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エヌ・シー・エヌ Research Memo(1):2025年3月期は増収増益。子会社の業績拡大による黒字化が寄与
配信日時:2025/07/08 16:01
配信元:FISCO
*16:01JST エヌ・シー・エヌ Research Memo(1):2025年3月期は増収増益。子会社の業績拡大による黒字化が寄与
■要約
エヌ・シー・エヌ<7057>は、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するため、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート構造)で主流だったラーメン構法(骨組み(部材)の各接合箇所を剛接合したもの)を木造住宅に取り入れた同社独自の建築システムであるSE構法を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供する。さらに、木造建築の耐震設計ノウハウを、幼稚園や老人介護施設、店舗やオフィスなど住宅以外の大規模木造建築へ転用し、事業規模を拡大している。
1. 2025年3月期の業績
2025年3月期の連結業績は、売上高8,124百万円(前期比1.6%増)、売上総利益2,163百万円(同1.8%減)、営業利益178百万円(同114.7%増)、経常利益292百万円(同513.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益193百万円(前期は0百万円の利益)と増収、営業利益以下増益となった。通期業績予想の達成率は、売上高90.5%、営業利益80.1%、経常利益102.8%、親会社株主に帰属する当期純利益93.1%と、経常利益以外は未達となった。住宅分野ではSE構法出荷数が前期水準を維持したものの、木材相場の落ち着きから1棟当たりの平均売上金額が下落し、売上高は同3.2%減の4,729百万円となった。大規模木造建築(非住宅)分野は売上高2,945百万円(同6.7%増)で、SE構法出荷数、SE構法計算出荷数のいずれも増加した。(株)木構造デザインでの構造計算出荷数の増加や、(株)翠豊の万博案件等の大型案件の売上が寄与した。環境設計分野は売上高290百万円(同17.4%増)、DX・その他の分野は売上高158百万円(同54.1%増)とそれぞれ大幅増収で好調だ。利益面は子会社の業績回復要因が大きく、費用面ではグループ会社の販管費が同134百万円減少した結果、営業利益率は同1.2ポイント増の2.2%と改善した。
2. 2026年3月期の業績予想
2026年3月期の連結業績は、売上高9,016百万円(前期比11.0%増)、営業利益294百万円(同64.9%増)、経常利益326百万円(同11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益229百万円(同18.5%増)と増収増益を見込む。住宅分野については、第1四半期は建築基準法改正前の駆け込み需要の反動で、新築住宅需要の減少が見込まれるものの、通期では建築基準法改正、SE構法の新バージョンリリースを背景として構造計算出荷数やSE構法出荷数の増加を見込んでおり、売上高は5,536百万円(同17.1%増)を予想する。大規模木造建築(非住宅)分野では、2025年3月期のような大規模案件は予定されていないが、構造計算出荷数とSE構法出荷数の増加から、売上高は2,950百万円(同0.1%増)と前期並みを見込む。環境設計分野は売上高350百万円(同20.7%増)と引き続き大きな成長を、DX・その他の分野も売上高180百万円(同13.6%増)を計画しており、市場ニーズが高まっている成長領域として期待を寄せたい。
3. 中期計画の進捗状況と今後の成長戦略
中期計画(2024年3月期~2026年3月期)については、新設住宅着工戸数がこれまで低調に推移していた影響から見直す方針である。建築基準法改正に伴う端境期でもあり、見直し後の内容の発表時期は検討中である。現時点での同社の分野別成長戦略として、住宅分野では、SE構法の新バージョン「SE構法Ver.3」による性能の大幅アップを生かした対応強化を進める。大規模木造建築(非住宅)分野では、木造非住宅の市場拡大に対応し、登録施工店ネットワークを活用して積極的に新規ニーズを掘り起こし、受注獲得機会の拡大につなげる。「SE構法Ver.3」の提案による鉄骨マーケットのシェア獲得が期待できるほか、「大規模木造建築ネットワーク」の設立によってさらに拍車をかける。環境設計分野ではすべての新築建築物に省エネ基準適合が義務付けられたことを追い風に、登録施工店ネットワークを中心に販売拡大策を展開する。今後の領域拡大策として、リノベーションでは、中古住宅以外の施設建築物への適用拡大を図る。ZEB※認証については、環境に関心の高い企業・団体を中心に需要の取り込みを図る。
※ ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略。建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した指標。高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持したまま大幅な省エネルギー化を実現し、さらに消費するエネルギーをすべて太陽光等再生エネルギーで賄うことを目指す。ZEB化支援事業として認定されれば、環境省、経済産業省等から補助金が交付される。
■Key Points
・2025年3月期は非住宅分野の大型案件受注もありグループ会社業績が回復し、増収増益
・2026年3月期は法改正を背景にSE構法の新版「SE構法Ver.3」拡販で増収増益を目指す
