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BS11 Research Memo(3):質の高い情報を提供、動画広告市場における収益機会が拡大
配信日時:2025/05/28 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST BS11 Research Memo(3):質の高い情報を提供、動画広告市場における収益機会が拡大
■日本BS放送<9414>の事業環境
電通グループ<4324>が公表した「2024年 日本の広告費」によれば、2024年における日本の総広告費は前年比4.9%増の7兆6,730億円であり、2022年以降3年連続で過去最高を更新した。好調な企業収益や消費意欲の活発化、世界的なイベント、インバウンド需要の高まりといった諸要因により、インターネット広告費を中心に、マスコミ四媒体やプロモーションメディアの広告費が成長した。なかでもインターネット広告費は3兆6,517億円(前年比9.6%増)と成長が著しく、SNS上の縦型動画広告をはじめ、コネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ受像機)などの動画広告需要が高まり、市場全体の拡大に寄与した。同社が属するBS放送は衛星メディア関連(BS、CS、CATV)市場の70%強を占めるが、総広告費7兆6,730億円のうち衛星メディア関連の広告費は1,254億円(前年は1,252億円)と、ほぼ変わらぬ状況であった。
BS放送市場は2000年12月にBSデジタル放送がスタートしたことで本格的に立ち上がり、黎明期の2001~2003年を除くと順調に右肩上がりで成長を続けてきた。編成の多様化により様々なジャンルの番組が増加したため多くの企業による出稿が増加し成長を後押ししている。2020年はコロナ禍の影響を受けて広告市場全体が低調に推移したため、BS放送市場もマイナス成長となったが、2021年以降は、通販市況が巣ごもり需要の増加によって2020年に引き続き好調に推移した。コロナ禍後は一時その反動が見られるも、その後は徐々に回復している。またコロナ禍後においては、これまで中止となっていたスポーツやイベントが開催されており、それに伴うBS放送の広告収入は増加している。
足元ではテレビメディアにかける広告費は減少傾向にあるが、これはインターネット広告の台頭によるものである。2019年にインターネット広告の構成比がテレビメディアの構成比を上回った。続く2020年から2024年にかけてもインターネット広告の成長は続いており、わずか3年で1兆円以上増加し、2024年には2020年比1.6倍の3.6兆円を超えた。これにより、2024年の構成比はテレビメディアが22.9%(前年比0.8ポイント減)、インターネット広告が47.6%(同2.1ポイント上昇)と、その差がさらに開いている。イベント等のプロモーションメディア広告については、「イベント・展示・映像ほか」のカテゴリーで展示領域や映像関連、シネアドで前年を上回る需要があったが、その他のカテゴリーでは前年並み、または前年を下回った。
もっとも、多くの世帯でBSデジタルチューナーが搭載された薄型テレビへの買い替えが進んだことにより、2019年度のBS放送の視聴可能世帯数の割合は77.1%(「BS世帯普及率調査」(ビデオリサーチ調べ))と、8割近くまで伸長している。コロナ禍において視聴者の意識も変わってきたと考えられ、さらにインターネットの情報については正確性において不安な面もあることから、速さよりも内容の正確さが重要視されるテレビの情報番組からの情報収集志向は依然高いと見る。このような状況下で、同社は質の高い情報を提供できる強みを持つうえ、地域によって普及差のある地上波に比べて全国に一斉放送可能な衛星メディアとされるBSの魅力が見直されていると弊社では考えている。さらに配信プラットフォームの拡大によって、成長が続いている動画広告市場における収益機会が拡大すると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
電通グループ<4324>が公表した「2024年 日本の広告費」によれば、2024年における日本の総広告費は前年比4.9%増の7兆6,730億円であり、2022年以降3年連続で過去最高を更新した。好調な企業収益や消費意欲の活発化、世界的なイベント、インバウンド需要の高まりといった諸要因により、インターネット広告費を中心に、マスコミ四媒体やプロモーションメディアの広告費が成長した。なかでもインターネット広告費は3兆6,517億円(前年比9.6%増)と成長が著しく、SNS上の縦型動画広告をはじめ、コネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ受像機)などの動画広告需要が高まり、市場全体の拡大に寄与した。同社が属するBS放送は衛星メディア関連(BS、CS、CATV)市場の70%強を占めるが、総広告費7兆6,730億円のうち衛星メディア関連の広告費は1,254億円(前年は1,252億円)と、ほぼ変わらぬ状況であった。
BS放送市場は2000年12月にBSデジタル放送がスタートしたことで本格的に立ち上がり、黎明期の2001~2003年を除くと順調に右肩上がりで成長を続けてきた。編成の多様化により様々なジャンルの番組が増加したため多くの企業による出稿が増加し成長を後押ししている。2020年はコロナ禍の影響を受けて広告市場全体が低調に推移したため、BS放送市場もマイナス成長となったが、2021年以降は、通販市況が巣ごもり需要の増加によって2020年に引き続き好調に推移した。コロナ禍後は一時その反動が見られるも、その後は徐々に回復している。またコロナ禍後においては、これまで中止となっていたスポーツやイベントが開催されており、それに伴うBS放送の広告収入は増加している。
足元ではテレビメディアにかける広告費は減少傾向にあるが、これはインターネット広告の台頭によるものである。2019年にインターネット広告の構成比がテレビメディアの構成比を上回った。続く2020年から2024年にかけてもインターネット広告の成長は続いており、わずか3年で1兆円以上増加し、2024年には2020年比1.6倍の3.6兆円を超えた。これにより、2024年の構成比はテレビメディアが22.9%(前年比0.8ポイント減)、インターネット広告が47.6%(同2.1ポイント上昇)と、その差がさらに開いている。イベント等のプロモーションメディア広告については、「イベント・展示・映像ほか」のカテゴリーで展示領域や映像関連、シネアドで前年を上回る需要があったが、その他のカテゴリーでは前年並み、または前年を下回った。
もっとも、多くの世帯でBSデジタルチューナーが搭載された薄型テレビへの買い替えが進んだことにより、2019年度のBS放送の視聴可能世帯数の割合は77.1%(「BS世帯普及率調査」(ビデオリサーチ調べ))と、8割近くまで伸長している。コロナ禍において視聴者の意識も変わってきたと考えられ、さらにインターネットの情報については正確性において不安な面もあることから、速さよりも内容の正確さが重要視されるテレビの情報番組からの情報収集志向は依然高いと見る。このような状況下で、同社は質の高い情報を提供できる強みを持つうえ、地域によって普及差のある地上波に比べて全国に一斉放送可能な衛星メディアとされるBSの魅力が見直されていると弊社では考えている。さらに配信プラットフォームの拡大によって、成長が続いている動画広告市場における収益機会が拡大すると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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