がり、210銘柄が値下がりとなっています。7月の出来高は前月比3%減、前年同月比では41%増となりました。
→7月は11セクターのうち6セクターが上昇しました。6月は9セクター、5月は10セクター、4月は5セクター、3月は2セクター、2月は6セクター、1月は10セクターが上昇しました。7月のパフォーマンスが最高となったのは情報技術で5.16%上昇しました(年初来では13.26%上昇、2023年末比では53.68%上昇)。パフォーマンスが最低だったのはヘルスケアで3.44%下落しました(同5.38%下落、同4.52%下落)。
⇒S&P500指数は7月に2.17%上昇して、6339.39で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス2.24%)。6月は4.96%上昇して6204.95(同プラス5.09%)、5月は6.15%上昇して5911.69(同プラス6.29%)でした。過去3ヵ月では13.83%上昇(同プラス14.21%)、年初来では7.78%上昇(同プラス8.59%)、過去1年では14.80%上昇(同プラス16.33%)となりました。2024年は23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。
→コロナ危機前の2020年2月19日に付けた高値(3386.15)からは87.22%上昇(同プラス103.59%)となっています。
○米国10年国債利回りは6月末の4.24%から4.36%に上昇して月を終えました(2024年末は4.58%、2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは6月末の4.78%から4.89%に上昇して取引を終えました(同4.78%、同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは6月末の1ポンド=1.3733ドルから1.3218ドルに下落し(2024年末は1.2520ドル、2023年末は1.2742ドル、2022年末は1.2099ドル)、ユーロは6月末の1ユーロ=1.1785ドルから1.1433ドルに下落しました(同1.0360ドル、同1.0838ドル、同1.0703ドル)。円(対米ドル)は6月末の1ドル=143.98円から150.72円に下落し(同157.32円、同141.02円、同132.21円)、人民元は6月末の1ドル=7.1641元から7.1944元に下落しました(同7.2770元、同7.1132元、同6.9683元)。
○7月末の原油価格は6.4%上昇し、6月末の1バレル=64.99ドルから同69.18ドルとなりました(2024年末は同71.75ドル、2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は7月に1.2%下落し、1ガロン=3.247ドルとなりました(6月末は3.338ドル、2024年末は同3.128ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル)。2020年末から原油価格は42.9%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は39.4%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。
⇒2025年6月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、52%が原油(ディーゼルは45%)、16%(同20%)が販売・マーケティング費、16%(同19%)が精製コスト、16%(同17%)が税金となっています。
○金価格は6月末の1トロイオンス=3318.40ドルから上昇し、3349.30ドルで7月の取引を終えました(2024年末は2638.40ドル、2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル)。
○VIX恐怖指数は6月末の16.73から16.72に下落して7月を終えました。月中の最高は19.48、最低は14.70でした(2024年末は17.35、2023年末は21.67、2022年末は17.22)。
⇒同指数の2024年の最高は75.73、最低は10.62でした。
⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。
⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
○目標株価も上昇しました。S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は前月から4.1%上昇して6942となり、現在値から9.5%上昇が見込まれています。6月末時点では7.5%上昇の6668、5月末時点では6575でした。ダウ平均の目標株価は前月から4.6%上昇し、現在値から10.0%上昇の4万8565ドルとなっています(6月末時点では5.4%上昇の4万6452ドル、5月末時点では4万6128ドル)。
●トランプ大統領と政治
○上院は7月1日、下院で可決された「1つの大きくて美しい法案(OBBB)」の修正案を可決しました。バンス副大統領が上院でタイブレーク票(賛成と反対が同数の場合の決裁票)を投じました。法案は再び下院に送られ、審議された上で可決されました(賛成218、反対214)。その後、トランプ大統領に送られ、トランプ大統領は署名の意向を表明し、7月4日に式典の中で法案に署名し、同法は成立しました。
