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暁飯島工業:茨城県を中心とした空調・衛生設備工事のトップランナー、堅調な業績と財務基盤の堅実さに注目
配信日時:2025/05/08 10:39
配信元:FISCO
*10:39JST 暁飯島工業:茨城県を中心とした空調・衛生設備工事のトップランナー、堅調な業績と財務基盤の堅実さに注目
暁飯島工業<1997>は、茨城県地盤の総合設備工事会社。空気調和設備や衛生給排水設備等の建築設備、リニューアル工事、建築設備の保守・管理、上下水道工事等を手掛ける。幅広い事業ポートフォリオにより、新築設備工事から改修・維持管理、さらには省エネルギー化まで一貫して手掛けるビジネスモデルを構築し、水戸・つくば・東京の3拠点を基盤としている。主な事業セグメントは、様々な条件・用途に沿った建物に対する空調・衛生設備の設計及び施工を行う建築設備工事、既存設備の改修更新を行うリニューアル工事、建物設備の維持管理を担うビルケア(保守管理)に大別されている。前期2024年8月期の売上構成比では、建築設備事業56%・リニューアル事業28%・ビルケア事業16%となる。前期のエリア別売上高では、水戸エリア57.8%、つくばエリア21.7%、東京エリア20.5%。茨城県では、実績・技術力ともに設備工事のトップを走っている。
建設設備業界の競合には、設備工事専業の業界大手や、地域密着型の中堅企業が競合として存在している。そうした中で同社の強みは、茨城県を中心とした空調・衛生設備工事のトップランナーとして一貫体制によるサービス提供となる。設計・施工から保守管理までを自社で一貫して担え、新築後も含めた長期的な顧客フォローに強みを発揮する。設備施工後の維持管理や老朽設備のリニューアルまでカバーできており、リニューアル事業・ビルケア事業への展開も差別化要因となっている。また、財務基盤の堅実さも強みで、自己資本比率は約67%に達して建設業界平均を大きく上回っている。ネットキャッシュも30億円以上あるなかで、有利子負債に過度に依存しない経営姿勢は信用力や財務柔軟性につながり、大型案件受注時の資金調達力や不況期の耐久力もあり、ニッチながら競争力の高いポジションを占めている。
2025年8月期第2四半期累計の売上高は4,460百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は498百万円(同38.9%増)で着地した。上期期間での受注高は4,712百万円(同93.6%増加)と好調。通期の売上高は8,800百万円(前期比0.3%減)、営業利益は750百万円(同0.1%減)を見込んでいるが、上期時点の営業利益の進捗率は66.4%と好進捗となる。通期予想は据え置いている。設備投資の中止や延期及び工期延長等により、受注競争の更なる激化や工事利益率の低下が予想されているほか、コスト面でも技術労働者不足や資源価格高騰や需給バランス悪化等による建設コストの上昇は今後も継続し、工事利益の圧迫要因となると想定しているようだ。
建設業界全体では資材価格の高騰や人手不足が続いており、特に設備工事分野でも技術者の不足や人件費上昇が課題となっている。また、民間設備投資の動向や公共事業予算の影響で受注競争が激化する局面もあり、案件獲得には厳しさが増している。こうしたコストアップ圧力・競争環境の厳しさから、業界各社は採算管理や省力化施工の工夫、人材採用の難しさを迫られている状況。一方で、国内では建物やインフラの老朽化が進んでおり、設備の更新需要が着実に増加している。老朽化に伴う空調・衛生設備の更新ニーズは安定した需要が見込まれるほか、カーボンニュートラルの潮流を受けて企業や自治体で省エネルギー設備の導入ニーズが拡大している。同社は省エネ型の空調設備提案を積極的に行っており、環境対応ニーズに応える提案力は強みとも言える。事業紹介にもある「人にやさしい、地球にやさしい。」技術で差別化を図っており、環境配慮型の設備投資需要を取り込む余地がある。総じて、市場環境はコスト面では厳しいものの、更新需要や環境対応需要といった側面では底堅いものがある。
中長期的には、現在策定中の第II期中期経営計画(2024-2026年度)に基づき、緩やかな成長路線を描いている。同計画では、数値目標として2026年8月期までに売上高92億円・営業利益率10%・ROE8%の達成を目指す。施策としては、営業DXなどによる業務効率化を進め、生産性向上とコスト削減を図るほか、新築設備工事からリニューアル・メンテナンスまで一貫対応できる体制をさらに強化し、顧客提案力を高めていく。また、技術者の育成・確保に注力し、将来を担う人材を組織的に育成する。エリア戦略としては、成長性の高い首都圏・つくばエリアでの受注拡大を図りつつ、地元茨城での官公庁案件も確実に取り込む方針。これらの施策により、安定した受注高の確保と利益率の底上げを両立させ、中期目標の達成を目指す。そのほか、長期目標では、2030年8月期に売上高100億円・営業利益率12%・ROE10%の達成を目指すようだ。
