注目トピックス 日本株
1stコーポ Research Memo(7):再開発事業、アクティブシニア向けマンションなどの展開で収益基盤を多様化
配信日時:2025/02/07 13:17
配信元:FISCO
*13:17JST 1stコーポ Research Memo(7):再開発事業、アクティブシニア向けマンションなどの展開で収益基盤を多様化
■今後の展開
1. ウェルビーイングシティ構想と分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の推進
ファーストコーポレーション<1430>が今後注力する領域として最初に取り上げたいのが「ウェルビーイングシティ構想」である。この構想に基づき分譲マンション自社ブランド「CANVAS」を立ち上げ、現在、第1号案件の「CANVAS南大沢」の分譲が行われている。
「CANVAS」は人生100年時代に対応した、「住まい」の提供に留まらず、「豊かな暮らしを実現するための様々なサービスを提供し続けることで、持続的かつ多面的に満たされる暮らしを提供し、持続可能な社会の構築に貢献する」というミッションに基づいている。こうした物件は従来、高齢者のみを対象にしたシニアマンションが中心だったが、「CANVAS」は全世代を対象にしている点が最大の特徴である。多様な働き方を志向する単身世帯、若い家族世帯など、様々なニーズが存在する現在において、外部の機関と連携しニーズを満たす多様なサービスを提供する全世代型マンションは、今後のマンション形態のメインストリームになる可能性が十分にあると弊社は考えている。
2. アクティブシニア向けマンション
同社の将来的な成長を考えるうえで注目すべき領域は、健康な高齢者、いわゆるアクティブシニア向けマンションだ。高齢者向けのマンションにおいて、多くの業者が展開しているのは介護付きのサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)であり、アクティブシニア向けを手掛ける業者は少なく、同社はこの領域で先行している。アクティブシニア向けは、そもそも通勤仕様ではないため、駅前立地でなくて良い。さらに、温泉やジムなど付帯設備の建設で単価をアップさせることができ、収益性の観点からも期待できる。東京都稲城市のダイヤモンドライフ若葉台は、アクティブシニア層を主要ターゲットとして共同事業で建設したマンションであり、完売している。
大型案件のなかには、デベロッパーと共同事業で行うケースもある。2025年5月期中間期末時点でも、複数の案件を施工・分譲している状況だ。共同事業は効率的に収益をあげられることから、中長期的に共同事業に注力する方針で、今後はデベロッパーとジョイントする案件が多くなると考えられる。2024年7月には共同事業の推進を前提として、福岡県福岡市博多区の事業用地を購入した(2025年1月売却済)。共同事業の推進によって、トップラインの拡大と収益性の向上が期待される。
また、取引先が増加している点にも注目したい。2020年5月期の取引先は31社だったが、2021年5月期には三菱地所レジデンス(株)、野村不動産(株)、2022年5月期には(株)フージャースコーポレーション、2023年5月期には大和ハウス工業<1925>、ナイス<8089>、2024年5月期中にはヤマイチ・ユニハイムエステート<2984>、(株)トーシンパートナーズ、2025年5月期中間期にはパナソニックホームズ(株)、住友商事<8053>、相鉄不動産(株)と新たに取り引きを開始し、取引先は41社まで拡大した。このほかの取引先としては、(株)アーネストワン、東京建物<8804>、中央日本土地建物(株)、日鉄興和不動産(株)、三井不動産レジデンシャル(株)、阪急阪神不動産(株)、(株)中央住宅といった大手デベロッパーが数多く名を連ねている。今後、取引先の拡大とともに、ビジネスの幅も広がっていきそうだ。
再開発事業の開花により収益は上昇基調に
3. 再開発事業
同社は、再開発事業にも注力している。この領域では、JR前橋駅北口地区第一種市街地再開発事業に事業施行者として参画し、地上27階建ての施設を建設してきた。同プロジェクトは2024年3月に完成し、6月に顧客への引き渡しが完了した。再開発第1号案件である大型プロジェクトの完工を通して同社は、再開発事業と高層建築に関するノウハウを蓄積できた。同プロジェクトに対する周囲の評価も高いという。今後は、再開発事業とタワーマンションなどの高層建築の領域により積極的に進出する考えだ。再開発事業に関しては、青森県弘前市でも既に用地を取得し、準備組合に加盟するなど事業計画の具体化に向けて取り組んでいる。また、神奈川県横浜市緑区でも大規模事業に参画しており、デベロッパーとジョイントで計画を具現化する方針だ。さらに、2025年5月期中間期には長崎県大村市で実施される予定の「大村バスターミナル地区市街地再開発事業」に事業協力者として参画することを正式に公表している。将来的にこれらの再開発事業が次々に開花すれば、同社の収益は確実に上昇基調になると思われる。
郊外の好立地案件に引き続き注力
4. アフターコロナへの対応
コロナ禍によって普及したテレワークなどをはじめとする新しい生活様式は、マンション販売動向にも影響を及ぼした。アフターコロナに移行した現在は出社回帰などの流れはあるものの、マンションの販売価格は、都心部の高価格帯物件と郊外のリーズナブルな物件の二極化が進んでいる状況だ。好立地の郊外案件に対するニーズが旺盛な状況が継続しているなか、同社は引き続き郊外の案件に注力している。2025年5月期中間期には、新たに東京都八王子市、神奈川県海老名市、埼玉県朝霞市などで分譲マンションの建設を開始した。また、埼玉県熊谷市などでは、マンション建設のための事業用地の仕入れ・売却を行った。
コロナ禍にあっても同社は、主力のマンション建設に加え、自社ブランドの分譲マンション事業、アクティブシニア向けマンション事業、再開発事業を新たな軸に事業の拡大に注力してきた。今後も各事業を着実に成長させることによって、後述する中期経営計画「Innovation2024」の実現を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<HN>
1. ウェルビーイングシティ構想と分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の推進
ファーストコーポレーション<1430>が今後注力する領域として最初に取り上げたいのが「ウェルビーイングシティ構想」である。この構想に基づき分譲マンション自社ブランド「CANVAS」を立ち上げ、現在、第1号案件の「CANVAS南大沢」の分譲が行われている。
「CANVAS」は人生100年時代に対応した、「住まい」の提供に留まらず、「豊かな暮らしを実現するための様々なサービスを提供し続けることで、持続的かつ多面的に満たされる暮らしを提供し、持続可能な社会の構築に貢献する」というミッションに基づいている。こうした物件は従来、高齢者のみを対象にしたシニアマンションが中心だったが、「CANVAS」は全世代を対象にしている点が最大の特徴である。多様な働き方を志向する単身世帯、若い家族世帯など、様々なニーズが存在する現在において、外部の機関と連携しニーズを満たす多様なサービスを提供する全世代型マンションは、今後のマンション形態のメインストリームになる可能性が十分にあると弊社は考えている。
2. アクティブシニア向けマンション