⇒OBBBでは、2017年に第1次トランプ政権下で施行された減税措置(3.9兆ドル)が延長される他、新たな減税措置(約1.1兆ドル)が追加され、政府債務上限は現行の36.1兆ドルから5兆ドル引き上げられます。メディケイドに関しては支給額が削減され、受給資格に就労要件が追加されます。SALT(州・地方税)控除の上限は、5年間にわたり現行の1万ドルから4万ドルに引き上げられます。さらに、防衛および移民対策予算が確保され、残業代、チップ、社会保障給付が一部非課税となります。
○世界一の富豪であるイーロン・マスク氏は、新党「アメリカ党(America First)」の結成を表明しました。
○議会のその他の動きは以下の通りです。
⇒議会は暗号資産ステーブルコインの発行者に対する規制枠組みを定めたGENIUS法案(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins)を可決しました。同枠組みでは、ステーブルコイン発行者は資本準備金の登録基準を満たすことが求められます。
→これによりステーブルコインの発行に対して流動性の高い短期資産の裏付けが求められるため、財務省短期証券(Tビル)の需要が高まる可能性があります。
⇒下院は2つの暗号資産法案を可決し、現在は上院で審議されています。
→1つは、デジタル資産市場明確化法案(Digital Asset Market Clarity Act)で、暗号通貨を証券(米証券取引委員会[SEC]が規制監督)またはコモディティ(米商品先物取引委員会[CFTC]が規制監督)として分類する際の基準を明確化するものです。
→もう1つは、反CBDC監視国家法案(Anti-CBDC Surveillance State Act)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行することを禁止するものです
○米議会予算局(CBO)によるOBBB法の最終見積によると、2026会計年度に2770億ドルの支出増となる一方、関税によって2100億ドルの歳入が見込まれることから、同法による財政赤字は2026年度に670億ドル、今後10年間で3660億ドルになると推定されています。
○今後の主なイベント
⇒8月12日:中国を対象とした10%を超える相互関税の適用停止期間(90日間)の期限日
⇒9月16-17日:FOMC会合
⇒9月17日:TikTok禁止法の3回目の施行延期期間の期限日
⇒9月30日:米国の財政支出の執行権限の期限日
※「7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (3)」へ続く
株探ニュース
2025/08/20 11:40
みんかぶニュース 市況・概況
7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (1) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。
●THE S&P 500 MARKET:2025年7月
個人的見解:米国株式市場は大胆に未踏の領域に突き進む(力強い経済ファンダメンタルズを根拠とした楽観論とモメンタムに支えられて)
相互関税導入の発表を受けて4月8日に4982.77(年初来で15.28%下落)まで下落したS&P500指数は、その翌日からは挑むように上昇基調を辿り、4月8日以降に過去最高値を12回更新しました(7月中に10回更新、この中には5営業日連続で最高値を更新した完璧な1週間も含まれます。また、2024年11月5日の大統領選挙以降では25回最高値を更新しました)。この結果、投資家のポートフォリオは11兆5140億ドル増加しました(7月は1兆2370億ドルの増加、年初来では3兆9320億ドルの増加)。
非常に多くの市場関係者がリセッションという終末シナリオ(当時のリセッション入り確率は70%)や、業績の低下と雇用悪化を口にしていた(こうしたシナリオをかつて予想していたと認める者は、今ではほとんどいません)ことを考えると、これは驚異的な相場の転換と言えます。先行きに否定的な見方をする者が全くいないとは言いませんが(そして私がその一人ではないとも言ってはいません)、企業側が関税コストの大部分を吸収してきたとみられる中でも、第2四半期の営業利益は事前予想を上回る内容となっています(67%の企業が決算発表を終えており、利益は前年同期比8.6%増で過去最高となる見通し)。すでに株を保有している人や、これから購入しようとしている人にとって、さらに大きな安心材料といえるのが、下半期の企業業績も底堅さを維持しており(とはいえ、2024年末時点での予想は下回る)、過去最高益となる可能性があることです。2026年の営業利益を前年同期比16.6%増と見込んでいる市場予想は、4月8日から7月末までに株価が27.23%上昇するだろうと主張するのと同じくらい正気の沙汰とは思えないように思われます。
しかし、(景気刺激策ともいえる)1つの大きくて美しい法案(OBBB法案)が、2026年中に事業や個人にもたらすインセンティブの影響を考慮すると、高くて非現実的に見える2026年の増益予想の数値は常軌を逸した見通しであるとは言えないでしょう。このような楽観的な予測の例は過去にも確認されます。関税は米国の歳入(とキャッシュフロー)にとって今や極めて重要となっています。OBBBによる歳入減を考慮すると、関税収入が得られなければ(連邦裁判所の判断次第で可能性はある)、減税による歳入不足を補うための財源確保が今後問題となる中で、予測が4月8日時点のものに逆戻りする可能性もあります(連邦債務の利払いは、すでに歳入の18%という極端な水準にまで膨れ上がっている)。
