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地主:10兆円市場のトップランナー、東証改革も追い風。PBR1倍付近かつ配当利回り4%超え
配信日時:2025/07/02 09:18
配信元:FISCO
*09:18JST 地主:10兆円市場のトップランナー、東証改革も追い風。PBR1倍付近かつ配当利回り4%超え
地主<3252>は、定期借地権を活用して土地のみに投資する独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」を展開している。土地を取得すると同時にテナントに貸し出し、底地(借地権が付着した土地)を開発。底地は(1)建物の建設・運営はテナントが担うため追加投資が不要。(2)契約期間中は長期かつ安定なキャッシュフローが確保される。(3)契約終了時には流動性の高い更地で返還されるため資産価値の下落リスクが低いなど、高い魅力を持つ不動産金融商品である。同社は、開発した底地を、主にグループ会社が運用する国内唯一の底地特化型私募リート「地主プライベートリート投資法人(以下、地主リート)」に売却し、売却後も地主リートの運用を手掛ける。事業は、JINUSHIビジネスの単一モデルだが、フロービジネス(不動産投資事業における売却収益)、ストックビジネス(不動産投資事業における保有中の賃貸収益や、資産運用事業における地主リートのアセットマネジメント報酬等)の2つに分けられる。2024年12月期通期の連結売上総利益133.94億円の内、フロービジネスが約74%、ストックビジネスが約26%を占めている。事業エリア(累計開発実績)は、東京圏43.7%、大阪圏25.9%、名古屋圏13.5%、九州圏4.7%となっており、全国で事業展開している。また、テナントの業種は、スーパーやホームセンター等生活必需品を扱うテナントが5割以上を占めているが、近年ではホスピス、老人ホームなど社会インフラを担うテナントも増加傾向にある。
同社の強みは、創業以来25年にわたり底地に特化してきた点にある。底地という成長市場(後述)のトップランナーとして、先行者メリットを享受できる地位を確立している。同社は、JINUSHIビジネスに関する独自のネットワークを確立しており、累計開発実績は443件・約5,534億円(2025年3月末時点)に達する。一方、テナント退去事例は累計2件と極めて少ない。また、主な底地の買い手である地主リートは、9年連続で増資を実現しており、同リートの高い資金調達能力は大きな競争優位性である。さらには、同社は土地の取得時点で、テナントと定期借地契約を締結しており、在庫リスクを排除していることも大きな特徴である。これらの独自性は、不動産デベロッパーやJ-REITとは一線を画す強みである。
2025年12月期第1四半期の売上高は30,529百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は2,948百万円(同28.6%減)、当期純利益は1,809百万円(同34.4%減)と、増収減益で着地した。ただ、当期純利益6,100百万円予想達成に向けて想定通りに進捗しているという。同社によれば売上高増加の要因は売却案件数の増加であるが、案件の利益率は個別性が強く、売却案件の利益率が低かったため利益が抑制されたという。なお、同社は売上総利益の約70%を売却益が占める事業構造のため、売却タイミングにより四半期業績が変動しやすい特徴がある。今期は主に下期に利益を計上する計画であり、通期の業績予想は売上高70,000百万円(前期比22.7%増)、営業利益9,500百万円(同9.5%増)、当期純利益6,100百万円(同0.2%増)を見込んでいる。
市場環境において、底地マーケットは今後も大きな成長が期待できる。日本不動産研究所によれば、2023年時点で約6兆円規模であった市場が2026年には約10兆円に拡大すると予測されている。市場規模は2008年のリーマンショック後、14年で約7.5倍に拡大した。長期にわたり安定的に収益を得ることができる底地商品への投資家の理解が深まっており、これに伴って流動性も価値も向上している。2025年12月期第1四半期の仕入契約では、老人ホームや工場、ホームセンターといった案件が多く、約50%が「土地のセール&リースバック」による取引であった。特に、「土地のセール&リースバック」は、東証改革によるROE向上を目的とした企業のCRE(企業不動産)戦略、保有不動産売却の増大が追い風となる。同社の認知度上昇とともに、更なる仕入拡大が期待できる。
