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ハウスコム Research Memo(1):収益性重視の施策等により2024年3月期上期の営業損失は期初計画比で圧縮
配信日時:2023/11/28 15:31
配信元:FISCO
*15:31JST ハウスコム Research Memo(1):収益性重視の施策等により2024年3月期上期の営業損失は期初計画比で圧縮
■要約
ハウスコム<3275>は、首都圏、東海圏及び関西圏を中心に不動産仲介及び住まい関連サービスを提供する企業である。早くからITの可能性に着目し、画期的なサービスの開発・提供や事業活動の生産性向上に注力してきたことから、「不動産DXのハウスコム」と呼ばれている。また、「入居者側のエージェント」として入居者目線で多くの物件を平等に紹介する姿勢も同社の強みの1つである。
1. 2024年3月期上期の連結業績概要
2024年3月期上期の連結業績は、営業収益が前期比8.9%減の6,244百万円、営業損失が160百万円(前年同期は0百万円の損失)、経常損失が156百万円(同3百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が121百万円(同17百万円の純損失)だった。2023年4月28日に発表した期初予想では、上期は営業収益6,564百万円、営業損失261百万円を計画していたが、営業収益は未達となった一方、営業損失は計画比で赤字幅を縮小させた。2024年3月期から事業規模の拡大より事業の質的向上と効率化に重点を置いた施策を進めていることに加え、大阪ハウスコム(株)の決算期変更の影響※もあり営業収益は前年同期比で減収となったものの、損益面においては店舗の統廃合、ITを駆使した店舗内業務の効率化を推し進め、期初の会社計画比で良化して着地した。
※2024年3月期より上期を4月から9月までの期間に変更したことにより(前期までの上期は3月から8月までの期間)、進学・就職・転勤などによって賃貸仲介件数がハイシーズンとなる3月の営業収益分の差が表面上の前年同期比での減収幅の拡大につながった。
2. 2024年3月期通期の連結業績見通し
2024年3月期通期の連結業績は、営業収益で前期比0.8%増の14,288百万円、営業利益で同17.4%増の462百万円、経常利益で同4.1%増の646百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.9%増の389百万円を見込んでおり、期初計画を据え置いた。2023年3月期業績は成長の踊り場であったが、2021年12月に策定した「新成長戦略」の下、2024年3月期は再び増収増益の達成を目指しており、特に営業収益については過去最高の更新を視野に入れている。2024年3月期に予定している主な取り組みは、継続的な店舗拡充の実施、家主向け新サービスの導入・拡大、業務効率・生産性向上に向けたDXの推進である。上期までの業績進捗を踏まえると、営業収益の達成ハードルはやや高いと思われるが、営業利益については事業の質的向上と効率化が想定以上に進展していることから、計画達成に向けた順調な進捗であると言えよう。
3. 中長期の成長戦略
同社は「新成長戦略」の下、「事業領域拡大による収益構造の転換」「既存事業分野の競争力強化等」「店舗数増加による規模の拡大」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4つの施策を推し進めていたが、「店舗数増加による規模の拡大」については2023年3月期から方針を転換し、新規出店の抑制と1店舗当たりの収益性向上に向けた舵取りを行っており、その成果が表れている。これらの施策遂行における上期のトピックスとして、 (1) (株)シーアールエヌの子会社化によるグループ店舗数の増加(2023年6月の子会社化で「クラスモ」をブランドとするフランチャイズを含んだ店舗数は2023年3月末の204店舗から2023年9月末時点で237店舗に拡大した)、(2) 基幹システムの活用による業務効率化の推進(ハウスコム本社の基幹システムを使用することで、各店舗において業務上必要な物件情報、問い合わせ情報、営業ステータス情報、申し込み情報や契約関連情報の入力・管理・共有機能や請求書処理、入金処理といった情報処理機能が飛躍的に向上した。また、各種営業情報のリアルタイムの集計や分析を通じ、スピーディかつ正確な業務遂行が可能になった)、(3) グループ会社の業務デジタル化の推進(2022年10月の分社化実施後、各社で業務デジタル化、具体的には物件情報等の契約関連情報のデジタルアーカイブ化を進め、それらを事業エリアごとに各店舗がオンラインでデータ共有することが可能になり、店舗の業務負担の軽減やエリア内情報格差の低減が進展した)、の3つが挙げられる。
■Key Points
・2024年3月期上期業績では営業収益は計画比で未達となったが、営業損失は想定より赤字幅を圧縮。期初から新規出店を抑制しつつ、1店舗当たりの収益性を重視した経営へと舵取りを行っており、その成果が表れている
・2024年3月期通期は営業収益・営業利益ともに期初計画を据え置いた。上期までの進捗を踏まえると営業収益の達成ハードルはやや高いが、営業利益についてはさらなる業務効率化や収益性重視への取り組みで達成を目指す
・さらなる収益性向上を図るために、ITを駆使した業務効率の改善に加え、収益性の高いモデル店舗の緻密な分析を実施し、それを他店舗へ横展開することで全店舗横断的に収益性の向上を進める方針である
