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ラクトJPN Research Memo(5):2025年11月期中間期は、過去最高の売上高、利益を更新(1)
配信日時:2025/08/18 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST ラクトJPN Research Memo(5):2025年11月期中間期は、過去最高の売上高、利益を更新(1)
■ラクト・ジャパン<3139>の業績動向
1. 2025年11月期中間期の業績概要
2025年11月期中間期の連結業績は中間期業績として過去最高の売上高、利益を更新した。売上高は前年同期比12.7%増の95,293百万円、営業利益は同46.8%増の3,571百万円、経常利益は同69.5%増の3,832百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同69.1%増の2,797百万円となった。期初予想に対しても、売上高は10.8%増、経常利益は66.7%増となった。乳原料・チーズ部門を除く各部門で販売数量が前年同期を上回るとともに、国際的な原料相場高により販売単価が高値で推移したため、売上高は全部門で前年同期、期初予想をともに上回った。乳原料・チーズ部門の販売数量の減少は、チーズなどで最終製品の価格が上昇したことによる消費減退など想定内の落ち込みであった。一方、アイスクリームやプロテインなどの市場拡大もあり、脂肪系乳原料や高たんぱく原料の販売が順調に推移した。豚肉及び加工食品の販売は、価格優位性のある産地の商品提供、新規取引先の拡大などにより順調に販売を伸ばした。アジア事業も、乳原料販売部門、チーズ製造販売部門ともに、需要回復に加え新規取引先開拓など営業強化が奏功し、販売を伸ばした。
損益面では、利益率の高いバターをはじめとした脂肪系乳原料や、プロテインなどの原料となる高たんぱく原料の販売増加によるプロダクトミックス改善、アジアのチーズ製造販売部門の好調により、売上総利益率は6.8%と前年同期を0.8ポイント上回り、売上総利益は前年同期比27.9%増となった。一方、事業規模拡大に伴う国内外の人員補強や賃金上昇、経営企画のコンサル費用、営業活動強化に伴う出張費などの関連費用の増加などにより、販管費は同10.5%増と277百万円増加した。これを売上総利益の増加により吸収し、営業利益は前年同期の約1.5倍に伸長した。加えて、前期に発生した一部商品の品質不良に関わる補償金650百万円を営業外収益に計上し、経常利益は前年同期の約1.7倍に伸長した。受取補償金を控除した経常利益率は3.3%と前年同期を0.6ポイント上回った。なお、期中の売上原価に対応しない為替影響額修正後の経常利益は同64.2%増の3,754百万円となった。
2. 事業部門別の動向
(1) 乳原料・チーズ部門
外食・レジャー需要がインバウンド効果もあり順調に推移し、トレンドとしては前期下期から変わっていない。なかでもアイスクリームなどの原料となる脂肪系乳原料や、プロテインブームとなっている食品業界への高たんぱく原料の販売が順調に推移した。チーズについては、国際価格の上昇の影響により小売商品を中心に国内消費が減退するなかで、欧州、オセアニア、米国など複数の産地原料の中から顧客ニーズに合った価格競争力のある提案により販売シェアを拡大した。同社は、比較的コストが安定している米国産チーズの取り扱いトップシェアを有しているだけでなく、品質面などで問題が生じた場合の迅速なクレーム対応などに定評があり、こうした同社の強みがシェア拡大につながっているようだ。その結果、乳原料・チーズ部門の販売数量は、前年同期比では4.7%減の86,799トンとなったが、もともと弱含みで想定していた期初予想は上回った。売上高は、円安に加えて乳製品の国際相場の高値推移、チーズの国際価格上昇もあり、同6.4%増の62,686百万円となった。損益面では、付加価値の高い脂肪系乳原料や高たんぱく原料の販売が好調だったため商品ミックスが改善し、利益率も改善した。
(2) 食肉食材部門
主要商品である豚肉については、新規取引先を獲得するなどフローズンを中心に販売数量が順調に推移した。また、鶏肉・鶏肉加工品を中心とした加工食品の販売数量も同様に順調だった。さらに、相場高、円安の影響から豚肉の販売単価は上昇した。その結果、販売数量、売上高ともに期初予想を上回り、販売量は前年同期比2.1%増の16,180トン、売上高は同9.7%増の11,560百万円となった。
(3) 機能性食品原料部門