同社の将来的な成長を考えるうえで注目すべき領域は、健康な高齢者、いわゆるアクティブシニア向けマンションだ。高齢者向けのマンションにおいて、多くの業者が展開しているのは介護付きのサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)であり、アクティブシニア向けを手掛ける業者は少なく、同社はこの領域で先行している。アクティブシニア向けは、そもそも通勤仕様ではないため、駅前立地でなくて良い。さらに、温泉やジムなど付帯設備の建設で単価をアップさせることができ、収益性の観点からも期待できる。東京都稲城市のダイヤモンドライフ若葉台は、アクティブシニア層を主要ターゲットとして共同事業で建設したマンションであり、完売している。
大型案件のなかには、デベロッパーと共同事業で行うケースもある。2025年5月期中間期末時点でも、複数の案件を施工・分譲している状況だ。共同事業は効率的に収益をあげられることから、中長期的に共同事業に注力する方針で、今後はデベロッパーとジョイントする案件が多くなると考えられる。2024年7月には共同事業の推進を前提として、福岡県福岡市博多区の事業用地を購入した(2025年1月売却済)。共同事業の推進によって、トップラインの拡大と収益性の向上が期待される。
また、取引先が増加している点にも注目したい。2020年5月期の取引先は31社だったが、2021年5月期には三菱地所レジデンス(株)、野村不動産(株)、2022年5月期には(株)フージャースコーポレーション、2023年5月期には大和ハウス工業<1925>、ナイス<8089>、2024年5月期中にはヤマイチ・ユニハイムエステート<2984>、(株)トーシンパートナーズ、2025年5月期中間期にはパナソニックホームズ(株)、住友商事<8053>、相鉄不動産(株)と新たに取り引きを開始し、取引先は41社まで拡大した。このほかの取引先としては、(株)アーネストワン、東京建物<8804>、中央日本土地建物(株)、日鉄興和不動産(株)、三井不動産レジデンシャル(株)、阪急阪神不動産(株)、(株)中央住宅といった大手デベロッパーが数多く名を連ねている。今後、取引先の拡大とともに、ビジネスの幅も広がっていきそうだ。
再開発事業の開花により収益は上昇基調に
3. 再開発事業
同社は、再開発事業にも注力している。この領域では、JR前橋駅北口地区第一種市街地再開発事業に事業施行者として参画し、地上27階建ての施設を建設してきた。同プロジェクトは2024年3月に完成し、6月に顧客への引き渡しが完了した。再開発第1号案件である大型プロジェクトの完工を通して同社は、再開発事業と高層建築に関するノウハウを蓄積できた。同プロジェクトに対する周囲の評価も高いという。今後は、再開発事業とタワーマンションなどの高層建築の領域により積極的に進出する考えだ。再開発事業に関しては、青森県弘前市でも既に用地を取得し、準備組合に加盟するなど事業計画の具体化に向けて取り組んでいる。また、神奈川県横浜市緑区でも大規模事業に参画しており、デベロッパーとジョイントで計画を具現化する方針だ。さらに、2025年5月期中間期には長崎県大村市で実施される予定の「大村バスターミナル地区市街地再開発事業」に事業協力者として参画することを正式に公表している。将来的にこれらの再開発事業が次々に開花すれば、同社の収益は確実に上昇基調になると思われる。
郊外の好立地案件に引き続き注力
4. アフターコロナへの対応
コロナ禍によって普及したテレワークなどをはじめとする新しい生活様式は、マンション販売動向にも影響を及ぼした。アフターコロナに移行した現在は出社回帰などの流れはあるものの、マンションの販売価格は、都心部の高価格帯物件と郊外のリーズナブルな物件の二極化が進んでいる状況だ。好立地の郊外案件に対するニーズが旺盛な状況が継続しているなか、同社は引き続き郊外の案件に注力している。2025年5月期中間期には、新たに東京都八王子市、神奈川県海老名市、埼玉県朝霞市などで分譲マンションの建設を開始した。また、埼玉県熊谷市などでは、マンション建設のための事業用地の仕入れ・売却を行った。
コロナ禍にあっても同社は、主力のマンション建設に加え、自社ブランドの分譲マンション事業、アクティブシニア向けマンション事業、再開発事業を新たな軸に事業の拡大に注力してきた。今後も各事業を着実に成長させることによって、後述する中期経営計画「Innovation2024」の実現を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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<5129> FIXER 695 +10反発。鈴鹿工業高等専門学校にてエンタープライズ向け生成AIサービス「GaiXer(ガイザー)」を導入開始したことを発表し、好材料視されている。24年5月から約1年間、鈴鹿高専で開講された生成AI講座におけるFIXERの取り組みが契機となった。同講座ではFIXERが授業計画を策定し、社員が講師として参加、学生たちにAI技術の基礎や応用について知識を提供した。「生成AI講座」の開講は高専内で生成AI活用の機運を高める役割を果たし、教職員向けのGaiXer導入に繋がったとしている。<9211> エフ・コード 1644 +78大幅反発。取得し得る株式の総数40,000株(自己株式を除く発行済株式総数の0.32%)、または取得価額の総額1億円を上限として、自社株買いを実施すると発表し、好感されている。新規上場した21年12月期から24年12月期までの3年間で売上収益約8倍・営業利益約9倍の速度で事業成長を実現しており、負債性資金の調達状況と今後の投資余力、現状の株価水準と理論的な株価水準、取得した自己株式の活用可能性、市場環境及び財務状況等を総合的に勘案し、自己株式取得の実施を決議したとしている。<5035> HOUSEI 633 +100ストップ高。13日の取引終了後に生成AIローコード開発プラットフォーム「imprai」が、クラウドストレージサービスである「Google ドライブ」や「Box」とのAPI連携に対応したことを発表し、これを好感した買いが優勢となっている。これらの連携により、ユーザーはドキュメント学習用のファイルを別途用意する必要がなくなり、日常運用を変えることなく、「imprai」は各クラウドストレージ内のファイルをダイレクトに参照し、精度の高い回答を即座に生成するという。<288A> ラクサス 225 +4反発。13日の取引終了後に株主優待制度の導入を発表し、好感されている。毎年3月末日及び9月末日時点の株主名簿に記載または記録された100株(1単元)以上の同社株式を保有している株主を対象に、ブランドバッグのサブスクリプション型シェアリングサービス「ラクサス」の月額利用料に充当可能な1万2千円分の割引優待を半期毎に贈呈する。25年3月31日時点の株主名簿に記載または記録された株主を対象として開始する。<4591> リボミック 119 +6大幅反発。抗TGF-β1アプタマーに関する物質特許の日本における特許査定を得たことを発表し、好材料視されている。形質転換増殖因子β1はTGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインで、細胞の増殖、分化、遊走など多岐にわたる細胞機能を制御するタンパク質。生体の正常発達や恒常性維持、病態の進行に影響を持つ重要な因子であり、がんの進行や転移に関与していることが知られている。TGF-β1に対する特異的かつ強い阻害剤は、悪性新生物や線維症などの新たな治療薬として応用が期待されている。<215A> タイミー 1597 +6もみ合い。13日の取引終了後に25年10月期第1四半期の業績を発表。売上高は86.42億円、営業利益は14.13億円と好調だった(前年同期は四半期決算を開示していないため比較の記載なし)。ワーカー向けのデジタル広告によるマーケティング活動により、登録ワーカー数が大幅に増加し、販売費及び一般管理費については、不正利用対策にかかる費用を計上しているが、適切なコストマネジメントと規律を持った投資により、営業利益が前年同四半期から大幅に増益となっているとしている。
