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澁澤倉庫 Research Memo(1):「中期経営計画2026」の初年度となる2025年3月期は増収増益と順調に推移
配信日時:2025/07/02 14:01
配信元:FISCO
*14:01JST 澁澤倉庫 Research Memo(1):「中期経営計画2026」の初年度となる2025年3月期は増収増益と順調に推移
■要約
澁澤倉庫<9304>は、倉庫業を祖業とする総合物流企業で、事業は物流事業と不動産事業に大別される。物流事業は国内ロジスティクスと国際ロジスティクス、情報システム、不動産事業は不動産開発・賃貸及び工事・ビルマネジメントサービスに分けられる。同社は、“現在のサステナビリティ(持続的成長)に通じる精神を持った、日本資本主義の父”と言われる渋沢栄一(しぶさわえいいち)が1897年に創業した。昭和初期にかけ全国に支店を開設し、戦後は陸・海・空へと事業領域を拡大、その後海外展開を加速するなど業容拡大を進めた。同社の強みは、飲料や日用品など消費財物流や多品種小ロット貨物で培った専門性、車両・配車データのデジタル化や自動搬送機の導入などのDX、海外や物流周辺への業域の拡大、そして現在注目を集めるモーダルシフトのノウハウにある。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、営業収益が78,620百万円(前期比7.1%増)、営業利益が4,668百万円(同9.3%増)となった。倉庫業や運送業の枠に留まらない総合物流機能の展開を本格化させ、飲料物流や多品種小ロット物流の強みを生かして拠点ネットワークを拡充し取扱量を増加させる一方、DX推進の取り組みを一層強化するなど採算性の向上に努めた。この結果、営業収益は増加に転じた。営業利益は、輸送費や作業費などのコスト増加はあったものの、適切な運賃や料金の確保に努めたことや、先進的な物流機器導入による業務の効率化や採算性向上などにより、2ケタ近い増益を確保することができた。また、政策保有株の連結純資産比率を5年以内に20%以下とする縮減方針により、特別利益に株式売却益15億円を計上した。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績見通しについて、同社は営業収益79,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益4,200百万円(同10.0%減)と見込んでいる。営業収益は、倉庫・陸上運送業務の好調継続、新規業務の通期寄与、前期に稼働した本牧倉庫などの新設拠点により、増収を予想している。営業利益は、新設拠点のフル稼働までのタイムラグ、システムやDX関連の先行投資費用、人件費や作業費の増加、一部顧客の自営化による失注、前期に好調であった不動産事業における大型テナントビル請負工事の一時的な反動減などが想定されることから、減益を見込む。ただし、同社は新設拠点の稼働率や作業人件費の価格転嫁などをやや保守的に見積もっており、今後の利益拡大余地を残しているとの見方を示している。なお、政策保有株式の縮減方針に基づき、2025年3月期を上回る18億円の株式売却を予定している。
3. 「中期経営計画2026」の進捗
同社は、創業者・渋沢栄一の「正しい道理で追求した利益だけが永続し、社会を豊かにできる」という精神を基軸に「Shibusawa 2030 ビジョン」を策定した。そのセカンドステージとなる「中期経営計画2026」を2025年3月期に開始し、収益力の強化、物流ネットワークの拡充、業域の拡大、不動産ポートフォリオの拡充、ESGへの取り組み強化という5つの成長戦略を推進し、2027年3月期に営業収益850億円、営業利益53億円、ROE7%以上の達成を目指している。初年度の進捗は順調な推移となった。収益力の強化では繁閑の波動(需要変動)を吸収できるロボットとマンパワーによるハイブリッドオペレーションモデルの構築が進んだ。物流ネットワークの拡充では、2024年3月期比で約60,000平方メートルの倉庫増強を実現した。業績の進捗率も営業収益で45%、営業利益で39%と、計画に対して余裕含みのスタートとなった。
■Key Points
・2025年3月期は、工場内物流請負業務の通期寄与や拠点拡充などにより増収増益
・2026年3月期は減益予想、新規拠点稼働率を保守的に見込むも利益拡大余地あり
