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大阪ガス:持続可能な社会の実現に貢献する強みを多数保有、2030年度に経常利益2,000億円を目指す
配信日時:2025/06/30 11:22
配信元:FISCO
*11:22JST 大阪ガス:持続可能な社会の実現に貢献する強みを多数保有、2030年度に経常利益2,000億円を目指す
大阪ガス<9532>は、関西を中心とした都市ガスの供給にとどまらず、電力、再エネ、海外上流事業、ライフ&ビジネスソリューション(LBS)などへも事業領域を拡大している総合エネルギー企業である。天然ガスの上流事業、調達・輸送から、都市ガス製造や発電、供給、販売、保安までを一貫して手掛けている。Daigasグループの中核企業として、国内エネルギー事業を基軸に、海外事業・非エネルギー事業との三位一体型ポートフォリオを構築しつつ、調達から供給、ソリューション提供までを一貫して手掛けるバリューチェーンを展開している。特に都市ガスと電力のセット販売や、LNG調達の最適化といったオペレーション効率により、エネルギー価格変動にも柔軟に対応する構造を持つ。2025年3月期の売上高に占める国内エネルギー事業の割合は約84%と依然として主軸ではあるが、LBSおよび海外事業の比重も徐々に拡大しつつある。
競合他社との差別化において、大阪ガスは関西圏におけるガス供給基盤という優位性に加え、再生可能エネルギーやe-メタン等のカーボンニュートラル技術開発において先駆的なポジションを築いている。国内ではINPEX<1605>と共同でのメタネーション実証、万博会場でのバイオメタネーション導入、さらに2030年にe-メタン導入1%を目指した社会実装準備を進めている。海外展開では米国サビン社のシェールガス事業を収益の柱として拡大させつつ、インド都市ガス事業への出資拡充にも着手し、グローバルでの天然ガス事業の地盤固めを進行中である。また、非エネルギー分野では情報・材料・都市開発等にまたがるLBS事業を展開し、私募REITの活用や高付加価値ソリューション提案により収益源の分散を図っている。
2025年3月期の売上高は2,069,019百万円(前期比0.7%減)、営業利益は160,731百万円(同6.9%減)と減収減益で着地した。売上高は、国内エネルギー事業で電力販売量が増加したものの、LNG販売量が減少したことや原料費調整制度に基づきガス販売単価が低めに推移した。ガス販売単価の下落および原料価格調整のタイムラグ益の縮小が収益圧迫要因となる一方、電力市場取引の利益等が収益を下支えした。
2026年3月期の売上高は2,040,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益は139,000億円(同13.5%減)と今期も減収減益予想となっている。原料費調整制度に基づくガス販売単価の低下等により減収見通し。セグメント別では、国内エネルギー事業においては電力市場取引の利益増の反動で減益、海外エネルギー事業は油価下落に伴う豪州エリアでの減益を見込む。一方、ライフ&ビジネスソリューション事業では、都市開発事業の好調等により増益見込みとなっている。
同社は、中期経営計画「CAD2026」に基づき、「ミライ価値の共創」「従業員の輝き向上」「経営基盤の進化」の3つを重点戦略として掲げる。財務目標では、経常利益2000億円程度、2030年代早期段階でROIC6%・ROE10%の達成を目指しており、既存の各事業を伸ばして利益を着実に拡大させていく。カーボンニュートラル化に向けては、INPEXとのe-メタン実証や万博でのバイオメタネーション導入などを推進し、2030年にe-メタン導入1%の実現を目指す。また、アセットライト経営の推進により、米国火力発電所や政策保有株式の売却を実施。さらに、私募REIT活用などLBS事業の収益基盤強化にも取り組む。人的資本経営では、働き方改革や「Daigas X」による組織活性化を図り、共感される企業文化の醸成を目指す。
市場環境としては、LNG価格や為替のボラティリティが依然として高く、加えて電力・ガス自由化市場での競争は継続している。また、カーボンニュートラル移行期における規制・技術動向の変化にも迅速な対応が求められる。このような環境下において、トランジション期の利益成長とe-メタンなど未来への投資に両輪でバランス良く取り組み、カーボンニュートラル事業に徐々にシフトしていく。当面の成長ドライバーは、トランジション期に重要性を増す天然ガスの開発・発電・高度利用やノウハウを活かした利益拡大が期待できるインドでの都市ガス事業への取り組むようで、将来の事業基盤構築としてカーボンニュートラル社会を見据えたe-メタンや再エネ等の事業に注力していく方針である。