中期経営計画では、2026年12月期までに売上高1,000億円、当期純利益70億円、地主リート資産規模3,000億円を目標としている。目安とする経営指標はROE13%程度、自己資本比率30%以上。底地マーケットの拡大を追い風に、案件仕入の強化と地主リートの資産規模拡大を進める方針である。2025年12月期第1四半期末時点の仕入契約額は129億円(前年同期比14.0%減)だったが 、同社は引き続き年間700億円以上の仕入れを目指す。成長戦略としては、テナント業種の多様化や事業エリアの拡大、土地のセール&リースバック提案に取り組んでいる。同社が確立した底地マーケットの拡大を背景に、直接的な競合は存在しない中で、創業以来約25年底地に特化し培ってきたノウハウとテナント等との独自のネットワークを生かして、地主リートを武器に成長を図っていく。
株主還元では、2025年12月期は15円増配し、一株当たり配当金100円(普通配当90円・創業25周年記念配当10円)の予定。利益成長とともに増配を目指す(累進配当)を掲げている。今後とも、中長期的には底地市場の拡大トレンドが続くと想定されるなか、定期借地権を活用した独自で新しい不動産投資手法を生み出し、持続的な成長を続けている同社の今後の動向には注目しておきたい。
<HM>
同社の強みは、創業以来25年にわたり底地に特化してきた点にある。底地という成長市場(後述)のトップランナーとして、先行者メリットを享受できる地位を確立している。同社は、JINUSHIビジネスに関する独自のネットワークを確立しており、累計開発実績は443件・約5,534億円(2025年3月末時点)に達する。一方、テナント退去事例は累計2件と極めて少ない。また、主な底地の買い手である地主リートは、9年連続で増資を実現しており、同リートの高い資金調達能力は大きな競争優位性である。さらには、同社は土地の取得時点で、テナントと定期借地契約を締結しており、在庫リスクを排除していることも大きな特徴である。これらの独自性は、不動産デベロッパーやJ-REITとは一線を画す強みである。
2025年12月期第1四半期の売上高は30,529百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は2,948百万円(同28.6%減)、当期純利益は1,809百万円(同34.4%減)と、増収減益で着地した。ただ、当期純利益6,100百万円予想達成に向けて想定通りに進捗しているという。同社によれば売上高増加の要因は売却案件数の増加であるが、案件の利益率は個別性が強く、売却案件の利益率が低かったため利益が抑制されたという。なお、同社は売上総利益の約70%を売却益が占める事業構造のため、売却タイミングにより四半期業績が変動しやすい特徴がある。今期は主に下期に利益を計上する計画であり、通期の業績予想は売上高70,000百万円(前期比22.7%増)、営業利益9,500百万円(同9.5%増)、当期純利益6,100百万円(同0.2%増)を見込んでいる。
市場環境において、底地マーケットは今後も大きな成長が期待できる。日本不動産研究所によれば、2023年時点で約6兆円規模であった市場が2026年には約10兆円に拡大すると予測されている。市場規模は2008年のリーマンショック後、14年で約7.5倍に拡大した。長期にわたり安定的に収益を得ることができる底地商品への投資家の理解が深まっており、これに伴って流動性も価値も向上している。2025年12月期第1四半期の仕入契約では、老人ホームや工場、ホームセンターといった案件が多く、約50%が「土地のセール&リースバック」による取引であった。特に、「土地のセール&リースバック」は、東証改革によるROE向上を目的とした企業のCRE(企業不動産)戦略、保有不動産売却の増大が追い風となる。同社の認知度上昇とともに、更なる仕入拡大が期待できる。
中期経営計画では、2026年12月期までに売上高1,000億円、当期純利益70億円、地主リート資産規模3,000億円を目標としている。目安とする経営指標はROE13%程度、自己資本比率30%以上。底地マーケットの拡大を追い風に、案件仕入の強化と地主リートの資産規模拡大を進める方針である。2025年12月期第1四半期末時点の仕入契約額は129億円(前年同期比14.0%減)だったが 、同社は引き続き年間700億円以上の仕入れを目指す。成長戦略としては、テナント業種の多様化や事業エリアの拡大、土地のセール&リースバック提案に取り組んでいる。同社が確立した底地マーケットの拡大を背景に、直接的な競合は存在しない中で、創業以来約25年底地に特化し培ってきたノウハウとテナント等との独自のネットワークを生かして、地主リートを武器に成長を図っていく。
株主還元では、2025年12月期は15円増配し、一株当たり配当金100円(普通配当90円・創業25周年記念配当10円)の予定。利益成長とともに増配を目指す(累進配当)を掲げている。今後とも、中長期的には底地市場の拡大トレンドが続くと想定されるなか、定期借地権を活用した独自で新しい不動産投資手法を生み出し、持続的な成長を続けている同社の今後の動向には注目しておきたい。
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