<ST>
2025/03/14 15:48
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【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(12)
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【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(11)の続き■質問航空業界の物件にどのようなサービスを提供されたのか可能であればご教授ください。■ヘッドウォータース篠田これについては非常に多くのプロジェクトがあります。JALインフォテック様とは創業当初からの長いお付き合いがあり、キャビンアテンダント向けのタブレット開発や、空港の乗組員情報管理システム開発などを手掛けてきました。さらに、基幹システムに近い領域でもさまざまな取り組みを行っており、この分野では相当の実績があります。すでに10年以上にわたり、多くのプロジェクトを共に進めており、予算規模も大きく、本格的に関わっている領域です。ただし、具体的な内容については今こちらで申し上げられないので、リリースされているものがあるかどうか、必要に応じて確認し、オープンにできる情報があれば共有したいと思います。■質問ソフトバンクが新規取引先で記載されていたと思います。Pepper開発から時を経て再びコラボレーション大変楽しみにしています。可能な範囲で今後の展望をご表示ください■ヘッドウォータース篠田ソフトバンク様は非常に素晴らしい会社であり、チャレンジ精神のある企業です。現在、いくつかの部署と協力してプロジェクトを進めています。ただし、具体的な内容については現時点ではお話しできません。今後、先方と協議した上で、開示できる情報があれば随時お知らせしていきたいと思っています。■質問年商1兆円以上の企業とこれだけ取引されているのは素晴らしいですね。今後の成長も期待しています!ただ、成長資金は借入でまかなってほしいです。増資は勘弁してください。■ヘッドウォータース篠田ありがとうございます。頑張ります。これはタイミングを見て考えます。ただ、考え方として、運転資金や教育資金のために増資を行う気は全くありません。当社はずっと黒字を出している会社なので、こうした費用はすべて黒字の中で賄っています。また、現時点では借入(デッド)はゼロですが、まだ十分に借りられる余力があります。基本的にはデッドファイナンスを優先し、返済可能な範囲で活用していきます。特にM&Aで資金が必要になる場合、まずはデッドを第一に考えます。たとえば、1~2億円のM&Aであればデッドで対応します。ただし、AI業界のトップを目指すためには、大規模なM&Aが必要になってくることもあります。その際には、数十億円規模の資金が必要になり、デッドだけでは対応できない可能性があるため、エクイティ(増資)を活用する選択肢も出てきます。とはいえ、希薄化は私自身も避けたいと考えています。私の持ち株比率も下がりますし、プライム市場を目指すうえでは適正な範囲で希薄化はあり得るとしても、安易な増資はしません。M&Aによって売上が倍になるようなケースであれば、増資による希薄化よりも、企業価値(バリュエーション)の上昇の方が勝ると考えています。3年、5年といったスパンで見たときに、結果的に大きな企業価値の向上につながるのであれば、増資も選択肢としてあり得るということです。エクイティを使って株価を何倍にもしていくことがなければ、上場した意味もないと思っています。ただし、簡単には増資しませんし、安易に希薄化はしないので、そこは安心してください。ただ、そういう明確な戦略があった場合に、そういう手もなくはないということはご理解いただけたらと思います。■質問データインパクト社はベトナム市場に上場させる将来的な考えなどはありますか。■ヘッドウォータース篠田これはどこまで話していいのか難しいですが、あるかないかで言えば、企業が成長していくうえで十分に可能性はあると思います。ただ、ベトナム市場よりも日本市場の方が市場規模や資金調達力があるため、そちらの方が適しているのではないかという考えもあります。現時点で明確に決まっているわけではありませんが、企業成長の選択肢としては十分に検討の余地があると思っています。■質問1つビックニュースを教えてください。■ヘッドウォータース篠田すみません、ここで言えるようなビッグニュースはちょっと難しいです。東証の規則上、この場で私の口から発表してしまうと、限られた株主の方にしか情報が届かない形になり、公平性の観点で問題になってしまうため、今のタイミングではお話しできません。ただし、順次発表していきますので、そちらをお待ちいただければと思います。ご理解いただければ幸いです。■質問プライム市場への鞍替えは、どのくらいの時間軸で楽しみにしていればよいでしょうか。■ヘッドウォータース篠田これは勝負どころでもありますが、プライム市場の基準を考えると、売上100億円というのが1つの目安だと思っています。売上100億円あれば、時価総額や利益面でもプライムへの基準を十分に満たせると考えています。そのため、いかに早くこの売上規模に到達できるかが鍵になります。今年売上40億円を達成できたとして、来年40%程度の成長を見込めば50~60億円規模まで到達する計算になります。さらに、同規模の会社をM&Aで1社買収できれば、売上100億円のラインが見えてくるため、ここを狙って頑張りたいと思っています。ただし、M&Aには相手がいることですし、タイミングも重要なので、確約は難しい部分もあります。それでも、狙いとしては明確にそこを目指しており、大体そのくらいのタイミングでの達成を目標に全力で取り組んでいきます。■質問社長、大好きです! 現在はAIが主力ですが、次に来ると考えている技術はありますか? 話せる範囲で教えてください。■ヘッドウォータース篠田ありがとうございます。AIの先に来るものとしては、スモールランゲージモデル(SLM)を活用したエッジ側の生成AIが大きな流れになってくると思います。また、AIにとって最も重要なのは「データ」だと思っています。そのため、データ統合とAIを組み合わせ、エージェントが自律的に動作する仕組みをどれだけ高度化できるかが、今後数年の鍵になると考えています。我々はすでにこの分野を強化しているので、この道を全力で突き詰めながら、トップランナーとして走り続けたいと思っています。はい、これですべての質問にお答えしました。皆さん、たくさんの質問を本当にありがとうございます。僕自身もとても勉強になりましたし、楽しい時間でした。今後もできるだけこうしたコミュニケーションの場を設けていきたいと思っています。普段なかなか直接発信できない部分もあるので、ご不安に思われることもあるかもしれませんが、今日お話ししたような考えや姿勢で、皆さんと一緒に将来の喜びを分かち合いたいと本気で思っています。ぜひ、これからもご支援いただければ大変嬉しく思います。長時間にわたりお付き合いいただき、本当にありがとうございました。以上をもちまして、2024年12月期通期決算説明会を終了いたします。ありがとうございました!
