注目トピックス 日本株
ローランド Research Memo(6):再成長フェーズに向けた需要創造型新製品が進捗(3)
配信日時:2025/04/02 14:06
配信元:FISCO
*14:06JST ローランド Research Memo(6):再成長フェーズに向けた需要創造型新製品が進捗(3)
■業績動向
2. 財務状況
ローランド<7944>の2024年12月期末の資産合計は前期末比617百万円増加の81,586百万円となった。流動資産では棚卸資産が997百万円減少した一方、現金及び預金が1,595百万円増加した。固定資産では無形固定資産が1,205百万円増加した。負債合計は同5,951百万円減少の34,903百万円となった。主に、借入金が4,392百万円減少した。純資産合計は同6,568百万円増加の46,682百万円となった。主に、配当金の支払いにより剰余金が4,722百万円減少した一方で、主要国通貨に対する円安進行により為替換算調整勘定が4,694百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益を5,976百万円計上したことによる。これらの結果、自己資本比率は前期末の49.2%から56.8%に上昇しており、財務の健全性は高いと弊社では考える。
楽器市場は徐々に再成長フェーズへ販売数量増と価格適正化により増収を見込む
3. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の100,900百万円、営業利益で同1.5%増の10,100百万円、経常利益で同15.3%増の9,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.5%増の7,200百万円を見込んでいる。同社の事業領域におけるコロナ関連の課題は既に解決されているため、再成長フェーズへの移行が着実に進み、為替逆風下でも増収・増益を実現する方針である。楽器市場は徐々に再成長フェーズに入り、主要地域及び各カテゴリーで増収に転換し、為替影響を除いた売上高は前期比4.2%増を計画している。
特に管打楽器は、前期に発売した電子ドラム新製品の効果やDWの増収が成長ドライバーとなる見込みである。映像音響機器は方針変更の過渡期にあり一時的にマイナス成長となる可能性があるものの、2026年以降の回復が期待される。中国市場は依然として不透明な状況が続くが、主要地域では再成長フェーズへの移行が進む。欧州ではDW製品の販売ルート変更により代理店業務がグループ内に取り込まれアドオン効果が生じ、その他エリアにおいてはインドや中南米が中国に代わる新興国市場として成長ドライバーとなる。
営業利益は、販売数量の増加と価格適正化効果により、通常経費を最小化しつつ成長投資を加速する。為替影響を除いた営業利益は前期比15.3%増を見込んでいる。販売数量がコロナ需要の反動減から徐々に回復し、新製品の効果も相乗して前期から増加するほか、価格適正化効果、原価低減、並びにDWの利益率改善が寄与する見込みである。販管費については、人材採用、Roland Cloud、広告販促、Roland Retailなどへの投資の加速を図り、為替影響を除いた売上総利益率及び営業利益率はそれぞれ44.2%、11.1%に改善、上期・下期ともに増収増益を達成する見込みである。
4. 弊社の所見
2024年12月期は、ディーラー在庫の調整が大きな課題であった。特に、アメリカ及び中国市場は、コロナ禍からの反動が大きかった。為替の追い風はあったものの、実力ベースでの売上高は全体で前期比8.7%減の成績となった。しかし、2024年の後半からはアメリカ市場におけるセルスルーが進み、実際のデマンドも徐々に回復、年末商戦では2023年並みの水準に戻った。これにより、必要な調整が行われ、市場も底を打った状況である。ディーラーの在庫調整による影響については、足元では懸念材料とはなっていない。2024年末の時点で、アメリカのディーラーにおける同社在庫水準は非常にヘルシーな状態となっており、2025年12月期は需要に応じたセルインが進む見込みである。中国市場においては、特にアコースティックピアノが厳しい状況であり、市場規模はピーク時の約1/4に縮小している。そのため、ヤマハ<7951>や河合楽器製作所<7952>などのメーカーは相当な苦戦を強いられているが、同社は電子楽器を中心に展開しているため、売上は落ち込んでいるものの、2024年12月期を底に、2025年12月期からは横ばいまたは第3四半期以降にプラス成長が期待される。また、インド及び中南米市場においては、今後も旺盛な成長が見込まれている。インド市場においては、専門コーナーを併設したストアインストアの形態で2店舗を出店し、さらなる拡大が期待される。ブラジルやメキシコにおいても、売上規模は着実に大きくなっており、インドと中南米を合わせた市場規模は中国と同程度に達している。