新たな成長の柱として事業拡大を目指す機能性食品原料部門は、引き続き好調に推移した。特にプロテイン製品の原料となる乳由来の高たんぱく原料の販売が好調だった。国内においては、スポーツニュートリションとしてだけでなく、食品全般で「高たんぱく」が開発テーマとなっており、健康志向の女性や高齢者など一般消費者まで市場が拡大している。世界的な高たんぱく需要を背景に原料相場は高値で推移しており、顧客ニーズに合わせて価格が安い大豆たんぱくなども代替提案している。販売数量、売上高ともに期初予想を上回り、販売数量は前年同期比140.1%増の3,044トン、売上高は同134.9%増の3,779百万円となった。新規参入する食品メーカーの新ブランド立ち上げのトータルサポートを行うなど新規顧客開拓が順調に進むとともに、既存顧客との取引量も増加した。
(4) アジア事業(乳原料販売部門)
日本向けの粉乳調製品の原料販売が底堅く推移するとともに、フィリピン、タイ、マレーシアの現地企業との新規取引が増加するなどアジア地域の現地企業への販売が順調に推移した。インドネシアでは、LTI社がオセアニア産乳原料を供給するサプライヤーの販売代理店として販売数量を伸ばしている。また、現地日系企業向けに高付加価値商品の販売が増加した。販売数量、売上高ともに期初予想を上回り、販売数量は前年同期比11.7%増の20,678トン、売上高は同27.6%増の12,418百万円となった。
(5) アジア事業(チーズ製造販売部門)
引き続き日系外食企業向けやマレーシアの加工食品メーカー向け、シンガポールやタイのベーカリー向けの製品販売が好調に推移した。東南アジアでは価格訴求品の製造に特化したチーズ加工業者が増加しており、同社のプロセスチーズは品質の高さと安定した供給体制で優位性を発揮している。原料高をカバーするため価格改定を順次行っていることから価格競争面では厳しく、販売数量、売上高とも高い目標を掲げた期初計画は若干下回ったが、価格改定効果に加え、製造効率の改善により部門の利益率は改善、連結業績の増益に寄与した。販売数量は前年同期比11.4%増の2,826トン、売上高は同17.3%増の3,142百万円となり、いずれも前年同期実績は上回った。
(6) その他
海外子会社において、日本の顧客に直接乳原料を販売する案件が拡大しており、売上高は前年同期比59.6%増の1,706百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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1. 2025年11月期中間期の業績概要
2025年11月期中間期の連結業績は中間期業績として過去最高の売上高、利益を更新した。売上高は前年同期比12.7%増の95,293百万円、営業利益は同46.8%増の3,571百万円、経常利益は同69.5%増の3,832百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同69.1%増の2,797百万円となった。期初予想に対しても、売上高は10.8%増、経常利益は66.7%増となった。乳原料・チーズ部門を除く各部門で販売数量が前年同期を上回るとともに、国際的な原料相場高により販売単価が高値で推移したため、売上高は全部門で前年同期、期初予想をともに上回った。乳原料・チーズ部門の販売数量の減少は、チーズなどで最終製品の価格が上昇したことによる消費減退など想定内の落ち込みであった。一方、アイスクリームやプロテインなどの市場拡大もあり、脂肪系乳原料や高たんぱく原料の販売が順調に推移した。豚肉及び加工食品の販売は、価格優位性のある産地の商品提供、新規取引先の拡大などにより順調に販売を伸ばした。アジア事業も、乳原料販売部門、チーズ製造販売部門ともに、需要回復に加え新規取引先開拓など営業強化が奏功し、販売を伸ばした。
損益面では、利益率の高いバターをはじめとした脂肪系乳原料や、プロテインなどの原料となる高たんぱく原料の販売増加によるプロダクトミックス改善、アジアのチーズ製造販売部門の好調により、売上総利益率は6.8%と前年同期を0.8ポイント上回り、売上総利益は前年同期比27.9%増となった。一方、事業規模拡大に伴う国内外の人員補強や賃金上昇、経営企画のコンサル費用、営業活動強化に伴う出張費などの関連費用の増加などにより、販管費は同10.5%増と277百万円増加した。これを売上総利益の増加により吸収し、営業利益は前年同期の約1.5倍に伸長した。加えて、前期に発生した一部商品の品質不良に関わる補償金650百万円を営業外収益に計上し、経常利益は前年同期の約1.7倍に伸長した。受取補償金を控除した経常利益率は3.3%と前年同期を0.6ポイント上回った。なお、期中の売上原価に対応しない為替影響額修正後の経常利益は同64.2%増の3,754百万円となった。
