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テリロジーHD Research Memo(6):企業理念を実践するための事業バリューチェーンを構築
配信日時:2024/07/04 16:26
配信元:FISCO
*16:26JST テリロジーHD Research Memo(6):企業理念を実践するための事業バリューチェーンを構築
■テリロジーホールディングス<5133>の事業概要
5. 特徴・強み
同社グループの特徴・強みとしては、創業以来30年以上に及ぶ豊富な実績とノウハウの蓄積、時代の流れを的確に捉える市場対応力、海外新興IT先端企業を発掘する目利き力などに加え、輸入技術と同社グループの独自技術を組み合わせて顧客ニーズに最も適したソリューションを提供できることなどが挙げられる。
(a) 「顧客重視」の企業理念を実践するための事業バリューチェーンを構築
同社グループのビジネスモデルの特徴・強みの一つとして、「顧客重視」の企業理念を実践するために必要なバリューチェーンを構築していることが挙げられる。「常にお客様のニーズに対応」するためのプロセス(技術・製品の調査・発掘など)と、「お客様の満足を実現する」ためのプロセス(複数製品を組み合わせたソリューションの提案や保守体制の整備など)を核に据えた事業バリューチェーンであり、バリューチェーンの各プロセスにおいてパートナーリング戦略も活用している。
企業理念に裏打ちされたビジネスモデル/バリューチェーンを構築するためには、企業理念をベースに同社グループのミッション(使命)とビジョン(将来像)を定め、それらを実現するためのアクションプラン(手段・計画)に落とし込む必要がある。具体的なアクションプランは、(1) 米国シリコンバレーやイスラエルの先進・先端技術動向に関する継続的な調査・発掘活動、(2) 発掘した技術と日本市場及び顧客が抱える課題との適合性の継続的な調査・照会・検証活動、(3) 市場導入のための複数技術の組み合わせや適合化開発アレンジによるソリューションへの発展、デリバリー・サポート体制の構築、価値ある提案営業教育、新市場の創造活動である。
(b) 「目利き力と市場対応力」がコアコンピタンス
企業理念を実践する事業バリューチェーンのベースにあるのは、(1) 目利き力と市場対応力(先進・先端技術を発掘する目利き力と、それを市場化して顧客に提供するカルチャライズ力)、(2) ソリューションラインナップ(ネットワーク基盤からエンドポイントまで、あらゆる利用シーンをカバーする多様なセキュリティ&セーフティ・ソリューションラインナップ)、(3) サービス提供の多様性(先進技術製品取り扱い、保守、同社グループ開発ソフトウェア商材、サービス化まで、プロダクトミックスによる柔軟な商品提供形態)、(4) 実績に裏打ちされた技術力(創業以来30年超にわたる顧客本位をベースにした安定した技術力)、(5) グローバル対応力(成長著しいアジア新興市場にも展開するグローバル市場対応力)などである。すなわち、海外企業の注目すべき技術トレンド・最先端技術を的確に捉えて、導入・普及させる「目利き力と市場対応力」がコアコンピタンスとなっている。
(c) 「目利き力」を示す事例
同社グループの「目利き力」を示す事例として、ブロードバンド領域における米国Wellfleetと米国Infoblox(BLOX)、セキュリティ分野における米国TippingPoin(現 マイクロトレンド)t、ベルギーOneSpan(OSPN、旧Vasco Date Security)、米国Lastline(2020年に米国のVmwara(VMW)が買収)などがある。
テリロジーの企業向けIPネットワーク事業は、1990年に米国Wellfleetと代理店契約を締結し、IPネットワーク構築における主力製品の1つであるルータの提供を開始したことに始まる。Wellfleetは1984年創業で、業界最大手だった米国Cisco Systems(CSCO)に対抗するため、業界2番手のカナダNortelが1998年に買収に踏み切った企業であり、1990年時点でWellfleetを見出したことは同社グループの「目利き力」を示す好例である。
ブロードバンド領域では、1999年にADSL接続ソフトウェアの提供を開始、その後1,000万超のユーザーに展開するヒット製品に育ち、大手通信会社向けビジネスの橋頭堡となった。また1999年に米国Redback Networksとの代理店契約も締結し、ブロードバンドアクセスサーバなどの導入を通じて電力各社のFTTH網構築にも貢献した。またモバイル関連としては、2003年に日本初の代理店契約を締結した米国Infoblox製のDNS/DHCPアプライアンス(必要に応じてIPアドレスを発行する機器)が、現在では国内の多くのIT企業が取り扱うデファクトスタンダードの地位を占めている。いち早く米国のInfobloxを発掘した同社グループを評価できる好例だろう。