8月の株式市場に目を向けると、関税が引き続き注目材料です。8月1日の相互関税の適用停止期限は延長され、米国企業がどこまで関税コストを吸収できるかが試されています(値上げ計画の発表に関する報道が増えています)。また、連邦巡回控訴裁判所が7月31日に予定しているトランプ関税の根拠の有効性に関する審理も注視する必要があります。敗者は最高裁判所に上告するとみられます(トランプ政権には国家安全保障や通商の観点から関税措置を実施する複数の代替案があるようですが、その多くには制限があります)。8月に公表される経済指標も重要性を増しています。定量化された関税の影響が指標に反映される流れが続くとともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)が0.25%の利下げを決断すると予想されています(パウエル氏はFOMCの議長職に留まるとみられています)。
7月にS&P500指数は2.17%上昇し(6月は4.96%上昇、5月は6.15%上昇)、11セクターのうち6セクターが上昇しました(6月は9セクターが上昇)。279銘柄が値上がりし、222銘柄が値下がりしました(6月は340銘柄が値上がり、163銘柄が値下がり)。7月もパフォーマンスが最高となったのは情報技術で(3ヵ月連続でパフォーマンストップ)、5.16%上昇しました。6月は9.73%、5月は10.79%上昇し(累計27.85%上昇)、年初来では13.26%上昇となりました。
パフォーマンスが最低だったのはヘルスケアで3.44%下落し、年初来でも5.38%下落しました。年初来で見ると、S&P500指数は7.78%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス8.59%)、11セクターのうち9セクターが上昇となり、293銘柄が値上がりし、210銘柄が値下がりしました。セクター別では年初来パフォーマンスが最高となったのは資本財サービスで15.26%上昇した一方、ヘルスケアが5.38%下落して最低となっています。長期間にわたり投資を続けていけば、豊かになります。投資と共にあらんことを。
●インデックスの動き
○7月の株式市場の重要ポイントは、S&P500指数が22営業日のうち10営業日で終値最高値を更新したことです。この10営業日には、(月曜日から金曜日まで)連日最高値更新が続いたパーフェクトな1週間も含まれています。同指数は年初来で15回、また2024年11月5日の大統領選挙以降では25回、最高値を更新しました。前回5営業日連続で最高値を更新したのは2024年7月でした(1928年以降では58回、私がS&P社に勤務して以降では31回、同指数は5日連続での最高値更新を記録しています)。
○7月は企業業績と関税が金融関係の重要なニュースであり、また市場にとっての最大の関心事でした。企業利益は予想を上回って発表されており、第2四半期は過去最高になると予想されています。2025年下半期の業績予想も底堅く、過去最高を更新すると見込まれています。関税の企業利益への影響は限定的と見られ、企業は関税コストの大部分を吸収してきました(全コストを顧客に対して転嫁する代わりに)が、将来的には値上げを予定していると発表しています。関税交渉も急ピッチで進みました。主要国・地域では欧州連合(EU、15%)、日本(15%)、ベトナム(20%)、そして英国(10%)との間で合意に達したことが発表されました。一方で、中国、インド、韓国との交渉は継続しています。
⇒7月にS&P500指数は2.17%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス2.24%)。6月は4.96%上昇(同プラス5.09%)、5月は6.15%上昇(同プラス6.29%)、4月は0.76%下落(同マイナス0.68%)、3月は全面安となり5.75%下落(同マイナス5.63%)、2月は1.42%下落(同マイナス1.30%)、1月は2.70%上昇(同プラス2.78%)でした。
⇒過去3ヵ月では13.83%上昇(同プラス14.21%)となりました。
⇒年初来では7.78%上昇(同プラス8.59%)となりました。
⇒2025年7月末までの1年間では14.80%上昇(同プラス16.33%)となりました。
→2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。
⇒7月は値上がり銘柄数が減少しましたが、引き続き値下がり銘柄数を上回っており、279銘柄が値上がりし、222銘柄が値下がりしました(6月は340銘柄が値上がり、163銘柄が値下がり、5月は347銘柄が値上がり、155銘柄が値下がり、4月は168銘柄が値上がり、335銘柄が値下がり、2024年は332銘柄が値上がり、169銘柄が値下がりしました)。
⇒7月は22営業日のうち12営業日で上昇しました(6月は20営業日のうち13営業日で上昇)。6月は3営業日で1%以上変動(2営業日が上昇、1営業日が下落)しましたが、7月は1%以上変動した日はありませんでした。年初来では39営業日で1%以上変動(18営業日が上昇、21営業日が下落)しています。2024年は50営業日で1%以上変動しました(31営業日が上昇、19営業日が下落)。
⇒7月は11セクターのうち、6セクターが上昇しました(6月は11セクターのうち、9セクターが上昇)。
○S&P500指数の時価総額は1兆2370億ドル増加して(6月は2兆3350億ドル増加)、53兆7370億ドルとなり、年初来では3兆9320億ドルの増加となりました。2024年通年で時価総額は9兆7660億ドルの増加、2023年は7兆9060億ドルの増加となり、2022年は8兆2240億ドル減少しました。
○ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は、7月に0.08%上昇して(配当込みのトータルリターンはプラス0.16%)4万4130.98ドルで月を終えました。6月は4.32%上昇して(同プラス4.77%)4万4094.77ドル、5月は3.94%上昇して(同プラス4.16%)4万2270.07ドルで月を終えました。過去3ヵ月では8.51%上昇(同プラス8.99%)、年初来では3.73%上昇(同プラス4.72%)、過去1年間では8.05%上昇しました(同プラス9.95%)。2024年通年では12.88%上昇(同プラス14.99%)、2023年は13.70%上昇(同プラス16.18%)、2022年は8.78%下落(同マイナス6.86%)でした。
○7月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は、0.63%と6月の0.83%から低下しました(5月は1.09%、4月は3.21%、3月は1.71%、2月は1.09%、1月は0.91%)。年初来では1.45%でした。2024年通年は0.91%、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.41%)。
○7月の出来高は、6月に前月比6%増加した後に、同3%減少し(営業日数調整後)、前年同月比では41%増加となりました。2025年7月までの12ヵ月間では前年比19%増加しました。2024年通年では前年比2%減少しています。2023年は同1%減で、2022年は同6%増でした。
○7月は22営業日中1%以上変動した日はありませんでした。6月は1%以上変動した日数は20営業日中3日(上昇が2日、下落が1日)、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では、1%以上変動した日数が144営業日中39日(上昇が18日、下落が21日)、2%以上変動した日数は12日(上昇が6日、下落が6日)ありました。2024年通年では、1%以上変動した日数は50日(上昇が31日、下落が19日)で、2%以上変動した日数は7日(上昇が3日、下落が4日)でした。
⇒7月は22営業日中2日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。対して6月は20営業日5日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では1%以上の変動が79日、2%以上の変動が22日、3%以上の変動が7日でした。2024年通年では1%以上の変動が83日、2%以上の変動が11日でした。2023年は1%以上の変動が113日、2%以上の変動が13日でした。
過去の実績を見ると、7月は60.8%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.87%、下落した月の平均下落率は3.24%、全体の平均騰落率は1.69%の上昇となっています(過去のデータでは年間で最も好成績の月)。2025年7月のS&P500指数は2.17%の上昇でした。
8月は58.8%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.86%、下落した月の平均下落率は3.90%、全体の平均騰落率は0.66%の上昇となっています。
今後の米連邦公開市場委員会FOMCのスケジュールは、2025年は9月16日-17日、10月28日-29日、12月9日-10日、2026年は1月27日-28日、3月17日-18日、4月28日-29日、6月16日-17日、7月28日-29日、9月15日-16日、10月27日-28日、12月8日-9日となっています。
※「7月は10営業日で最高値更新、“完璧な1週間”も (2)」へ続く
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2025/08/20 11:40
みんかぶニュース 市況・概況
ETF売買代金ランキング=20日前引け
20日前引けの上場投資信託(ETF)および指数連動証券(ETN)の売買代金ランキングは以下の通り。
売買代金
銘柄名 売買代金 増加率(%) 株価
1. <1570> 日経レバ 79597 -11.1 31520
2. <1357> 日経Dインバ 21419 50.0 8593
3. <1360> 日経ベア2 10758 39.8 210.9
4. <1458> 楽天Wブル 8756 0.6 37330
5. <1579> 日経ブル2 6491 -9.3 339.2
6. <1321> 野村日経平均 5091 -12.6 44180
7. <1459> 楽天Wベア 4409 26.5 346
8. <1540> 純金信託 3271 48.7 14795
9. <1306> 野村東証指数 3086 100.7 3220.0
10. <1568> TPXブル 1959 2.4 588.1
11. <1571> 日経インバ 1769 555.2 501
12. <1615> 野村東証銀行 1422 88.8 450.1
13. <1365> iF日経Wブ 1335 -41.1 48450
14. <1320> iF日経年1 1116 -17.6 44050
15. <1330> 日興日経平均 1111 9.1 44250
16. <2644> GX半導日株 934 46.2 1854
17. <1343> 野村REIT 847 58.3 2080.0
18. <2869> iFナ百Wブ 823 317.8 52300
19. <1346> MX225 813 104.3 44250
20. <200A> 野村日半導 797 138.6 1680
21. <1326> SPDR 751 12.6 45060
