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ダイセキ:廃液や廃油を安全かつ効率的に処理、2031年2月期の売上高目標1,500億円
配信日時:2025/06/25 13:38
配信元:FISCO
*13:38JST ダイセキ:廃液や廃油を安全かつ効率的に処理、2031年2月期の売上高目標1,500億円
ダイセキ<9793>は、1945年の創業以来、工場廃液を中心とした特殊な産業廃棄物の処理・リサイクル事業を主力としている。同社の事業は環境関連事業で構成されており、株式会社ダイセキを中核とした複数の子会社により多角的な事業展開を行っている。主力事業である株式会社ダイセキの工場廃液処理事業は、製造業から排出される廃液、廃油、汚泥などの特殊な産業廃棄物を高度な技術により処理し、リサイクル燃料や再生油として販売する循環型ビジネスモデルを構築している。この事業モデルの特徴は、単なる廃棄物処理にとどまらず、処理した廃棄物を有価物として再生・販売することで、処理費用の収入に加えて再生品販売という二重の収益構造を実現している点にある。2025年2月末のダイセキの国内シェアは25.6%を占める(取引有6,201工場/国内従業員100名以上の製造工場24,252)。子会社事業では、ダイセキ環境ソリューションが土壌汚染処理関連事業を担当し、2023年4月には杉本商事グループをM&Aにより傘下に収めて廃プラスチックリサイクル事業に参入した。ダイセキMCRは鉛リサイクル事業を専門とし、システム機工は大型タンクや工業設備の洗浄事業を手掛けている。これらの事業は相互に補完し合い、グループ全体として環境関連事業の総合的なソリューションを提供している。
同社の最大の強みは、特殊な廃液・廃油処理技術にある。一般的な固形廃棄物処理を行う企業は数多く存在するが、複雑な化学組成を持つ廃液や廃油を安全かつ効率的に処理できる技術を有する企業は限られており、高い参入障壁を築いている。地理的優位性も大きな強みである。本拠地の愛知県は自動車産業をはじめとする製造業が高度に集積した地域であり、同社は長年にわたってこの地域の製造業との間に強固な信頼関係を構築している。現在、従業員100名以上の製造工場24,252社のうち6,201工場と取引関係にあり、2025年2月期には270工場との新規取引を開始するなど、継続的な顧客基盤の拡大を実現している。ほか、2025年2月にCDP2024気候変動部門においてAリスト企業として2年連続で選定されている。
2025年2月期の売上高は67,304百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益14,318百万円(同3.3%減)で着地した。事業別では、主力の株式会社ダイセキにおいて新規工場取引の獲得によるシェアアップが奏功し、リサイクル燃料の出荷も好調に推移した結果、売上・利益ともに高水準の売上・利益を維持。ダイセキ環境ソリューションの土壌汚染処理事業は、大規模案件の受注獲得により計画を上回る結果となり、ダイセキMCRの鉛リサイクル事業は円安による鉛相場の高止まりにより計画を大きく上回った。システム機工の大型タンク洗浄事業もほぼ100%の稼働率を維持し、過去最高の業績を達成した。
2026年2月期の売上高は70,000百万円(前期比4.0%増)、営業利益15,700百万円(同9.6%増)と増収増益を予想している。ダイセキを中心に業容拡大を図るほか、ダイセキ環境ソリューションでは、大都市圏を中心に不動産需要は底堅いと予測しており高付加価値かつ大規模案件の受注拡大に注力していく。
同社はVISION2030を掲げており、2031年2月期の売上高1,500億円、営業利益250億円、ROE15%という目標を設定している。成長戦略の柱は、地理的事業拡大と新規事業領域の開拓である。3事業拠点の拡充では、広島事業所が既に稼働し、北海道では土地取得を完了、東北地域でも土地取得を検討中である。新規事業では、MOF(金属有機構造体)を使用したアンモニア回収事業で2031年2月期に売上高30億円、営業利益10億円を計画している。廃プラスチックリサイクル事業では杉本商事グループのM&Aにより参入を果たし、2031年2月期に売上高28億円、営業利益4億円を目指している。これらの新規事業を合計すると、2031年2月期には売上高81億円、営業利益20億円の貢献が期待される。ただ、コア事業(ダイセキの廃液リサイクル事業)の国内シェアは30%を掲げているほか、大阪油化工業<4124>のTOBは不成立となったが双方の企業価値向上の可能性について引き続き協議中である。