セキュリティ分野への取り組みは、2004年に当時独立系であった米国TippingPointと日本国内総販売代理店契約を締結したことを皮切りに、2007年にベルギーOneSpan(旧Vasco Data Security)、2012年に米国Lastline、2015年に米国RedSeal、2016年に米国Tempered NetworksとイスラエルKELA、2018年に米国Nozomi Networksと販売代理店契約(米国Tempered Networksとは国内独占販売契約)を締結し、幅広いソリューション提供を実現している。米国TippingPointはIPS(不正侵入防止システム)を得意とする企業で、2015年にトレンドマイクロが買収したが、テリロジーはその11年前の2004年にTippingPointと日本国内総販売代理店契約を結び、実績を積み上げてきたことから、現在もトレンドマイクロから頼りにされる存在である。またベルギーOneSpanについては、2007年にテリロジーが日本で初めてOneSpanのワンタイムパスワード技術の取り扱いを開始して以来、日本のメガバンクに揃って採用されるなど、インターネットバンキングに不可欠な技術となっている。さらに米国Lastlineの標的攻撃対策クラウドサービスの導入も、近年の標的型メール攻撃の増加を見越した同社グループの「目利き力」を示す好例である。
(d) 事業パートナーから評価される「市場対応力」
同社グループが海外のIT新興企業から評価される理由としては創業以来磨き上げてきた「市場対応力」がある。テリロジーは商材開発(輸入技術と独自技術の組み合わせ)から、保守(テリロジーによる問題の振り分けと業務委託によるメンテナンス作業)、販売(直販と代理店網の活用)に至るバリューチェーン全体でパートナーリング戦略を積極活用しているため、有力な顧客に評価され、優れた顧客基盤(大手企業中心に300社以上)を構築してきた。このように、輸入技術と独自技術を組み合わせて顧客満足度が高いソリューションへと発展させる力、アライアンス・M&A戦略も駆使してミッシングパーツを充足させる力を「市場対応力」の源泉としている。
2020年3月にテリロジーは、ネットワーク仮想環境やサイバーセキュリティソリューションの領域でグローバルリーダーの一角を占めるイスラエルRadware(RDWR)とディストリビューター契約を締結した。日本ラドウェア(株)が発表したプレスリリースには「テリロジーは数多くの海外の最先端技術を日本市場に提供し、日本市場を創造した実績がある。日本市場に実績がない技術、製品においても安定した稼働と運用を実現し、長年にわたり日本のお客様企業から厚い信頼を得ている。Radwareは、テリロジーグループが提供する高いソリューション提案力及びサポート力と、Radwareが業界のリーダーと評価される技術力とのシナジー効果が期待され、日本のお客様企業に主力製品である「クラウドWAFサービス」「Botマネージャ」「クラウドワークロードプロテクション」を含む統合的なソリューションを提供できると判断し、今回のディストリビューター契約締結を行うこととしました。」と記されている。同社グループの「目利き力と市場対応力」が海外のテクノロジー企業から高く評価されていることを示す事例と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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5. 特徴・強み
同社グループの特徴・強みとしては、創業以来30年以上に及ぶ豊富な実績とノウハウの蓄積、時代の流れを的確に捉える市場対応力、海外新興IT先端企業を発掘する目利き力などに加え、輸入技術と同社グループの独自技術を組み合わせて顧客ニーズに最も適したソリューションを提供できることなどが挙げられる。
(a) 「顧客重視」の企業理念を実践するための事業バリューチェーンを構築
同社グループのビジネスモデルの特徴・強みの一つとして、「顧客重視」の企業理念を実践するために必要なバリューチェーンを構築していることが挙げられる。「常にお客様のニーズに対応」するためのプロセス(技術・製品の調査・発掘など)と、「お客様の満足を実現する」ためのプロセス(複数製品を組み合わせたソリューションの提案や保守体制の整備など)を核に据えた事業バリューチェーンであり、バリューチェーンの各プロセスにおいてパートナーリング戦略も活用している。
企業理念に裏打ちされたビジネスモデル/バリューチェーンを構築するためには、企業理念をベースに同社グループのミッション(使命)とビジョン(将来像)を定め、それらを実現するためのアクションプラン(手段・計画)に落とし込む必要がある。具体的なアクションプランは、(1) 米国シリコンバレーやイスラエルの先進・先端技術動向に関する継続的な調査・発掘活動、(2) 発掘した技術と日本市場及び顧客が抱える課題との適合性の継続的な調査・照会・検証活動、(3) 市場導入のための複数技術の組み合わせや適合化開発アレンジによるソリューションへの発展、デリバリー・サポート体制の構築、価値ある提案営業教育、新市場の創造活動である。
(b) 「目利き力と市場対応力」がコアコンピタンス
企業理念を実践する事業バリューチェーンのベースにあるのは、(1) 目利き力と市場対応力(先進・先端技術を発掘する目利き力と、それを市場化して顧客に提供するカルチャライズ力)、(2) ソリューションラインナップ(ネットワーク基盤からエンドポイントまで、あらゆる利用シーンをカバーする多様なセキュリティ&セーフティ・ソリューションラインナップ)、(3) サービス提供の多様性(先進技術製品取り扱い、保守、同社グループ開発ソフトウェア商材、サービス化まで、プロダクトミックスによる柔軟な商品提供形態)、(4) 実績に裏打ちされた技術力(創業以来30年超にわたる顧客本位をベースにした安定した技術力)、(5) グローバル対応力(成長著しいアジア新興市場にも展開するグローバル市場対応力)などである。すなわち、海外企業の注目すべき技術トレンド・最先端技術を的確に捉えて、導入・普及させる「目利き力と市場対応力」がコアコンピタンスとなっている。
