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日本電技 Research Memo(7):旺盛な受注環境のなか、中期戦略を着実に推進
配信日時:2025/06/26 13:07
配信元:FISCO
*13:07JST 日本電技 Research Memo(7):旺盛な受注環境のなか、中期戦略を着実に推進
■日本電技<1723>の中期経営計画
2. 「第2フェーズ」の事業環境と戦略の進捗
「第2フェーズ」の事業環境は、米国の関税政策による懸念はあるものの、首都圏を中心とした再開発案件や工場案件など引き続き受注が好調で、脱炭素社会への実現に向けたビルの環境負荷低減に資する省エネニーズや人手不足に伴う工場の省人化ニーズなど中長期的なニーズも強い。残業上限規制については遵守が求められており、人材確保や人材育成、DX推進による生産性向上のほか、施工余力や収益性、竣工後のメンテナンス契約可否を勘案した選別的な受注活動が必須となっている。一方、人手不足が深刻化するなか、戦略的な人材の確保・育成・活用と協力会社の体制強化など、グループ全体の人的資本の強化に向けた施策も必要不可欠である。また、東京証券取引所をはじめ各ステークホルダーから、資本コストや株価を意識した経営を求められており、資本コストや資本効率性、成長性を意識した経営戦略及び積極的な成長投資、投資家との建設的な対話と積極的な情報開示、株主還元の強化など、中長期的な企業価値向上への取り組みも重視するようになってきた。さらに、サステナビリティやガバナンスへの取り組み強化や企業認知度の向上、企業文化の醸成といった非財務的な取り組みも強化している。
こうした環境のなか、同社は中期的に、空調計装関連事業の既存事業強化、産業システム関連事業の事業領域拡大、人的資本経営の推進といった戦略を展開している。
空調計装関連事業の既存事業強化では、最適受注を実現する営業や施工体制の再構築・強化、DX化を推進した。最適受注を実現する営業では、エリア戦略の明確化と収益性の維持・向上を推進、旺盛な受注環境のなか、最適受注と新規メンテナンス契約促進により営業利益率を改善することができた。施工体制の再構築・強化では、350社以上ある協力会社の体制整備や体制の構築・運用を推進するなかで、人員確保や業務の平準化などの課題を抽出する一方、協力会社の人材確保・育成などを支援する認定サービスパートナー制度を導入し、高齢化が進む協力会社で新入社員24名を確保した。DXの推進では、社内システムデータの整理と活用、DXによる業務の効率化と価値共創を進め、DX戦略を検討するDX推進委員会の設立や社内システムのクラウド化、AIを活用した空調制御診断評価の運用開始などにつなげた。
産業システム関連事業の事業領域拡大では、ソリューションの強化、事業体制の強化、研究開発投資を推進した。ソリューションの強化では、収益基盤の確保・拡大と技術力向上、子会社との協業強化を推進、プラントメーカーとの協業により想定以上にシェアを拡大した一方、新事業領域のスマート工場の提案件数は目標未達となった。事業体制の強化では、業務提携やM&A、事業採算性向上に向けたDX活用を推進し、提携やM&Aにおいては事業拡大につながる企業を常時検討、DXにおいてはマーケティング提案や設計・積算業務に活用して採算性向上につなげた。研究開発投資では、食品工場向けに先端的技術の構築を進め、AI画像診断技術に関する技術者の育成やデータ分析の面で子会社との連携を強化した。
人的資本経営の推進では、人材確保、人材育成、ウェルビーイング、エンゲージメントを推進した。人材確保では、新卒・中途の採用強化、人事制度の抜本改定、広報によるブランディング強化を推進し、新卒・中途を59名採用、人事制度では管理職コースの複線化や諸手当の増額改定、広報ではスポンサーシップの活用やSNS公式アカウントの開設などを進めた。人材育成では、電技アカデミーの運用開始と資格取得の強化を推進し、資格取得では55名が1級電気工事施工管理技士などの資格を取得した。ウェルビーイング、エンゲージメントでは、働き方改革や健康経営を推進し、残業上限規制の遵守やメンタルヘルス不調の減少などにつなげた。なお、電技アカデミーは、新卒採用の教育を従来OJT中心に数年かけていた研修の一部を、現場の生産性改善や研修の効率化を目的に、1年間集中して座学する制度に変更した。
こうした戦略のほか、資本コストや株価を意識した経営やサステナビリティ経営も戦略的に目指している。資本コストや株価を意識した経営では、エクイティスプレッドやWACCスプレッドの確保に向けてROEやROICを目標経営指標として設定する一方、成長戦略の実践と資本収益性の向上により持続的に企業価値を創出してPBRの向上を目指す。また、2024年11月、DOE(連結株主資本配当率)基準を4%から5%に引き上げたが、機動的な自己株式取得も継続的に実施する方針である。事業活動を通じて得たキャッシュは、引き続き成長投資と株主還元へ回し、成長投資では事業機会の最大化に必要不可欠な採用・教育やM&Aなどへ投資、株主還元ではDOE5%の累進配当をベースに機動的な自己株式購入を実施することで企業価値のさらなる向上を目指す。また、サステナビリティ経営では、「総合計装エンジニアリングを追求し、社会、顧客、社員の期待に応える企業」を目指すマテリアリティを設定、各マテリアリティに沿った取り組みによりステークホルダーとのエンゲージメント向上に努める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2. 「第2フェーズ」の事業環境と戦略の進捗