株主還元の方針については、DOE3.0%および累進配当を基本に据えた配当と機動的な自己株式の取得を今後も継続して資本効率の向上を図っている。原則、減配をしない累進配当方針で、機動的な追加還元策も実施してくようだ。景気に左右されにくく、株価は安定的に推移しているが、2023年10月に13年ぶりとなる自己株式の取得発表したほか、従前よりも財務レバレッジを拡大する方針を示して「中期経営計画2026」への期待の高まりから株価が上昇してきた。関西でのガス事業での知見やノウハウを活かして関西以外の日本全国および海外への展開や、エネルギー以外の着実な事業成長により利益を拡大してポートフォリオを強靭化してきた同社の今後の企業価値向上の動向は注目しておきたい。
<HM>
競合他社との差別化において、大阪ガスは関西圏におけるガス供給基盤という優位性に加え、再生可能エネルギーやe-メタン等のカーボンニュートラル技術開発において先駆的なポジションを築いている。国内ではINPEX<1605>と共同でのメタネーション実証、万博会場でのバイオメタネーション導入、さらに2030年にe-メタン導入1%を目指した社会実装準備を進めている。海外展開では米国サビン社のシェールガス事業を収益の柱として拡大させつつ、インド都市ガス事業への出資拡充にも着手し、グローバルでの天然ガス事業の地盤固めを進行中である。また、非エネルギー分野では情報・材料・都市開発等にまたがるLBS事業を展開し、私募REITの活用や高付加価値ソリューション提案により収益源の分散を図っている。
2025年3月期の売上高は2,069,019百万円(前期比0.7%減)、営業利益は160,731百万円(同6.9%減)と減収減益で着地した。売上高は、国内エネルギー事業で電力販売量が増加したものの、LNG販売量が減少したことや原料費調整制度に基づきガス販売単価が低めに推移した。ガス販売単価の下落および原料価格調整のタイムラグ益の縮小が収益圧迫要因となる一方、電力市場取引の利益等が収益を下支えした。
2026年3月期の売上高は2,040,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益は139,000億円(同13.5%減)と今期も減収減益予想となっている。原料費調整制度に基づくガス販売単価の低下等により減収見通し。セグメント別では、国内エネルギー事業においては電力市場取引の利益増の反動で減益、海外エネルギー事業は油価下落に伴う豪州エリアでの減益を見込む。一方、ライフ&ビジネスソリューション事業では、都市開発事業の好調等により増益見込みとなっている。
同社は、中期経営計画「CAD2026」に基づき、「ミライ価値の共創」「従業員の輝き向上」「経営基盤の進化」の3つを重点戦略として掲げる。財務目標では、経常利益2000億円程度、2030年代早期段階でROIC6%・ROE10%の達成を目指しており、既存の各事業を伸ばして利益を着実に拡大させていく。カーボンニュートラル化に向けては、INPEXとのe-メタン実証や万博でのバイオメタネーション導入などを推進し、2030年にe-メタン導入1%の実現を目指す。また、アセットライト経営の推進により、米国火力発電所や政策保有株式の売却を実施。さらに、私募REIT活用などLBS事業の収益基盤強化にも取り組む。人的資本経営では、働き方改革や「Daigas X」による組織活性化を図り、共感される企業文化の醸成を目指す。
市場環境としては、LNG価格や為替のボラティリティが依然として高く、加えて電力・ガス自由化市場での競争は継続している。また、カーボンニュートラル移行期における規制・技術動向の変化にも迅速な対応が求められる。このような環境下において、トランジション期の利益成長とe-メタンなど未来への投資に両輪でバランス良く取り組み、カーボンニュートラル事業に徐々にシフトしていく。当面の成長ドライバーは、トランジション期に重要性を増す天然ガスの開発・発電・高度利用やノウハウを活かした利益拡大が期待できるインドでの都市ガス事業への取り組むようで、将来の事業基盤構築としてカーボンニュートラル社会を見据えたe-メタンや再エネ等の事業に注力していく方針である。
株主還元の方針については、DOE3.0%および累進配当を基本に据えた配当と機動的な自己株式の取得を今後も継続して資本効率の向上を図っている。原則、減配をしない累進配当方針で、機動的な追加還元策も実施してくようだ。景気に左右されにくく、株価は安定的に推移しているが、2023年10月に13年ぶりとなる自己株式の取得発表したほか、従前よりも財務レバレッジを拡大する方針を示して「中期経営計画2026」への期待の高まりから株価が上昇してきた。関西でのガス事業での知見やノウハウを活かして関西以外の日本全国および海外への展開や、エネルギー以外の着実な事業成長により利益を拡大してポートフォリオを強靭化してきた同社の今後の企業価値向上の動向は注目しておきたい。
<HM>
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