注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:ETF分配金捻出売り、米政府による相互関税上乗せ分の一時停止期限、さくらレポート
配信日時:2025/07/05 15:38
配信元:FISCO
*15:38JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:ETF分配金捻出売り、米政府による相互関税上乗せ分の一時停止期限、さくらレポート
■株式相場見通し
予想レンジ:上限41000円-下限39000円
今週末の米国株式市場は独立記念日のため休場。一方、欧州市場は総じて下落、米関税政策に対する警戒感が強まった。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比20円安の39750円で取引を終えた。
トランプ米大統領は、関税政策をめぐる交渉について「4日には10から12カ国に対して書簡を送るだろう。9日までにはすべて送付が完了する見込みだ」と述べているほか、関税率については「おそらく60%から70%程度と10%から20%程度の範囲になるだろう」としている。9日の交渉期限は延期されるとの見方が優勢だったが、目先はあらためて米関税政策によるグローバル経済への影響が懸念されてくる余地があろう。現状では日本に関しても、高関税が賦課され、それに伴う企業収益への影響が今後織り込まれていくことになると判断せざるを得ないだろう。
一方、3日に発表された米雇用統計では、雇用者数は前月から伸びが拡大し、失業率も予想に反して低下する結果となっている。少なくとも7月の利下げ期待は消滅したとみられるが、9月利下げ期待は大きく後退していない。9日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、15日の消費者物価指数(CPI)の発表などを受けて、目先米利下げ期待が株価の反発材料につながる余地は残っていよう。
来週は国内外ともに大きなイベントは乏しく、国内では主要小売企業の決算発表が主な関心事となりそうだ。ちなみに、今週発表された小売企業の決算後の株価動向は、ややネガティブな反応が多かったように見受けられる。また、セブン&アイの再編の行方にも関心が向かう可能性はあろう。
来週、需給面では上場投資信託(ETF)の分配金捻出売りがマイナス要因となる見込み。市場想定では1.5兆円規模の売りインパクトとされており、8日、10日の大引けで売り需要が発生するとみられている。週前半は、こうした需給懸念も株価の抑制要因となりそうだ。需給面では今週、メディアやゲームなどのエンタメ株が一斉に売られたり、データセンター関連や防衛関連が弱い動きとなった一方で、鉄鋼や自動車株などが総じて買われる場面がみられた。四半期替わりに伴うリバランスの動きと観測されるが、関税懸念が再度台頭する状況下では、こうしたリバランスの動きは一過性にとどまる可能性が高いようにみられる。
国内では7月20日に参議院選挙の投開票が予定されている。政権与党の苦戦が想定される状況下、目先の株式市場にとって警戒材料となってきそうだ。また、参院選を控えていることで、米国との関税交渉が進展しにくいことも逆風となる。株式市場の警戒材料としては他にも、株主総会を通過し、政策保有株削減に伴う株式売出の動きが表面化することも想定されるところ。自社株買いで対応できる企業とできない企業の明暗へとつながろう。なお、来週末に安川電機が決算を発表、下振れ自体は想定線だが、下方修正幅は大きいとの印象がある。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は底堅い値動きか。米国の7月利下げを見極める展開で、ドルは下げづらい。米国と主要貿易相手国との協議も注目され、交渉決裂が避けられた場合、リスク回避のドル売り・円買いは弱まりそうだ。7月3日に発表された6月米雇用統計は失業率の低下、非農業部門雇用者数の増加、平均時給の鈍化が示された。トランプ米大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に対して利下げを要請しているが、雇用情勢は特に悪化していないため、7月利下げ観測は大幅に後退し、目先的にはドル買い・円売りがやや優勢となりそうだ。
来週は米国の重要経済指標の発表は予定されていないため、7月9日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨が手掛かり材料として注目されそうだ。米金融当局者間での7月利下げに関する議論の内容が焦点となる。引き続き緩和的な政策に慎重な意見が多かった場合、ドル売りは後退すると予想される。一方、米トランプ政権は9日が猶予期限となっている相互関税に関し、合意に達していない相手国には高関税を課す方針。ただ、インドやベトナムとの交渉は進展がみられ、ドルは売りづらい。
■来週の注目スケジュール
7月7日(月):景気先行CI指数(5月)、景気一致指数(5月)、毎月勤労統計-現金給与総額(5月)、実質賃金総額(5月)、中・外貨準備高(6月)、独・鉱工業生産指数(5月)、欧・ユーロ圏小売売上高(5月)、イスラエル首相がトランプ米大統領とホワイトハウスで会談など
7月8日(火):国際収支(経常収支)(5月)、貸出動向 銀行計(6月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(季調済)(6月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(季調済)(6月)、米・消費者信用残高(5月)、米・NY連銀がインフレ期待発表(6月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
7月9日(水):工作機械受注(6月)、マネーストック(6月)、米トランプ政権が貿易相手国・地域に課す上乗せ関税の一時停止期限、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月17-18日会合分)、米・卸売在庫(5月)、中・消費者物価指数(6月)、中・生産者物価指数(6月)、中・資金調達総額(6月、15日までに)、中・マネーサプライ(6月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(6月、15日までに)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
7月10日(木):地域経済報告(さくらリポート)(7月、日本銀行)、日銀支店長会議、国内企業物価指数(6月)、東京オフィス空室率(6月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、ウクライナ復興会議(11日まで)など
