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豆蔵デジタルHD Research Memo(2):先端技術を基盤としてDX支援を多面的に展開
配信日時:2025/06/25 13:02
配信元:FISCO
*13:02JST 豆蔵デジタルHD Research Memo(2):先端技術を基盤としてDX支援を多面的に展開
■会社概要
1. 会社概要
豆蔵デジタルホールディングス<202A>は、豆蔵、コーワメックス、エヌティ・ソリューションズの3社をグループ会社に持つ持株会社であり、グループ全体の運営方針を策定する中核的な役割を担っている。事業を担う3社はそれぞれ異なる専門分野において高い技術力を有し、顧客企業のデジタル変革と競争力強化を支援している。豆蔵は、AIソフトウェア工学及びロボット工学に精通し、発注者視点で顧客のデジタル競争力の強化を実現するコンサルティングサービスを提供している。コーワメックスは、ソフトウェア・ハードウェア両面の開発力及びデジタル技術を生かして次世代モビリティの開発を支援し、ものづくりの競争力を高めるソリューションを提供している。エヌティ・ソリューションズは、生成AIなどの先端技術を活用し、ERP(基幹業務システム)のDX化推進に特化したソリューションを提供している。グループ各社が連携し、先端技術を活用した情報サービス関連事業を幅広く展開している。
同社の情報サービス関連事業は、クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング、モビリティ・オートメーションの4つの分野に分けられる。ソフトウェア開発の知見、AI・データ分析、ロボット技術などを生かし、企業のIT戦略立案、業務改革、システム開発など、あらゆる側面のデジタル化を通じて持続的なデジタル革新と競争力向上を支援している。また、技術者向けの教育・研修や産業用ロボットの開発支援など、高度な専門性を要するサービスも提供している。
同社は金融、通信、製造、商社など幅広い業種の大手企業との取引実績を持ち、売上高の80%以上が東証プライム市場に上場する企業及びその関連会社である。平均8年以上にわたる長期的な取引関係が続いており、顧客からの高い信頼が窺える。
同社は、従来型のSIerとは一線を画すビジネスモデルを採用している。同社の特徴は、顧客の要望に基づいて既存のアプリケーションを開発・実装するのではなく、より本質的かつ長期的な視点でシステム全体を構想し、設計及び構築を行う点にある。アプリケーション単位の請負開発ではなく、企業のIT基盤そのものを支える「アーキテクチャ設計」に注力しており、その思想はまさに耐震構造や地盤といった建物の根幹を担う建築士の役割に例えることができる。同社は顧客とより深い信頼関係を構築し、短期的な案件対応ではなく、企業の中長期的な競争力強化に資するパートナーとしてのポジションを確立している。
なお、社名に含まれる「豆蔵」という言葉には、2つの意味が込められている。1つは、プログラミング言語「Java」で作成されたプログラムを「Java Beans」と呼ぶことにちなんでおり、多くのプログラム(豆)を生み出す蔵元のような存在になりたいという想いが込められている。もう1つは、江戸時代の大道芸人「豆蔵」に由来し、「芸に秀でた人」という意味を重ね合わせて、卓越した技術者が集う会社でありたいという願いが込められている。
2. 沿革
同社は、1999年11月に事務機器の販売及び事務処理の請負を目的とした(株)理想生活として設立された。2000年1月には事業内容をソフトウェア開発とその支援サービスに変更し、商号を豆蔵に改めた。同年5月から情報システムの企画・設計・技術サポートを行うITコンサルティング及びソフトウェア開発を開始し、同年6月には教育サービスも始めた。2004年11月に東京証券取引所マザーズに上場し、資金調達を通じて事業基盤を強化した。
同社は2006年10月に商号を(株)豆蔵OSホールディングスに変更したうえで、会社分割を行って新たに豆蔵を設立し、事業部門をすべて豆蔵に引き継いだ。この再編により持株会社としての体制を整備し、グループ全体の経営効率化と戦略的事業展開を図った。同社は2012年7月には商号を(株)豆蔵ホールディングスに改め、2013年10月には東京証券取引所市場第一部に上場した。しかし、2020年6月にはMBO(経営陣による買収)を行い、上場を廃止した。なお、MBOに至った経緯は以下のとおりである。
当時の代表取締役会長兼社長である荻原紀男(おぎわらのりお)氏は、現行のビジネスモデルに基づく収益成長の限界を認識していたことに加え、M&Aによる事業拡大がグループ内の技術力や収益性のバラバラ感を浮き彫りにし、グループ全体の成長を最大化できていないことが課題であるとしていた。荻原氏はそれを解決するため、自社製品の開発を中心とした新しいプロダクトビジネスへの転換を模索したが、ビジネスモデルの大幅な変更は短期的に利益を圧迫する可能性が高く、特に先端技術への投資や人材配置の転換に伴う教育コストの増加や稼働率の低下が業績に一時的な影響を与えるリスクがあると考えた。上場を維持したままでは短期的なファンダメンタルズの悪化により株価が低下し、既存株主に不利益を被らせる恐れがあるため、荻原氏は独立系投資会社であるインテグラル<5842>の100%子会社として(株)豆蔵K2TOPホールディングスを設立し、2020年6月にMBOを実行して一時的に非公開化した。
同社はこのMBOを通じて経営の自由度を高め、組織再編及び事業改革を推進していった。組織面では、2020年11月にグループ再編を目的として豆蔵デジタルホールディングス(同社)を設立、2021年4月には現連結子会社である豆蔵、コーワメックス、エヌティ・ソリューションズの株式を取得し、現在の組織体制を整えた。事業面では、高付加価値な領域に特化した事業構造改革を行うと同時に、中長期的な成長に向けた新ソリューションの創出への戦略投資を実行した。そして、2024年6月27日に東京証券取引所グロース市場に再上場を果たし、現在はさらなる事業成長と収益性の向上による持続的な企業価値向上を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
