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サイオス Research Memo(5):自社開発製品・サービスをけん引役に中期経営計画は堅実な成長を目標とする(1)
配信日時:2025/04/03 14:05
配信元:FISCO
*14:05JST サイオス Research Memo(5):自社開発製品・サービスをけん引役に中期経営計画は堅実な成長を目標とする(1)
■中長期的な成長戦略
1. 中期経営計画
サイオス<3744>は3ヶ年の中期経営計画を策定し、最終年度となる2027年12月期の業績目標として売上高22,500百万円、営業利益310百万円、EBITDA362百万円、ROIC10.9%を掲げた。事業セグメントごとに成長戦略を策定し、利益成長と資本収益性の向上を図る。EBITDA目標の362百万円は2021年12月期の448百万円よりも低く、蓋然性の高い目標になっているとの印象で、以下に示す成長戦略が順調に進むようであれば、上振れすることも十分考えられる。
2. 事業セグメントの変更
2025年12月期より事業セグメントを従前のオープンシステム基盤事業、アプリケーション事業の2つの事業セグメントから、ビジネスモデルを軸にプロダクト&サービス、コンサルティング&インテグレーション、ソフトウェアセールス&ソリューションと3つの事業セグメントに再編成した。事業セグメントごとに成長戦略を策定し、同社の成長ストーリーをより解りやすく投資家にアピールし、企業価値の向上につなげることが狙いだ。
プロダクト&サービスには、自社開発ソフトウェア製品及びSaaS製品が含まれ、3セグメントのなかで最も利益額が大きいセグメントである。コンサルティング&インテグレーションは、情報システムの企画から開発・運用にわたるコンサルティング及びシステムインテグレーションサービスとなり、APIソリューションや文教領域における統合認証ソリューション、金融業界向けのシステム開発・保守、電子カルテ等の医療DX支援サービス等が含まれる。ソフトウェアセールス&ソリューションには、Red Hat,Inc.関連商品をはじめとする国内外の先端ソフトウェアの仕入販売とテクニカルサポートが含まれる。利益額は小さいが売上高では最も大きい事業セグメントである。また、セグメント利益に関しては従来、全社共通費用を各セグメントに按分配賦していたが、新セグメントでは事業活動成果のみの利益とし、全社共通費用に関しては調整額として計上する。
3. 事業セグメント別の成長戦略
(1) プロダクト&サービス
プロダクト&サービス事業では、「継続的な機能開発・性能改善と生成AIの活用による製品差別化」「販売チャンネルの拡大及びデジタルマーケティングの強化等を通じた顧客開拓」「カスタマーサクセスを通じた顧客とのエンゲージメント強化」の3点を成長戦略として取り組み、2027年12月期に売上高6,900百万円(年平均成長率3.6%)、セグメント利益695百万円(同12.5%)を目指す。利益率は増収効果によって2024年12月期の7.9%から10.1%に上昇する見通しだ。
a) 「Gluegentシリーズ」
i) ARR実績及びCAGR他社比較
SaaS製品のなかでも順調に成長を続けているのが「Gluegentシリーズ」で、ワークフローシステムの「Gluegent flow」とID認証システムの「Gluegent Gate」の合計ARR※は2024年12月時点で前年同月比13.0%増の652百万円となった(内訳は「Gluegent Flow」が34.0%増、「Gluegent Gate」が4.6%増)。2020年12月以降の4年間のCAGR(年平均成長率)は14.8%となっており、SaaS事業を展開するエイトレッド<3969>の15.3%(2021年3月期第3四半期~2025年3月期第3四半期のストック売上高)、rakumo<4060>の19.6%(2020年12月期~2024年12月期のSaaS売上高)、HENNGE<4475>の23.4%(「Henge One」の2021年9月期第1四半期~2025年9月期第1四半期の売上高)と比較しても遜色のないCAGRとなっている。ただ、これら企業と比較すると売上規模は小さいため、より高い成長率を目指す。
※ ARR(Annual Recurring Revenue)=月末におけるMRR(サブスクリプション契約等に基づき毎月繰り返し得られる収益の月間合計)×12ヶ月
ii) APR拡大戦略
ARRの拡大戦略として、新規顧客の獲得と合わせて既存顧客へのアップセル並びに解約抑止に取り組んでいる。「Gluegent Flow」ではGoogle Workspaceに加え、Microsoft365との連携機能を強化することでユーザーの業務効率化、利便性向上を図っており※1、オンラインセミナーなどデジタルマーケティングの強化や販売パートナーとの連携強化により新規顧客の獲得につなげている。解約抑止策としては、カスタマーサクセス体制を強化し顧客のフォローアップを充実させており、2023年12月期に引き続き解約率は低水準で推移している。「Gluegent Flow」に関しては、スマートキャンプ(株)が優れたSaaS製品を表彰する「BOXIL SaaS AWRD Winter 2024※2」のワークフローシステム部門において、「Good Service※3」を受賞したほか、IT製品の国内最大級のレビューサイトである「ITreview」にて2025年1月に発表された「ITreview Grid Award 2025 Winter」のワークフローシステム部門でも「High Performer」を受賞(2021 Springから連続受賞)するなど評価を獲得している。連携機能が充実していることや使い勝手の良いUI/UX設計、タスク管理が容易な点が評価されているようで、2024年12月のARRも前年同月比34.0%増と高成長が続いている。