7月11日(金):米・財政収支(6月)、独・CPI(6月)、加・失業率(6月)、英・鉱工業生産指数(5月)、英・商品貿易収支(5月)など
<YU>
予想レンジ:上限41000円-下限39000円
今週末の米国株式市場は独立記念日のため休場。一方、欧州市場は総じて下落、米関税政策に対する警戒感が強まった。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比20円安の39750円で取引を終えた。
トランプ米大統領は、関税政策をめぐる交渉について「4日には10から12カ国に対して書簡を送るだろう。9日までにはすべて送付が完了する見込みだ」と述べているほか、関税率については「おそらく60%から70%程度と10%から20%程度の範囲になるだろう」としている。9日の交渉期限は延期されるとの見方が優勢だったが、目先はあらためて米関税政策によるグローバル経済への影響が懸念されてくる余地があろう。現状では日本に関しても、高関税が賦課され、それに伴う企業収益への影響が今後織り込まれていくことになると判断せざるを得ないだろう。
一方、3日に発表された米雇用統計では、雇用者数は前月から伸びが拡大し、失業率も予想に反して低下する結果となっている。少なくとも7月の利下げ期待は消滅したとみられるが、9月利下げ期待は大きく後退していない。9日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、15日の消費者物価指数(CPI)の発表などを受けて、目先米利下げ期待が株価の反発材料につながる余地は残っていよう。
来週は国内外ともに大きなイベントは乏しく、国内では主要小売企業の決算発表が主な関心事となりそうだ。ちなみに、今週発表された小売企業の決算後の株価動向は、ややネガティブな反応が多かったように見受けられる。また、セブン&アイの再編の行方にも関心が向かう可能性はあろう。
来週、需給面では上場投資信託(ETF)の分配金捻出売りがマイナス要因となる見込み。市場想定では1.5兆円規模の売りインパクトとされており、8日、10日の大引けで売り需要が発生するとみられている。週前半は、こうした需給懸念も株価の抑制要因となりそうだ。需給面では今週、メディアやゲームなどのエンタメ株が一斉に売られたり、データセンター関連や防衛関連が弱い動きとなった一方で、鉄鋼や自動車株などが総じて買われる場面がみられた。四半期替わりに伴うリバランスの動きと観測されるが、関税懸念が再度台頭する状況下では、こうしたリバランスの動きは一過性にとどまる可能性が高いようにみられる。
国内では7月20日に参議院選挙の投開票が予定されている。政権与党の苦戦が想定される状況下、目先の株式市場にとって警戒材料となってきそうだ。また、参院選を控えていることで、米国との関税交渉が進展しにくいことも逆風となる。株式市場の警戒材料としては他にも、株主総会を通過し、政策保有株削減に伴う株式売出の動きが表面化することも想定されるところ。自社株買いで対応できる企業とできない企業の明暗へとつながろう。なお、来週末に安川電機が決算を発表、下振れ自体は想定線だが、下方修正幅は大きいとの印象がある。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は底堅い値動きか。米国の7月利下げを見極める展開で、ドルは下げづらい。米国と主要貿易相手国との協議も注目され、交渉決裂が避けられた場合、リスク回避のドル売り・円買いは弱まりそうだ。7月3日に発表された6月米雇用統計は失業率の低下、非農業部門雇用者数の増加、平均時給の鈍化が示された。トランプ米大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に対して利下げを要請しているが、雇用情勢は特に悪化していないため、7月利下げ観測は大幅に後退し、目先的にはドル買い・円売りがやや優勢となりそうだ。
来週は米国の重要経済指標の発表は予定されていないため、7月9日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨が手掛かり材料として注目されそうだ。米金融当局者間での7月利下げに関する議論の内容が焦点となる。引き続き緩和的な政策に慎重な意見が多かった場合、ドル売りは後退すると予想される。一方、米トランプ政権は9日が猶予期限となっている相互関税に関し、合意に達していない相手国には高関税を課す方針。ただ、インドやベトナムとの交渉は進展がみられ、ドルは売りづらい。
■来週の注目スケジュール
7月7日(月):景気先行CI指数(5月)、景気一致指数(5月)、毎月勤労統計-現金給与総額(5月)、実質賃金総額(5月)、中・外貨準備高(6月)、独・鉱工業生産指数(5月)、欧・ユーロ圏小売売上高(5月)、イスラエル首相がトランプ米大統領とホワイトハウスで会談など
7月8日(火):国際収支(経常収支)(5月)、貸出動向 銀行計(6月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(季調済)(6月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(季調済)(6月)、米・消費者信用残高(5月)、米・NY連銀がインフレ期待発表(6月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
7月9日(水):工作機械受注(6月)、マネーストック(6月)、米トランプ政権が貿易相手国・地域に課す上乗せ関税の一時停止期限、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月17-18日会合分)、米・卸売在庫(5月)、中・消費者物価指数(6月)、中・生産者物価指数(6月)、中・資金調達総額(6月、15日までに)、中・マネーサプライ(6月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(6月、15日までに)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
7月10日(木):地域経済報告(さくらリポート)(7月、日本銀行)、日銀支店長会議、国内企業物価指数(6月)、東京オフィス空室率(6月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、ウクライナ復興会議(11日まで)など
7月11日(金):米・財政収支(6月)、独・CPI(6月)、加・失業率(6月)、英・鉱工業生産指数(5月)、英・商品貿易収支(5月)など
<YU>
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