<FA>
2025/03/14 15:41
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<FA>
2025/03/14 15:40
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【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(10)
*15:39JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(10)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(9)の続き■質問IRを出しても、なかなか株価に反応しない場面が多くなってきたように思います。現在の市場環境をどのように捉えていますか?■ヘッドウォータース篠田冷静に考えて、日本株、特にグロース市場の現状は厳しいと思います。さまざまな要因がありますが、東証自体もいろいろな指導方針を打ち出しており、例えば時価総額40億円以下の企業は上場廃止の対象となるなど、バリューのある企業に市場を絞る動きがあることも影響しています。その中で、急成長して株価が上がっている企業もあるため、当社も当然そちら側に入ることを目指し、さまざまな戦略を考えています。市場環境については、これまでお話ししてきたような認識で捉えています。ただ、「資金が入るのをただ待つ」というのは、事業家としては間違った姿勢だと思います。それを受け入れるのは、自分の性格上も許せません。もし100社に1社しか株価が上がらない状況だとしたら、その1社になるために全力を尽くすべきだと考えています。資金が入らないなら入らないなりに、誰も成し遂げていない新しいサービスを生み出し、グローバルからも注目を浴びる存在になることが重要です。例えば、今回のAIエージェントもその一例です。単なるIRの発信や一時的な注目だけでは不十分で、本当に成長性があり、他の企業にはできないことを当社が実現できるかどうかが鍵になると思っています。AI、生成AI、AIエージェントといった分野で、圧倒的かつ画期的なポジションを確立することによって、現在の市場環境の中でも十分に株価を上げることができると考えています。そのために、全力で取り組んでいくというのが、当社のスタンスです。■質問中期経営計画を開示する予定ありますか。■ヘッドウォータース篠田中期経営計画を開示する予定は、現時点ではありません。ChatGPTが登場してまだ2年程度しか経っていませんが、こうした新しいイノベーションは今後も次々と生まれてくると思います。我々は、それをキャッチアップしながら事業を成長させていくスタンスです。当社には、ユニークで強力なエンジニア集団があり、現場に張り付いて泥臭くAIを実装していく強さがあります。また、マイクロソフトのナンバーワンパートナーであることから、最新のテクノロジーをいち早くキャッチアップできる強みもあります。こうした強みを活かしながら成長を続けていきますが、中期経営計画は積み上げ式で具体的な数値目標を定めなければならないため、それに縛られるよりも、今は全力で成長に振り切るべきタイミングだと考えています。もし、ビジネスモデルが完全に確立し、テクノロジーが成熟している状況であれば、中期経営計画を開示することも可能だと思います。しかし、今はそれよりも、最新のテクノロジーをキャッチアップし、実装し、先頭を走ることで圧倒的な成長を遂げることに挑戦していきたいと考えています。そのため、現時点では中期経営計画を開示するタイミングではないと判断しています。■質問株価は非常に厳しい状況ですが、将来に対する期待は大きく持っています。引き続き応援していきたいと思っていますが、社長も「まだまだこんなものではない」という思いをお持ちですよね?■ヘッドウォータース篠田ありがとうございます。全然まだまだ、こんなものではないという思いで取り組んでいますので、そこだけは間違いないということですね。信じていただいて結構だと思います。■質問先日ツイートされたマイクロソフトと協力して開発した世界に通用するとおっしゃった技術とその市場規模について可能な範囲を教えてください。期待しています。■ヘッドウォータース篠田ありがとうございます。よく見ていただいて本当に嬉しいです。先日ツイートした内容についてですが、当社の取締役である西間木が、マイクロソフトの新しいテクノロジーについてコメントを求められて書いたものです。これは、マイクロソフトのUS側から「この技術は素晴らしい」と評価するコメントをしてほしいという依頼があり、それを受けて投稿したものです。生成AIの進化は非常に速く、今までのようにクラウド上の大規模GPUを使って生成する形から、エッジデバイス側に組み込む方向へと進化しています。大規模な言語モデルは多機能で強力ですが、コストや処理スピードの面で課題があるため、現在、特定の目的に絞ったモデルをリアルタイムにエッジデバイス上で動作させる研究を進めています。この領域にマイクロソフトは非常に力を入れており、当社のトップエンジニアとマイクロソフトのトップエンジニアが共同で開発を行っています。当社がこのプロジェクトに関与して言えるのは、マイクロソフトのさまざまなテクノロジーを活用していることに加え、日本における生成AI分野でナンバーワンの実績を持っていること、そして多くのクライアントを抱えていることが背景にあります。例えば、大手広告会社様では、ネット環境がない場所でもタブレット上で生成AIを活用し、必要な情報を取得しながらプレゼンを行うという用途が考えられます。この技術を使えば、トランザクションなしで処理できるため、コストを抑えながら高速なAI処理を実現できるというメリットがあります。さらに、医療現場や工事現場、航空・運輸業界など、ネットワークが安定しない環境でも活用が可能です。軽量でコストも低く、ネット接続なしでも動作することで、生成AIの普及をさらに加速させる可能性を持っています。マイクロソフトは、この技術が全世界的に生成AIを民主化し、より広く普及させる鍵になると考えており、スモールランゲージモデルを小型デバイスに実装する技術に全力を注いでいるという状況です。ただ、ラストワンマイルの領域はマイクロソフトの専門分野ではありません。だからこそ、当社のトップエンジニアとマイクロソフトがこれまで積み上げてきた実績が非常に重要になっています。マイクロソフトが「これが次の技術だ」と世界に向けて発信する際に、なぜか日本の小さな会社であるヘッドウォータースが「これはすごい技術だ」とエンドースメント(推薦)するという、非常に特異なポジションに立っているんです。これは、普通ではなかなかあり得ない状況だと思いますが、だからこそ今、非常に重要なタイミングにいると確信しています。そのため、当社としてもこの領域に全社で振り切り、日本でも世界でもNo.1を目指していくつもりです。市場規模で言えば、莫大なチャンスが広がっている領域です。こうした膨大な市場規模があるからこそ、ここを確実に取りにいきたいと強く思っています。【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(11)続く
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2025/03/14 15:39
注目トピックス 日本株
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(9)
