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ネクスグループ Research Memo(9):成長性の高いデジタルコンテンツ領域に注力。各利益の黒字化見込む(1)
配信日時:2025/08/28 12:09
配信元:FISCO
*12:09JST ネクスグループ Research Memo(9):成長性の高いデジタルコンテンツ領域に注力。各利益の黒字化見込む(1)
■今後の見通し
1. 2025年11月期の業績見通し
ネクスグループ<6634>の2025年11月期の連結業績は、売上高が3,349百万円(前期比57.2%増)、営業利益が29百万円(前期は246百万円の損失)、経常利益が50百万円(同230百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が16百万円(同289百万円の損失)を見込んでいる。参考指標として、M&Aによるのれん償却額を加味したEBITDAは270百万円としている。積極的なM&Aにより事業構造改革後の売上減少は解消されており、のれん償却額を上回る利益を生み出すことで各段階利益の黒字化を見込んでいる。ネクスグループ<6634>が収益力の強化に向けた各種施策を着実に進めていることから、弊社では黒字化の可能性が高まっていると見ている。
メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍市場の成長を背景に、新しい販売ルートの開拓や主力コンテンツのWebtoon化、アニメ化・映像化作品の大型キャンペーンを通じて収益の拡大を目指す。ソリューション事業では、外食チェーン店やコスメティックショップ向けの商品販売数の拡大に加え、環境問題や人口増加に対応した新たな事業領域に取り組む。暗号資産・ブロックチェーン事業では、NCXCを利用したトークンエコノミーの形成に加え、GameFiプラットフォームの構築を通じて市場の成長を取り込む計画だ。なお、M&Aによるのれん償却額の影響は依然として残るが、対象事業については、2026年11月期以降の貢献が期待される。
これらの点を踏まえると、同社は複数の成長市場をターゲットとした積極的な施策を展開しており、事業全体として将来的な収益拡大が見込まれる。特に、デジタルコンテンツ領域における成長ポテンシャルは高く、同社の戦略が実を結べば、さらなる業績向上が期待できると弊社では見ている。
2. セグメント別見通し
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
子会社の実業之日本デジタルが属する電子書籍市場は、2023年には6,500億円規模に成長した。しかし、コロナ禍による巣ごもり需要が落ち着き、成長率は鈍化している。そのため、引き続き電子書店での販売に注力しつつ、新たな販売ルートやチャネルの開拓にも力を入れていく。主力コンテンツ「静かなるドン」については、韓国のスタジオとの共同出資でWebtoon版「親分には二つの顔がある 静かなるドン韓国リメイク版」のリリースを開始した。Webtoon市場は急速に拡大しており、2022年度の電子コミック市場規模5,199億円のうち約10%がWebtoon作品によるものである。同市場のさらなる拡大を見越して、新たなWebtoon作品の投入を進め、新規読者の獲得を目指す。加えて、アニメ化や映像化された「霧尾ファンクラブ」や「天久鷹央シリーズ」にあわせた大型キャンペーンを実施する予定だ。文芸・実用書ジャンルにおいては、Kindle Unlimitedへの投入作品を増やし、潜在読者が作品に触れる機会を提供する。
また、スケブが提供するサービス「Skeb」は、2025年5月末時点で総登録者数が361万人 を突破した。着実なユーザー基盤の拡大は、同社のサービスが依然として高い需要を維持していることを示している。2025年5月に規模を拡大して開催したイベント「超メタフェス~VRC大交流会~」の後には、「Skeb」における VR関連のリクエスト増加が確認され、サービス領域の広がりと波及効果が実証された。
(2) ソリューション事業
ソリューション事業においては、子会社のケーエスピーが外食チェーンやコスメティックショップなどとの取引拡大を進め、安定的な売上及び利益を積み上げている。ストック型ビジネスとして、商品販売数を増やすことでさらに成長が見込まれ、引き続き取引社数の拡大と、販売数の増加を図る。加えて、環境問題や世界的な人口増加による原料不足などの課題にも対応し、新たな事業領域に取り組む。また、ネクスソフトでは黒字幅は決して大きくないものの安定的に収益を創出しており、2025年11月期も黒字確保の見込みである。
(3) 暗号資産・ブロックチェーン事業
暗号資産・ブロックチェーン事業においては、引き続きNCXCを活用したトークンエコノミーの形成と価値向上に取り組んでおり、特にGameFi分野における展開が注目される。GameFi市場は、今後10年間の平均成長率で23.7%、2031年には2021年の約8.3倍にあたる74億2,000万ドル(約1兆17億円)に達するとの予測がされている。NCXC GameFiプラットフォームでは、ゲーム性の高いハイパーカジュアルゲームを中心に、簡単にPlay to Earnのゲームに転換できるシステムを提供し、ユーザー数の増加をねらう。今後はプラットフォーム上でゲームタイトルを提供するアライアンス先の開拓にも注力する。
Zaifについては、過去にCAICA DIGITAL傘下で10億円規模の損失を出していたが、クシム<2345>傘下となってから損失幅は数億円に縮小、2025年11月期はさらに数千万~数億円規模にとどまる見込みである。Zaifの事業は暗号資産相場の影響を大きく受ける特徴があり、ビットコインやイーサリアム等の相場が好転すれば、ステーキングサービスから得られる収益により単月黒字化も可能である。今後もコストカットを継続的に実施し、収益体質の改善に注力する方針だ。また、チューリンガムでは、大型案件の受注により2025年11月期中の黒字化が見込まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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1. 2025年11月期の業績見通し
