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山田コンサル Research Memo(3):2025年3月期は両事業とも好調に推移し、過去最高業績を更新
配信日時:2025/07/14 16:03
配信元:FISCO
*16:03JST 山田コンサル Research Memo(3):2025年3月期は両事業とも好調に推移し、過去最高業績を更新
■業績動向
1. 2025年3月期の業績概要
山田コンサルティンググループ<4792>の2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%増の22,761百万円、営業利益で同12.8%増の4,132百万円、経常利益で同10.0%増の4,099百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.7%増の2,882百万円と、過去最高業績を連続更新し、期初会社計画に対してもすべての項目で超過達成した。コンサルティング業・投資事業ともに好調に推移したことに加えて、2024年3月に子会社化したピナクルでM&A案件の成約が集中し、増収増益に貢献した。親会社株主に帰属する当期純利益が微増益にとどまったのは、赤字子会社に対して繰延税金資産を計上しなかったことに加えて、ピナクルの利益については出資比率に応じて30%を非支配株主に帰属する当期純利益として計上したことによる(非支配株主に帰属する当期純利益は前期32百万円から107百万円に増加)。
営業利益の増減要因は、人員増(子会社買収による増加を含む)並びに2024年6月に実施した昇給(約9%アップ)による人件費の1,629百万円増に加え、M&A及びグループ再編費用として111百万円増、システム費用等に伴う100百万円増加を主因とする販管費の2,670百万円増加があった。一方で、投資事業において投資利回りの高い株式売却の実施、コンサルティング事業のすべての分野での伸長により、売上総利益が3,139百万円増加し、販管費の増加を吸収した。なお、新たに子会社化したTakenaka Partnersとピナクルの業績影響額は2社合計で売上高は13.5億円の増収要因となった。特にピナクルについては、長年取り組んできたM&A案件の成約が上期に集中したことにより10億円強の売上高となり、計画に対しても5億円強の上振れとなった。営業利益に関してはピナクルが利益増に貢献した一方で、Takenaka Partnersはのれん償却後で若干の赤字になったと見られる。
2. セグメント別の業績
(1) コンサルティング事業
2025年3月期の業績は、売上高で前期比17.1%増の20,355百万円、売上総利益で同18.3%増の18,187百万円、営業利益で同7.3%増の3,177百万円となり、いずれも過去最高を更新した。分野別の売上総利益は、M&Aアドバイザリー事業が同28.6%増の7,744百万円、金額で同1,727百万円の増益となり成長ドライバーとなった。このうち、ピナクル及びTakenaka Partnersの2社で約13億円の上乗せ要因となったが、既存事業ベースでも約4億円の増益となった。国内上場企業の非公開化やカーブアウト等のFA業務の受注が増加した。また、経営コンサルティング事業も持続的成長に向けた中期経営計画の策定や、上場会社の資本効率向上に向けた取り組みなどをテーマとした案件を中心に引合いが旺盛で、売上総利益は同8.0%増の7,389百万円と順調に拡大した。事業承継コンサルティング事業は旺盛な事業承継ニーズを取り込み、売上総利益は同18.1%増の1,934百万円、不動産コンサルティング事業は顧客保有不動産の大型物件を売却できたことから、売上総利益は同28.1%増の1,120百万円とそれぞれ2ケタ増益となった。
(2) 投資事業
2025年3月期の業績は、売上高で前期比49.9%減の2,410百万円、売上総利益で同33.6%増の1,234百万円、営業利益で同34.7%増の953百万円となり、売上総利益と営業利益は過去最高を更新した。ファンド投資株式及び投資不動産の売却が集中した前期の反動で売上高は減少したものの、投資利回りの高い未上場株式の売却が実現したことにより大幅増益となった。
なお、未上場株式投資事業では2025年3月末の営業投資有価証券残高は7,004百万円と前期末の2,991百万円から4,013百万円増加した。事業承継ニーズの高まりを受け、資本構成の再構築が必要な未上場企業が増加し、株式の引受先となるケースが増えており、投資案件の規模も大型化している。投資事業を開始した2011年以降の累計投資額は155.7億円、累計IRRは15.58%と想定IRR(8%以上)を大きく上回るリターンを獲得している。
一方、不動産投資事業では金融機関や不動産仲介会社からの紹介案件が増加し、100件の紹介のなかから4件(39区画)の投資を実行し、2025年3月末の投資不動産残高は前期末の7億円から14億円に増加し、想定IRRで20%以上を見込んでいる。同社は投資不動産残高を10~20億円を目途に、厳選した投資と売却を強化する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2025年3月期の業績概要
