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リソー教育 Research Memo(3):TOMAS、名門会、伸芽会を中心に各種教育サービス事業を展開
配信日時:2023/11/16 16:13
配信元:FISCO
*16:13JST リソー教育 Research Memo(3):TOMAS、名門会、伸芽会を中心に各種教育サービス事業を展開
■会社概要
2. 事業の概要
リソー教育<4714>及び主要子会社5社で、学習塾事業を中心に各種教育サービスを展開している。事業セグメントとしては学習塾事業、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業、学校内個別指導事業、人格情操合宿教育事業の5事業に分けて開示している。直近5年間の事業セグメント別売上構成比では、学習塾事業が売上高の5割強で推移しており、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業と合わせた3つの事業で全体の約9割を占めている。また、2019年2月期から2023年2月期までの変化を見ると、家庭教師派遣教育事業の構成比が19.9%(2019年2月期)から16.1%(2023年2月期)となっているのに対して、学校内個別指導事業が4.7%(2019年2月期)から8.2%(2023年2月期)と上昇傾向となっている。学校内別指導事業において、私立学校における教師の過重労働問題の解消と進学実績の向上を支援するサービスとして認知度が高まり、導入校数や導入学年数が年々増加し売上拡大につながっている。
2019年2月期から2023年2月期の直近5年間の事業セグメント別利益率は、幼児教育事業が12~20%と最も高くなっている。これは名門幼稚園・小学校受験のパイオニアとして約70年の実績を持つ伸芽会が圧倒的なブランド力を確立していることが背景にあると考えられる。学習塾事業については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて損失計上となった2021年2月期を除けば1ケタ台後半の水準で安定して推移している。また、家庭教師派遣教育事業については2020年2月期までは10%台の水準を維持していたが、直近3年間は売上高が伸び悩むなかで校舎展開を進めてきたこともあり、収益性が低下傾向となっている。学校内個別指導事業については、売上規模がまだ小さく先行投資段階ということもあり収益性は相対的に低く変動も大きいが、売上規模が一定以上の水準に拡大すれば10%以上の収益性も期待できると弊社では見ている。
(1) 学習塾事業
学習塾事業では、主力事業である完全個別指導塾「TOMAS」を首都圏で94校(2023年8月末時点、以下同様)展開しているほか、英会話スクールの「インターTOMAS」を12校、医学部受験専門個別指導塾「メディックTOMAS」を4校展開している。また、子会社の駿台TOMASで最難関校受験専門の個別指導塾「Spec. TOMAS」を1校(自由が丘校)運営している。
「TOMAS」は小学生から高校生までを対象とした1対1の完全個別指導塾で、同社によると各生徒のスキルに応じて個人別「合格逆算カリキュラム」を作成・提供することで、個別指導塾として難関志望校合格者数トップの実績を実現している。講師は学生や社会人等のアルバイト講師が大半を占め、学習相談・サポートなどを正社員で対応することで顧客満足度の高い「安心で確実なサービス」の提供を可能としている。生徒数の構成比は小学生がおよそ45%、中学生が25%、高校生が30%である。また、「Spec. TOMAS」は小学1~6年生を対象とし、最難関中学校の合格を目指すべく講師も正社員として採用しているのが特長だ。入塾のための試験を実施しており、不合格となった生徒には近隣の「TOMAS」を紹介している。
(2) 家庭教師派遣教育事業
家庭教師派遣教育事業では、名門会が全国主要都市に「名門会」を36校展開している。社会人のプロ講師が家庭教師としてサービスを提供しており、同社によると進学実績を公表できる唯一の家庭教師センターである。毎年多数の難関校合格者を輩出しており、特に医学部で高い合格実績を上げている。2022年には新たなブランドとして、医学部受験指導に特化した「メディック名門会」を2校(大阪、神戸)開校した。プロ講師による完全個別指導のほか、カリキュラムサポーター(カリキュラム作成等の学習全般の実行支援)、ティーチングアシスタント(問題演習のサポート)、コンシェルジュ(生活環境やメンタルケア)が付くなど、フルサポート体制を敷くことにより志望校の合格実現に取り組んでいる。また、首都圏以外をサービスエリアとする完全個別指導塾として「TOMEIKAI」を11校(九州エリア5校、東海エリア3校、甲信越エリア2校、近畿エリア1校)展開しているほか、双方向型オンライン授業を行う「名門会Online」のサービスを提供している。