22. <1366> iF日経Wベ 743 64.0 217
23. <1489> 日経高配50 702 -29.5 2508
24. <1358> 日経2倍 699 -18.9 59430
25. <316A> iFFANG 659 111.2 2069
26. <318A> VIXETF 644 -37.5 745.6
27. <1348> MXトピクス 621 343.6 3210.0
28. <1308> 日興東証指数 559 107.0 3183
29. <1475> iSTPX 551 71.1 317.0
30. <1329> iS日経 524 -61.6 4428
31. <1398> SMDリート 519 149.5 1996.0
32. <2865> GXNカバコ 516 401.0 1080
33. <1655> iS米国株 441 -9.6 679.9
34. <2036> 金先物Wブル 433 183.0 97310
35. <1369> One225 432 390.9 42900
36. <1305> iFTP年1 366 -43.6 3252.0
37. <1545> 野村ナスH無 355 6.3 34680
38. <2244> GXUテック 342 29.1 2643
39. <314A> iSゴールド 323 132.4 232.4
40. <1595> 農中Jリート 317 7.5 1977.5
41. <2516> 東証グロース 317 -7.3 619.6
42. <2870> iFナ百Wベ 311 199.0 12630
43. <2558> MX米株SP 302 123.7 27145
44. <1356> TPXベア2 293 1.7 216.9
45. <1488> iFREIT 291 -38.7 2012
46. <1547> 日興SP5百 291 234.5 10290
47. <1457> iFTPベ 290 1712.5 2472
48. <1328> 野村金連動 284 111.9 11720
49. <1542> 純銀信託 277 77.6 16230
50. <1367> iFTPWブ 271 44.9 45300
※売買代金単位:100万円、売買代金増加率:前日前引けに比べた増減率(%)
株探ニュース
2025/08/20 11:35
みんかぶニュース 市況・概況
東証グロース(前引け)=値下がり優勢、FLネットがS高
20日前引けの東証グロース市場は値上がり銘柄数154、値下がり銘柄数415と、値下がりが優勢だった。
個別ではフューチャーリンクネットワーク<9241>がストップ高。イオレ<2334>、LAホールディングス<2986>、ベガコーポレーション<3542>、リネットジャパングループ<3556>、デジタルプラス<3691>など24銘柄は年初来高値を更新。コンヴァノ<6574>、ビーマップ<4316>、ピアズ<7066>、クリアル<2998>、THECOO<4255>は値上がり率上位に買われた。
一方、オルツ<260A>が年初来安値を更新。セカンドサイトアナリティカ<5028>、アルファクス・フード・システム<3814>、TENTIAL<325A>、インフォメティス<281A>、イメージ情報開発<3803>は値下がり率上位に売られた。
株探ニュース
2025/08/20 11:33
みんかぶニュース 市況・概況
ETF売買動向=20日前引け、iF高リート、MXJリコアが新高値
20日前場の上場投資信託(ETF)および指数連動証券(ETN)の売買状況は、ETF・ETN合計の売買代金が前日比5.7%増の1771億円。うち、日経平均株価に連動するETF(ベアETF・レバレッジETFを含む)22銘柄の売買代金は同0.2%増の1456億円だった。
個別では東証REIT ETF <2555> 、上場ファンドJリート <1345> 、NEXT エネルギー資源 <1618> 、NEXT 運輸・物流 <1628> 、iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF <1478> など41銘柄が新高値。WisdomTree 天然ガス上場投資信託 <1689> 、WisdomTree 小麦上場投資信託 <1695> 、東証REITインバースETF <2094> が新安値をつけた。
そのほか目立った値動きではVIX短期先物指数ETF <318A> が3.11%高と大幅な上昇。
一方、グローバルX ウラニウムビジネス ETF <224A> は5.19%安、NEXT 韓国KOSPIダブル・ブル <2033> は4.76%安、上場インデックスファンドS&P レバ2倍 <2239> は3.02%安と大幅に下落した。
日経平均株価が663円安と急落するなか、日経平均に連動するETFでは、NEXT日経平均レバレッジ <1570> が売買代金795億9700万円となり東証全銘柄でトップ。ただ、売買代金は過去5営業日における前引け時点の平均882億200万円を下回った。
その他の日経平均ETFではNEXT 日経平均ダブルインバース・インデックス <1357> が214億1900万円、日経平均ベア2倍上場投信 <1360> が107億5800万円、楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型 <1458> が87億5600万円、日経平均ブル2倍上場投信 <1579> が64億9100万円、NEXT 日経225連動型 <1321> が50億9100万円の売買代金となった。
株探ニュース
2025/08/20 11:32
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