山田コンサルティンググループ<4792>の2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%増の22,761百万円、営業利益で同12.8%増の4,132百万円、経常利益で同10.0%増の4,099百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.7%増の2,882百万円と、過去最高業績を連続更新し、期初会社計画に対してもすべての項目で超過達成した。コンサルティング業・投資事業ともに好調に推移したことに加えて、2024年3月に子会社化したピナクルでM&A案件の成約が集中し、増収増益に貢献した。親会社株主に帰属する当期純利益が微増益にとどまったのは、赤字子会社に対して繰延税金資産を計上しなかったことに加えて、ピナクルの利益については出資比率に応じて30%を非支配株主に帰属する当期純利益として計上したことによる(非支配株主に帰属する当期純利益は前期32百万円から107百万円に増加)。
営業利益の増減要因は、人員増(子会社買収による増加を含む)並びに2024年6月に実施した昇給(約9%アップ)による人件費の1,629百万円増に加え、M&A及びグループ再編費用として111百万円増、システム費用等に伴う100百万円増加を主因とする販管費の2,670百万円増加があった。一方で、投資事業において投資利回りの高い株式売却の実施、コンサルティング事業のすべての分野での伸長により、売上総利益が3,139百万円増加し、販管費の増加を吸収した。なお、新たに子会社化したTakenaka Partnersとピナクルの業績影響額は2社合計で売上高は13.5億円の増収要因となった。特にピナクルについては、長年取り組んできたM&A案件の成約が上期に集中したことにより10億円強の売上高となり、計画に対しても5億円強の上振れとなった。営業利益に関してはピナクルが利益増に貢献した一方で、Takenaka Partnersはのれん償却後で若干の赤字になったと見られる。
2. セグメント別の業績
(1) コンサルティング事業
2025年3月期の業績は、売上高で前期比17.1%増の20,355百万円、売上総利益で同18.3%増の18,187百万円、営業利益で同7.3%増の3,177百万円となり、いずれも過去最高を更新した。分野別の売上総利益は、M&Aアドバイザリー事業が同28.6%増の7,744百万円、金額で同1,727百万円の増益となり成長ドライバーとなった。このうち、ピナクル及びTakenaka Partnersの2社で約13億円の上乗せ要因となったが、既存事業ベースでも約4億円の増益となった。国内上場企業の非公開化やカーブアウト等のFA業務の受注が増加した。また、経営コンサルティング事業も持続的成長に向けた中期経営計画の策定や、上場会社の資本効率向上に向けた取り組みなどをテーマとした案件を中心に引合いが旺盛で、売上総利益は同8.0%増の7,389百万円と順調に拡大した。事業承継コンサルティング事業は旺盛な事業承継ニーズを取り込み、売上総利益は同18.1%増の1,934百万円、不動産コンサルティング事業は顧客保有不動産の大型物件を売却できたことから、売上総利益は同28.1%増の1,120百万円とそれぞれ2ケタ増益となった。
(2) 投資事業
2025年3月期の業績は、売上高で前期比49.9%減の2,410百万円、売上総利益で同33.6%増の1,234百万円、営業利益で同34.7%増の953百万円となり、売上総利益と営業利益は過去最高を更新した。ファンド投資株式及び投資不動産の売却が集中した前期の反動で売上高は減少したものの、投資利回りの高い未上場株式の売却が実現したことにより大幅増益となった。
なお、未上場株式投資事業では2025年3月末の営業投資有価証券残高は7,004百万円と前期末の2,991百万円から4,013百万円増加した。事業承継ニーズの高まりを受け、資本構成の再構築が必要な未上場企業が増加し、株式の引受先となるケースが増えており、投資案件の規模も大型化している。投資事業を開始した2011年以降の累計投資額は155.7億円、累計IRRは15.58%と想定IRR(8%以上)を大きく上回るリターンを獲得している。
一方、不動産投資事業では金融機関や不動産仲介会社からの紹介案件が増加し、100件の紹介のなかから4件(39区画)の投資を実行し、2025年3月末の投資不動産残高は前期末の7億円から14億円に増加し、想定IRRで20%以上を見込んでいる。同社は投資不動産残高を10~20億円を目途に、厳選した投資と売却を強化する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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