ネクスグループ<6634>の2025年11月期の連結業績は、売上高が3,349百万円(前期比57.2%増)、営業利益が29百万円(前期は246百万円の損失)、経常利益が50百万円(同230百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が16百万円(同289百万円の損失)を見込んでいる。参考指標として、M&Aによるのれん償却額を加味したEBITDAは270百万円としている。積極的なM&Aにより事業構造改革後の売上減少は解消されており、のれん償却額を上回る利益を生み出すことで各段階利益の黒字化を見込んでいる。ネクスグループ<6634>が収益力の強化に向けた各種施策を着実に進めていることから、弊社では黒字化の可能性が高まっていると見ている。
メタバース・デジタルコンテンツ事業では、電子書籍市場の成長を背景に、新しい販売ルートの開拓や主力コンテンツのWebtoon化、アニメ化・映像化作品の大型キャンペーンを通じて収益の拡大を目指す。ソリューション事業では、外食チェーン店やコスメティックショップ向けの商品販売数の拡大に加え、環境問題や人口増加に対応した新たな事業領域に取り組む。暗号資産・ブロックチェーン事業では、NCXCを利用したトークンエコノミーの形成に加え、GameFiプラットフォームの構築を通じて市場の成長を取り込む計画だ。なお、M&Aによるのれん償却額の影響は依然として残るが、対象事業については、2026年11月期以降の貢献が期待される。
これらの点を踏まえると、同社は複数の成長市場をターゲットとした積極的な施策を展開しており、事業全体として将来的な収益拡大が見込まれる。特に、デジタルコンテンツ領域における成長ポテンシャルは高く、同社の戦略が実を結べば、さらなる業績向上が期待できると弊社では見ている。
2. セグメント別見通し
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
子会社の実業之日本デジタルが属する電子書籍市場は、2023年には6,500億円規模に成長した。しかし、コロナ禍による巣ごもり需要が落ち着き、成長率は鈍化している。そのため、引き続き電子書店での販売に注力しつつ、新たな販売ルートやチャネルの開拓にも力を入れていく。主力コンテンツ「静かなるドン」については、韓国のスタジオとの共同出資でWebtoon版「親分には二つの顔がある 静かなるドン韓国リメイク版」のリリースを開始した。Webtoon市場は急速に拡大しており、2022年度の電子コミック市場規模5,199億円のうち約10%がWebtoon作品によるものである。同市場のさらなる拡大を見越して、新たなWebtoon作品の投入を進め、新規読者の獲得を目指す。加えて、アニメ化や映像化された「霧尾ファンクラブ」や「天久鷹央シリーズ」にあわせた大型キャンペーンを実施する予定だ。文芸・実用書ジャンルにおいては、Kindle Unlimitedへの投入作品を増やし、潜在読者が作品に触れる機会を提供する。
また、スケブが提供するサービス「Skeb」は、2025年5月末時点で総登録者数が361万人 を突破した。着実なユーザー基盤の拡大は、同社のサービスが依然として高い需要を維持していることを示している。2025年5月に規模を拡大して開催したイベント「超メタフェス~VRC大交流会~」の後には、「Skeb」における VR関連のリクエスト増加が確認され、サービス領域の広がりと波及効果が実証された。
(2) ソリューション事業
ソリューション事業においては、子会社のケーエスピーが外食チェーンやコスメティックショップなどとの取引拡大を進め、安定的な売上及び利益を積み上げている。ストック型ビジネスとして、商品販売数を増やすことでさらに成長が見込まれ、引き続き取引社数の拡大と、販売数の増加を図る。加えて、環境問題や世界的な人口増加による原料不足などの課題にも対応し、新たな事業領域に取り組む。また、ネクスソフトでは黒字幅は決して大きくないものの安定的に収益を創出しており、2025年11月期も黒字確保の見込みである。
(3) 暗号資産・ブロックチェーン事業
暗号資産・ブロックチェーン事業においては、引き続きNCXCを活用したトークンエコノミーの形成と価値向上に取り組んでおり、特にGameFi分野における展開が注目される。GameFi市場は、今後10年間の平均成長率で23.7%、2031年には2021年の約8.3倍にあたる74億2,000万ドル(約1兆17億円)に達するとの予測がされている。NCXC GameFiプラットフォームでは、ゲーム性の高いハイパーカジュアルゲームを中心に、簡単にPlay to Earnのゲームに転換できるシステムを提供し、ユーザー数の増加をねらう。今後はプラットフォーム上でゲームタイトルを提供するアライアンス先の開拓にも注力する。
Zaifについては、過去にCAICA DIGITAL傘下で10億円規模の損失を出していたが、クシム<2345>傘下となってから損失幅は数億円に縮小、2025年11月期はさらに数千万~数億円規模にとどまる見込みである。Zaifの事業は暗号資産相場の影響を大きく受ける特徴があり、ビットコインやイーサリアム等の相場が好転すれば、ステーキングサービスから得られる収益により単月黒字化も可能である。今後もコストカットを継続的に実施し、収益体質の改善に注力する方針だ。また、チューリンガムでは、大型案件の受注により2025年11月期中の黒字化が見込まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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