*15:38JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(9)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(8)の続き■質問今後海外市場の進出についてはどのようにお考えでしょうか。■ヘッドウォータース篠田ありがとうございます。2点あります。1つ目は、先ほど少し触れた内容にも関連しますが、ソニーやマイクロソフトと協力し、シンガポールやニューヨークの展示会に出展しているという点です。当社のソリューションをこうした国際的な場に持ち込むことで、グローバル市場で注目度が高まっています。当社単体で出展すると、インパクトが弱いかもしれませんが、「ソニー」や「マイクロソフト」といったブランドとともに出ることで、世界中の展示会で大きな注目を集めることができるというのがポイントです。これは、過去の事例でも見られる戦略です。例えば、マイクロソフトはIBMのパソコンにOSを組み込むことで、グローバル展開を成功させたという経緯があります。同じように、当社も強い企業と連携しながら、最終的にはマイクロソフトのようなポジションを確立することが現実的な戦略だと考えています。そのため、グローバル企業とのアライアンスを進めることは、単なる協業ではなく、グローバル市場へ進出するための重要な手段だと位置づけています。大手企業の機能やデバイスを活用し、それらと一体となってグローバル展開を進めるというのが、当社の基本戦略の1つです。もう1つは、当社がベトナムに持っている「データインパクト」というラボ的な会社についてです。この会社は、全員が英語で開発を行えるため、海外に進出した日系企業のデータ統合やデータ活用の支援を少しずつ始めています。ここには非常に大きなニーズがあると考えています。なぜなら、現地のベンダーでは、日本企業が求めるレベルの支援や開発を提供するのが難しいため、当社が提供するソリューションには十分な価値があるからです。日系企業といっても現地法人として活動しているため、この市場に適したソリューションを提供できれば、ローカルマーケットでもしっかりとシェアを獲得できると考えています。こうした海外展開の戦略と、大手企業とのアライアンスを活用したグローバル進出の2本立てで進めていきます。どちらも、現在の事業の延長線上で実現可能な領域であり、しっかりと収益を確保しながらグローバル展開を推進していきたいと考えています。■質問今年に入り出来高が減少している状況かと思います。株価対策で今後の方針を教えてください。■ヘッドウォータース篠田まず、IR(投資家向け広報)をしっかり発信していきたいと考えています。ただし、これは単に株価を上げるためのIRではなく、投資家とのリレーションを強化するためのものだと思っています。ヘッドウォータースがどのような会社なのかを、できるだけ積極的にコミュニケーションして伝えていきたいと思います。しかし、どうしても1対1の対話になってしまったり、インサイダー情報の問題があったりするため、本来であれば私自身が直接お話しできればよいのですが、それが難しいケースもあります。そのため、誰でも見られる形で情報を開示し、東証のルールに則った表現で発信する必要があります。例えば、「これは確実に成功する」と思っていることでも、ルール上の制約で特定の表現しか使えないということもあります。重要なのは、できるだけ早く、リアルタイムで情報を共有することです。インサイダー情報やクライアントの機密情報に触れない範囲であれば、1秒でも早く発信することを心がけています。そうすることで、ヘッドウォータースを正しく評価していただき、機関投資家や個人投資家の皆様に納得して株を購入いただくことにつながると考えています。基本方針としては、とにかくフルオープンで情報を開示することを目指しています。ただし、単なる表面的なデータを出すだけでは伝わらない部分もあるため、このような説明会を通じて、より質感のある情報をしっかり届けていくことが重要だと思っています。今後もできる限りこまめに情報を発信し、投資家の皆様に正しく判断していただける環境を整えていきたいと考えています。■質問篠田社長は競合企業としてどこを意識していますか。■ヘッドウォータース篠田そうですね、意識している企業について具体的な社名を挙げてもいいのか迷いますが…。皆さんが最初に思い浮かべるような、現在AI業界でトップと認識されている企業で、時価総額が1,000億円以上ある会社はベンチマークしています。その企業のビジネスモデルやテクノロジーを分析し、どの分野で勝てるのか、どの分野は競争する必要がないのかを戦略的に判断しています。そのため、ベンチマークしている企業はいくつかあります。AI業界の上位企業を参考にしながら、彼らのビジネスモデルや技術の成長性を把握し、当社の戦略に活かしているという形です。■質問立派な業績だったと思います。IRも期待が持てる内容が多かったですが、株式市場での注目度が低いのか、株価が長期的に低迷しているのが残念です。この点についてどう分析し、どのように改善していく考えでしょうか?飛躍の年になることを期待しています。■ヘッドウォータース篠田ありがとうございます。株価についてはしっかりと意識していますが、日本市場にどれだけ大きな資金が入ってくるかも重要な要素だと考えています。ただ、資金がまったく入ってこないということはないので、どこかのタイミングでグロース市場が注目を浴びる時が必ず来ると確信しています。その際、株価が大きく上昇できる会社と、そうでない会社の違いは何かを考えると、1つは業績の確かさ、もう1つは今後の成長性を示せるテーマを持っているかどうかだと思います。つまり、最新の技術や市場の動向をしっかりと抑え、それを実績として示しているかどうかが重要になります。資金が市場に流入した時、これらの条件を満たしていれば、株価は大きく伸びるはずです。ただし、それが明日や来週に起こるとは言い切れません。しかし、長期的な流れでは必ず資金は入ってくるので、その時に一時的な5%や10%の上昇ではなく、大きな成長を実現することを目指しています。実際、昨年、日本のグロース市場やAI関連銘柄に資金が流入した際、当社の時価総額は一時400億円に達しました。こうした成長性や期待感を市場に示せるよう、オーガニックな成長をしっかりと固めながら、IR活動を積極的に行い、当社の価値を全世界に発信していくことが重要だと考えています。できることはすべてやる、というスタンスで取り組んでいきますし、先ほど言った株式分割やプライム市場への上場といったこともしっかり狙っていきます。そういう積み上げの中で、時をしっかり待って、大きな株価の上昇をして、皆さんと一緒に喜んでいきたいなという風に思っています。【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(10)続く
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2025/03/14 15:38
注目トピックス 日本株
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(8)
*15:37JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(8)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(7)の続き今後は大企業と協力しながら、まず第一に素晴らしいテクノロジーを社会に実装することを目指します。各業界のパートナーとともに新しい技術を社会へと浸透させ、その次のステップとしてプロダクト化を進め、中小企業やさまざまな都市でも活用できる形で提供していく方針です。最終的には、社会全体や都市全体に影響を与えられる企業になりたいと考えています。そのために、この流れを着実に進め、日本にとってなくてはならない企業へと成長していきたいと考えています。我々の強みは、コンサルテーションの知見と最新のモダンテクノロジーを掛け合わせ、クロステック(X-Tech)としてお客様に実装できる点にあると考えています。さまざまなテクノロジーを組み合わせ、サービスとして実用レベルの品質で提供できる体制を整えており、今後もAIエージェントのトップ企業として、日本の産業界にイノベーションをもたらし、リードしていく企業を目指して成長していきます。今後とも、当社へのご期待とご支援をいただけますと幸いです。私からの説明は以上です。ありがとうございました。■質疑応答■質問ずっと株価が下落していますが会社はどう考えているか具体的な対策があるのか知りたいです。■ヘッドウォータース篠田株価については、私自身も最大の大株主の一人であり、憂慮しています。さまざまな見方がありますが、今週も含めて海外投資家との面談を何件か行いました。その中で、日本のグロース市場に対する見方として、アメリカ経済の不安定さが影響を及ぼしており、まずグロース市場全体に資金が流入するかどうかが重要なポイントになっていると感じています。この資金流入のタイミングがない限り、株価が大きく上昇するのは難しいと思います。ただ、どこかで下げ止まり、2〜3年のサイクルの中でプライム市場へ上場する際には、必要な株式数や売上の確保が求められるため、それに向けた準備が重要です。王道の対応策としては、業績と成長性を示し、他社にはない最新のテクノロジーをしっかりと事業として成立させていくことです。その上で、テクニカルな部分として必要な施策も順次検討していきます。例えば、年末に実施した株式分割もその一環です。流通株式を増やすことは株の安定性を高めるうえでも重要ですし、最終的にプライム市場を含めた、より大きな市場で評価される企業へと成長するためには必要な施策です。これらは順番に、タイミングを見ながら進めていきたいと考えています。また、自社株買いについてもよく質問をいただきますし、タイミングによっては検討したこともあります。「このタイミングでここまで下がったら実施しよう」といった考えもあります。