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酒井重 Research Memo(1):2025年3月期第3四半期は前年同期比で大幅減益も、ほぼ想定線
配信日時:2025/03/13 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST 酒井重 Research Memo(1):2025年3月期第3四半期は前年同期比で大幅減益も、ほぼ想定線
■要約
酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーである。国内シェアは70%を超えており、近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2025年3月期第3四半期の業績概要
2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が20,243百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益が1,368百万円(同47.0%減)、経常利益が1,413百万円(同47.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,435百万円(同26.3%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の減益幅が小さいのは、第1四半期に特別利益として投資有価証券売却益288百万円を計上したことによる。地域区分別売上高では、国内は国土強靭化加速化対策を背景に市場環境は堅調であったが、度重なる価格改定や建設業界における残業規制などから主要顧客である建機レンタル会社の投資抑制が続き前年同期比14.3%減となった。海外も同18.7%減となり第2四半期から減少傾向が続いている。北米では、金利の高止まりが続くなかでディーラーの在庫調整が加速し同25.1%減となった。アジア向けも、インドネシアでは大統領選挙等の影響により需要が低迷、さらに一部のASEAN市場でも需要が減速したことから同14.3%減となった。前年同期比で大幅減益となったが、第2四半期終了時に下方修正した計画に対しては、ほぼ想定線であった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で27,200百万円(前期比17.6%減)、営業利益で1,740百万円(同47.6%減)、経常利益で1,700百万円(同48.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,700百万円(同30.3%減)と見込んでおり、第2四半期終了時の修正予想と変わっていない(前提となる下期の為替レートは、米ドル140円で換算)。引き続き世界の建設機械市場で調整局面が続く見通しであり、当面は厳しい事業環境が続きそうだ。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進している。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8.0%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。売上高、営業利益ともに2024年3月期に目標を上回ったが、進行中の2025年3月期が減収減益予想であることから、現時点でこれらの数値目標は据え置いた。また年間配当については、2025年3月期は業績の下方修正により予想ROEが5.8%に低下する見込みであることから、基本方針(ROE6.0%以下の場合はDOE(株主資本配当率)3.0%)に沿って、通期配当予想※を103.0円(期初見込み107.5円)に下方修正した。足元の業績は足踏みしているが、このようにROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
※ 2024年10月1日付の株式分割(1:2)を修正した値。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは70%超。海外シェアの拡大により成長を図る
・2025年3月期第3四半期は前年同期比47.0%の営業減益、通期では前期比47.6%減を見込む
・中期的な数値目標(2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円)は据え置いた
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーである。国内シェアは70%を超えており、近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2025年3月期第3四半期の業績概要
2025年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が20,243百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益が1,368百万円(同47.0%減)、経常利益が1,413百万円(同47.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,435百万円(同26.3%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の減益幅が小さいのは、第1四半期に特別利益として投資有価証券売却益288百万円を計上したことによる。地域区分別売上高では、国内は国土強靭化加速化対策を背景に市場環境は堅調であったが、度重なる価格改定や建設業界における残業規制などから主要顧客である建機レンタル会社の投資抑制が続き前年同期比14.3%減となった。海外も同18.7%減となり第2四半期から減少傾向が続いている。北米では、金利の高止まりが続くなかでディーラーの在庫調整が加速し同25.1%減となった。アジア向けも、インドネシアでは大統領選挙等の影響により需要が低迷、さらに一部のASEAN市場でも需要が減速したことから同14.3%減となった。前年同期比で大幅減益となったが、第2四半期終了時に下方修正した計画に対しては、ほぼ想定線であった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で27,200百万円(前期比17.6%減)、営業利益で1,740百万円(同47.6%減)、経常利益で1,700百万円(同48.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,700百万円(同30.3%減)と見込んでおり、第2四半期終了時の修正予想と変わっていない(前提となる下期の為替レートは、米ドル140円で換算)。引き続き世界の建設機械市場で調整局面が続く見通しであり、当面は厳しい事業環境が続きそうだ。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進している。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8.0%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。売上高、営業利益ともに2024年3月期に目標を上回ったが、進行中の2025年3月期が減収減益予想であることから、現時点でこれらの数値目標は据え置いた。また年間配当については、2025年3月期は業績の下方修正により予想ROEが5.8%に低下する見込みであることから、基本方針(ROE6.0%以下の場合はDOE(株主資本配当率)3.0%)に沿って、通期配当予想※を103.0円(期初見込み107.5円)に下方修正した。足元の業績は足踏みしているが、このようにROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
※ 2024年10月1日付の株式分割(1:2)を修正した値。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは70%超。海外シェアの拡大により成長を図る
・2025年3月期第3四半期は前年同期比47.0%の営業減益、通期では前期比47.6%減を見込む
・中期的な数値目標(2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円)は据え置いた
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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