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福井コンピュータホールディングス:建設DXを牽引するICT企業、自社の成長に加え業界IT基盤の創出も目指す中計に注目
配信日時:2025/06/25 13:23
配信元:FISCO
*13:23JST 福井コンピュータホールディングス:建設DXを牽引するICT企業、自社の成長に加え業界IT基盤の創出も目指す中計に注目
福井コンピュータホールディングス<9790>は、建設業向けのICTソリューションを展開するソフトウェア企業グループである。設計から施工、維持管理、情報共有まで建設ライフサイクル全体をカバーする約30種の製品を保有しており、全国30拠点と400社を超える販売パートナーを通じた33,000社以上の顧客基盤を持つ。競合企業は、DTS<9682>、BIPROGY<8056>、アイサンテクノロジー<4667>などである。
事業は3つのセグメントから構成されており、戸建住宅の設計やプレゼン、積算を支援する3D建築CADやBIMソリューションを提供する「建築システム事業」、測量・土木分野に向けたCADや施工管理、点群処理などのICTツールを提供する「測量土木システム事業」、選挙関連システムやクラウドを活用したITサービスなどを提供する「ITソリューション事業」からなる。同社はクラウドやスマートデバイス対応、サブスクリプション型モデルの導入にも注力しており、建設業界のデジタルトランスフォーメーションを牽引している。
同社の競争優位性は、建設業界向けソフトウェアに特化した高度な技術力、そして法規制対応力の高さにある。創業以来45年以上にわたり、建設分野向けに専用CADシステムを中心としたICTソリューションを提供し、業界に深く根差した信頼と実績を築いてきた。測量CADでは国内トップシェア、建築BIM分野では唯一の国産BIMシステムを展開するなど、技術面での優位性は極めて高い。また、建設業界は法規制が極めて厳しいが、同社は業界内における豊富な知見と実績に加え、広範なネットワークを有している。これらを生かして法改正や制度変更を速やかに製品に反映し、顧客の法令順守を支援できる点は参入障壁ともなっており、大きな強みと言えよう。
2025年3月期決算は、売上高14,717百万円(前期比6.5%増)、営業利益6,085百万円(同8.9%増)、経常利益6,211百万円(同9.4%増)、当期純利益は4,189百万円(同9.8%増)と増収増益、また売上高は過去最高となった。建築システム事業では、法改正対応製品やBIM関連製品の販売増などが寄与し、売上高6,905百万円(前期比7.0%増)、営業利益2,519百万円(同18.8%増)となった。測量土木システム事業は、i-ConstructionやBIM/CIMの普及を背景に、売上高7,168百万円(前期比2.2%増)、営業利益3,438百万円(同4.1%増)と堅調に推移。ITソリューション事業も選挙関連システムの受注により、売上高643百万円(前期比82.7%増)、営業利益483百万円(同233.0%増)と大幅増益となった。
2026年3月期の連結業績予想は、売上高15,580百万円(前期比5.9%増)、営業利益6,600百万円(同8.5%増)、経常利益6,658百万円(同7.2%増)、当期純利益4,310百万円(同2.9%増)を見込む。建築システム事業では建築基準法改正対応製品やBIMを活用した確認申請対応および施工フェーズ向けソリューションの展開を強化。測量土木システム事業では、標高基準の一部改正を受け、売上増加が見込まれるほか、i-Construction 2.0における土工・河川浚渫の原則化やBIM/CIM原則適用を背景に売上の堅調な推移が期待される。また、ITソリューション事業では2025年7月の参議院選挙に伴う需要を取り込む方針だ。
同社は、2025年3月期から2027年3月期を対象とする「第3期中期経営計画」を策定している。本計画は、既存CAD製品の高度化によるコアビジネスの成長に加え、建設業界向けのアプリケーションをワンストップで提供するプラットフォーム「FC Apps Direct」の展開、共通データ環境(CDE)の構築推進といった建設業界のインフラ構築も企図、ステークホルダーとの共存共栄も目指す革新的なものだ。また、人的資本を成長の源泉と捉え、それぞれの人材の役割に応じた取り組みへの投資を実施し、組織力の強化も進める。定量目標として、2027年3月期に売上高175億円、営業利益80億円、ROE15%以上、配当性向35%以上を掲げている。
株主還元については、2015年3月期から10年間、ほぼ一貫して増配を継続(2023年3月期のみ横ばい)しており、2025年3月期の配当は1株あたり70円(前期比5円増)となった。2026年3月期も73円の配当と3円の増配を予定している。中期経営計画では配当性向35%以上を目安に、3年間で総額50億円の配当を目標としており、成長投資との両立を図る方針だ。
