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泉州電業 Research Memo(6):中計の目標は変えず、収益力の向上に加えて株主還元の充実にも目標設定(1)
配信日時:2025/06/24 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST 泉州電業 Research Memo(6):中計の目標は変えず、収益力の向上に加えて株主還元の充実にも目標設定(1)
■中長期の成長戦略
1. 中期経営計画の概要と戦略
泉州電業<9824>は、前回の中期経営計画を2年前倒しで達成したため、新たに2027年10月期を最終年度とする「中期経営計画:SS2027」を発表している。現時点において、この計画の目標と戦略は変えていない。以下はその概要である。
(1) 定量的目標
定量的目標としては、2027年10月期に「連結売上高1,600億円」「経常利益130億円」「ROE15%以上」「配当性向35%以上」「株主総還元率50%以上」「PBR2.0倍以上」を掲げている。収益力のさらなる向上に加えて、株主還元の充実においても目標設定している点は評価に値するだろう。
(2) 市場環境・予測
この計画を推進するにあたり、同社では主な向け先市場の動向を次のように予測している。
a) 半導体関連
終了期(2024年10月期)は、AI関連需要は強含みだったが、製造業者の在庫調整があり横ばいであった。今後(2025年10月期~2027年10月期)は、AI関連需要がさらに継続し、製造装置関連企業も回復すると見られることから、需要は大幅増を見込む。
b) 工作機械関連
終了期は、製造業者の在庫調整があり弱含みであったが、今後は在庫調整が終了し需要は上向くと予想する。
c) 自動車関連
終了期は、堅調に推移したが、今後も、EVの加速、蓄電池関連の投資増が続く見込みで、需要は堅調に推移すると見込む。
d) 再生可能エネルギー関連
終了期は、太陽光発電関連を中心に需要は堅調であったが、今後も太陽光発電、洋上風力発電需要は底堅く推移すると見込む。
e) 建設関連
終了期は、大型半導体工場、再開発、データセンターなどの需要が堅調であったが、今後も同様の傾向が続き需要は強含みで推移すると見込む。
f) 銅価格
終了期は急激な上昇であったが、今後は緩やかな上昇が続くと見ている。
(3) 事業戦略
計画の推進にあたり、以下の施策を実行する。
a) オリジナル商品開発及び加工部門強化により直需部門の売上UP
b) 自社ブランド含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓
c) 関東地区営業強化及びその他地区のシェア拡大
この3つの施策により、直需売上シェア30%(2025年10月期中間期25.3%)、非電線売上シェア17%(同13.8%)を目指す。
d) JUST IN TIME体制の充実
e) グローバル展開の強化(グループ収益向上)
インドへの進出により、長期目標として連結海外売上高比率30%を目指す。
f) サステナビリティ経営
g) 泉州変革プロジェクト(仕入、物流、人事、新商品開発・拡販)の推進
h) ESGの重要課題(マテリアリティ)に対する取り組みの推進
(4) 財務戦略
財務戦略として、「営業活動により創出するキャッシュより財務健全性を確保し、投資と株主還元に配分する」ことを基本方針としている。
2025年10月期から2027年10月期までの3年間の財務戦略(キャッシュインとアウト)を次のとおり計画している。
(キャッシュイン:530億円)
営業キャッシュ・フロー:230億円
手元預金:300億円
(キャッシュアウト:530億円)
事業投資:130億円(うち設備投資100億円、M&Aほか30億円)
株主還元(50%):120億円(うち配当金90億円、自己株式取得30億円)
手元預金:280億円(月商2ヶ月分)
(5) 設備投資計画
本計画の3年間で、約100億円の設備投資を予定している。現時点で明らかになっているものは以下のとおりだが、今後出てくる計画もあるとしている。
2025年10月期:名古屋FAセンター(2025年4月開設、ケーブルアッセンブリ、制御盤組み立て)
2026年10月期:沖縄営業所(業容拡大のため現在の沖縄物流センターを格上げ、拡大)
(6) 新分野開拓(アグリ事業)
新分野開拓の一環として、自社開発品である「アビルヒーター」の改良・廉価版となる「ソイルヒーター」を上市した。これは農業用地中加温ビニール線で、ビニールハウスなどの土壌を直接温めることでCO2排出量の削減に寄与し、生育スピードを早めることで収穫回転率を上げることができる。燃料を使用するボイラーに代わり、ビニールハウス内を温めることから脱炭素、省エネ製品と言え、SDGsに貢献する。同社では、「アビルヒーター/ソイルヒーター」を含むアグリ事業で2027年までに年間売上高10億円を目標に掲げており、今後の進展が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