株主還元では、2024年8月期は1株当たり75円の配当(金50円・特別配当25円)を実施。2025年8月期は特別配当が一巡するため予想配当は65円と前期比10円減となる見込みだが、特別配当を除いたベースでは実質増配となる。また、配当性向は中期経営計画で目安を20~35%程度と定めており、安定配当と内部留保のバランスを図る方針。PBR1倍割れとなる中、本業である設備工事業の利益成長により営業キャッシュ・フローを創出し、基盤事業への投資(設備投資・業務効率化・人材育成や採用強化など)を行い資本コストを上回るリターンを実現していくようで、同社の今後の動向には注目しておきたい。
<HM>
建設設備業界の競合には、設備工事専業の業界大手や、地域密着型の中堅企業が競合として存在している。そうした中で同社の強みは、茨城県を中心とした空調・衛生設備工事のトップランナーとして一貫体制によるサービス提供となる。設計・施工から保守管理までを自社で一貫して担え、新築後も含めた長期的な顧客フォローに強みを発揮する。設備施工後の維持管理や老朽設備のリニューアルまでカバーできており、リニューアル事業・ビルケア事業への展開も差別化要因となっている。また、財務基盤の堅実さも強みで、自己資本比率は約67%に達して建設業界平均を大きく上回っている。ネットキャッシュも30億円以上あるなかで、有利子負債に過度に依存しない経営姿勢は信用力や財務柔軟性につながり、大型案件受注時の資金調達力や不況期の耐久力もあり、ニッチながら競争力の高いポジションを占めている。
2025年8月期第2四半期累計の売上高は4,460百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は498百万円(同38.9%増)で着地した。上期期間での受注高は4,712百万円(同93.6%増加)と好調。通期の売上高は8,800百万円(前期比0.3%減)、営業利益は750百万円(同0.1%減)を見込んでいるが、上期時点の営業利益の進捗率は66.4%と好進捗となる。通期予想は据え置いている。設備投資の中止や延期及び工期延長等により、受注競争の更なる激化や工事利益率の低下が予想されているほか、コスト面でも技術労働者不足や資源価格高騰や需給バランス悪化等による建設コストの上昇は今後も継続し、工事利益の圧迫要因となると想定しているようだ。
建設業界全体では資材価格の高騰や人手不足が続いており、特に設備工事分野でも技術者の不足や人件費上昇が課題となっている。また、民間設備投資の動向や公共事業予算の影響で受注競争が激化する局面もあり、案件獲得には厳しさが増している。こうしたコストアップ圧力・競争環境の厳しさから、業界各社は採算管理や省力化施工の工夫、人材採用の難しさを迫られている状況。一方で、国内では建物やインフラの老朽化が進んでおり、設備の更新需要が着実に増加している。老朽化に伴う空調・衛生設備の更新ニーズは安定した需要が見込まれるほか、カーボンニュートラルの潮流を受けて企業や自治体で省エネルギー設備の導入ニーズが拡大している。同社は省エネ型の空調設備提案を積極的に行っており、環境対応ニーズに応える提案力は強みとも言える。事業紹介にもある「人にやさしい、地球にやさしい。」技術で差別化を図っており、環境配慮型の設備投資需要を取り込む余地がある。総じて、市場環境はコスト面では厳しいものの、更新需要や環境対応需要といった側面では底堅いものがある。
中長期的には、現在策定中の第II期中期経営計画(2024-2026年度)に基づき、緩やかな成長路線を描いている。同計画では、数値目標として2026年8月期までに売上高92億円・営業利益率10%・ROE8%の達成を目指す。施策としては、営業DXなどによる業務効率化を進め、生産性向上とコスト削減を図るほか、新築設備工事からリニューアル・メンテナンスまで一貫対応できる体制をさらに強化し、顧客提案力を高めていく。また、技術者の育成・確保に注力し、将来を担う人材を組織的に育成する。エリア戦略としては、成長性の高い首都圏・つくばエリアでの受注拡大を図りつつ、地元茨城での官公庁案件も確実に取り込む方針。これらの施策により、安定した受注高の確保と利益率の底上げを両立させ、中期目標の達成を目指す。そのほか、長期目標では、2030年8月期に売上高100億円・営業利益率12%・ROE10%の達成を目指すようだ。
株主還元では、2024年8月期は1株当たり75円の配当(金50円・特別配当25円)を実施。2025年8月期は特別配当が一巡するため予想配当は65円と前期比10円減となる見込みだが、特別配当を除いたベースでは実質増配となる。また、配当性向は中期経営計画で目安を20~35%程度と定めており、安定配当と内部留保のバランスを図る方針。PBR1倍割れとなる中、本業である設備工事業の利益成長により営業キャッシュ・フローを創出し、基盤事業への投資(設備投資・業務効率化・人材育成や採用強化など)を行い資本コストを上回るリターンを実現していくようで、同社の今後の動向には注目しておきたい。
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