高齢化と担い手不足が課題の建設業界においては、業務の最適化・自動化を支援するIT技術の必要性がますます高まっている。また、橋梁など老朽インフラの維持管理など、同社のIT技術活用の場の拡大も期待できよう。さらに、中期経営計画で掲げる70億円の事業投資枠を活用した、M&Aによる非連続な成長の可能性もある。建設業界に特化したICTソリューションで圧倒的な存在感を示し、業界インフラ構築も目指す同社の今後の展開には注目しておきたい。
<HM>
事業は3つのセグメントから構成されており、戸建住宅の設計やプレゼン、積算を支援する3D建築CADやBIMソリューションを提供する「建築システム事業」、測量・土木分野に向けたCADや施工管理、点群処理などのICTツールを提供する「測量土木システム事業」、選挙関連システムやクラウドを活用したITサービスなどを提供する「ITソリューション事業」からなる。同社はクラウドやスマートデバイス対応、サブスクリプション型モデルの導入にも注力しており、建設業界のデジタルトランスフォーメーションを牽引している。
同社の競争優位性は、建設業界向けソフトウェアに特化した高度な技術力、そして法規制対応力の高さにある。創業以来45年以上にわたり、建設分野向けに専用CADシステムを中心としたICTソリューションを提供し、業界に深く根差した信頼と実績を築いてきた。測量CADでは国内トップシェア、建築BIM分野では唯一の国産BIMシステムを展開するなど、技術面での優位性は極めて高い。また、建設業界は法規制が極めて厳しいが、同社は業界内における豊富な知見と実績に加え、広範なネットワークを有している。これらを生かして法改正や制度変更を速やかに製品に反映し、顧客の法令順守を支援できる点は参入障壁ともなっており、大きな強みと言えよう。
2025年3月期決算は、売上高14,717百万円(前期比6.5%増)、営業利益6,085百万円(同8.9%増)、経常利益6,211百万円(同9.4%増)、当期純利益は4,189百万円(同9.8%増)と増収増益、また売上高は過去最高となった。建築システム事業では、法改正対応製品やBIM関連製品の販売増などが寄与し、売上高6,905百万円(前期比7.0%増)、営業利益2,519百万円(同18.8%増)となった。測量土木システム事業は、i-ConstructionやBIM/CIMの普及を背景に、売上高7,168百万円(前期比2.2%増)、営業利益3,438百万円(同4.1%増)と堅調に推移。ITソリューション事業も選挙関連システムの受注により、売上高643百万円(前期比82.7%増)、営業利益483百万円(同233.0%増)と大幅増益となった。
2026年3月期の連結業績予想は、売上高15,580百万円(前期比5.9%増)、営業利益6,600百万円(同8.5%増)、経常利益6,658百万円(同7.2%増)、当期純利益4,310百万円(同2.9%増)を見込む。建築システム事業では建築基準法改正対応製品やBIMを活用した確認申請対応および施工フェーズ向けソリューションの展開を強化。測量土木システム事業では、標高基準の一部改正を受け、売上増加が見込まれるほか、i-Construction 2.0における土工・河川浚渫の原則化やBIM/CIM原則適用を背景に売上の堅調な推移が期待される。また、ITソリューション事業では2025年7月の参議院選挙に伴う需要を取り込む方針だ。
同社は、2025年3月期から2027年3月期を対象とする「第3期中期経営計画」を策定している。本計画は、既存CAD製品の高度化によるコアビジネスの成長に加え、建設業界向けのアプリケーションをワンストップで提供するプラットフォーム「FC Apps Direct」の展開、共通データ環境(CDE)の構築推進といった建設業界のインフラ構築も企図、ステークホルダーとの共存共栄も目指す革新的なものだ。また、人的資本を成長の源泉と捉え、それぞれの人材の役割に応じた取り組みへの投資を実施し、組織力の強化も進める。定量目標として、2027年3月期に売上高175億円、営業利益80億円、ROE15%以上、配当性向35%以上を掲げている。
株主還元については、2015年3月期から10年間、ほぼ一貫して増配を継続(2023年3月期のみ横ばい)しており、2025年3月期の配当は1株あたり70円(前期比5円増)となった。2026年3月期も73円の配当と3円の増配を予定している。中期経営計画では配当性向35%以上を目安に、3年間で総額50億円の配当を目標としており、成長投資との両立を図る方針だ。
高齢化と担い手不足が課題の建設業界においては、業務の最適化・自動化を支援するIT技術の必要性がますます高まっている。また、橋梁など老朽インフラの維持管理など、同社のIT技術活用の場の拡大も期待できよう。さらに、中期経営計画で掲げる70億円の事業投資枠を活用した、M&Aによる非連続な成長の可能性もある。建設業界に特化したICTソリューションで圧倒的な存在感を示し、業界インフラ構築も目指す同社の今後の展開には注目しておきたい。
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