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kubell Research Memo(5):課金ID数の成長率が加速し増収増益(1)
配信日時:2025/07/24 16:15
配信元:FISCO
*16:15JST kubell Research Memo(5):課金ID数の成長率が加速し増収増益(1)
■kubell<4448>の業績動向
1. 2025年12月期第1四半期業績概要
2025年12月期第1四半期の連結業績は、売上高2,234百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益76百万円(前年同期は13百万円の損失)、経常利益70百万円(同16百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益29百万円の損失(同43百万円の損失)となった。
広告宣伝費や業務委託費を抑制したことにより、EBITDAは285百万円(前年同期比129.2%)と大幅に増加し、通期業績予想を上回るペースで推移している。売上高についても前年同期比で15.5%の増加を記録しており、堅調な推移を示している。通期の業績予想として掲げている売上高の下限9,741百万円に対する進捗率も、22.9%と想定どおりの進捗が確認されている状況である。また、一時的に成長が鈍化していた課金ID数は、足元では回復基調に転じており、成長率も加速している。課金ID数については、今後数クオーターにわたり回復基調が続く見通しであり、加えて課金ID解約率についても下落が続いている。これは、利用料金の値上げの影響が2024年7月で一巡していることに加え、アクティブユーザーが増加していることから、サービス満足度の向上も寄与しているのではないかと弊社では考える。
BPaaS事業においては、売上の増加とともにオペレーターの採用も順調に進展しており、オンボーディング等の体制構築に関しても、現在の採用ペースに応じて順調に進んでいる。人的キャパシティの拡充によって受注能力が可視化され、売上高の成長に対する蓋然性が高まっていると弊社では見ている。さらに、同事業ではAIエージェントの導入に関する検証が進んでいる。AIエージェントは新しい概念ではあるが、業界全体で注目されているトレンドであり、同社でもこれを積極的に活用する方向で動いている。BPaaS領域でのAIの活用は、今後の成長戦略においても重要なKPIと位置付けられており、同社の事業戦略の中核を成す要素となっていることが窺える。同事業における人件費は原価に直結するため、AIエージェントの導入によって将来的な原価圧縮と粗利率の改善が期待される。2025年12月期は中期経営計画の2年目に当たるが、EBITDA及び営業利益の双方で大幅増を達成しており、非常に順調なペースで進捗していると弊社では見ている。
2. セグメント情報の変更
同社事業のセグメントは、2024年12月期におけるセキュリティセグメントの廃止を背景として、現在は「プラットフォーム事業」という単一セグメントに再編されており、このセグメントの中にSaaSドメインと成長著しいBPaaSドメインの2領域を含んでいる。同社では、各サービスが同一のターゲットユーザーを持ち、クロスセルを通じて顧客開拓を進めるビジネスモデルであることから、こうした単一セグメントでの運用が合理的であると位置付けている。そして、それぞれのドメインに対してストック・フローの収益区分を加えることで、収益構造の可視化が一層進んでいる。
SaaS及びBPaaSの各ドメインにおける売上高推移を見ても、ストック収益は安定して成長しており、収益の基盤としての役割を果たしていることが窺える。特にBPaaSドメインについては、前年同期比で101.4%の伸びを見せており、高成長領域としてのポテンシャルが明確に現れていると弊社では見ている。
3. 主要KPIハイライト
全社ベースのARR(年間経常収益)は84.5億円(前年同期比17.6%増)に達しており、同社のビジネス全体が安定した成長軌道にあることが確認できる。また、導入社数は91.5万社(同13.7%増)に達している。導入社数については定義変更が行われており、従来はビジネスチャットサービス「Chatwork」の契約企業のみを導入社数としてカウントしていたが、この定義ではBPaaSやその他のサービスを利用している企業が含まれておらず、同社全体の顧客基盤を正確に反映しているとは言い難い状況であった。そこで、今回の定義変更により、その他のサービスを利用する企業も導入社数として含めることとした。また、これまでは外部データベースとの照合によって法人確認ができた企業のみを集計していたが、「@」以降が企業ドメインのメールアドレスや、営業・カスタマーサービス部門にて企業であることを確認できた場合も集計に含める方針に改められた。
SaaSドメインに関しては、ARRが76.1億円(前年同期比12.4%増)であり、登録ID数は754.4万ID(同10.1%増)とされている。DAU(Daily Active User:1日当たりのサービス利用者数)も119.7万(同6.5%増)と、機能改善やコミュニケーション強化によるアクティブ率向上施策が奏功している。さらに、課金ID数は80.7万ID(同8.6%増)に達している。
1課金ID当たりの平均単価であるARPUは719.5円(前年同期比4.7%増)となっており、価格改定の影響も見られる。これらのデータは、SaaSドメインが依然として同社の収益源として強固な基盤を持っていることを示している。
一方で、今回初めて開示されたBPaaSドメインにおいては、ARRが8.3億円(前年同期比102.5%増)と急成長を記録しており、新たな事業領域としての可能性が強く示唆されている。売上高は2億1,800万円(同101.4%増)であり、今後の成長に向けた基盤構築が着実に進んでいることがわかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<HN>