「第2フェーズ」の事業環境は、米国の関税政策による懸念はあるものの、首都圏を中心とした再開発案件や工場案件など引き続き受注が好調で、脱炭素社会への実現に向けたビルの環境負荷低減に資する省エネニーズや人手不足に伴う工場の省人化ニーズなど中長期的なニーズも強い。残業上限規制については遵守が求められており、人材確保や人材育成、DX推進による生産性向上のほか、施工余力や収益性、竣工後のメンテナンス契約可否を勘案した選別的な受注活動が必須となっている。一方、人手不足が深刻化するなか、戦略的な人材の確保・育成・活用と協力会社の体制強化など、グループ全体の人的資本の強化に向けた施策も必要不可欠である。また、東京証券取引所をはじめ各ステークホルダーから、資本コストや株価を意識した経営を求められており、資本コストや資本効率性、成長性を意識した経営戦略及び積極的な成長投資、投資家との建設的な対話と積極的な情報開示、株主還元の強化など、中長期的な企業価値向上への取り組みも重視するようになってきた。さらに、サステナビリティやガバナンスへの取り組み強化や企業認知度の向上、企業文化の醸成といった非財務的な取り組みも強化している。
こうした環境のなか、同社は中期的に、空調計装関連事業の既存事業強化、産業システム関連事業の事業領域拡大、人的資本経営の推進といった戦略を展開している。
空調計装関連事業の既存事業強化では、最適受注を実現する営業や施工体制の再構築・強化、DX化を推進した。最適受注を実現する営業では、エリア戦略の明確化と収益性の維持・向上を推進、旺盛な受注環境のなか、最適受注と新規メンテナンス契約促進により営業利益率を改善することができた。施工体制の再構築・強化では、350社以上ある協力会社の体制整備や体制の構築・運用を推進するなかで、人員確保や業務の平準化などの課題を抽出する一方、協力会社の人材確保・育成などを支援する認定サービスパートナー制度を導入し、高齢化が進む協力会社で新入社員24名を確保した。DXの推進では、社内システムデータの整理と活用、DXによる業務の効率化と価値共創を進め、DX戦略を検討するDX推進委員会の設立や社内システムのクラウド化、AIを活用した空調制御診断評価の運用開始などにつなげた。
産業システム関連事業の事業領域拡大では、ソリューションの強化、事業体制の強化、研究開発投資を推進した。ソリューションの強化では、収益基盤の確保・拡大と技術力向上、子会社との協業強化を推進、プラントメーカーとの協業により想定以上にシェアを拡大した一方、新事業領域のスマート工場の提案件数は目標未達となった。事業体制の強化では、業務提携やM&A、事業採算性向上に向けたDX活用を推進し、提携やM&Aにおいては事業拡大につながる企業を常時検討、DXにおいてはマーケティング提案や設計・積算業務に活用して採算性向上につなげた。研究開発投資では、食品工場向けに先端的技術の構築を進め、AI画像診断技術に関する技術者の育成やデータ分析の面で子会社との連携を強化した。
人的資本経営の推進では、人材確保、人材育成、ウェルビーイング、エンゲージメントを推進した。人材確保では、新卒・中途の採用強化、人事制度の抜本改定、広報によるブランディング強化を推進し、新卒・中途を59名採用、人事制度では管理職コースの複線化や諸手当の増額改定、広報ではスポンサーシップの活用やSNS公式アカウントの開設などを進めた。人材育成では、電技アカデミーの運用開始と資格取得の強化を推進し、資格取得では55名が1級電気工事施工管理技士などの資格を取得した。ウェルビーイング、エンゲージメントでは、働き方改革や健康経営を推進し、残業上限規制の遵守やメンタルヘルス不調の減少などにつなげた。なお、電技アカデミーは、新卒採用の教育を従来OJT中心に数年かけていた研修の一部を、現場の生産性改善や研修の効率化を目的に、1年間集中して座学する制度に変更した。
こうした戦略のほか、資本コストや株価を意識した経営やサステナビリティ経営も戦略的に目指している。資本コストや株価を意識した経営では、エクイティスプレッドやWACCスプレッドの確保に向けてROEやROICを目標経営指標として設定する一方、成長戦略の実践と資本収益性の向上により持続的に企業価値を創出してPBRの向上を目指す。また、2024年11月、DOE(連結株主資本配当率)基準を4%から5%に引き上げたが、機動的な自己株式取得も継続的に実施する方針である。事業活動を通じて得たキャッシュは、引き続き成長投資と株主還元へ回し、成長投資では事業機会の最大化に必要不可欠な採用・教育やM&Aなどへ投資、株主還元ではDOE5%の累進配当をベースに機動的な自己株式購入を実施することで企業価値のさらなる向上を目指す。また、サステナビリティ経営では、「総合計装エンジニアリングを追求し、社会、顧客、社員の期待に応える企業」を目指すマテリアリティを設定、各マテリアリティに沿った取り組みによりステークホルダーとのエンゲージメント向上に努める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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