製品に着目すると、2025年12月期はドラム製品が成長ドライバーとなることを見込んでいる。DW製品については、欧州市場における販売ルートを、現地代理店経由ではなく同社の100%販売子会社に変更した。従来のDW製品はアメリカ市場での売上が7割近くを占めており、欧州では現地代理店に任せていたため、プロモーションやディーラー教育が十分に行き届いていなかった。しかし、今般の販売ルート変更により、販売やマーケティングの各種施策を強力に推進できるほか、代理店を経由することなく直接ディーラーに販売することで、中間マージンをグループ内に取り込めるため、販売単価の向上が期待される。またDWは、DW以外にも複数のブランドを展開しており、その中にはPDP、LP、グレッチ、スリンガーランドなどが含まれていたが、2024年12月期は、ブランドポートフォリオの見直しの一環として、利益率の低いグレッチを売却し、休眠状態にあったスリンガーランドを復活させた。グレッチはライセンスフィーの支払いが必要であったが、スリンガーランドは自社ブランドであるため、コスト面での優位性を見込んでいる。
原材料費については、特に半導体を含む原材料が下落傾向にあり、2025年中盤以降、その影響が原価に反映され始めると見込んでいる。また、海上輸送費については、2024年夏頃に一時的に大幅上昇し、2025年12月期第1四半期までの影響はあるものの、その後は低下していくことを想定している。なお、2025年12月期においては製品価格の値上げを予算に織り込んではいない。しかしながら、同社ブランドの製品には値上げ余地がまだまだ残されており、実際にコロナ禍においては2年間で計4回の値上げを実施した実績がある。そのため、原材料費や物流費の変動に対しては、適正な価格転嫁を行うことで機動的対応ができるものと弊社では見ている。
トピックスとしては、原宿に出店した直営店の売上高が順調に伸びている。顧客層は従来の楽器店利用者に加え、普段楽器店に足を運ばない層や外国人観光客が含まれる。店舗では楽器のみならず、アパレル商品も販売されている。また、2025年1月には、アメリカのカリフォルニア州アナハイムで開催された世界最大級の楽器見本市「NAMM Show 2025」へ5年ぶりに出展した。コロナ禍においては出展を見合わせていたが、出展を再開した。NAMMからも高く評価され、ショーの価値向上に寄与した。
コロナ禍を要因とした需給バランスの調整の際にも、同社は電子楽器専業メーカーである強みを生かし機動的に増減産に対応した。同社が手掛ける電子楽器は、アコースティック楽器と比較し需要の増減に対応しやすく、稼働損益が発生しづらいという特徴が功を奏した。新製品については全体への影響は大きくないものの、不確実な環境下でも確実に業績に寄与している。2024年12月期に発売された新製品やDWの増収により売上高の再成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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2. 財務状況
ローランド<7944>の2024年12月期末の資産合計は前期末比617百万円増加の81,586百万円となった。流動資産では棚卸資産が997百万円減少した一方、現金及び預金が1,595百万円増加した。固定資産では無形固定資産が1,205百万円増加した。負債合計は同5,951百万円減少の34,903百万円となった。主に、借入金が4,392百万円減少した。純資産合計は同6,568百万円増加の46,682百万円となった。主に、配当金の支払いにより剰余金が4,722百万円減少した一方で、主要国通貨に対する円安進行により為替換算調整勘定が4,694百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益を5,976百万円計上したことによる。これらの結果、自己資本比率は前期末の49.2%から56.8%に上昇しており、財務の健全性は高いと弊社では考える。
楽器市場は徐々に再成長フェーズへ販売数量増と価格適正化により増収を見込む
3. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の100,900百万円、営業利益で同1.5%増の10,100百万円、経常利益で同15.3%増の9,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同20.5%増の7,200百万円を見込んでいる。同社の事業領域におけるコロナ関連の課題は既に解決されているため、再成長フェーズへの移行が着実に進み、為替逆風下でも増収・増益を実現する方針である。楽器市場は徐々に再成長フェーズに入り、主要地域及び各カテゴリーで増収に転換し、為替影響を除いた売上高は前期比4.2%増を計画している。
特に管打楽器は、前期に発売した電子ドラム新製品の効果やDWの増収が成長ドライバーとなる見込みである。映像音響機器は方針変更の過渡期にあり一時的にマイナス成長となる可能性があるものの、2026年以降の回復が期待される。中国市場は依然として不透明な状況が続くが、主要地域では再成長フェーズへの移行が進む。欧州ではDW製品の販売ルート変更により代理店業務がグループ内に取り込まれアドオン効果が生じ、その他エリアにおいてはインドや中南米が中国に代わる新興国市場として成長ドライバーとなる。