1. 2025年12月期第1四半期業績概要
2025年12月期第1四半期の連結業績は、売上高2,234百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益76百万円(前年同期は13百万円の損失)、経常利益70百万円(同16百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益29百万円の損失(同43百万円の損失)となった。
広告宣伝費や業務委託費を抑制したことにより、EBITDAは285百万円(前年同期比129.2%)と大幅に増加し、通期業績予想を上回るペースで推移している。売上高についても前年同期比で15.5%の増加を記録しており、堅調な推移を示している。通期の業績予想として掲げている売上高の下限9,741百万円に対する進捗率も、22.9%と想定どおりの進捗が確認されている状況である。また、一時的に成長が鈍化していた課金ID数は、足元では回復基調に転じており、成長率も加速している。課金ID数については、今後数クオーターにわたり回復基調が続く見通しであり、加えて課金ID解約率についても下落が続いている。これは、利用料金の値上げの影響が2024年7月で一巡していることに加え、アクティブユーザーが増加していることから、サービス満足度の向上も寄与しているのではないかと弊社では考える。
BPaaS事業においては、売上の増加とともにオペレーターの採用も順調に進展しており、オンボーディング等の体制構築に関しても、現在の採用ペースに応じて順調に進んでいる。人的キャパシティの拡充によって受注能力が可視化され、売上高の成長に対する蓋然性が高まっていると弊社では見ている。さらに、同事業ではAIエージェントの導入に関する検証が進んでいる。AIエージェントは新しい概念ではあるが、業界全体で注目されているトレンドであり、同社でもこれを積極的に活用する方向で動いている。BPaaS領域でのAIの活用は、今後の成長戦略においても重要なKPIと位置付けられており、同社の事業戦略の中核を成す要素となっていることが窺える。同事業における人件費は原価に直結するため、AIエージェントの導入によって将来的な原価圧縮と粗利率の改善が期待される。2025年12月期は中期経営計画の2年目に当たるが、EBITDA及び営業利益の双方で大幅増を達成しており、非常に順調なペースで進捗していると弊社では見ている。
2. セグメント情報の変更
同社事業のセグメントは、2024年12月期におけるセキュリティセグメントの廃止を背景として、現在は「プラットフォーム事業」という単一セグメントに再編されており、このセグメントの中にSaaSドメインと成長著しいBPaaSドメインの2領域を含んでいる。同社では、各サービスが同一のターゲットユーザーを持ち、クロスセルを通じて顧客開拓を進めるビジネスモデルであることから、こうした単一セグメントでの運用が合理的であると位置付けている。そして、それぞれのドメインに対してストック・フローの収益区分を加えることで、収益構造の可視化が一層進んでいる。
SaaS及びBPaaSの各ドメインにおける売上高推移を見ても、ストック収益は安定して成長しており、収益の基盤としての役割を果たしていることが窺える。特にBPaaSドメインについては、前年同期比で101.4%の伸びを見せており、高成長領域としてのポテンシャルが明確に現れていると弊社では見ている。
3. 主要KPIハイライト
全社ベースのARR(年間経常収益)は84.5億円(前年同期比17.6%増)に達しており、同社のビジネス全体が安定した成長軌道にあることが確認できる。また、導入社数は91.5万社(同13.7%増)に達している。導入社数については定義変更が行われており、従来はビジネスチャットサービス「Chatwork」の契約企業のみを導入社数としてカウントしていたが、この定義ではBPaaSやその他のサービスを利用している企業が含まれておらず、同社全体の顧客基盤を正確に反映しているとは言い難い状況であった。そこで、今回の定義変更により、その他のサービスを利用する企業も導入社数として含めることとした。また、これまでは外部データベースとの照合によって法人確認ができた企業のみを集計していたが、「@」以降が企業ドメインのメールアドレスや、営業・カスタマーサービス部門にて企業であることを確認できた場合も集計に含める方針に改められた。
SaaSドメインに関しては、ARRが76.1億円(前年同期比12.4%増)であり、登録ID数は754.4万ID(同10.1%増)とされている。DAU(Daily Active User:1日当たりのサービス利用者数)も119.7万(同6.5%増)と、機能改善やコミュニケーション強化によるアクティブ率向上施策が奏功している。さらに、課金ID数は80.7万ID(同8.6%増)に達している。
1課金ID当たりの平均単価であるARPUは719.5円(前年同期比4.7%増)となっており、価格改定の影響も見られる。これらのデータは、SaaSドメインが依然として同社の収益源として強固な基盤を持っていることを示している。
一方で、今回初めて開示されたBPaaSドメインにおいては、ARRが8.3億円(前年同期比102.5%増)と急成長を記録しており、新たな事業領域としての可能性が強く示唆されている。売上高は2億1,800万円(同101.4%増)であり、今後の成長に向けた基盤構築が着実に進んでいることがわかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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