ただ、王道として考えると、短期的に「株価が下がりそうなところで止めたい」といった思いは理解できますが、他社の事例もかなり調査しています。実際に、過去のデータを見ても、「ここで下がったから自社株買いをした」「一瞬上がったけれど、その後さらに下がってしまった」といったケースもさまざまあります。こういった市場の動きは、市況によって大きく変わるため、3年前のデータやノウハウが今そのまま使えるわけではありません。だからこそ、リアルタイムで分析が重要になります。当社では、IRチームがデータドリブンで市場の状況を分析しており、感情論や感覚値ではなく、効果の有無を常にテーブルに上げて検討して「やる・やらない」を判断しています。ただ、お金がかかる施策については優先順位をしっかり考える必要があります。当社にとって最も重要なのは成長であり、まずは成長に資金を使いたいと考えています。人材採用や育成もその一環です。もちろん、一定の資金は留保しており、財務的にもある程度の余裕はあります。そのため、自社株買いの議論自体は正しい視点だと思います。しかし、これからの2〜3年で生成AI領域が大きく伸びるタイミングで、どこに資金を投じるべきかを慎重に考えています。事業のオーガニックな成長が最も重要ですが、M&A(企業買収)も今後必要になる可能性があります。例えば、BTM社への投資でも1億〜2億円はかかっていますし、仮に当社と同等規模の企業をM&Aする場合、最低でも30億〜40億円は必要になります。これを実現するには、デット(借入)やエクイティ(株式発行)による資金調達も視野に入れながら進める必要があります。もちろん、M&Aはご縁もあるため、具体的に「いつできる」とは言えませんが、すでに積極的に動いている状況です。数億円規模の資金は非常に重要であり、たとえば当社と同規模の企業を1社買収できれば、売上は今期目標の40億円から80億円規模に拡大し、業界トップ3の規模に近づくことになります。このように、M&Aが順調に進めば、業界トップを狙える現実的な位置に立つことができます。もちろん「業界トップの定義」はさまざまな意見があると思いますが、時価総額の面でも大きな成長が見込める領域です。そのため、現時点では自社株買いよりも、M&Aを含めた成長戦略に資金を投入することを優先したいと考えています。ただ、先ほど申し上げた通り、さまざまなオプションや施策は常にテーブルに載せています。今このタイミングでやるべきか、やらざるべきか、市況をリアルタイムで見ながら、データドリブンでその効果を慎重に分析しています。もちろん、100%確実な答えがあるわけではありませんが、どこに資金を投じるべきか、どの施策に注力すべきかは、常に深く議論しています。そのため、ご心配の点や、「もっとこうした方がいいのでは?」というご意見があれば、ぜひ積極的にお寄せください。非常に参考になりますし、貴重なご意見としてしっかりと受け止めたいと思っています。株価形成については、私自身も非常に重要な課題と捉え、真剣に取り組んでいます。今後も、皆様とともに進めていけたらと思います。■質問最新ニュースになっていったAlexaの生成AIは御社が手掛けたものでしょうか。■ヘッドウォータース篠田Alexa の生成AIは残念ながら当社ではありません。■質問自社株買いの予定はありますか■ヘッドウォータース篠田これは先ほど話した内容が答えだと思いますので、よろしくお願いします。【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(9)続く
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2025/03/14 15:37
注目トピックス 日本株
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(7)
*15:36JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(7)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(6)の続き実際、当社ではこの「AIエージェント」というキーワードが注目される前から、すでに多くのAIエージェントプロジェクトを手がけていました。そのため、生成AIやAIエージェントに関するサービスラインナップは大幅に拡充しています。昨年すでにクライアントのニーズをキャッチアップして、開発をしたものをサービス化しているので、基本的に当社はいち早くAIエージェントを提供して実装しており、充実したサービスラインナップとなっています。AIエージェントの取り組みにおいて、マイクロソフトとのアライアンスは欠かせない要素だと考えています。昨年、当社はデータ&AI領域で「AIイノベーションパートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。これは、生成AIの領域において、マイクロソフトから「日本ナンバーワン」と評価された証です。さらに、マイクロソフトはChatGPTを提供するOpenAIと強い関係を持つ企業であり、そのマイクロソフトが日本ナンバーワンと認定したということは、エンタープライズ向けの生成AI導入において、当社が国内で最も実績を持つ企業であると言えます。実際、マイクロソフトの関係者からもそうした評価をいただいています。また、マイクロソフトが表彰する「生成AIに関するトップエンジニア」に、当社から7名が選出されました。これはAI分野において日本最多の人数であり、生成AIの実装に関するトップエンジニアを日本で最も多く抱えている企業であると言えます。もう1つは、マイクロソフトの「Specialization」認定資格についてです。これはパートナー企業の中でも特に高度な専門性を持つ企業に与えられる資格であり、当社はこの上位に位置しています。そのため、マイクロソフトが日本市場のマーケティングに投入する予算を、当社が活用することも可能になっています。この資格を取得した当時、日本で認定を受けた企業はわずか4社しかなく、当社はその上位4社のうちの1社という立ち位置です。これほど強固なパートナーシップを組んで推進しているため、クライアントから生成AIやAIエージェント関連の案件相談があった場合、まず当社に声がかかるという形が確立されています。ここから、具体的な事例についてお話ししたいと思います。この内容は、世界でもほぼ初の試みとされる、証券会社・金融機関向けのAIオペレーターの開発・提供についてです。このAIオペレーターは、証券取引に関する相談に対応するAIであり、金融機関の業務を支援する役割を果たします。しかし、金融業界には金融商品取引法(金商法)などの法律が関わるため、AIによる応答が許可されるには厳しい規制をクリアする必要があります。当社のAIオペレーターは、この許可を取得済みであり、正式に運用可能なものとなっています。また、生成AIは基本的に「正確ではない情報を生成するリスク(ハルシネーション)」を持っているため、証券取引のような法律が関わる領域では、100%正しい情報を提供することが絶対条件です。そのため、金融系のAIオペレーターとして、このレベルの実装ができた事例は世界的にもほぼ存在せず、日本初の取り組みとなります。このAIオペレーターの仕組みは非常に複雑で、最初に電話へ出るAI自体はそれほど高度なものではありません。まず、このAIがユーザーの意図を理解し、次にどのAIへ振り分けるかを判断する「階層型のAI構造」を採用しています。つまり、表面的には1つのAIが対応しているように見えても、裏側では複数のAIが階層的に連携し、それぞれの専門領域に応じて対応しています。さらに、過去大和証券様が蓄積した膨大な会話データを統合し、生成AIが適切な情報を抽出・回答できる仕組みを構築しています。本当に対応が難しいケースは、全体の10%にも満たない程度であり、ごく数%のみを人間のオペレーターに振り分ける形で、完全に運用できる仕組みを構築しています。しかも、これはtoC向け(一般消費者向け)のサービスであり、実証実験レベルのものではありません。実証実験で動かすだけなら簡単ですが、実際に一般ユーザー向けにリリースし、運用できている点が非常に大きなポイントです。これは他社ではほとんど見られない事例だと思います。正直、自画自賛になってしまいますが、うちのメンバーは本当にすごく頑張ったと思います。さらに、このAIオペレーターは最高水準のセキュリティレベルで運用されているため、今後はより簡易なモデルを安価に展開し、他の業界にも転用できる可能性があります。この技術は、当社が提供するAIエージェントの大きな柱の1つになっていくと考えています。こちらは、JR東日本様に提供している「Copilot for 駅員」というAIエージェントで、駅員の業務を補助するシステムになります。