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SI>
ハウスコム<3275>は、首都圏、東海圏及び関西圏を中心に不動産仲介及び住まい関連サービスを提供する企業である。早くからITの可能性に着目し、画期的なサービスの開発・提供や事業活動の生産性向上に注力してきたことから、「不動産DXのハウスコム」と呼ばれている。また、「入居者側のエージェント」として入居者目線で多くの物件を平等に紹介する姿勢も同社の強みの1つである。
1. 2024年3月期上期の連結業績概要
2024年3月期上期の連結業績は、営業収益が前期比8.9%減の6,244百万円、営業損失が160百万円(前年同期は0百万円の損失)、経常損失が156百万円(同3百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が121百万円(同17百万円の純損失)だった。2023年4月28日に発表した期初予想では、上期は営業収益6,564百万円、営業損失261百万円を計画していたが、営業収益は未達となった一方、営業損失は計画比で赤字幅を縮小させた。2024年3月期から事業規模の拡大より事業の質的向上と効率化に重点を置いた施策を進めていることに加え、大阪ハウスコム(株)の決算期変更の影響※もあり営業収益は前年同期比で減収となったものの、損益面においては店舗の統廃合、ITを駆使した店舗内業務の効率化を推し進め、期初の会社計画比で良化して着地した。
※2024年3月期より上期を4月から9月までの期間に変更したことにより(前期までの上期は3月から8月までの期間)、進学・就職・転勤などによって賃貸仲介件数がハイシーズンとなる3月の営業収益分の差が表面上の前年同期比での減収幅の拡大につながった。
2. 2024年3月期通期の連結業績見通し
2024年3月期通期の連結業績は、営業収益で前期比0.8%増の14,288百万円、営業利益で同17.4%増の462百万円、経常利益で同4.1%増の646百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.9%増の389百万円を見込んでおり、期初計画を据え置いた。2023年3月期業績は成長の踊り場であったが、2021年12月に策定した「新成長戦略」の下、2024年3月期は再び増収増益の達成を目指しており、特に営業収益については過去最高の更新を視野に入れている。2024年3月期に予定している主な取り組みは、継続的な店舗拡充の実施、家主向け新サービスの導入・拡大、業務効率・生産性向上に向けたDXの推進である。上期までの業績進捗を踏まえると、営業収益の達成ハードルはやや高いと思われるが、営業利益については事業の質的向上と効率化が想定以上に進展していることから、計画達成に向けた順調な進捗であると言えよう。
3. 中長期の成長戦略
同社は「新成長戦略」の下、「事業領域拡大による収益構造の転換」「既存事業分野の競争力強化等」「店舗数増加による規模の拡大」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4つの施策を推し進めていたが、「店舗数増加による規模の拡大」については2023年3月期から方針を転換し、新規出店の抑制と1店舗当たりの収益性向上に向けた舵取りを行っており、その成果が表れている。これらの施策遂行における上期のトピックスとして、 (1) (株)シーアールエヌの子会社化によるグループ店舗数の増加(2023年6月の子会社化で「クラスモ」をブランドとするフランチャイズを含んだ店舗数は2023年3月末の204店舗から2023年9月末時点で237店舗に拡大した)、(2) 基幹システムの活用による業務効率化の推進(ハウスコム本社の基幹システムを使用することで、各店舗において業務上必要な物件情報、問い合わせ情報、営業ステータス情報、申し込み情報や契約関連情報の入力・管理・共有機能や請求書処理、入金処理といった情報処理機能が飛躍的に向上した。また、各種営業情報のリアルタイムの集計や分析を通じ、スピーディかつ正確な業務遂行が可能になった)、(3) グループ会社の業務デジタル化の推進(2022年10月の分社化実施後、各社で業務デジタル化、具体的には物件情報等の契約関連情報のデジタルアーカイブ化を進め、それらを事業エリアごとに各店舗がオンラインでデータ共有することが可能になり、店舗の業務負担の軽減やエリア内情報格差の低減が進展した)、の3つが挙げられる。
■Key Points
・2024年3月期上期業績では営業収益は計画比で未達となったが、営業損失は想定より赤字幅を圧縮。期初から新規出店を抑制しつつ、1店舗当たりの収益性を重視した経営へと舵取りを行っており、その成果が表れている
・2024年3月期通期は営業収益・営業利益ともに期初計画を据え置いた。上期までの進捗を踏まえると営業収益の達成ハードルはやや高いが、営業利益についてはさらなる業務効率化や収益性重視への取り組みで達成を目指す
・さらなる収益性向上を図るために、ITを駆使した業務効率の改善に加え、収益性の高いモデル店舗の緻密な分析を実施し、それを他店舗へ横展開することで全店舗横断的に収益性の向上を進める方針である
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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