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冨士ダイス Research Memo(3):戦略的投資を継続しつつ堅調な売上を維持
配信日時:2025/07/16 12:03
配信元:FISCO
*12:03JST 冨士ダイス Research Memo(3):戦略的投資を継続しつつ堅調な売上を維持
■業績動向
1. 2025年3月期の連結業績概要
冨士ダイス<6167>の2025年3月期の連結業績は売上高16,595百万円(前期比0.5%減)、営業利益488百万円(同39.7%減)、経常利益603百万円(同31.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益426百万円(同39.9%減)と2期連続で収益減となった。売上面では製缶金型や車載用電池向け金型、半導体製造装置向けの需要、中国向け超硬素材等の売上拡大はあったものの、自動車生産回復の遅れ、加えて海外向け溝付きロールの在庫調整が思いの外長引き、半導体向け混錬工具なども低調に推移したため、昨年11月修正の計画比405百万円未達に終わった。利益面では生産性向上などの一定効果があったものの、売上が横ばいで推移するなかで、タングステンを中心とする原材料の高騰、IT投資や人財投資によるコスト増などから利益が圧迫され、営業利益で予想比191百万円未達となり減益となった。
製品区分による売上高の動向は、超硬製工具類では、海外向け溝付きロールが顧客の在庫調整により大幅に減少、売上高が4,183百万円(前期比12.6%減)と低迷した。超硬製金型類では、二次電池向け金型の販売が顧客の生産地変更による影響が一巡、製缶金型が好調に推移し、売上高は4,268百万円(同8.9%増)となった。その他の超硬製品では、半導体製造装置向けの需要が堅調に推移、中国向け素材販売も好調に推移、売上高は4,257百万円(同6.3%増)となった。超硬以外の製品では、一部の鋼製自動車部品用工具・金型の販売が堅調に推移も半導体向け混錬工具などが不振で、売上高は3,886百万円(同2.0%減)となった。
営業利益の増減要因では、減収影響で83百万円の減益要因に加え、超硬材料高95百万円の減益要因、さらに人的資本の拡充で82百万円、10月に稼働した新基幹システムなどIT投資に伴うコスト207百万円の影響があり、外注加工費などの削減による生産性向上効果112百万円などの効果で補えず、減益を余儀なくされた。また、修正計画の680百万円に対して191百万円未達となったが、これは売上の減額影響405百万円の影響が大きく、加えて売上減で本来は材料費減となるはずのものが、APT(パラタングステン酸アンモニウム)などの高騰が影響し28百万円にとどまったこと、これをその他でカバーできなかったこと等による。
2. 顧客産業分類別の状況
2025年3月期の単独ベースでの顧客産業分類別売上動向では最大仕向け先である輸送用機械向けは自動車部品メーカーの生産調整の影響から2,760百万円(昨年11月に修正した予想比140百万円未達、前年同期比1.1%減)となった。鉄鋼関連は海外向けロールが堅調も自動車生産の回復遅れから2,570百万円(同110百万円未達、同9.2%減)に。非鉄金属向けは海外向け溝付きロールがユーザーの在庫調整の影響で低迷し2,010百万円(同予想どおり、同14.1%減)となった。生産・業務用機械向けは半導体装置向けやガラスレンズ向け、車載向けの光学素子向けなどが好調だったが、その他では設備投資停滞で2,120百万円(同100百万円未達、3.9%増)にとどまった。半導体向け混錬工具が不振だったが、電機・電子向けは昨年度の納入先大手ユーザーの米国生産移管影響が一巡し国内新型電池生産が寄与し、売上高1,490百万円(同70百万円上振れ、同3.5%増)となった。金型・工具向け素材については、新たに開設した中国・東莞の営業所の活動が功を奏し、海外向けの超硬素材販売が好調で2,520百万円(同60百万円上振れ、同10.0%増)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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1. 2025年3月期の連結業績概要
冨士ダイス<6167>の2025年3月期の連結業績は売上高16,595百万円(前期比0.5%減)、営業利益488百万円(同39.7%減)、経常利益603百万円(同31.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益426百万円(同39.9%減)と2期連続で収益減となった。売上面では製缶金型や車載用電池向け金型、半導体製造装置向けの需要、中国向け超硬素材等の売上拡大はあったものの、自動車生産回復の遅れ、加えて海外向け溝付きロールの在庫調整が思いの外長引き、半導体向け混錬工具なども低調に推移したため、昨年11月修正の計画比405百万円未達に終わった。利益面では生産性向上などの一定効果があったものの、売上が横ばいで推移するなかで、タングステンを中心とする原材料の高騰、IT投資や人財投資によるコスト増などから利益が圧迫され、営業利益で予想比191百万円未達となり減益となった。
製品区分による売上高の動向は、超硬製工具類では、海外向け溝付きロールが顧客の在庫調整により大幅に減少、売上高が4,183百万円(前期比12.6%減)と低迷した。超硬製金型類では、二次電池向け金型の販売が顧客の生産地変更による影響が一巡、製缶金型が好調に推移し、売上高は4,268百万円(同8.9%増)となった。その他の超硬製品では、半導体製造装置向けの需要が堅調に推移、中国向け素材販売も好調に推移、売上高は4,257百万円(同6.3%増)となった。超硬以外の製品では、一部の鋼製自動車部品用工具・金型の販売が堅調に推移も半導体向け混錬工具などが不振で、売上高は3,886百万円(同2.0%減)となった。
営業利益の増減要因では、減収影響で83百万円の減益要因に加え、超硬材料高95百万円の減益要因、さらに人的資本の拡充で82百万円、10月に稼働した新基幹システムなどIT投資に伴うコスト207百万円の影響があり、外注加工費などの削減による生産性向上効果112百万円などの効果で補えず、減益を余儀なくされた。また、修正計画の680百万円に対して191百万円未達となったが、これは売上の減額影響405百万円の影響が大きく、加えて売上減で本来は材料費減となるはずのものが、APT(パラタングステン酸アンモニウム)などの高騰が影響し28百万円にとどまったこと、これをその他でカバーできなかったこと等による。
2. 顧客産業分類別の状況
2025年3月期の単独ベースでの顧客産業分類別売上動向では最大仕向け先である輸送用機械向けは自動車部品メーカーの生産調整の影響から2,760百万円(昨年11月に修正した予想比140百万円未達、前年同期比1.1%減)となった。鉄鋼関連は海外向けロールが堅調も自動車生産の回復遅れから2,570百万円(同110百万円未達、同9.2%減)に。非鉄金属向けは海外向け溝付きロールがユーザーの在庫調整の影響で低迷し2,010百万円(同予想どおり、同14.1%減)となった。生産・業務用機械向けは半導体装置向けやガラスレンズ向け、車載向けの光学素子向けなどが好調だったが、その他では設備投資停滞で2,120百万円(同100百万円未達、3.9%増)にとどまった。半導体向け混錬工具が不振だったが、電機・電子向けは昨年度の納入先大手ユーザーの米国生産移管影響が一巡し国内新型電池生産が寄与し、売上高1,490百万円(同70百万円上振れ、同3.5%増)となった。金型・工具向け素材については、新たに開設した中国・東莞の営業所の活動が功を奏し、海外向けの超硬素材販売が好調で2,520百万円(同60百万円上振れ、同10.0%増)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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