2. 事業部門別の動向
(1) 乳原料・チーズ部門
外食・レジャー需要がインバウンド効果もあり順調に推移し、トレンドとしては前期下期から変わっていない。なかでもアイスクリームなどの原料となる脂肪系乳原料や、プロテインブームとなっている食品業界への高たんぱく原料の販売が順調に推移した。チーズについては、国際価格の上昇の影響により小売商品を中心に国内消費が減退するなかで、欧州、オセアニア、米国など複数の産地原料の中から顧客ニーズに合った価格競争力のある提案により販売シェアを拡大した。同社は、比較的コストが安定している米国産チーズの取り扱いトップシェアを有しているだけでなく、品質面などで問題が生じた場合の迅速なクレーム対応などに定評があり、こうした同社の強みがシェア拡大につながっているようだ。その結果、乳原料・チーズ部門の販売数量は、前年同期比では4.7%減の86,799トンとなったが、もともと弱含みで想定していた期初予想は上回った。売上高は、円安に加えて乳製品の国際相場の高値推移、チーズの国際価格上昇もあり、同6.4%増の62,686百万円となった。損益面では、付加価値の高い脂肪系乳原料や高たんぱく原料の販売が好調だったため商品ミックスが改善し、利益率も改善した。
(2) 食肉食材部門
主要商品である豚肉については、新規取引先を獲得するなどフローズンを中心に販売数量が順調に推移した。また、鶏肉・鶏肉加工品を中心とした加工食品の販売数量も同様に順調だった。さらに、相場高、円安の影響から豚肉の販売単価は上昇した。その結果、販売数量、売上高ともに期初予想を上回り、販売量は前年同期比2.1%増の16,180トン、売上高は同9.7%増の11,560百万円となった。
(3) 機能性食品原料部門
新たな成長の柱として事業拡大を目指す機能性食品原料部門は、引き続き好調に推移した。特にプロテイン製品の原料となる乳由来の高たんぱく原料の販売が好調だった。国内においては、スポーツニュートリションとしてだけでなく、食品全般で「高たんぱく」が開発テーマとなっており、健康志向の女性や高齢者など一般消費者まで市場が拡大している。世界的な高たんぱく需要を背景に原料相場は高値で推移しており、顧客ニーズに合わせて価格が安い大豆たんぱくなども代替提案している。販売数量、売上高ともに期初予想を上回り、販売数量は前年同期比140.1%増の3,044トン、売上高は同134.9%増の3,779百万円となった。新規参入する食品メーカーの新ブランド立ち上げのトータルサポートを行うなど新規顧客開拓が順調に進むとともに、既存顧客との取引量も増加した。
(4) アジア事業(乳原料販売部門)
日本向けの粉乳調製品の原料販売が底堅く推移するとともに、フィリピン、タイ、マレーシアの現地企業との新規取引が増加するなどアジア地域の現地企業への販売が順調に推移した。インドネシアでは、LTI社がオセアニア産乳原料を供給するサプライヤーの販売代理店として販売数量を伸ばしている。また、現地日系企業向けに高付加価値商品の販売が増加した。販売数量、売上高ともに期初予想を上回り、販売数量は前年同期比11.7%増の20,678トン、売上高は同27.6%増の12,418百万円となった。
(5) アジア事業(チーズ製造販売部門)
引き続き日系外食企業向けやマレーシアの加工食品メーカー向け、シンガポールやタイのベーカリー向けの製品販売が好調に推移した。東南アジアでは価格訴求品の製造に特化したチーズ加工業者が増加しており、同社のプロセスチーズは品質の高さと安定した供給体制で優位性を発揮している。原料高をカバーするため価格改定を順次行っていることから価格競争面では厳しく、販売数量、売上高とも高い目標を掲げた期初計画は若干下回ったが、価格改定効果に加え、製造効率の改善により部門の利益率は改善、連結業績の増益に寄与した。販売数量は前年同期比11.4%増の2,826トン、売上高は同17.3%増の3,142百万円となり、いずれも前年同期実績は上回った。
(6) その他
海外子会社において、日本の顧客に直接乳原料を販売する案件が拡大しており、売上高は前年同期比59.6%増の1,706百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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