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川辺 Research Memo(3):身の回り品事業を主力として、フレグランス事業も展開

配信日時:2022/07/28 16:03 配信元:FISCO
■事業概要

川辺<8123>は、ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、タオル、雑貨等を販売する身の回り品事業を主力として、香水等を販売するフレグランス事業も展開している。

1. 事業別及び品目別売上構成比
2022年3月期の事業別売上構成比は身の回り品事業が86.6%、フレグランス事業が13.4%となった。5期間(2018年3月期~2022年3月期)においては、事業別売上構成比は身の回り品事業が8割強、フレグランス事業が1割強、品目別売上構成比は主力のハンカチーフが6割強、スカーフ・マフラーが1割前後で推移している。なお2021年3月期と2022年3月期はコロナ禍の影響を受けて売上高が落ち込んだ。フレグランス事業はコロナ禍以前から収益性改善が課題となっている。

2. 販路別売上構成比
販路別では百貨店向けを主力として、量販店、専門店、小売店、卸売事業者等に卸売販売している。また直営小売店において雑貨やフレグランスを小売販売している。2022年3月期を含む5期間の売上構成比の推移は、百貨店向けは地方百貨店を中心とする閉店に伴う売場面積減少やコロナ禍による影響などにより構成比は2021年3月期にかけて落ち込んだものの、2022年3月期は上昇し回復傾向が見られたのに対して、新規販路開拓によって百貨店以外(量販店、専門店・小売店チェーン、直営小売店、通販など)の構成比については2021年3月期にかけて上昇傾向にあったものの、2022年3月期は下降した。直営小売店舗は2022年3月期末時点で、身の回り品事業の「プレイヤーズ自由が丘」を17店舗、フレグランス事業を8店舗展開している。

新規販路開拓では大手雑貨・書店グループ、各地の郵便局や生活協同組合などとの取引に続き、外資系大手量販店との取引も開始(第一弾としてミニタオル5点セットを供給)した。従来の百貨店販路に関しては、消費者ニーズ・消費トレンドを捉えてブランドライセンスの見直し・入れ替えを推進している。直営小売店事業ではバッグ以外の品揃えの充実、フレグランス事業では希少性の高いメゾン系ブランド中心の品揃えを強化している。EC販売では、フレグランスを含めて販売コンテンツを拡充するとともに、SNSと連動して集客増・売上増を推進している。

3. 取り扱いブランド
海外有名ブランドを主力としているが、消費トレンドの変化に対応したブランドの新規導入・S&B(スクラップ・アンド・ビルド)や、消費者ニーズの多様化に対応した自社オリジナルブランドの企画・開発・拡販も強化している。

身の回り品事業の主力ブランドとしては、ハンカチーフでは「POLO RALPH LAUREN(ポロ・ラルフローレン)」「LANVIN COLLECTION(ランバン・コレクション)」「LANVIN en Bleu(ランバン・オン・ブルー)」「PEANUTS(ピーナッツ)」「JILL STUART(ジルスチュアート)」「Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)」「nicolai bergmann(ニコライ・バーグマン)」「Kate spade NEW YORK(ケイト・スペード ニューヨーク)」「DORAEMON(ドラえもん)」などがある。スカーフ・マフラーでは自社ブランドの「NATURAL BASIC(ナチュラル・ベーシック)」自社ブランドの「felice regalo(フェリーチェ・レガーロ)」桐島かれん氏がプロデュースする「HOUSE OF LOTUS(ハウス・オブ・ロータス)」などがある。雑貨・その他では「マザーズバッグ」をコンセプトとしたハウスブランド「プレイヤーズ」を直営小売店「プレイヤーズ自由が丘」の主力商材としている。30~40歳前後の子育て中のマザー(母親)をターゲット層にした軽量・多機能のファッションバッグである。

フレグランス事業では、「Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ フェラガモ)」等を主力として、「Miller Harris(ミラーハリス)」や「ACQUA DI PARMA(アクア ディ パルマ)」など希少性の高いメゾン系ブランドを発掘して積極投入している。2021年1月には、ブルガリパルファン事業部の日本国内における輸入販売を開始した。


売上高はギフト需要や冬季需要などの特性あり
4. 収益特性・リスク要因と対策
収益特性及びリスク要因としては、季節要因、景気や天候の消費マインドへの影響、消費トレンドの変化、主力販売先である百貨店の閉店・売場面積縮小、導入品のライセンス契約変更などがある。季節要因としては、ハンカチーフは海外有名ブランドが主力のため3月の新生活開始に伴うギフト需要が最大のマーケットとなり、スカーフ・マフラーは防寒商品のため秋・冬シーズンが需要期となる。百貨店の閉店・売場面積減少というリスク要因に対しては、新規販路(百貨店以外の量販店・専門小売店チェーンなど)の開拓、直営小売・EC販売の拡大、百貨店以外でのイベント企画・運営などを推進している。

導入ブランドのライセンス契約については、ライセンス供給側に起きるM&Aや経営方針転換などが発生する可能性があるが、対策として消費トレンド変化を捉えた新規ブランド導入やS&Bを積極推進している。なお海外有名ブランドの仕入は、総合商社などを経由した国内仕入が大半を占めており、直接輸入が少ないため為替変動による業績への直接的な影響は小さい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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