業務を詳しく聞くたびに、その複雑さに驚かされます。例えば、旅行会社を通じて購入したチケット、特定の割引が適用されたチケット、正規の料金で購入したチケットなど、それぞれ異なる条件のチケットがキャンセルされた際に、どのように払い戻されるのかを完全に把握できる人はほぼいないのが現状です。状況のパラメーターが多すぎて、検索してもすぐに答えが見つからないためです。これに対し、AIがデータベースと連動し、駅員がAIに話しかけることで、適切な解決策を提示してくれるというのがこのAIエージェントの役割です。やはりデータを活用することで、データ統合やデータ活用ができ、そこに生成AIの技術が組み合わさることで、より精度の高い回答が可能になります。もう一つ重要なのは、やはりUIが優れていないと、どんなに良い技術を使っても人は使わなくなるという点です。最初にお話ししたように、UI/UXの設計が非常に重要で、使いやすさがなければ、どれだけ高性能なAIであっても実際の業務では活用されません。このように、データ統合、生成AI、優れたUI/UXという要素を一社で完結させ、スピード・精度・コストのすべてを考慮した実用的な形で提供できています。これは、先ほどお話ししたエッジAIの話に関連し、センサーを活用したソリューションが多いという内容になりますので、ここでは割愛します。結果として、昨年はAIエージェントのプロジェクトを多数手がけました。以前にもお話しした通り、特に大企業を中心に進めており、合計で17社のプロジェクトを実施しています。その中には大和証券様も含まれており、さらに17社のうち13社が年商1兆円以上の企業ということで、ほぼ超大手企業ばかりです。特に、AIエージェントの実装において、超大手企業向けに展開し、さらにtoC向けのサービスとしてリリースしているという点では、当社がトップ企業であると実績ベースで言えるかと思います。こちらは、この2年で生成AI系の売上が10倍に伸びていますということを示しています。いろんな領域があります。【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(8)続く
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2025/03/14 15:36
注目トピックス 日本株
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(6)
*15:35JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(6)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(5)の続きこちらが主な取引先企業になります。昨年新たに増えた企業には星印を付けています。基本的に大手企業が中心であり、狙っているのは業界トップ3、年商1兆円以上の企業です。「なぜ大手なのか?」「中小企業とは取引しないのか?」という声もあるかもしれませんが、最新のテクノロジーを社会実装し、継続的にコストをかけられるのは大手企業しかないというのが現実です。当社が大手企業とともに新しいテクノロジーやソリューションを開発し、それが業界全体に波及する段階になれば、中小企業への展開も視野に入れます。しかし、最初のテクノロジー実装の段階では、継続的な投資ができる企業でなければ難しいため、まずは大手企業にフォーカスしています。また、幅広く分散したサービスでは、どれも強みを発揮できないため、当社は特定のクライアントに絞り込んだサービスを徹底的に磨き上げ、提供していく方針で進めています。そして、2025年度の業績予想についてです。再度トップラインを伸ばしていく方針であり、約140%弱(137.9%)の成長を目指します。この成長率は、単に「40%伸ばしたい」「50%伸ばしたい」という適当な目標ではなく、具体的な見込み額を積み上げた上で算出した数字です。しっかりとしたリソース計画をもとに積み上げており、その結果として137.9%という数値が出ています。最低ラインとしてトップラインを伸ばし、売上として約10億円の積み上げを目指していきます。営業利益については106.5%の成長を見込んでいます。今年から大きく伸びるわけではありませんが、これは成長のための投資に充てる方針です。具体的には、人材への投資、教育・採用、新しい技術のキャッチアップ、プロダクト化などに積極的に活用していきます。引き続き、成長に向けて舵を切っていきます。改めて、2025年度12月期の通期予算についてですが、こちらに記載の通り、売上40億円、純増80名というKPIを設定しています。すでに公開している内容になりますので、ぜひご確認いただければと思います。しっかりと利益を確保しながら、まずはトップラインを伸ばしていく方針で進めていきます。次に具体的な課題と戦略です。今後の施策についてですが、これはこれまでお話しした内容のサマリーとなります。まず、顧客はエンタープライズ企業に絞り、ロイヤルクライアントとして位置づけ、そこに最適化したサービスを提供していきます。次に、テーマとして掲げるのは「生成AIの先にあるAIエージェント」です。この領域に注力し、事業を推進していきます。また、顧客とのアライアンスを徹底的に強化し、Hands-onの支援を強化する方針です。売上・利益については、これまでお話しした通りの方針で進めていき、今期のKPIをしっかりと考えていきます。収益の安定化についてですが、プロダクトやライセンス収益だけでは難しいと考えていますが、Hands-onでお客様に深く入り込むことで、そこからの売上が発生します。特に、コンサルテーション分野を中心としたHands-onの売上が増加していくと見込んでいます。これはプロダクトの月額課金とは異なる形ですが、コンサルテーションを基盤とする売上を伸ばし、まずは収益を安定化させていく方針です。人材の確保についてですが、当社は95%以上がフルリモート勤務という体制を取っています。実際に、金沢へ住みながら東京に2年間で一度も出社していない社員や、北海道に住んでいる社員もいます。このように、場所に関わらず高い生産性を発揮できれば、一緒に仕事ができる環境を整えています。売上や利益も向上しており、リモートワークを通じて信頼、信用、責任感がしっかりと機能し、それが売上や生産性につながっていると感じています。社員にとっても、自分の人生に合った自由な環境で働けるためモチベーションが高く、また会社をより良くしたいという意識が強いため、主体的な提案が生まれ、会社の成長につながっていると思います。もちろん、収入面の課題もあります。大手企業と比較すると、まだまだ報酬面では強化すべき部分があります。しかし、昨年は平均給与が2桁以上の伸びを記録し、管理層に関してはさらに上昇しました。特に、上位のエンジニアや管理職に関しては20%以上の昇給を実施しました。基本的に、会社が利益を出し成長するごとに、報酬も継続的に引き上げていく方針です。当然、それだけの仕事をした人間は相応の報酬を受け取る資格があると思っています。ただ、「今こんなにお金をもらえて嬉しい」というだけではなく、未来に向けて、仲間とともに会社を成長させ、報酬をさらに上げていけることに喜びを感じながら努力できる環境であることが、非常に幸せだと感じています。また、当社では最新のテクノロジーを活用し、誰もやったことのないことにチャレンジすることを重視しており、その結果として売上や利益が向上し、給与も毎年上がっているという状況になっています。このような成長のサイクルをしっかりと確立することが、人材の確保や離職率の低下につながると考えています。さらに、当社では入社3年以降のメンバーには、報酬として株を付与しており、3年以上在籍した社員は基本的に全員が株主となります。そのため、会社のオーナーでありながら、同時にメンバーとして事業を推進する立場でもあるという、独自の仕組みを採用しています。このような環境が当社の魅力の一つとなっています。当社では、優しい人間性や礼儀を大切にできる人を採用したいと考えています。そのため、人を批判したり、悪口を言ったり、会議で語気を荒げるような礼儀を欠いた態度を取る人は採用しません。たとえスキルが高く、優秀であっても、チームとしての調和を乱すような人材は採用しない方針です。当社のソリューションは、1人が頑張れば成立するものではなく、チームワークが不可欠です。さまざまな分野の優れた人材が集まり、お互いを補完し合いながら最高のものを作り上げることが重要です。そのため、リモート環境でも信頼し合い、見えない部分でも安心して協力できる関係性を築ける人材でなければ、当社のサービスの品質は維持できません。当社は、最先端のテクノロジーとクリエイティブな発想を重視し、上下関係やヒエラルキーではなく、自主性と創造力を発揮できる組織を目指す集団です。こうしたカルチャーを中心に据えながら、成長とともに組織の体制も強化していくことを考え、取り組んでいます。そして、生成AIについてですが、AIエージェントと生成AIの違いについて説明します。AIエージェントは生成AIの進化型の一つであり、その裏側では生成AIだけでなく、さまざまなディープラーニング技術やRAG(Retrieval-Augmented Generation)などの技術が組み合わされ、より高度で複雑なタスクが可能になるよう設計されています。つまり、クロステック(X-Tech)を活用し、より進化した形で生まれてきたのがAIエージェントということになります。【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(7)続く