※1 連携機能により自動でExcel等へのデータ出力やファイル保存が可能となった。
※2 BOXIL SaaS AWARDとは、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」を運営するスマートキャンプ(株)が、優れたSaaSを審査、選考、表彰するイベントで、年1回及び四半期ごとに表彰されている。
※3 「Good Service」は「BOXIL SaaS」上に投稿された口コミを対象に、各カテゴリで総得点の高いサービスに対して与えられる称号。
iii) 生成AIの活用
2025年1月には生成AIを活用した「ユーザーアシスト」機能の正式版をリリースし、ワークフローの利便性・操作性は一段と向上したため、新規顧客のさらなる獲得につながるものと期待される。「ユーザーアシスト」の主な機能として、タスク要約機能※1、スマートモデル検索機能(申請時に利用すべきモデルを簡単に検索・レコメンドする機能)のほか、管理者向けにスクリプト自動生成機能(多様なパターンの申請への対応を可能とするスクリプトの作成を支援。自然言語で指示した内容に基づき、スクリプトを生成する機能)の3つの機能を実装した。ビジネスプラン(月額料金500円)のユーザーにとっては、月額料金が変わらず利用できるため解約防止につながるほか、ベーシックプラン(同400円)から切り替える顧客が現れる可能性もある※2。既存顧客からの評価は高いようで、顧客満足度の向上にもつながっている。
※1 タスク一覧で対象タスクの要約文を表示する機能
※2 料金プランでビジネスプラン(月額500円)の提供サービスのなかに「ユーザーアシスト」を追加した。ベーシックプラン(月額400円)のユーザーは利用できないため。
iv) Gluegent Gateの拡大
「Gluegent Gate」は、ゼロトラスト※時代における情報セキュリティ対策の重要性が高まるなか、シングルサインオンによる最適なアクセス管理システムとして、2011年12月期のサービス提供開始以降、累計導入実績が25万ユーザーを超えるなど着実に拡大している。解約抑止策として、導入前のコンサルティングから導入後の課題に対するサポートまで、継続的に顧客を支援できるカスタマーサクセス体制を構築しており、解約率も低水準で推移している。2024年12月のARRは前年同月比で4.6%増とやや伸びが鈍化してきたが、販売パートナーとの連携強化を図ることで拡大を目指す。
※ 社内外のネットワーク環境における従来の「境界」の概念を捨て去り、守るべき情報資産にアクセスするものはすべて信用せずにその安全性を検証することで情報資産への脅威を防ぐという、セキュリティの新しい考え方。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
1. 中期経営計画
サイオス<3744>は3ヶ年の中期経営計画を策定し、最終年度となる2027年12月期の業績目標として売上高22,500百万円、営業利益310百万円、EBITDA362百万円、ROIC10.9%を掲げた。事業セグメントごとに成長戦略を策定し、利益成長と資本収益性の向上を図る。EBITDA目標の362百万円は2021年12月期の448百万円よりも低く、蓋然性の高い目標になっているとの印象で、以下に示す成長戦略が順調に進むようであれば、上振れすることも十分考えられる。
2. 事業セグメントの変更
2025年12月期より事業セグメントを従前のオープンシステム基盤事業、アプリケーション事業の2つの事業セグメントから、ビジネスモデルを軸にプロダクト&サービス、コンサルティング&インテグレーション、ソフトウェアセールス&ソリューションと3つの事業セグメントに再編成した。事業セグメントごとに成長戦略を策定し、同社の成長ストーリーをより解りやすく投資家にアピールし、企業価値の向上につなげることが狙いだ。
プロダクト&サービスには、自社開発ソフトウェア製品及びSaaS製品が含まれ、3セグメントのなかで最も利益額が大きいセグメントである。コンサルティング&インテグレーションは、情報システムの企画から開発・運用にわたるコンサルティング及びシステムインテグレーションサービスとなり、APIソリューションや文教領域における統合認証ソリューション、金融業界向けのシステム開発・保守、電子カルテ等の医療DX支援サービス等が含まれる。ソフトウェアセールス&ソリューションには、Red Hat,Inc.関連商品をはじめとする国内外の先端ソフトウェアの仕入販売とテクニカルサポートが含まれる。利益額は小さいが売上高では最も大きい事業セグメントである。また、セグメント利益に関しては従来、全社共通費用を各セグメントに按分配賦していたが、新セグメントでは事業活動成果のみの利益とし、全社共通費用に関しては調整額として計上する。
3. 事業セグメント別の成長戦略
(1) プロダクト&サービス
プロダクト&サービス事業では、「継続的な機能開発・性能改善と生成AIの活用による製品差別化」「販売チャンネルの拡大及びデジタルマーケティングの強化等を通じた顧客開拓」「カスタマーサクセスを通じた顧客とのエンゲージメント強化」の3点を成長戦略として取り組み、2027年12月期に売上高6,900百万円(年平均成長率3.6%)、セグメント利益695百万円(同12.5%)を目指す。利益率は増収効果によって2024年12月期の7.9%から10.1%に上昇する見通しだ。
a) 「Gluegentシリーズ」