(c) 「目利き力」を示す事例
同社グループの「目利き力」を示す事例として、ブロードバンド領域における米国Wellfleetと米国Infoblox(BLOX)、セキュリティ分野における米国TippingPoin(現 マイクロトレンド)t、ベルギーOneSpan(OSPN、旧Vasco Date Security)、米国Lastline(2020年に米国のVmwara(VMW)が買収)などがある。
テリロジーの企業向けIPネットワーク事業は、1990年に米国Wellfleetと代理店契約を締結し、IPネットワーク構築における主力製品の1つであるルータの提供を開始したことに始まる。Wellfleetは1984年創業で、業界最大手だった米国Cisco Systems(CSCO)に対抗するため、業界2番手のカナダNortelが1998年に買収に踏み切った企業であり、1990年時点でWellfleetを見出したことは同社グループの「目利き力」を示す好例である。
ブロードバンド領域では、1999年にADSL接続ソフトウェアの提供を開始、その後1,000万超のユーザーに展開するヒット製品に育ち、大手通信会社向けビジネスの橋頭堡となった。また1999年に米国Redback Networksとの代理店契約も締結し、ブロードバンドアクセスサーバなどの導入を通じて電力各社のFTTH網構築にも貢献した。またモバイル関連としては、2003年に日本初の代理店契約を締結した米国Infoblox製のDNS/DHCPアプライアンス(必要に応じてIPアドレスを発行する機器)が、現在では国内の多くのIT企業が取り扱うデファクトスタンダードの地位を占めている。いち早く米国のInfobloxを発掘した同社グループを評価できる好例だろう。
セキュリティ分野への取り組みは、2004年に当時独立系であった米国TippingPointと日本国内総販売代理店契約を締結したことを皮切りに、2007年にベルギーOneSpan(旧Vasco Data Security)、2012年に米国Lastline、2015年に米国RedSeal、2016年に米国Tempered NetworksとイスラエルKELA、2018年に米国Nozomi Networksと販売代理店契約(米国Tempered Networksとは国内独占販売契約)を締結し、幅広いソリューション提供を実現している。米国TippingPointはIPS(不正侵入防止システム)を得意とする企業で、2015年にトレンドマイクロが買収したが、テリロジーはその11年前の2004年にTippingPointと日本国内総販売代理店契約を結び、実績を積み上げてきたことから、現在もトレンドマイクロから頼りにされる存在である。またベルギーOneSpanについては、2007年にテリロジーが日本で初めてOneSpanのワンタイムパスワード技術の取り扱いを開始して以来、日本のメガバンクに揃って採用されるなど、インターネットバンキングに不可欠な技術となっている。さらに米国Lastlineの標的攻撃対策クラウドサービスの導入も、近年の標的型メール攻撃の増加を見越した同社グループの「目利き力」を示す好例である。
(d) 事業パートナーから評価される「市場対応力」
同社グループが海外のIT新興企業から評価される理由としては創業以来磨き上げてきた「市場対応力」がある。テリロジーは商材開発(輸入技術と独自技術の組み合わせ)から、保守(テリロジーによる問題の振り分けと業務委託によるメンテナンス作業)、販売(直販と代理店網の活用)に至るバリューチェーン全体でパートナーリング戦略を積極活用しているため、有力な顧客に評価され、優れた顧客基盤(大手企業中心に300社以上)を構築してきた。このように、輸入技術と独自技術を組み合わせて顧客満足度が高いソリューションへと発展させる力、アライアンス・M&A戦略も駆使してミッシングパーツを充足させる力を「市場対応力」の源泉としている。
2020年3月にテリロジーは、ネットワーク仮想環境やサイバーセキュリティソリューションの領域でグローバルリーダーの一角を占めるイスラエルRadware(RDWR)とディストリビューター契約を締結した。日本ラドウェア(株)が発表したプレスリリースには「テリロジーは数多くの海外の最先端技術を日本市場に提供し、日本市場を創造した実績がある。日本市場に実績がない技術、製品においても安定した稼働と運用を実現し、長年にわたり日本のお客様企業から厚い信頼を得ている。Radwareは、テリロジーグループが提供する高いソリューション提案力及びサポート力と、Radwareが業界のリーダーと評価される技術力とのシナジー効果が期待され、日本のお客様企業に主力製品である「クラウドWAFサービス」「Botマネージャ」「クラウドワークロードプロテクション」を含む統合的なソリューションを提供できると判断し、今回のディストリビューター契約締結を行うこととしました。」と記されている。同社グループの「目利き力と市場対応力」が海外のテクノロジー企業から高く評価されていることを示す事例と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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