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地域新聞社:フリーペーパー「ちいき新聞」を発行、地域の優良企業と協調共存する上場企業として注目
配信日時:2025/05/07 10:28
配信元:FISCO
*10:28JST 地域新聞社:フリーペーパー「ちいき新聞」を発行、地域の優良企業と協調共存する上場企業として注目
地域新聞社<2164>は、千葉県北西部を基盤に千葉県・埼玉県でフリーペーパー「ちいき新聞」を発行している。関東圏で毎週約 173 万部のフリーペーパーを発行、地域の生活者に密着した情報を発信しターゲットエリアのカバー率は約 90%と高い配布率が特徴となっている。収益は広告掲載料を主とし、折込チラシの同封配布や企業の販促支援サービスも提供。実際、提供サービスは「ちいき新聞」の発行・ポスティング(地域のイベント・社会・文化・スポーツ情報の提供)を中心に、広告掲載、チラシ作成~折込、WEB広告、求人広告、動画制作など販促支援全般にわたり多岐に及んでいる。
同社の事業セグメントは、「ちいき新聞」発行や折込チラシ配布を行うフリーペーパー事業(売上構成比72.1%)、WEB 事業(チイコミ、LINE など)・求人専門紙「Happiness」発行・人材事業(紹介、イベントなど)を行うその他の事業(同27.9%)で構成されている。
同社の強みは、地域密着の姿勢と独自の配布ネットワークにある。自社で2,500人規模の配布スタッフを抱え、エリア内のほぼ全世帯に確実に新聞を届ける体制を築いており、週に1回173万世帯に「ちいき新聞」が届く。また、創刊から40年の歴史があり(1984年創業)、地元での知名度と信頼も蓄積。約60,000人の読者(女性72.5%・男性27.5%)とのインタラクティブな関係性(会員組織やイベント参加者など)を有し、年間取引企業数も7,000社にのぼるなど、地域内で圧倒的なネットワーク効果を発揮している。そのほか、年間記事制作コンテンツ数3,000本、年間広告制作コンテンツ数22,000本を生み出している。
2025年8月期上期累計の売上高は1,526百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は13百万円(同56.2%減)、で着地した。増収にも関わらず利益が急減した主因は将来成長に向けた積極的な先行投資となる。新経営体制のもとシステム投資・人材採用・他社提携・新規事業開発を精力的に行っており、それに伴う費用増加が損益を圧迫した。第2Q 単体での営業利益は損益分岐点に近い水準での黒字だが、先行投資と黒字確保の両立という同社の明確な意思決定によるものとなる。実際、通期業績予想は上方修正している。
地域密着型のフリーペーパー市場も長期的には縮小傾向にあるが、同社のような強力な配布網や会員組織、取材力を持つ媒体はその強みを生かして地域企業と連携したオフラインイベントの開催や観光誘致の取り組みが増加している。例えば、フリーペーパー主催の地域イベントで来場者を募り、その様子を紙面とWebで報告するといった双方向施策は、地元の広告主にも訴求力が高まっている。さらに企業のマーケティングにおいて社会的意義(SDGsや地域活性化など)を意識する潮流も強まっており、地域課題に寄与する活動を行うフリーペーパーへの広告出稿ニーズは今後も継続すると予想されている。
同社はこれまで、他社との業務提携(アライアンス)にも積極的で、自社の強み(地域網や読者基盤)と他社の強みを掛け合わせてサービスを補完し合うことでサービス拡大も図ってきた。実際に人材サービス大手のツナググループHD<6551>や地域情報誌大手の中広、保険会社のブレイブ少額短期保険などと提携して新サービスを開始。自社単独では提供できないサービスも他社との協業によって実現し、従来取り込めなかった広告主や市場を開拓できている。
同社は中期成長戦略「Strategic PlanVI」を開示しており、新型ビジネスモデル構想として、(1)クラウドファンディング×記事、(2)ペルソナデータベース×AI活用、の2つを掲げている。クラウドファンディング×記事では、例えばレディーフォーのような企業と連携して、ちいき新聞に無料の先行記事を掲載してイベント告知などを行い、予算外のプロモーション費用を獲得することで有料記事広告の受注につなげていく。実際、行政・スポーツ・お祭り・花火大会などの興行主に打診中となっているようだ。また、ペルソナデータの活用では、人にフォーカスした記事(無料 or 少額)を企画することで読者データを収集し、それをAIと掛け合わせてクライアントのマーケティングに生かしていく。例えば、新生児がいる家庭は離乳食開発をしている企業がアプローチしたい層となる。このように同社独自の地域データを活かしてビジネスをスケールさせていくようだ。
そのほか、「地域共創企業」として地域経済や暮らしに貢献しつつ持続的な業績拡大を目指す方針。その一環として、株式交付手法の活用を推進していく。地域の老舗優良企業の社長が保有している自社株を譲り受け、同社のグループ会社となるが、株を譲ったオーナー社長には対価としてお金では無く同社株を交付する施策となる。法的には子会社であるが上下関係のない DAO 型組織となるほか、会社所有者にとっては相続問題の解消にもつながるようだ。