i) ARR実績及びCAGR他社比較
SaaS製品のなかでも順調に成長を続けているのが「Gluegentシリーズ」で、ワークフローシステムの「Gluegent flow」とID認証システムの「Gluegent Gate」の合計ARR※は2024年12月時点で前年同月比13.0%増の652百万円となった(内訳は「Gluegent Flow」が34.0%増、「Gluegent Gate」が4.6%増)。2020年12月以降の4年間のCAGR(年平均成長率)は14.8%となっており、SaaS事業を展開するエイトレッド<3969>の15.3%(2021年3月期第3四半期~2025年3月期第3四半期のストック売上高)、rakumo<4060>の19.6%(2020年12月期~2024年12月期のSaaS売上高)、HENNGE<4475>の23.4%(「Henge One」の2021年9月期第1四半期~2025年9月期第1四半期の売上高)と比較しても遜色のないCAGRとなっている。ただ、これら企業と比較すると売上規模は小さいため、より高い成長率を目指す。
※ ARR(Annual Recurring Revenue)=月末におけるMRR(サブスクリプション契約等に基づき毎月繰り返し得られる収益の月間合計)×12ヶ月
ii) APR拡大戦略
ARRの拡大戦略として、新規顧客の獲得と合わせて既存顧客へのアップセル並びに解約抑止に取り組んでいる。「Gluegent Flow」ではGoogle Workspaceに加え、Microsoft365との連携機能を強化することでユーザーの業務効率化、利便性向上を図っており※1、オンラインセミナーなどデジタルマーケティングの強化や販売パートナーとの連携強化により新規顧客の獲得につなげている。解約抑止策としては、カスタマーサクセス体制を強化し顧客のフォローアップを充実させており、2023年12月期に引き続き解約率は低水準で推移している。「Gluegent Flow」に関しては、スマートキャンプ(株)が優れたSaaS製品を表彰する「BOXIL SaaS AWRD Winter 2024※2」のワークフローシステム部門において、「Good Service※3」を受賞したほか、IT製品の国内最大級のレビューサイトである「ITreview」にて2025年1月に発表された「ITreview Grid Award 2025 Winter」のワークフローシステム部門でも「High Performer」を受賞(2021 Springから連続受賞)するなど評価を獲得している。連携機能が充実していることや使い勝手の良いUI/UX設計、タスク管理が容易な点が評価されているようで、2024年12月のARRも前年同月比34.0%増と高成長が続いている。
※1 連携機能により自動でExcel等へのデータ出力やファイル保存が可能となった。
※2 BOXIL SaaS AWARDとは、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」を運営するスマートキャンプ(株)が、優れたSaaSを審査、選考、表彰するイベントで、年1回及び四半期ごとに表彰されている。
※3 「Good Service」は「BOXIL SaaS」上に投稿された口コミを対象に、各カテゴリで総得点の高いサービスに対して与えられる称号。
iii) 生成AIの活用
2025年1月には生成AIを活用した「ユーザーアシスト」機能の正式版をリリースし、ワークフローの利便性・操作性は一段と向上したため、新規顧客のさらなる獲得につながるものと期待される。「ユーザーアシスト」の主な機能として、タスク要約機能※1、スマートモデル検索機能(申請時に利用すべきモデルを簡単に検索・レコメンドする機能)のほか、管理者向けにスクリプト自動生成機能(多様なパターンの申請への対応を可能とするスクリプトの作成を支援。自然言語で指示した内容に基づき、スクリプトを生成する機能)の3つの機能を実装した。ビジネスプラン(月額料金500円)のユーザーにとっては、月額料金が変わらず利用できるため解約防止につながるほか、ベーシックプラン(同400円)から切り替える顧客が現れる可能性もある※2。既存顧客からの評価は高いようで、顧客満足度の向上にもつながっている。
※1 タスク一覧で対象タスクの要約文を表示する機能
※2 料金プランでビジネスプラン(月額500円)の提供サービスのなかに「ユーザーアシスト」を追加した。ベーシックプラン(月額400円)のユーザーは利用できないため。
iv) Gluegent Gateの拡大
「Gluegent Gate」は、ゼロトラスト※時代における情報セキュリティ対策の重要性が高まるなか、シングルサインオンによる最適なアクセス管理システムとして、2011年12月期のサービス提供開始以降、累計導入実績が25万ユーザーを超えるなど着実に拡大している。解約抑止策として、導入前のコンサルティングから導入後の課題に対するサポートまで、継続的に顧客を支援できるカスタマーサクセス体制を構築しており、解約率も低水準で推移している。2024年12月のARRは前年同月比で4.6%増とやや伸びが鈍化してきたが、販売パートナーとの連携強化を図ることで拡大を目指す。
※ 社内外のネットワーク環境における従来の「境界」の概念を捨て去り、守るべき情報資産にアクセスするものはすべて信用せずにその安全性を検証することで情報資産への脅威を防ぐという、セキュリティの新しい考え方。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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