(3) 幼児教育事業
幼児教育事業では、名門幼稚園・小学校受験のパイオニアである伸芽会が、首都圏を中心に「伸芽会」22教室(首都圏21教室、京阪神1教室)を展開している。生徒一人ひとりの発達に応じた個人別合格プログラムと「想像力を伸ばす」教育により、毎年名門校でトップクラスの合格者を輩出している。また、学童・保育事業として「伸芽’Sクラブ」を首都圏で27校(学童19校、託児8校)展開している。託児では伸芽会式教育メソッドを取り入れた“お受験”対応型の長時間託児を、学童では独自の学習カリキュラムを取り入れた進学指導付き長時間学童保育を行っていることが特長で、仕事と育児を両立させるワーキングマザーから高い支持を得ている。また、コナミスポーツ株式会社との業務提携では、新ブランド「コナミスポーツ伸芽’Sクラブ」を品川(東京都品川区)と西宮(兵庫県西宮市)に展開し、子どもにスポーツも勉強も頑張ってほしいと願う家庭から支持を得ている。
(4) 学校内個別指導事業
学校内個別指導事業では、スクールTOMASが学校と契約し、放課後の時間を活用して同社が派遣した講師による個別指導を行っている。他社との違いは、講師だけでなく社員が運営管理者として学校に常駐し、生徒一人ひとりの学習状況を把握して適切な学習アドバイスを行うほか、学校や保護者とも情報共有を行っている点にあり、顧客満足度の高いサービスとなっている。質問型個別指導やカリキュラム型個別指導のほか、AI教材(atama+(アタマプラス))や映像教材(駿台サテネット21)などと組み合わせた個別指導サービスなども提供するなど、顧客のニーズに応じた幅広いサービスの提供も強みとなっている。
生徒の獲得や教師の長時間労働が経営課題となっている私立の中高一貫校を中心に導入が広がっており、2023年8月末時点で稼働校数は81校となっている。稼働開始1年目は1学年からスタートし、1年ごとに稼働学年数を増やしていくパターンが一般的である。
(5) 人格情操合宿教育事業
人格情操合宿教育事業では、プラスワン教育で体操教室を11校、サッカー教室を5校、バルシューレ教室を2教室運営しているほか、土・日曜日や夏休みなどの長期休暇を利用した体験型教育プログラム「School Tour Ship」を企画・提供している。「School Tour Ship」に参加して様々な体験をすることで行動力や判断力を養い、知的好奇心を育むことが目的となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2. 事業の概要
リソー教育<4714>及び主要子会社5社で、学習塾事業を中心に各種教育サービスを展開している。事業セグメントとしては学習塾事業、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業、学校内個別指導事業、人格情操合宿教育事業の5事業に分けて開示している。直近5年間の事業セグメント別売上構成比では、学習塾事業が売上高の5割強で推移しており、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業と合わせた3つの事業で全体の約9割を占めている。また、2019年2月期から2023年2月期までの変化を見ると、家庭教師派遣教育事業の構成比が19.9%(2019年2月期)から16.1%(2023年2月期)となっているのに対して、学校内個別指導事業が4.7%(2019年2月期)から8.2%(2023年2月期)と上昇傾向となっている。学校内別指導事業において、私立学校における教師の過重労働問題の解消と進学実績の向上を支援するサービスとして認知度が高まり、導入校数や導入学年数が年々増加し売上拡大につながっている。
2019年2月期から2023年2月期の直近5年間の事業セグメント別利益率は、幼児教育事業が12~20%と最も高くなっている。これは名門幼稚園・小学校受験のパイオニアとして約70年の実績を持つ伸芽会が圧倒的なブランド力を確立していることが背景にあると考えられる。学習塾事業については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて損失計上となった2021年2月期を除けば1ケタ台後半の水準で安定して推移している。また、家庭教師派遣教育事業については2020年2月期までは10%台の水準を維持していたが、直近3年間は売上高が伸び悩むなかで校舎展開を進めてきたこともあり、収益性が低下傾向となっている。学校内個別指導事業については、売上規模がまだ小さく先行投資段階ということもあり収益性は相対的に低く変動も大きいが、売上規模が一定以上の水準に拡大すれば10%以上の収益性も期待できると弊社では見ている。
(1) 学習塾事業
