注目トピックス 日本株
ブリッジ Research Memo(8):2025年12月期も増収増益基調
配信日時:2025/04/21 13:08
配信元:FISCO
*13:08JST ブリッジ Research Memo(8):2025年12月期も増収増益基調
■今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
ブリッジインターナショナル<7039>は2025年12月期第3四半期より持株会社体制に移行することを決定した(詳細は後述)。移行後初年度となる2025年12月期は、業績予想をレンジ方式にて開示している。ベストシナリオではトータルサポートに対するPMIや研修事業における新規顧客獲得が好調に進むことを想定し、それらが伸び悩み売上高や利益率改善の進捗が思わしくない場合の悲観シナリオも設定した。ベストシナリオでは成長率は売上高で20.0%、営業利益で15.2%となり、悲観シナリオの場合は売上高で10.0%、営業利益で5.5%となる。目標数値としては、売上高9,477~10,338百万円(前期比10.0~20.0%増)、営業利益1,002~1,094百万円(同5.5~15.2%増)、経常利益1,002~1,094百万円(同0.4~9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益631~688百万円(同4.5%減~4.1%増)となる。レンジ形式で開示した狙いは、中期経営計画の目標数値である2025年12月期売上高100億円と営業利益11億円を社員全員があらためて認識し、達成に向けた体制を強化するためと考えられる。売上高は2ケタ成長を予想するが、特に営業利益については後述する持株会社への移行や、中長期的な人材採用とIT投資を見込み、若干控えめに見積もっている。レンジ設定ではあるものの、2025年12月期においても増収増益基調を継続する計画に変わりはなく、各事業におけるターゲット顧客の需要を確実に捉えて業績向上につなげる方針である。
セグメント別では、インサイドセールスアウトソーシング事業は売上高4,752~5,178百万円(前期比5.0~14.4%増)、セグメント利益559~609百万円(同17.0~9.6%減)と増収ながら減益の可能性を見込んでいる。減益は成長投資が要因で、投資金額は明らかにしていないが、2025年12月期も引き続き人材採用や育成、最新テクノロジーによるインサイドセールス業務の高度化に注力する。前者は事業の次世代の担い手となるマネジメント人材の採用や、従業員の育成制度設計のために充てる見込みだ。後者では2024年12月期に続いてAIによるシステム高度化で生産性向上を図る計画である。売上面では既存顧客との取引拡大と、将来の成長を支える新規顧客の開拓でさらなる成長を目指す。既存顧客からの売上は、2024年12月期において事業全体の9割以上を占め、特に売上上位10社が全体の58%、上位20社は70%を超える比率となり、収益へのインパクトが大きいことから取引拡大を強化する。新規顧客開拓については引き続き外資IT、国内IT、金融の3領域を対象に取引先を増やし、顧客基盤を広げる。特に人手不足が深刻なIT業界では、実績で蓄積したナレッジを生かした同社サービスが、営業活動の高度化と生産性向上を支援することで顧客ニーズを充足するだろう。金融については、従来の預金集めや融資勧誘等の伝統的な業務からコンサルティング型営業への進化を続けていることから、取引拡大の余地は大きい。これら業界の開拓状況については引き続き注視したい。
プロセス・テクノロジー事業は売上高2,306~2,513百万円(同28.3~39.8%増)、セグメント利益123~134百万円(前期は19百万円の損失)を見込む。同事業では既存領域での取引拡大のほか、成長領域である売上成長モデル改革支援やSEAビジネス、オペレーション支援に注力する。特にSEAビジネスでは営業・マーケティング領域において、salesforceやSalesloft、Xactly等の最新テクノロジーの活用や、それらテクノロジーに顧客との会話を蓄積・学習して次のアクションをサポートするなどAI活用により機能をカスタマイズし、営業活動の自動化サービスを推進する。既存取引から培った知見やパートナー企業との協業で得た外部のノウハウ等を取り込み、顧客ニーズに沿ったソリューションを提案することで取引拡大を図る。また、2024年12月期の損失計上の原因となったトータルサポートのPMIを推進し、売上拡大と粗利率改善を着実に進めることで全体業績の押し上げを図る。ほかにも営業体制の強化に加え、粗利率の高いソリューションビジネスの拡販や、パートナーとの関係再構築、プロダクトのラインアップ強化等の施策を推進する。トータルサポート単独では、売上高1,430百万円(同36.5%増)、営業利益69百万円(前期は42百万円の損失)、利益率4.8%を目指す。
研修事業は売上高2,432~2,651百万円(前期比6.2~15.8%増)、セグメント利益322~351百万円(同9.5~19.4%増)を見込む。売上のおよそ4割を占める好調な新人研修をはじめ、階層別研修、営業、DX、IT、ビジネス研修といった部門別のメニューを提供することで、顧客企業の従業員に寄り添ったサービス提供を実現し売上拡大を図る。全体売上をベストシナリオに近づけるためには、研修事業における新規顧客獲得による売上増がポイントの1つとなることから開拓に注力する。