株主還元では、配当性向は40%を目指して徐々に拡大。当面総還元性向は80%を目途とするほか、2025年2月期から2027年2月期の3カ年で120億円程度の自社株買を実施し、2027年2月期以降ROE12%以上を目指す方針を掲げている。廃棄物処理業界で強固な財務基盤と継続的な技術革新により持続的な成長が期待される企業として、今後の動向に注目しておきたい。
<HM>
同社の最大の強みは、特殊な廃液・廃油処理技術にある。一般的な固形廃棄物処理を行う企業は数多く存在するが、複雑な化学組成を持つ廃液や廃油を安全かつ効率的に処理できる技術を有する企業は限られており、高い参入障壁を築いている。地理的優位性も大きな強みである。本拠地の愛知県は自動車産業をはじめとする製造業が高度に集積した地域であり、同社は長年にわたってこの地域の製造業との間に強固な信頼関係を構築している。現在、従業員100名以上の製造工場24,252社のうち6,201工場と取引関係にあり、2025年2月期には270工場との新規取引を開始するなど、継続的な顧客基盤の拡大を実現している。ほか、2025年2月にCDP2024気候変動部門においてAリスト企業として2年連続で選定されている。
2025年2月期の売上高は67,304百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益14,318百万円(同3.3%減)で着地した。事業別では、主力の株式会社ダイセキにおいて新規工場取引の獲得によるシェアアップが奏功し、リサイクル燃料の出荷も好調に推移した結果、売上・利益ともに高水準の売上・利益を維持。ダイセキ環境ソリューションの土壌汚染処理事業は、大規模案件の受注獲得により計画を上回る結果となり、ダイセキMCRの鉛リサイクル事業は円安による鉛相場の高止まりにより計画を大きく上回った。システム機工の大型タンク洗浄事業もほぼ100%の稼働率を維持し、過去最高の業績を達成した。
2026年2月期の売上高は70,000百万円(前期比4.0%増)、営業利益15,700百万円(同9.6%増)と増収増益を予想している。ダイセキを中心に業容拡大を図るほか、ダイセキ環境ソリューションでは、大都市圏を中心に不動産需要は底堅いと予測しており高付加価値かつ大規模案件の受注拡大に注力していく。
同社はVISION2030を掲げており、2031年2月期の売上高1,500億円、営業利益250億円、ROE15%という目標を設定している。成長戦略の柱は、地理的事業拡大と新規事業領域の開拓である。3事業拠点の拡充では、広島事業所が既に稼働し、北海道では土地取得を完了、東北地域でも土地取得を検討中である。新規事業では、MOF(金属有機構造体)を使用したアンモニア回収事業で2031年2月期に売上高30億円、営業利益10億円を計画している。廃プラスチックリサイクル事業では杉本商事グループのM&Aにより参入を果たし、2031年2月期に売上高28億円、営業利益4億円を目指している。これらの新規事業を合計すると、2031年2月期には売上高81億円、営業利益20億円の貢献が期待される。ただ、コア事業(ダイセキの廃液リサイクル事業)の国内シェアは30%を掲げているほか、大阪油化工業<4124>のTOBは不成立となったが双方の企業価値向上の可能性について引き続き協議中である。
株主還元では、配当性向は40%を目指して徐々に拡大。当面総還元性向は80%を目途とするほか、2025年2月期から2027年2月期の3カ年で120億円程度の自社株買を実施し、2027年2月期以降ROE12%以上を目指す方針を掲げている。廃棄物処理業界で強固な財務基盤と継続的な技術革新により持続的な成長が期待される企業として、今後の動向に注目しておきたい。
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