営業利益は、販売数量の増加と価格適正化効果により、通常経費を最小化しつつ成長投資を加速する。為替影響を除いた営業利益は前期比15.3%増を見込んでいる。販売数量がコロナ需要の反動減から徐々に回復し、新製品の効果も相乗して前期から増加するほか、価格適正化効果、原価低減、並びにDWの利益率改善が寄与する見込みである。販管費については、人材採用、Roland Cloud、広告販促、Roland Retailなどへの投資の加速を図り、為替影響を除いた売上総利益率及び営業利益率はそれぞれ44.2%、11.1%に改善、上期・下期ともに増収増益を達成する見込みである。
4. 弊社の所見
2024年12月期は、ディーラー在庫の調整が大きな課題であった。特に、アメリカ及び中国市場は、コロナ禍からの反動が大きかった。為替の追い風はあったものの、実力ベースでの売上高は全体で前期比8.7%減の成績となった。しかし、2024年の後半からはアメリカ市場におけるセルスルーが進み、実際のデマンドも徐々に回復、年末商戦では2023年並みの水準に戻った。これにより、必要な調整が行われ、市場も底を打った状況である。ディーラーの在庫調整による影響については、足元では懸念材料とはなっていない。2024年末の時点で、アメリカのディーラーにおける同社在庫水準は非常にヘルシーな状態となっており、2025年12月期は需要に応じたセルインが進む見込みである。中国市場においては、特にアコースティックピアノが厳しい状況であり、市場規模はピーク時の約1/4に縮小している。そのため、ヤマハ<7951>や河合楽器製作所<7952>などのメーカーは相当な苦戦を強いられているが、同社は電子楽器を中心に展開しているため、売上は落ち込んでいるものの、2024年12月期を底に、2025年12月期からは横ばいまたは第3四半期以降にプラス成長が期待される。また、インド及び中南米市場においては、今後も旺盛な成長が見込まれている。インド市場においては、専門コーナーを併設したストアインストアの形態で2店舗を出店し、さらなる拡大が期待される。ブラジルやメキシコにおいても、売上規模は着実に大きくなっており、インドと中南米を合わせた市場規模は中国と同程度に達している。
製品に着目すると、2025年12月期はドラム製品が成長ドライバーとなることを見込んでいる。DW製品については、欧州市場における販売ルートを、現地代理店経由ではなく同社の100%販売子会社に変更した。従来のDW製品はアメリカ市場での売上が7割近くを占めており、欧州では現地代理店に任せていたため、プロモーションやディーラー教育が十分に行き届いていなかった。しかし、今般の販売ルート変更により、販売やマーケティングの各種施策を強力に推進できるほか、代理店を経由することなく直接ディーラーに販売することで、中間マージンをグループ内に取り込めるため、販売単価の向上が期待される。またDWは、DW以外にも複数のブランドを展開しており、その中にはPDP、LP、グレッチ、スリンガーランドなどが含まれていたが、2024年12月期は、ブランドポートフォリオの見直しの一環として、利益率の低いグレッチを売却し、休眠状態にあったスリンガーランドを復活させた。グレッチはライセンスフィーの支払いが必要であったが、スリンガーランドは自社ブランドであるため、コスト面での優位性を見込んでいる。
原材料費については、特に半導体を含む原材料が下落傾向にあり、2025年中盤以降、その影響が原価に反映され始めると見込んでいる。また、海上輸送費については、2024年夏頃に一時的に大幅上昇し、2025年12月期第1四半期までの影響はあるものの、その後は低下していくことを想定している。なお、2025年12月期においては製品価格の値上げを予算に織り込んではいない。しかしながら、同社ブランドの製品には値上げ余地がまだまだ残されており、実際にコロナ禍においては2年間で計4回の値上げを実施した実績がある。そのため、原材料費や物流費の変動に対しては、適正な価格転嫁を行うことで機動的対応ができるものと弊社では見ている。
トピックスとしては、原宿に出店した直営店の売上高が順調に伸びている。顧客層は従来の楽器店利用者に加え、普段楽器店に足を運ばない層や外国人観光客が含まれる。店舗では楽器のみならず、アパレル商品も販売されている。また、2025年1月には、アメリカのカリフォルニア州アナハイムで開催された世界最大級の楽器見本市「NAMM Show 2025」へ5年ぶりに出展した。コロナ禍においては出展を見合わせていたが、出展を再開した。NAMMからも高く評価され、ショーの価値向上に寄与した。
コロナ禍を要因とした需給バランスの調整の際にも、同社は電子楽器専業メーカーである強みを生かし機動的に増減産に対応した。同社が手掛ける電子楽器は、アコースティック楽器と比較し需要の増減に対応しやすく、稼働損益が発生しづらいという特徴が功を奏した。新製品については全体への影響は大きくないものの、不確実な環境下でも確実に業績に寄与している。2024年12月期に発売された新製品やDWの増収により売上高の再成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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