2. 持株会社体制への移行
同社は2025年2月、持株会社体制への移行を発表した。2025年3月27日開催の定時株主総会における承認を経て、2025年7月1日より移行する。
(1) 持株会社体制への移行理由
同社が持株会社化を選択した理由として以下の3点が挙げられる。
1) グループ経営資源の最適配分
持株会社がグループ全体の経営資源を適切に管理・配分することで、グループ全体の持続的な成長を目指す。
2) ガバナンス強化及び経営の意思決定迅速化
持株会社にコーポレート機能(新規事業開発や多角化、M&A、組織再編等を企画・実施する機能)を集約することで、グループ戦略の策定や傘下事業会社の支援、戦略投資を実施する。これにより、事業会社の事業への専念と、迅速な意思決定が可能となる体制を構築する。
3) 次世代経営人材の育成
経営の現場での実践経験を通じ、多様な経験とリーダーシップを培う環境を整備する。ビジネスモデルや規模の異なる経営経験を積むことで、グループ全体の経営力を向上させ、次世代の経営人材の育成を図る。
事業の拡大が順調に進むなか、中期経営計画で定めたグループ成長方針と提供価値である「B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するEnd to Endのサービス提供」を一日も早く実現するため、持株会社への移行を急ぐと考えられる。
(2) 持株会社体制の内容
2025年7月1日より社名を「ブリッジインターナショナルグループ」に変更し、純粋持株会社として新たなスタートを切る。事業会社は以下のとおりとなる。インサイドセールスアウトソーシング事業は、新設分割により設立される「ブリッジインターナショナル」が担当する。プロセス・テクノロジー事業については、子会社であるClieXitoを2025年3月1日付で「ブリッジプロセステクノロジー」に商号変更のうえ、従来の担当事業を移管する※。研修事業はアイ・ラーニングが引き続き担当する。持株会社体制に移行することで、顧客企業の成長に向けた価値提供の高度化を進めるとともに、業績を拡大する考えである。なおトータルサポート、アイ・ラーニング、BRIDGE International Asiaは持株会社の子会社となる。
※ 会社組織上はブリッジプロセステクノロジーが吸収分割承継会社として、ClieXitoが有するプロセス・テクノロジー事業の権利義務を承継する。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<KM>
1. 2025年12月期の業績見通し
ブリッジインターナショナル<7039>は2025年12月期第3四半期より持株会社体制に移行することを決定した(詳細は後述)。移行後初年度となる2025年12月期は、業績予想をレンジ方式にて開示している。ベストシナリオではトータルサポートに対するPMIや研修事業における新規顧客獲得が好調に進むことを想定し、それらが伸び悩み売上高や利益率改善の進捗が思わしくない場合の悲観シナリオも設定した。ベストシナリオでは成長率は売上高で20.0%、営業利益で15.2%となり、悲観シナリオの場合は売上高で10.0%、営業利益で5.5%となる。目標数値としては、売上高9,477~10,338百万円(前期比10.0~20.0%増)、営業利益1,002~1,094百万円(同5.5~15.2%増)、経常利益1,002~1,094百万円(同0.4~9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益631~688百万円(同4.5%減~4.1%増)となる。レンジ形式で開示した狙いは、中期経営計画の目標数値である2025年12月期売上高100億円と営業利益11億円を社員全員があらためて認識し、達成に向けた体制を強化するためと考えられる。売上高は2ケタ成長を予想するが、特に営業利益については後述する持株会社への移行や、中長期的な人材採用とIT投資を見込み、若干控えめに見積もっている。レンジ設定ではあるものの、2025年12月期においても増収増益基調を継続する計画に変わりはなく、各事業におけるターゲット顧客の需要を確実に捉えて業績向上につなげる方針である。
セグメント別では、インサイドセールスアウトソーシング事業は売上高4,752~5,178百万円(前期比5.0~14.4%増)、セグメント利益559~609百万円(同17.0~9.6%減)と増収ながら減益の可能性を見込んでいる。減益は成長投資が要因で、投資金額は明らかにしていないが、2025年12月期も引き続き人材採用や育成、最新テクノロジーによるインサイドセールス業務の高度化に注力する。前者は事業の次世代の担い手となるマネジメント人材の採用や、従業員の育成制度設計のために充てる見込みだ。後者では2024年12月期に続いてAIによるシステム高度化で生産性向上を図る計画である。売上面では既存顧客との取引拡大と、将来の成長を支える新規顧客の開拓でさらなる成長を目指す。既存顧客からの売上は、2024年12月期において事業全体の9割以上を占め、特に売上上位10社が全体の58%、上位20社は70%を超える比率となり、収益へのインパクトが大きいことから取引拡大を強化する。新規顧客開拓については引き続き外資IT、国内IT、金融の3領域を対象に取引先を増やし、顧客基盤を広げる。特に人手不足が深刻なIT業界では、実績で蓄積したナレッジを生かした同社サービスが、営業活動の高度化と生産性向上を支援することで顧客ニーズを充足するだろう。金融については、従来の預金集めや融資勧誘等の伝統的な業務からコンサルティング型営業への進化を続けていることから、取引拡大の余地は大きい。これら業界の開拓状況については引き続き注視したい。