学習塾事業では、主力事業である完全個別指導塾「TOMAS」を首都圏で94校(2023年8月末時点、以下同様)展開しているほか、英会話スクールの「インターTOMAS」を12校、医学部受験専門個別指導塾「メディックTOMAS」を4校展開している。また、子会社の駿台TOMASで最難関校受験専門の個別指導塾「Spec. TOMAS」を1校(自由が丘校)運営している。
「TOMAS」は小学生から高校生までを対象とした1対1の完全個別指導塾で、同社によると各生徒のスキルに応じて個人別「合格逆算カリキュラム」を作成・提供することで、個別指導塾として難関志望校合格者数トップの実績を実現している。講師は学生や社会人等のアルバイト講師が大半を占め、学習相談・サポートなどを正社員で対応することで顧客満足度の高い「安心で確実なサービス」の提供を可能としている。生徒数の構成比は小学生がおよそ45%、中学生が25%、高校生が30%である。また、「Spec. TOMAS」は小学1~6年生を対象とし、最難関中学校の合格を目指すべく講師も正社員として採用しているのが特長だ。入塾のための試験を実施しており、不合格となった生徒には近隣の「TOMAS」を紹介している。
(2) 家庭教師派遣教育事業
家庭教師派遣教育事業では、名門会が全国主要都市に「名門会」を36校展開している。社会人のプロ講師が家庭教師としてサービスを提供しており、同社によると進学実績を公表できる唯一の家庭教師センターである。毎年多数の難関校合格者を輩出しており、特に医学部で高い合格実績を上げている。2022年には新たなブランドとして、医学部受験指導に特化した「メディック名門会」を2校(大阪、神戸)開校した。プロ講師による完全個別指導のほか、カリキュラムサポーター(カリキュラム作成等の学習全般の実行支援)、ティーチングアシスタント(問題演習のサポート)、コンシェルジュ(生活環境やメンタルケア)が付くなど、フルサポート体制を敷くことにより志望校の合格実現に取り組んでいる。また、首都圏以外をサービスエリアとする完全個別指導塾として「TOMEIKAI」を11校(九州エリア5校、東海エリア3校、甲信越エリア2校、近畿エリア1校)展開しているほか、双方向型オンライン授業を行う「名門会Online」のサービスを提供している。
(3) 幼児教育事業
幼児教育事業では、名門幼稚園・小学校受験のパイオニアである伸芽会が、首都圏を中心に「伸芽会」22教室(首都圏21教室、京阪神1教室)を展開している。生徒一人ひとりの発達に応じた個人別合格プログラムと「想像力を伸ばす」教育により、毎年名門校でトップクラスの合格者を輩出している。また、学童・保育事業として「伸芽’Sクラブ」を首都圏で27校(学童19校、託児8校)展開している。託児では伸芽会式教育メソッドを取り入れた“お受験”対応型の長時間託児を、学童では独自の学習カリキュラムを取り入れた進学指導付き長時間学童保育を行っていることが特長で、仕事と育児を両立させるワーキングマザーから高い支持を得ている。また、コナミスポーツ株式会社との業務提携では、新ブランド「コナミスポーツ伸芽’Sクラブ」を品川(東京都品川区)と西宮(兵庫県西宮市)に展開し、子どもにスポーツも勉強も頑張ってほしいと願う家庭から支持を得ている。
(4) 学校内個別指導事業
学校内個別指導事業では、スクールTOMASが学校と契約し、放課後の時間を活用して同社が派遣した講師による個別指導を行っている。他社との違いは、講師だけでなく社員が運営管理者として学校に常駐し、生徒一人ひとりの学習状況を把握して適切な学習アドバイスを行うほか、学校や保護者とも情報共有を行っている点にあり、顧客満足度の高いサービスとなっている。質問型個別指導やカリキュラム型個別指導のほか、AI教材(atama+(アタマプラス))や映像教材(駿台サテネット21)などと組み合わせた個別指導サービスなども提供するなど、顧客のニーズに応じた幅広いサービスの提供も強みとなっている。
生徒の獲得や教師の長時間労働が経営課題となっている私立の中高一貫校を中心に導入が広がっており、2023年8月末時点で稼働校数は81校となっている。稼働開始1年目は1学年からスタートし、1年ごとに稼働学年数を増やしていくパターンが一般的である。
(5) 人格情操合宿教育事業
人格情操合宿教育事業では、プラスワン教育で体操教室を11校、サッカー教室を5校、バルシューレ教室を2教室運営しているほか、土・日曜日や夏休みなどの長期休暇を利用した体験型教育プログラム「School Tour Ship」を企画・提供している。「School Tour Ship」に参加して様々な体験をすることで行動力や判断力を養い、知的好奇心を育むことが目的となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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