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三栄コーポ Research Memo(3):良品計画など大手顧客からのOEMと輸入ブランドを中心とした店舗販売
配信日時:2025/06/25 12:03
配信元:FISCO
*12:03JST 三栄コーポ Research Memo(3):良品計画など大手顧客からのOEMと輸入ブランドを中心とした店舗販売
■事業概要
1. 家具家庭用品事業の動向
三栄コーポレーション<8119>最大の事業セグメントが家具家庭用品事業である。この事業は、OEMの比率が売上高の90%前後と高く、良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びとともに成長してきた。良品計画とその子会社への売上高構成比は56.7%(2025年3月期、全セグメント合計)であり、大きな存在である。新たな販売チャネルとしてさらなる成長が期待されるのが自社のeコマースインテリアショップ「MINT」である。楽天市場やYahoo!ショッピングで1,000を超えるアイテムを販売しており、リーズナブルな価格の良質なベッドやマットレス、アンティーク調家具、インテリア、ガーデンエクステリア、アウトドア用品、また昨年からは観葉植物の取扱いを開始する等、積極的に商品レンジを広げている。同社では、自社ブランドやOEM商品の製造及びODM提案が可能な開発拠点として、マレーシアに家具・インテリアの自社工場(約4,000平方メートル)を有している。
2. 服飾雑貨事業の動向
服飾雑貨事業では、特に外出・旅行関連商材のOEMが好調に推移する。家具家庭用品事業と比較するとブランド事業の売上割合が大きい傾向にある。ドイツで誕生して250周年を迎える歴史あるコンフォートサンダル・シューズを扱う「BIRKENSTOCK」も取扱いブランドの1つであるが、この商材を含め子会社のベネクシーが小売り事業を運営する。なお、従来は「BIRKENSTOCK」専門店を展開していたが、2024年9月に契約を終了し、直営セレクトショップ「BENEXY」「Quorinest(クオリネスト)」等に業態転換を進めている。今後の成長が期待されるのが、ハンズフリーと解剖学的インソールが特徴のフットウェア「OrthoFeet(オーソフィート)」である。ベルギー発のブランドバッグ「Kipling」、環境性能に優れたセレクトブランド商品群「Our EARTH Project」なども取り扱う。
3. 家電事業の動向
OEM事業では、中国の子会社である三發電器製品(東莞)有限公司、香港の子会社である三發電器製造廠有限公司が小物家電を製造・輸出する。ブランド事業においては、調理家電の自社ブランドである「Vitantonio」、理美容家電の「mod’s hair」、業務用調理機器の「MULTI CHEF(マルチシェフ)」などを製造販売している。「Vitantonio」では、ホットサンドベーカーやコードレスボトルブレンダーなどが売れ筋である。ホットサンドを家庭で作るという生活スタイルやオリジナルドリンクが楽しめる生活スタイルなどを提案するユニークな家電ブランドとして知名度が高い。現在は巣ごもり需要が一段落したこともあり、ブランドの再生に挑戦中である。理美容家電はでは、ヘアドライヤーやヘアアイロンのほか、「mod’s hairコンパクトイオンヒートブラシ」も人気がある。セグメント業績は、工場稼働率の低下などにより苦戦しており、生産設備・生産体制の合理化を推進中である。
■業績動向
2025年3月期通期は経常利益が21億円超となり、中期経営計画目標を1年前倒しで達成
1. 2025年3月期通期の業績概要
