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冨士ダイス Research Memo(8):省資源・水素・光通信の次世代技術で新市場開拓を加速
配信日時:2025/07/16 12:08
配信元:FISCO
*12:08JST 冨士ダイス Research Memo(8):省資源・水素・光通信の次世代技術で新市場開拓を加速
■中長期の成長戦略
(2) 省資源関連
省資源、環境負荷低減で注目されるのが希少金属であるタングステン、コバルトの使用量を大幅削減し、鋼と同等で超硬合金に迫る硬さと靭性を併せ持つ省タングステン・コバルト合金の開発である。回転工具分野(粉砕回転刃、ハンマー)への展開を目指しており、モータの負荷軽減による電力削減や、回転数の増加による生産性向上が期待できる。冨士ダイス<6167>は市場のニーズを捉えラインナップ化を進めている。米中摩擦、ロシア問題などで、タングステンについては史上最高値更新となっており、中国が資源の大半を握っているなかで供給不安もあり、コバルトでも供給リスクの高まるなか、思わぬ需要拡大もあり得る。
(3) 次世代エネルギー関連
次世代エネルギー関連では水電解装置用の水素発生用触媒「PME:Powder Matallurgy Electrode」を開発している。本触媒は、従来の貴金属触媒に対し、安価かつ調達性の高いニッケルベースの新型電極で、水素を製造する際の電圧を従来比20%削減できる。また、Ca、Fe、Cuという酸化物触媒組成となっており、貴金属を一切使わない組成ということで、コスト効率が高く、環境負荷が小さい電極と言える。IEA統計によれば2022年末現在、水電解装置の世界累積設置容量は約1.4GW。そのうちアルカリ水電解(AWE)が約60%、PEM(プロトン交換膜)による水電解が30%を占めているが、同社は次世代の装置と言われるアニオン交換膜(AEM)水電解向けをターゲットとしている。AEMはAWEの利点であるアルカリ環境下での非貴金属触媒の優位性(欠点は耐久性、起動が遅い、低圧運転)と、PEMのコンパクトで光電流密(欠点はIr/Ru触媒で高コスト)を両立させることを目指しているもので、同社触媒の利用で安価で効率アップが可能となる。既にAEM開発メーカー数社から引合いが来ているとのことで、2027年度に上市予定で量産に対応したい意向。また、同触媒は金属空気二次電池用触媒としての開発も並行して進めている。
(4) 次世代光通信関連
現在NTT<9432>などにより、次世代情報通信ネットワーク(IOWN:Innovative Optical and Wireless Network)が提唱されているが、この分野では「ファイバーアレイ」、「マイクロレンズアレイ」などの超精密コネクタ金型やフォトニクス用ガラス成形用金型などを開発している。具体的には同社の超精密加工と高精度測定を駆使した金型製造技術で、寸法精度0.1μm以下の品質保証を必要とする金型となる。金型を製作するための工具を内製することで、他社との差別化を図っている。現在顧客評価の段階にある。
3. 海外事業の飛躍
同社は2026年3月期以降の取り組みとして、海外展開の飛躍を打ち出した。具体的には国内については人員を増やさず効率化を推進し利益を確保、一方で、2027年3月期には海外売上高比率を25%まで高める意向。アジアを中心とした海外売上高の拡大について、子会社、輸出の両輪で売上拡大を目指す。2023年7月に海外事業本部を設立、担当役員を擁立し海外事業の強化を実行、2024年2月に中国の東莞に営業拠点を設けた。既に車載用ADAS向けやセンサーなどの需要が急拡大しており、さらなる拡販強化を図る。また、中国に続き、25年度上期には輸出で好調な拡大を見せているインドについて拠点の再開を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
<HN>
(2) 省資源関連
省資源、環境負荷低減で注目されるのが希少金属であるタングステン、コバルトの使用量を大幅削減し、鋼と同等で超硬合金に迫る硬さと靭性を併せ持つ省タングステン・コバルト合金の開発である。回転工具分野(粉砕回転刃、ハンマー)への展開を目指しており、モータの負荷軽減による電力削減や、回転数の増加による生産性向上が期待できる。冨士ダイス<6167>は市場のニーズを捉えラインナップ化を進めている。米中摩擦、ロシア問題などで、タングステンについては史上最高値更新となっており、中国が資源の大半を握っているなかで供給不安もあり、コバルトでも供給リスクの高まるなか、思わぬ需要拡大もあり得る。
(3) 次世代エネルギー関連
次世代エネルギー関連では水電解装置用の水素発生用触媒「PME:Powder Matallurgy Electrode」を開発している。本触媒は、従来の貴金属触媒に対し、安価かつ調達性の高いニッケルベースの新型電極で、水素を製造する際の電圧を従来比20%削減できる。また、Ca、Fe、Cuという酸化物触媒組成となっており、貴金属を一切使わない組成ということで、コスト効率が高く、環境負荷が小さい電極と言える。IEA統計によれば2022年末現在、水電解装置の世界累積設置容量は約1.4GW。そのうちアルカリ水電解(AWE)が約60%、PEM(プロトン交換膜)による水電解が30%を占めているが、同社は次世代の装置と言われるアニオン交換膜(AEM)水電解向けをターゲットとしている。AEMはAWEの利点であるアルカリ環境下での非貴金属触媒の優位性(欠点は耐久性、起動が遅い、低圧運転)と、PEMのコンパクトで光電流密(欠点はIr/Ru触媒で高コスト)を両立させることを目指しているもので、同社触媒の利用で安価で効率アップが可能となる。既にAEM開発メーカー数社から引合いが来ているとのことで、2027年度に上市予定で量産に対応したい意向。また、同触媒は金属空気二次電池用触媒としての開発も並行して進めている。
(4) 次世代光通信関連
現在NTT<9432>などにより、次世代情報通信ネットワーク(IOWN:Innovative Optical and Wireless Network)が提唱されているが、この分野では「ファイバーアレイ」、「マイクロレンズアレイ」などの超精密コネクタ金型やフォトニクス用ガラス成形用金型などを開発している。具体的には同社の超精密加工と高精度測定を駆使した金型製造技術で、寸法精度0.1μm以下の品質保証を必要とする金型となる。金型を製作するための工具を内製することで、他社との差別化を図っている。現在顧客評価の段階にある。
3. 海外事業の飛躍
同社は2026年3月期以降の取り組みとして、海外展開の飛躍を打ち出した。具体的には国内については人員を増やさず効率化を推進し利益を確保、一方で、2027年3月期には海外売上高比率を25%まで高める意向。アジアを中心とした海外売上高の拡大について、子会社、輸出の両輪で売上拡大を目指す。2023年7月に海外事業本部を設立、担当役員を擁立し海外事業の強化を実行、2024年2月に中国の東莞に営業拠点を設けた。既に車載用ADAS向けやセンサーなどの需要が急拡大しており、さらなる拡販強化を図る。また、中国に続き、25年度上期には輸出で好調な拡大を見せているインドについて拠点の再開を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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