配当政策では現時点で利益剰余を成長投資に充当する方針を採っており、配当は無配だが、同社の株主数は2023年8月時点1,202名から2025年2月には3,699名へと1年半で3倍超に急増し、地元・千葉県の個人投資家を中心に新規株主が大幅に増えている。足元の業績は投資先行で利益こそ圧迫されているが、財務体質の強化や新規収益源の芽出しなど着実な前進が見られている。地域密着のフリーペーパー事業をコアに据えつつ、新たな提携・事業を取り込んで変革期を迎えている同社の今後の動向には注目しておきたい。
<HM>
同社の事業セグメントは、「ちいき新聞」発行や折込チラシ配布を行うフリーペーパー事業(売上構成比72.1%)、WEB 事業(チイコミ、LINE など)・求人専門紙「Happiness」発行・人材事業(紹介、イベントなど)を行うその他の事業(同27.9%)で構成されている。
同社の強みは、地域密着の姿勢と独自の配布ネットワークにある。自社で2,500人規模の配布スタッフを抱え、エリア内のほぼ全世帯に確実に新聞を届ける体制を築いており、週に1回173万世帯に「ちいき新聞」が届く。また、創刊から40年の歴史があり(1984年創業)、地元での知名度と信頼も蓄積。約60,000人の読者(女性72.5%・男性27.5%)とのインタラクティブな関係性(会員組織やイベント参加者など)を有し、年間取引企業数も7,000社にのぼるなど、地域内で圧倒的なネットワーク効果を発揮している。そのほか、年間記事制作コンテンツ数3,000本、年間広告制作コンテンツ数22,000本を生み出している。
2025年8月期上期累計の売上高は1,526百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は13百万円(同56.2%減)、で着地した。増収にも関わらず利益が急減した主因は将来成長に向けた積極的な先行投資となる。新経営体制のもとシステム投資・人材採用・他社提携・新規事業開発を精力的に行っており、それに伴う費用増加が損益を圧迫した。第2Q 単体での営業利益は損益分岐点に近い水準での黒字だが、先行投資と黒字確保の両立という同社の明確な意思決定によるものとなる。実際、通期業績予想は上方修正している。
地域密着型のフリーペーパー市場も長期的には縮小傾向にあるが、同社のような強力な配布網や会員組織、取材力を持つ媒体はその強みを生かして地域企業と連携したオフラインイベントの開催や観光誘致の取り組みが増加している。例えば、フリーペーパー主催の地域イベントで来場者を募り、その様子を紙面とWebで報告するといった双方向施策は、地元の広告主にも訴求力が高まっている。さらに企業のマーケティングにおいて社会的意義(SDGsや地域活性化など)を意識する潮流も強まっており、地域課題に寄与する活動を行うフリーペーパーへの広告出稿ニーズは今後も継続すると予想されている。
同社はこれまで、他社との業務提携(アライアンス)にも積極的で、自社の強み(地域網や読者基盤)と他社の強みを掛け合わせてサービスを補完し合うことでサービス拡大も図ってきた。実際に人材サービス大手のツナググループHD<6551>や地域情報誌大手の中広、保険会社のブレイブ少額短期保険などと提携して新サービスを開始。自社単独では提供できないサービスも他社との協業によって実現し、従来取り込めなかった広告主や市場を開拓できている。
同社は中期成長戦略「Strategic PlanVI」を開示しており、新型ビジネスモデル構想として、(1)クラウドファンディング×記事、(2)ペルソナデータベース×AI活用、の2つを掲げている。クラウドファンディング×記事では、例えばレディーフォーのような企業と連携して、ちいき新聞に無料の先行記事を掲載してイベント告知などを行い、予算外のプロモーション費用を獲得することで有料記事広告の受注につなげていく。実際、行政・スポーツ・お祭り・花火大会などの興行主に打診中となっているようだ。また、ペルソナデータの活用では、人にフォーカスした記事(無料 or 少額)を企画することで読者データを収集し、それをAIと掛け合わせてクライアントのマーケティングに生かしていく。例えば、新生児がいる家庭は離乳食開発をしている企業がアプローチしたい層となる。このように同社独自の地域データを活かしてビジネスをスケールさせていくようだ。
そのほか、「地域共創企業」として地域経済や暮らしに貢献しつつ持続的な業績拡大を目指す方針。その一環として、株式交付手法の活用を推進していく。地域の老舗優良企業の社長が保有している自社株を譲り受け、同社のグループ会社となるが、株を譲ったオーナー社長には対価としてお金では無く同社株を交付する施策となる。法的には子会社であるが上下関係のない DAO 型組織となるほか、会社所有者にとっては相続問題の解消にもつながるようだ。
配当政策では現時点で利益剰余を成長投資に充当する方針を採っており、配当は無配だが、同社の株主数は2023年8月時点1,202名から2025年2月には3,699名へと1年半で3倍超に急増し、地元・千葉県の個人投資家を中心に新規株主が大幅に増えている。足元の業績は投資先行で利益こそ圧迫されているが、財務体質の強化や新規収益源の芽出しなど着実な前進が見られている。地域密着のフリーペーパー事業をコアに据えつつ、新たな提携・事業を取り込んで変革期を迎えている同社の今後の動向には注目しておきたい。
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