2025年3月期通期の連結業績は、売上高が39,861百万円(前期比8.6%増)、営業利益が2,096百万円(同80.2%増)、経常利益が2,149百万円(同72.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が974百万円(同81.1%増)と、大幅な増収増益となった。売上高に関しては、服飾雑貨事業(前期比15.6%増)と家具家庭用品事業(前期比7.4%増)が増収をけん引した。服飾雑貨事業では、旺盛なインバウンド需要や外出需要を背景に、外出・旅行関連商材の売上が伸長したのに加え、サステナブル商品も順調に売上を積み上げた。ブランド事業を行うベネクシーでは、快適歩行生活を促進する米国発のプレミアムハンズフリーシューズ「Orthofeet」を市場投入するなど、事業再編を加速させているものの、直営店舗削減の影響もあり、前期比で減収となった。家具家庭用品事業では、欧州や中国の景気低迷の影響があったものの、営業活動の強化により受注状況が改善したことなどからOEMが回復した。「MINT(ミント)」などの家具・インテリアのeコマースも増収に大きく寄与した。一方、家電事業では、OEMでの新製品の量産遅延等の影響や、理美容家電「mod’s hair」が国内で、調理家電「Vitantonio」が海外で、それぞれ伸び悩んだ影響により減収となった。
売上総利益は、増収が寄与して前期比549百万円増、同5.6%増となった。販管費は、同383百万円減、同4.5%減となった。費用減少の理由としては、直営店舗数削減(期初31店→期末16店)による店舗経費の縮減に加えて、2024年2月に解散した連結子会社の費用が純減したことなどがある。これにより営業利益は同933百万円増の2,096百万円、経常利益は同900百万円増の2,149百万円と大幅増益となった。中期経営戦略「SANYEI 2025」では、最終年度の2026年3月期に経常利益で20億円を掲げていたが、この目標を1年前倒しで達成したことになる。親会社株主に帰属する当期純利益は、ブランド販売子会社に係る減損損失が発生したものの、連結子会社の税効果もあり、同436百万円増の974百万円となった。
2. 財務状況
2025年3月期末の財務状況は、自己資本比率が56.4%(過去2年間で5.1ポイント上昇)と安全性・健全性がさらに高まった。在庫(商品及び製品)はブランド事業の構造改革の進捗に伴い前期比75百万円減の4,357百万円と着実に減少した。現金及び預金残高は7,721百万円と有利子負債残高(4,121百万円)と比較しても潤沢である。過去からの資本の蓄積により財務の健全性に定評があるが、利益成長期に入り、ますます財務体質が強化されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 家具家庭用品事業の動向
三栄コーポレーション<8119>最大の事業セグメントが家具家庭用品事業である。この事業は、OEMの比率が売上高の90%前後と高く、良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びとともに成長してきた。良品計画とその子会社への売上高構成比は56.7%(2025年3月期、全セグメント合計)であり、大きな存在である。新たな販売チャネルとしてさらなる成長が期待されるのが自社のeコマースインテリアショップ「MINT」である。楽天市場やYahoo!ショッピングで1,000を超えるアイテムを販売しており、リーズナブルな価格の良質なベッドやマットレス、アンティーク調家具、インテリア、ガーデンエクステリア、アウトドア用品、また昨年からは観葉植物の取扱いを開始する等、積極的に商品レンジを広げている。同社では、自社ブランドやOEM商品の製造及びODM提案が可能な開発拠点として、マレーシアに家具・インテリアの自社工場(約4,000平方メートル)を有している。
2. 服飾雑貨事業の動向
服飾雑貨事業では、特に外出・旅行関連商材のOEMが好調に推移する。家具家庭用品事業と比較するとブランド事業の売上割合が大きい傾向にある。ドイツで誕生して250周年を迎える歴史あるコンフォートサンダル・シューズを扱う「BIRKENSTOCK」も取扱いブランドの1つであるが、この商材を含め子会社のベネクシーが小売り事業を運営する。なお、従来は「BIRKENSTOCK」専門店を展開していたが、2024年9月に契約を終了し、直営セレクトショップ「BENEXY」「Quorinest(クオリネスト)」等に業態転換を進めている。今後の成長が期待されるのが、ハンズフリーと解剖学的インソールが特徴のフットウェア「OrthoFeet(オーソフィート)」である。ベルギー発のブランドバッグ「Kipling」、環境性能に優れたセレクトブランド商品群「Our EARTH Project」なども取り扱う。