プロセス・テクノロジー事業は売上高2,306~2,513百万円(同28.3~39.8%増)、セグメント利益123~134百万円(前期は19百万円の損失)を見込む。同事業では既存領域での取引拡大のほか、成長領域である売上成長モデル改革支援やSEAビジネス、オペレーション支援に注力する。特にSEAビジネスでは営業・マーケティング領域において、salesforceやSalesloft、Xactly等の最新テクノロジーの活用や、それらテクノロジーに顧客との会話を蓄積・学習して次のアクションをサポートするなどAI活用により機能をカスタマイズし、営業活動の自動化サービスを推進する。既存取引から培った知見やパートナー企業との協業で得た外部のノウハウ等を取り込み、顧客ニーズに沿ったソリューションを提案することで取引拡大を図る。また、2024年12月期の損失計上の原因となったトータルサポートのPMIを推進し、売上拡大と粗利率改善を着実に進めることで全体業績の押し上げを図る。ほかにも営業体制の強化に加え、粗利率の高いソリューションビジネスの拡販や、パートナーとの関係再構築、プロダクトのラインアップ強化等の施策を推進する。トータルサポート単独では、売上高1,430百万円(同36.5%増)、営業利益69百万円(前期は42百万円の損失)、利益率4.8%を目指す。
研修事業は売上高2,432~2,651百万円(前期比6.2~15.8%増)、セグメント利益322~351百万円(同9.5~19.4%増)を見込む。売上のおよそ4割を占める好調な新人研修をはじめ、階層別研修、営業、DX、IT、ビジネス研修といった部門別のメニューを提供することで、顧客企業の従業員に寄り添ったサービス提供を実現し売上拡大を図る。全体売上をベストシナリオに近づけるためには、研修事業における新規顧客獲得による売上増がポイントの1つとなることから開拓に注力する。
2. 持株会社体制への移行
同社は2025年2月、持株会社体制への移行を発表した。2025年3月27日開催の定時株主総会における承認を経て、2025年7月1日より移行する。
(1) 持株会社体制への移行理由
同社が持株会社化を選択した理由として以下の3点が挙げられる。
1) グループ経営資源の最適配分
持株会社がグループ全体の経営資源を適切に管理・配分することで、グループ全体の持続的な成長を目指す。
2) ガバナンス強化及び経営の意思決定迅速化
持株会社にコーポレート機能(新規事業開発や多角化、M&A、組織再編等を企画・実施する機能)を集約することで、グループ戦略の策定や傘下事業会社の支援、戦略投資を実施する。これにより、事業会社の事業への専念と、迅速な意思決定が可能となる体制を構築する。
3) 次世代経営人材の育成
経営の現場での実践経験を通じ、多様な経験とリーダーシップを培う環境を整備する。ビジネスモデルや規模の異なる経営経験を積むことで、グループ全体の経営力を向上させ、次世代の経営人材の育成を図る。
事業の拡大が順調に進むなか、中期経営計画で定めたグループ成長方針と提供価値である「B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するEnd to Endのサービス提供」を一日も早く実現するため、持株会社への移行を急ぐと考えられる。
(2) 持株会社体制の内容
2025年7月1日より社名を「ブリッジインターナショナルグループ」に変更し、純粋持株会社として新たなスタートを切る。事業会社は以下のとおりとなる。インサイドセールスアウトソーシング事業は、新設分割により設立される「ブリッジインターナショナル」が担当する。プロセス・テクノロジー事業については、子会社であるClieXitoを2025年3月1日付で「ブリッジプロセステクノロジー」に商号変更のうえ、従来の担当事業を移管する※。研修事業はアイ・ラーニングが引き続き担当する。持株会社体制に移行することで、顧客企業の成長に向けた価値提供の高度化を進めるとともに、業績を拡大する考えである。なおトータルサポート、アイ・ラーニング、BRIDGE International Asiaは持株会社の子会社となる。
※ 会社組織上はブリッジプロセステクノロジーが吸収分割承継会社として、ClieXitoが有するプロセス・テクノロジー事業の権利義務を承継する。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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