1. 中期経営計画の概要と戦略
泉州電業<9824>は、前回の中期経営計画を2年前倒しで達成したため、新たに2027年10月期を最終年度とする「中期経営計画:SS2027」を発表している。現時点において、この計画の目標と戦略は変えていない。以下はその概要である。
(1) 定量的目標
定量的目標としては、2027年10月期に「連結売上高1,600億円」「経常利益130億円」「ROE15%以上」「配当性向35%以上」「株主総還元率50%以上」「PBR2.0倍以上」を掲げている。収益力のさらなる向上に加えて、株主還元の充実においても目標設定している点は評価に値するだろう。
(2) 市場環境・予測
この計画を推進するにあたり、同社では主な向け先市場の動向を次のように予測している。
a) 半導体関連
終了期(2024年10月期)は、AI関連需要は強含みだったが、製造業者の在庫調整があり横ばいであった。今後(2025年10月期~2027年10月期)は、AI関連需要がさらに継続し、製造装置関連企業も回復すると見られることから、需要は大幅増を見込む。
b) 工作機械関連
終了期は、製造業者の在庫調整があり弱含みであったが、今後は在庫調整が終了し需要は上向くと予想する。
c) 自動車関連
終了期は、堅調に推移したが、今後も、EVの加速、蓄電池関連の投資増が続く見込みで、需要は堅調に推移すると見込む。
d) 再生可能エネルギー関連
終了期は、太陽光発電関連を中心に需要は堅調であったが、今後も太陽光発電、洋上風力発電需要は底堅く推移すると見込む。
e) 建設関連
終了期は、大型半導体工場、再開発、データセンターなどの需要が堅調であったが、今後も同様の傾向が続き需要は強含みで推移すると見込む。
f) 銅価格
終了期は急激な上昇であったが、今後は緩やかな上昇が続くと見ている。
(3) 事業戦略
計画の推進にあたり、以下の施策を実行する。
a) オリジナル商品開発及び加工部門強化により直需部門の売上UP
b) 自社ブランド含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓
c) 関東地区営業強化及びその他地区のシェア拡大
この3つの施策により、直需売上シェア30%(2025年10月期中間期25.3%)、非電線売上シェア17%(同13.8%)を目指す。
d) JUST IN TIME体制の充実
e) グローバル展開の強化(グループ収益向上)
インドへの進出により、長期目標として連結海外売上高比率30%を目指す。
f) サステナビリティ経営
g) 泉州変革プロジェクト(仕入、物流、人事、新商品開発・拡販)の推進
h) ESGの重要課題(マテリアリティ)に対する取り組みの推進
(4) 財務戦略
財務戦略として、「営業活動により創出するキャッシュより財務健全性を確保し、投資と株主還元に配分する」ことを基本方針としている。
2025年10月期から2027年10月期までの3年間の財務戦略(キャッシュインとアウト)を次のとおり計画している。
(キャッシュイン:530億円)
営業キャッシュ・フロー:230億円
手元預金:300億円
(キャッシュアウト:530億円)
事業投資:130億円(うち設備投資100億円、M&Aほか30億円)
株主還元(50%):120億円(うち配当金90億円、自己株式取得30億円)
手元預金:280億円(月商2ヶ月分)
(5) 設備投資計画
本計画の3年間で、約100億円の設備投資を予定している。現時点で明らかになっているものは以下のとおりだが、今後出てくる計画もあるとしている。
2025年10月期:名古屋FAセンター(2025年4月開設、ケーブルアッセンブリ、制御盤組み立て)
2026年10月期:沖縄営業所(業容拡大のため現在の沖縄物流センターを格上げ、拡大)
(6) 新分野開拓(アグリ事業)
新分野開拓の一環として、自社開発品である「アビルヒーター」の改良・廉価版となる「ソイルヒーター」を上市した。これは農業用地中加温ビニール線で、ビニールハウスなどの土壌を直接温めることでCO2排出量の削減に寄与し、生育スピードを早めることで収穫回転率を上げることができる。燃料を使用するボイラーに代わり、ビニールハウス内を温めることから脱炭素、省エネ製品と言え、SDGsに貢献する。同社では、「アビルヒーター/ソイルヒーター」を含むアグリ事業で2027年までに年間売上高10億円を目標に掲げており、今後の進展が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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