3. 家電事業の動向
OEM事業では、中国の子会社である三發電器製品(東莞)有限公司、香港の子会社である三發電器製造廠有限公司が小物家電を製造・輸出する。ブランド事業においては、調理家電の自社ブランドである「Vitantonio」、理美容家電の「mod’s hair」、業務用調理機器の「MULTI CHEF(マルチシェフ)」などを製造販売している。「Vitantonio」では、ホットサンドベーカーやコードレスボトルブレンダーなどが売れ筋である。ホットサンドを家庭で作るという生活スタイルやオリジナルドリンクが楽しめる生活スタイルなどを提案するユニークな家電ブランドとして知名度が高い。現在は巣ごもり需要が一段落したこともあり、ブランドの再生に挑戦中である。理美容家電はでは、ヘアドライヤーやヘアアイロンのほか、「mod’s hairコンパクトイオンヒートブラシ」も人気がある。セグメント業績は、工場稼働率の低下などにより苦戦しており、生産設備・生産体制の合理化を推進中である。
■業績動向
2025年3月期通期は経常利益が21億円超となり、中期経営計画目標を1年前倒しで達成
1. 2025年3月期通期の業績概要
2025年3月期通期の連結業績は、売上高が39,861百万円(前期比8.6%増)、営業利益が2,096百万円(同80.2%増)、経常利益が2,149百万円(同72.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が974百万円(同81.1%増)と、大幅な増収増益となった。売上高に関しては、服飾雑貨事業(前期比15.6%増)と家具家庭用品事業(前期比7.4%増)が増収をけん引した。服飾雑貨事業では、旺盛なインバウンド需要や外出需要を背景に、外出・旅行関連商材の売上が伸長したのに加え、サステナブル商品も順調に売上を積み上げた。ブランド事業を行うベネクシーでは、快適歩行生活を促進する米国発のプレミアムハンズフリーシューズ「Orthofeet」を市場投入するなど、事業再編を加速させているものの、直営店舗削減の影響もあり、前期比で減収となった。家具家庭用品事業では、欧州や中国の景気低迷の影響があったものの、営業活動の強化により受注状況が改善したことなどからOEMが回復した。「MINT(ミント)」などの家具・インテリアのeコマースも増収に大きく寄与した。一方、家電事業では、OEMでの新製品の量産遅延等の影響や、理美容家電「mod’s hair」が国内で、調理家電「Vitantonio」が海外で、それぞれ伸び悩んだ影響により減収となった。
売上総利益は、増収が寄与して前期比549百万円増、同5.6%増となった。販管費は、同383百万円減、同4.5%減となった。費用減少の理由としては、直営店舗数削減(期初31店→期末16店)による店舗経費の縮減に加えて、2024年2月に解散した連結子会社の費用が純減したことなどがある。これにより営業利益は同933百万円増の2,096百万円、経常利益は同900百万円増の2,149百万円と大幅増益となった。中期経営戦略「SANYEI 2025」では、最終年度の2026年3月期に経常利益で20億円を掲げていたが、この目標を1年前倒しで達成したことになる。親会社株主に帰属する当期純利益は、ブランド販売子会社に係る減損損失が発生したものの、連結子会社の税効果もあり、同436百万円増の974百万円となった。
2. 財務状況
2025年3月期末の財務状況は、自己資本比率が56.4%(過去2年間で5.1ポイント上昇)と安全性・健全性がさらに高まった。在庫(商品及び製品)はブランド事業の構造改革の進捗に伴い前期比75百万円減の4,357百万円と着実に減少した。現金及び預金残高は7,721百万円と有利子負債残高(4,121百万円)と比較しても潤沢である。過去からの資本の蓄積により財務の健全性に定評があるが、利益成長期に入り、ますます財務体質が強化されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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