<HN>
1. 会社概要
豆蔵デジタルホールディングス<202A>は、豆蔵、コーワメックス、エヌティ・ソリューションズの3社をグループ会社に持つ持株会社であり、グループ全体の運営方針を策定する中核的な役割を担っている。事業を担う3社はそれぞれ異なる専門分野において高い技術力を有し、顧客企業のデジタル変革と競争力強化を支援している。豆蔵は、AIソフトウェア工学及びロボット工学に精通し、発注者視点で顧客のデジタル競争力の強化を実現するコンサルティングサービスを提供している。コーワメックスは、ソフトウェア・ハードウェア両面の開発力及びデジタル技術を生かして次世代モビリティの開発を支援し、ものづくりの競争力を高めるソリューションを提供している。エヌティ・ソリューションズは、生成AIなどの先端技術を活用し、ERP(基幹業務システム)のDX化推進に特化したソリューションを提供している。グループ各社が連携し、先端技術を活用した情報サービス関連事業を幅広く展開している。
同社の情報サービス関連事業は、クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング、モビリティ・オートメーションの4つの分野に分けられる。ソフトウェア開発の知見、AI・データ分析、ロボット技術などを生かし、企業のIT戦略立案、業務改革、システム開発など、あらゆる側面のデジタル化を通じて持続的なデジタル革新と競争力向上を支援している。また、技術者向けの教育・研修や産業用ロボットの開発支援など、高度な専門性を要するサービスも提供している。
同社は金融、通信、製造、商社など幅広い業種の大手企業との取引実績を持ち、売上高の80%以上が東証プライム市場に上場する企業及びその関連会社である。平均8年以上にわたる長期的な取引関係が続いており、顧客からの高い信頼が窺える。
同社は、従来型のSIerとは一線を画すビジネスモデルを採用している。同社の特徴は、顧客の要望に基づいて既存のアプリケーションを開発・実装するのではなく、より本質的かつ長期的な視点でシステム全体を構想し、設計及び構築を行う点にある。アプリケーション単位の請負開発ではなく、企業のIT基盤そのものを支える「アーキテクチャ設計」に注力しており、その思想はまさに耐震構造や地盤といった建物の根幹を担う建築士の役割に例えることができる。同社は顧客とより深い信頼関係を構築し、短期的な案件対応ではなく、企業の中長期的な競争力強化に資するパートナーとしてのポジションを確立している。
なお、社名に含まれる「豆蔵」という言葉には、2つの意味が込められている。1つは、プログラミング言語「Java」で作成されたプログラムを「Java Beans」と呼ぶことにちなんでおり、多くのプログラム(豆)を生み出す蔵元のような存在になりたいという想いが込められている。もう1つは、江戸時代の大道芸人「豆蔵」に由来し、「芸に秀でた人」という意味を重ね合わせて、卓越した技術者が集う会社でありたいという願いが込められている。
2. 沿革
同社は、1999年11月に事務機器の販売及び事務処理の請負を目的とした(株)理想生活として設立された。2000年1月には事業内容をソフトウェア開発とその支援サービスに変更し、商号を豆蔵に改めた。同年5月から情報システムの企画・設計・技術サポートを行うITコンサルティング及びソフトウェア開発を開始し、同年6月には教育サービスも始めた。2004年11月に東京証券取引所マザーズに上場し、資金調達を通じて事業基盤を強化した。
同社は2006年10月に商号を(株)豆蔵OSホールディングスに変更したうえで、会社分割を行って新たに豆蔵を設立し、事業部門をすべて豆蔵に引き継いだ。この再編により持株会社としての体制を整備し、グループ全体の経営効率化と戦略的事業展開を図った。同社は2012年7月には商号を(株)豆蔵ホールディングスに改め、2013年10月には東京証券取引所市場第一部に上場した。しかし、2020年6月にはMBO(経営陣による買収)を行い、上場を廃止した。なお、MBOに至った経緯は以下のとおりである。
当時の代表取締役会長兼社長である荻原紀男(おぎわらのりお)氏は、現行のビジネスモデルに基づく収益成長の限界を認識していたことに加え、M&Aによる事業拡大がグループ内の技術力や収益性のバラバラ感を浮き彫りにし、グループ全体の成長を最大化できていないことが課題であるとしていた。荻原氏はそれを解決するため、自社製品の開発を中心とした新しいプロダクトビジネスへの転換を模索したが、ビジネスモデルの大幅な変更は短期的に利益を圧迫する可能性が高く、特に先端技術への投資や人材配置の転換に伴う教育コストの増加や稼働率の低下が業績に一時的な影響を与えるリスクがあると考えた。上場を維持したままでは短期的なファンダメンタルズの悪化により株価が低下し、既存株主に不利益を被らせる恐れがあるため、荻原氏は独立系投資会社であるインテグラル<5842>の100%子会社として(株)豆蔵K2TOPホールディングスを設立し、2020年6月にMBOを実行して一時的に非公開化した。
同社はこのMBOを通じて経営の自由度を高め、組織再編及び事業改革を推進していった。組織面では、2020年11月にグループ再編を目的として豆蔵デジタルホールディングス(同社)を設立、2021年4月には現連結子会社である豆蔵、コーワメックス、エヌティ・ソリューションズの株式を取得し、現在の組織体制を整えた。事業面では、高付加価値な領域に特化した事業構造改革を行うと同時に、中長期的な成長に向けた新ソリューションの創出への戦略投資を実行した。そして、2024年6月27日に東京証券取引所グロース市場に再上場を果たし、現在はさらなる事業成長と収益性の向上による持続的な企業価値向上を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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