・「大規模木造建築ネットワーク」を設立、大規模木造建築物の普及活動を活発化
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
エヌ・シー・エヌ<7057>は、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するため、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート構造)で主流だったラーメン構法(骨組み(部材)の各接合箇所を剛接合したもの)を木造住宅に取り入れた同社独自の建築システムであるSE構法を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供する。さらに、木造建築の耐震設計ノウハウを、幼稚園や老人介護施設、店舗やオフィスなど住宅以外の大規模木造建築へ転用し、事業規模を拡大している。
1. 2025年3月期の業績
2025年3月期の連結業績は、売上高8,124百万円(前期比1.6%増)、売上総利益2,163百万円(同1.8%減)、営業利益178百万円(同114.7%増)、経常利益292百万円(同513.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益193百万円(前期は0百万円の利益)と増収、営業利益以下増益となった。通期業績予想の達成率は、売上高90.5%、営業利益80.1%、経常利益102.8%、親会社株主に帰属する当期純利益93.1%と、経常利益以外は未達となった。住宅分野ではSE構法出荷数が前期水準を維持したものの、木材相場の落ち着きから1棟当たりの平均売上金額が下落し、売上高は同3.2%減の4,729百万円となった。大規模木造建築(非住宅)分野は売上高2,945百万円(同6.7%増)で、SE構法出荷数、SE構法計算出荷数のいずれも増加した。(株)木構造デザインでの構造計算出荷数の増加や、(株)翠豊の万博案件等の大型案件の売上が寄与した。環境設計分野は売上高290百万円(同17.4%増)、DX・その他の分野は売上高158百万円(同54.1%増)とそれぞれ大幅増収で好調だ。利益面は子会社の業績回復要因が大きく、費用面ではグループ会社の販管費が同134百万円減少した結果、営業利益率は同1.2ポイント増の2.2%と改善した。
2. 2026年3月期の業績予想
2026年3月期の連結業績は、売上高9,016百万円(前期比11.0%増)、営業利益294百万円(同64.9%増)、経常利益326百万円(同11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益229百万円(同18.5%増)と増収増益を見込む。住宅分野については、第1四半期は建築基準法改正前の駆け込み需要の反動で、新築住宅需要の減少が見込まれるものの、通期では建築基準法改正、SE構法の新バージョンリリースを背景として構造計算出荷数やSE構法出荷数の増加を見込んでおり、売上高は5,536百万円(同17.1%増)を予想する。大規模木造建築(非住宅)分野では、2025年3月期のような大規模案件は予定されていないが、構造計算出荷数とSE構法出荷数の増加から、売上高は2,950百万円(同0.1%増)と前期並みを見込む。環境設計分野は売上高350百万円(同20.7%増)と引き続き大きな成長を、DX・その他の分野も売上高180百万円(同13.6%増)を計画しており、市場ニーズが高まっている成長領域として期待を寄せたい。
3. 中期計画の進捗状況と今後の成長戦略
中期計画(2024年3月期~2026年3月期)については、新設住宅着工戸数がこれまで低調に推移していた影響から見直す方針である。建築基準法改正に伴う端境期でもあり、見直し後の内容の発表時期は検討中である。現時点での同社の分野別成長戦略として、住宅分野では、SE構法の新バージョン「SE構法Ver.3」による性能の大幅アップを生かした対応強化を進める。大規模木造建築(非住宅)分野では、木造非住宅の市場拡大に対応し、登録施工店ネットワークを活用して積極的に新規ニーズを掘り起こし、受注獲得機会の拡大につなげる。「SE構法Ver.3」の提案による鉄骨マーケットのシェア獲得が期待できるほか、「大規模木造建築ネットワーク」の設立によってさらに拍車をかける。環境設計分野ではすべての新築建築物に省エネ基準適合が義務付けられたことを追い風に、登録施工店ネットワークを中心に販売拡大策を展開する。今後の領域拡大策として、リノベーションでは、中古住宅以外の施設建築物への適用拡大を図る。ZEB※認証については、環境に関心の高い企業・団体を中心に需要の取り込みを図る。
※ ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略。建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した指標。高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持したまま大幅な省エネルギー化を実現し、さらに消費するエネルギーをすべて太陽光等再生エネルギーで賄うことを目指す。ZEB化支援事業として認定されれば、環境省、経済産業省等から補助金が交付される。
■Key Points
・2025年3月期は非住宅分野の大型案件受注もありグループ会社業績が回復し、増収増益
・2026年3月期は法改正を背景にSE構法の新版「SE構法Ver.3」拡販で増収増益を目指す
・「大規模木造建築ネットワーク」を設立、大規模木造建築物の普及活動を活発化
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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