・「中期経営計画2026」は順調に推移、初年度の営業利益進捗率39%と余裕含み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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澁澤倉庫<9304>は、倉庫業を祖業とする総合物流企業で、事業は物流事業と不動産事業に大別される。物流事業は国内ロジスティクスと国際ロジスティクス、情報システム、不動産事業は不動産開発・賃貸及び工事・ビルマネジメントサービスに分けられる。同社は、“現在のサステナビリティ(持続的成長)に通じる精神を持った、日本資本主義の父”と言われる渋沢栄一(しぶさわえいいち)が1897年に創業した。昭和初期にかけ全国に支店を開設し、戦後は陸・海・空へと事業領域を拡大、その後海外展開を加速するなど業容拡大を進めた。同社の強みは、飲料や日用品など消費財物流や多品種小ロット貨物で培った専門性、車両・配車データのデジタル化や自動搬送機の導入などのDX、海外や物流周辺への業域の拡大、そして現在注目を集めるモーダルシフトのノウハウにある。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、営業収益が78,620百万円(前期比7.1%増)、営業利益が4,668百万円(同9.3%増)となった。倉庫業や運送業の枠に留まらない総合物流機能の展開を本格化させ、飲料物流や多品種小ロット物流の強みを生かして拠点ネットワークを拡充し取扱量を増加させる一方、DX推進の取り組みを一層強化するなど採算性の向上に努めた。この結果、営業収益は増加に転じた。営業利益は、輸送費や作業費などのコスト増加はあったものの、適切な運賃や料金の確保に努めたことや、先進的な物流機器導入による業務の効率化や採算性向上などにより、2ケタ近い増益を確保することができた。また、政策保有株の連結純資産比率を5年以内に20%以下とする縮減方針により、特別利益に株式売却益15億円を計上した。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績見通しについて、同社は営業収益79,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益4,200百万円(同10.0%減)と見込んでいる。営業収益は、倉庫・陸上運送業務の好調継続、新規業務の通期寄与、前期に稼働した本牧倉庫などの新設拠点により、増収を予想している。営業利益は、新設拠点のフル稼働までのタイムラグ、システムやDX関連の先行投資費用、人件費や作業費の増加、一部顧客の自営化による失注、前期に好調であった不動産事業における大型テナントビル請負工事の一時的な反動減などが想定されることから、減益を見込む。ただし、同社は新設拠点の稼働率や作業人件費の価格転嫁などをやや保守的に見積もっており、今後の利益拡大余地を残しているとの見方を示している。なお、政策保有株式の縮減方針に基づき、2025年3月期を上回る18億円の株式売却を予定している。
3. 「中期経営計画2026」の進捗
同社は、創業者・渋沢栄一の「正しい道理で追求した利益だけが永続し、社会を豊かにできる」という精神を基軸に「Shibusawa 2030 ビジョン」を策定した。そのセカンドステージとなる「中期経営計画2026」を2025年3月期に開始し、収益力の強化、物流ネットワークの拡充、業域の拡大、不動産ポートフォリオの拡充、ESGへの取り組み強化という5つの成長戦略を推進し、2027年3月期に営業収益850億円、営業利益53億円、ROE7%以上の達成を目指している。初年度の進捗は順調な推移となった。収益力の強化では繁閑の波動(需要変動)を吸収できるロボットとマンパワーによるハイブリッドオペレーションモデルの構築が進んだ。物流ネットワークの拡充では、2024年3月期比で約60,000平方メートルの倉庫増強を実現した。業績の進捗率も営業収益で45%、営業利益で39%と、計画に対して余裕含みのスタートとなった。
■Key Points
・2025年3月期は、工場内物流請負業務の通期寄与や拠点拡充などにより増収増益
・2026年3月期は減益予想、新規拠点稼働率を保守的に見込むも利益拡大余地あり
・「中期経営計画2026」は順調に推移、初年度の営業利益進捗率39%と余裕含み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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