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2025/03/14 15:35
注目トピックス 日本株
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(5)
*15:34JST 【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(5)
【ヘッドウォータース<4011>】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(4)の続きしかし、最近はAI系のプロジェクトが圧倒的に増えているため、多くのエンジニアがその領域に関わるようになっています。フルスタックエンジニアというわけではありませんが、クラウドの知識がありつつ、AI開発もできる、さらにバックエンドやフロントエンドの開発も対応できるなど、幅広いスキルを持つ人材が増えてきています。結果として、さまざまなプロジェクトの波や、それぞれのプロジェクトの要素に応じた人員のやりくりがしやすくなり、利益率の向上にもつながっています。また、単に「プロジェクトを通じて勉強した」というレベルではなく、実際にAIソリューションの開発を経験したエンジニアが非常に増えているという状況になっています。あとは、実施案件数についてですが、一時的に下がったものの、現在は下げ止まり、再び増加傾向にあります。これまで、幅広い企業のプロジェクトを営業的に獲得してきた部分もありましたが、最近は本当にエンタープライズ企業に絞って営業を進めています。具体的には、年商1,000億円規模の企業でも慎重に検討するレベルで、基本的には年商1兆円以上の企業をターゲットにしています。そのため、一時的に案件数は減少しましたが、現在はエンタープライズ企業の案件が次々と獲得できており、案件数も再び増加しています。また、AI関連の案件が増えていることに加え、1件あたりの売上も上昇しています。お客様をエンタープライズ企業に絞ったことで、1案件あたりの年間売上も上がっており、これは戦略通りです。続きまして、成長戦略の進捗状況についてお話しします。今年のキーワードとして、全世界的に「AIエージェント」が注目されています。私もアメリカの展示会に行き、アクセンチュアなどの講演を聞いてきましたが、やはり「AIエージェント」という言葉が頻繁に登場していました。日本でも、AIエージェントを活用したいというニーズが増えているのを感じます。AIエージェントとは、ユーザーインターフェース(UI)の一つの形であり、1つのエージェントがさまざまなことを理解し、能動的に作業を進める仕組みです。ただし、その実現には高度な技術が必要であり、特にバックエンド側ではクロステック(X-Tech)が不可欠になります。単純なチャットボットのようなものは比較的容易に開発できますが、本当に求められるエージェントは、状況を理解し、自ら判断して対応できるものであり、その開発には高度な技術が求められます。過去には、RPA(Robotic Process Automation)が流行した時期がありました。RPAは、パソコン上の業務を自動化し、ユーザーの操作を記録・再現する技術で、ルールベースのAIに近いソフトウェアでした。しかし、現在のAIエージェントは、その領域を超え、人間のように思考し、判断し、対応するレベルへと進化しています。当社はすでにいくつかのAIエージェントの事例を持っており、本日発表しているIR資料にもAIエージェント向けの新たなサービスを展開していることを示しています。今後、トップランナーとしてこの領域をしっかり捉え、成長を加速させていきます。マイクロソフトを中心とした大手企業とのアライアンスを、短期的にはしっかりと伸ばしていく方針です。長期的には、ストック収益を積み上げていくことが重要だと考えています。私はよく、「ストック比率が50%程度ある方が健全だ」と話していますが、そのために、プロジェクトの受注だけでなく、ライセンス提供を進めながらストック収益の比率を上げていくことが必要です。どのような状況でも収益を安定的に確保しながら、最新のテクノロジーを素早くキャッチアップし、実装していくことが、当社の本質的な強みです。そのため、半分はストック型の収益を確保しつつ、もう半分は新規の技術やサービスを次々と形にしていくエンジニア集団であり続けることが、最大の武器だと考えています。このバランスが取れた状態が、最も理想的な形だと思っています。これはよく話す内容ですが、1つの事例としてコンビニエンスストア向けのソリューションについて説明します。当社が窓口となり提供しているこのソリューションは、基本的に当社のソリューションですが、各部品にはさまざまな技術が組み込まれています。例えば、コンビニエンスストアの天井には多くのカメラが設置されており、これにはソニー製のスマートカメラ(センサー+AI搭載のエッジAIカメラ)を使用しています。これらのカメラで取得した映像データは、クラウド上で分析され、AIによる付加価値の提供が行われます。クラウド環境にはマイクロソフトのAzureを利用しています。ただし、すべてのデータをリアルタイムでクラウドに送信し分析すると、トランザクションコストがかかりすぎるという課題があります。そのため、オンサイト(現場側)である程度の処理を行い、小さくしたデータをクラウドとやり取りする仕組みが現実的だと考えています。これを実現するために、現場ではスーパーコンピューターやNVIDIAのGPUを活用し、処理を最適化する形でコンビニエンスストア向けのソリューションを提供しています。現在、複数の企業に導入しています。この技術の応用として、現在物流関係や不動産領域にも展開しています。例えば、ビル内に多くのセンサーを設置し、リアルタイムで可視化・運用する取り組みも進めています。これは、クライアントとのやり取りによるため、発表できるタイミングが来れば改めてお話ししたいと思います。ここで伝えたいのは、当社のソリューションの部品として、マイクロソフトやソニーといったグローバル企業の技術を組み込んでいくということです。単に「使う」という表現ではなく、パートナーシップを組みながら、一緒にソリューションを構築していくという考え方になります。例えば、iPhoneのカメラについているビジョンセンサーはソニー製ですが、iPhone自体は世界中の最高品質と言われる部品を組み合わせて設計されており、その結果、世界最高峰のガジェットとして完成しているわけです。内部の7割近くは最高レベルの外部部品を活用し、それらを最適に組み合わせることで、iPhoneという製品が生まれています。当社も、この考え方をソフトウェアで実現していきたいと考えています。ここ1年で当社と関わる企業が増えており、その関係性も多様化しています。時にはお客様として関わり、また時には共同で開発したものを一緒にサービス化し、販売するケースもあります。例えば、ソニーと協力して展開しているプロジェクトなどがその一例です。つまり、お客様でありながら、当社がその企業の顧客になる場合もあり、相手から技術や製品を仕入れたり、共同で展示会に出展したりするなど、さまざまな形で連携を進めています。こうしたアライアンスをしっかりと構築し、今後もさらに拡大させていくことが、当社の営業戦略および事業展開の大きな柱の一つです。この戦略は、日本国内にとどまらず、グローバル展開においても同様の方針で進めていきたいと考えています。【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(6)続く
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2025/03/14 15:34
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