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山王:表面処理(めっき)技術と一貫生産体制に強み。自動車、通信分野での需要増加を背景に業績好調
配信日時:2025/05/09 09:28
配信元:FISCO
*09:28JST 山王:表面処理(めっき)技術と一貫生産体制に強み。自動車、通信分野での需要増加を背景に業績好調
山王<3441>は、電子部品を対象とした貴金属表面処理加工、精密プレス加工および金型設計・製作、プラスチック成形金型の設計・製作並びに成形加工を主力とする企業である。1958年に創業し、日本国内とフィリピンに製造拠点を有する。同社のコア技術は表面処理(めっき)であり、特に電子部品に不可欠な通電性・耐食性・半田付性・挿抜性を高める機能めっきに強みを持つ。さらに、金型設計からプレス、めっき、インサート成形までを一貫して手掛ける体制を確立し、高付加価値を実現している。東北事業部(所在地:福島県郡山市)では、顧客の要望に対応し、技術的難易度が高い製品を製造している。一方、フィリピン工場では、東南アジア地域の需要をキャッチし、国際競争力を確保している。
2024年7月期の用途別売上構成は、自動車向け42.1%、通信向け27.7%、産業機器向け18.7%、民生用機器向け5.7%であった。自動車分野ではEV化や自動運転の進展に伴う車載用電子部品の微細化を背景に新製品の受注が増加している。また通信分野ではスマートフォン向けが中心となるが、コネクタの小型化ニーズが新製品需要を押し上げている。
同社が属する電子部品業界は、自動運転やAI、次世代通信(5G/6G)といった社会のデジタル化を追い風に、中長期的な成長余地が大きい。とりわけ自動車、産業機器、通信の各分野での電子制御技術が高度化しており、微細めっきを中心とする高付加価値部品の需要拡大が見込まれている。
2024年7月期の売上高は8,802百万円(前期比8.0%減)、営業利益232百万円(同13.3%)、当期純利益312百万円(同103.0%増)であった。産業機器および民生用機器分野の在庫調整が長期化し減収となった一方、費用コントロールで増益を確保した。2025年7月期第2四半期は売上高5,039百万円(前年同期比+18.2%)、営業利益563百万円(同61.6%増)、中間純利益471(同18.6%増)と好調。自動車向けおよび通信向けの新製品の受注が寄与して、前年同期比増収増益となった。2025年7月期通期は売上高8,900百万円(前期比1.1%増)、営業利益250百万円(同7.3%増)、純利益200百万円(同36.1%減)の予想としている。短納期の受注が多く、3か月先の受注が読みにくい業界のため、従来予想を据え置いている。
2024年11月にインサート成形技術を有する明王化成を完全子会社化し、プレス、めっき、インサート成形までを完結できる一貫生産体制を確立させる等、技術補完に加えて、営業ネットワークや経営資源の有効活用などシナジー創出が見込まれる。
2025年7月期の設備投資計画は720百万円と前期(186百万円)の約4倍に拡大した。生産ラインの自動化による生産性向上を図っている。
新規事業については、産業技術総合研究所や東京科学大学と共同で水素精製用の水素透過膜を開発中である。貴金属めっき技術を応用し、パラジウム使用量削減と高強度を両立する複合膜の実用化を目指す。
脱炭素化やESG対応も積極的に行っており、太陽光パネル、蓄電池、EV充放電システムを導入するなど、2030年度の温室効果ガス排出量を50%削減(2017年度対比)することを目標としている。
株主還元については、単年度の業績の影響を受けにくい株主資本配当率(DOE)を採用している。目標を2%とし、安定配当を実施していく方針である。2024年7月期までは年間配当10円だったが、2025年7月期は年間配当20円を予定している。また15万株(発行済株式総数の3.4%)を上限とする自社株買いを進めている。
<HM>
2024年7月期の用途別売上構成は、自動車向け42.1%、通信向け27.7%、産業機器向け18.7%、民生用機器向け5.7%であった。自動車分野ではEV化や自動運転の進展に伴う車載用電子部品の微細化を背景に新製品の受注が増加している。また通信分野ではスマートフォン向けが中心となるが、コネクタの小型化ニーズが新製品需要を押し上げている。
同社が属する電子部品業界は、自動運転やAI、次世代通信(5G/6G)といった社会のデジタル化を追い風に、中長期的な成長余地が大きい。とりわけ自動車、産業機器、通信の各分野での電子制御技術が高度化しており、微細めっきを中心とする高付加価値部品の需要拡大が見込まれている。
2024年7月期の売上高は8,802百万円(前期比8.0%減)、営業利益232百万円(同13.3%)、当期純利益312百万円(同103.0%増)であった。産業機器および民生用機器分野の在庫調整が長期化し減収となった一方、費用コントロールで増益を確保した。2025年7月期第2四半期は売上高5,039百万円(前年同期比+18.2%)、営業利益563百万円(同61.6%増)、中間純利益471(同18.6%増)と好調。自動車向けおよび通信向けの新製品の受注が寄与して、前年同期比増収増益となった。2025年7月期通期は売上高8,900百万円(前期比1.1%増)、営業利益250百万円(同7.3%増)、純利益200百万円(同36.1%減)の予想としている。短納期の受注が多く、3か月先の受注が読みにくい業界のため、従来予想を据え置いている。
2024年11月にインサート成形技術を有する明王化成を完全子会社化し、プレス、めっき、インサート成形までを完結できる一貫生産体制を確立させる等、技術補完に加えて、営業ネットワークや経営資源の有効活用などシナジー創出が見込まれる。
2025年7月期の設備投資計画は720百万円と前期(186百万円)の約4倍に拡大した。生産ラインの自動化による生産性向上を図っている。
新規事業については、産業技術総合研究所や東京科学大学と共同で水素精製用の水素透過膜を開発中である。貴金属めっき技術を応用し、パラジウム使用量削減と高強度を両立する複合膜の実用化を目指す。
脱炭素化やESG対応も積極的に行っており、太陽光パネル、蓄電池、EV充放電システムを導入するなど、2030年度の温室効果ガス排出量を50%削減(2017年度対比)することを目標としている。
株主還元については、単年度の業績の影響を受けにくい株主資本配当率(DOE)を採用している。目標を2%とし、安定配当を実施していく方針である。2024年7月期までは年間配当10円だったが、2025年7月期は年間配当20円を予定している。また15万株(発行済株式総数の3.4%)を上限とする自社株買いを進めている。
<HM>
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