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翻訳センター Research Memo(7):2025年3月期に売上高121億円、営業利益11億円を目指す
配信日時:2022/07/01 16:17
配信元:FISCO
■中長期の成長戦略
翻訳センター<2483>は、2023年3月期から2025年3月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画を2022年5月に発表した。前中期経営計画では、経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ 言葉のコンシェルジュ」の下、機械翻訳の戦略的な活用を重点施策に据え、中長期的な競争力を支える言語資産の蓄積と運用に向けた環境の構築に取り組んだ。具体的には、分野特化型機械翻訳「製薬カスタムモデル」の開発・販売をはじめ、人手翻訳の技術・ ノウハウと機械翻訳などのテクノロジーを組み合わせた翻訳サービスを定着させたことなどで成果が上がった。一方で、コロナ禍の影響により、一時的に需要が低迷したため、業績目標は未達となった。
新中期経営計画の最終年度となる2025年3月期における数値計画は、売上高で12,100百万円(年平均成長率5.4%)、営業利益で1,100百万円(年平均成長率10.7%)である。注目に値するのは、利益の伸びである。初年度の2023年3月期には910百万円と過去最高益を更新し、さらに利益を積み上げる計画である。結果として連結営業利益率では最終年度に9.0%(直近実績は7.8%)へ上昇させる。同社はコロナ禍前の5年間(2014年3月期~2019年3月期)で、売上高の年平均成長率6.5%、営業利益の平均成長率19.8%を成した実績がある。同社は、翻訳・通訳業界で知名度が高く、機械翻訳をいち早く導入して生産性も高めているため、新中期経営計画期間においても、着実に増収増益の継続が期待できる。
新中期経営計画では、従来の経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ 言葉のコンシェルジュ」の下、新たな基本方針として「ビジネス環境の変化やデジタル化の進展に対応しつつ、業界・ドキュメント別に最適化された言語資産の活用モデルを確立し、対象市場でのプレゼンスを高め、持続的な成長を実現する。」が打ち出された。これまでの業界別に特化して専門性を高める戦略をベースに、新たに「ドキュメント別」という戦略視点が加わった。1つ目の重点施策は「ドキュメント集約メカニズムの構築」である。分野特化型機械翻訳「製薬カスタムモデル」の開発・販売により、人手翻訳が同社に集約し顧客内シェア拡大に成功した事例があるが、必ずしもすべての業界で同様の取り組みができるわけではない。対策として、より細かいレベル(ドキュメント軸)で専門特化領域を育成する。2つ目の重点施策は「ドキュメント別言語資産活用モデルの確立」である。同社の翻訳業務においてドキュメント別モデル作成により機械翻訳(MT)精度を向上させ、翻訳事業の売上利益率をさらに向上させる。3つ目の重点施策は「働き方改革や事業変革を支える経営基盤の整備」である。前中期経営計画期間では、翻訳周辺プロセスにおいてBPMS(Business Process Management System)の開発を進めたものの、途中で断念した経緯がある。今回は全体最適をトップダウンで推し進めるのではなく、個別のプロセスの改善を積み重ねることで生産効率の向上を図る方針だ。
ドキュメント種類まで細分化して戦略を再構築すると、様々なメリットが浮かび上がってくる。一例を挙げると、「特許明細書」では、付加価値業務として「クレーム部分の訳文調整」を提案しており、業界横断で知的財産部(知的財産関連担当部署)への展開を実現している。また、「研修資料」では、言語資産が蓄積されると業界横断で人事部(人材育成担当部署)へ展開できる可能性が生まれる。さらに、ドキュメント別にモデルを作成すると機械翻訳の精度が向上し生産性がより向上する。ドキュメント別の戦略は、今後の売上高の成長と利益率の向上の両面でインパクトが期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
翻訳センター<2483>は、2023年3月期から2025年3月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画を2022年5月に発表した。前中期経営計画では、経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ 言葉のコンシェルジュ」の下、機械翻訳の戦略的な活用を重点施策に据え、中長期的な競争力を支える言語資産の蓄積と運用に向けた環境の構築に取り組んだ。具体的には、分野特化型機械翻訳「製薬カスタムモデル」の開発・販売をはじめ、人手翻訳の技術・ ノウハウと機械翻訳などのテクノロジーを組み合わせた翻訳サービスを定着させたことなどで成果が上がった。一方で、コロナ禍の影響により、一時的に需要が低迷したため、業績目標は未達となった。
新中期経営計画の最終年度となる2025年3月期における数値計画は、売上高で12,100百万円(年平均成長率5.4%)、営業利益で1,100百万円(年平均成長率10.7%)である。注目に値するのは、利益の伸びである。初年度の2023年3月期には910百万円と過去最高益を更新し、さらに利益を積み上げる計画である。結果として連結営業利益率では最終年度に9.0%(直近実績は7.8%)へ上昇させる。同社はコロナ禍前の5年間(2014年3月期~2019年3月期)で、売上高の年平均成長率6.5%、営業利益の平均成長率19.8%を成した実績がある。同社は、翻訳・通訳業界で知名度が高く、機械翻訳をいち早く導入して生産性も高めているため、新中期経営計画期間においても、着実に増収増益の継続が期待できる。
新中期経営計画では、従来の経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ 言葉のコンシェルジュ」の下、新たな基本方針として「ビジネス環境の変化やデジタル化の進展に対応しつつ、業界・ドキュメント別に最適化された言語資産の活用モデルを確立し、対象市場でのプレゼンスを高め、持続的な成長を実現する。」が打ち出された。これまでの業界別に特化して専門性を高める戦略をベースに、新たに「ドキュメント別」という戦略視点が加わった。1つ目の重点施策は「ドキュメント集約メカニズムの構築」である。分野特化型機械翻訳「製薬カスタムモデル」の開発・販売により、人手翻訳が同社に集約し顧客内シェア拡大に成功した事例があるが、必ずしもすべての業界で同様の取り組みができるわけではない。対策として、より細かいレベル(ドキュメント軸)で専門特化領域を育成する。2つ目の重点施策は「ドキュメント別言語資産活用モデルの確立」である。同社の翻訳業務においてドキュメント別モデル作成により機械翻訳(MT)精度を向上させ、翻訳事業の売上利益率をさらに向上させる。3つ目の重点施策は「働き方改革や事業変革を支える経営基盤の整備」である。前中期経営計画期間では、翻訳周辺プロセスにおいてBPMS(Business Process Management System)の開発を進めたものの、途中で断念した経緯がある。今回は全体最適をトップダウンで推し進めるのではなく、個別のプロセスの改善を積み重ねることで生産効率の向上を図る方針だ。
ドキュメント種類まで細分化して戦略を再構築すると、様々なメリットが浮かび上がってくる。一例を挙げると、「特許明細書」では、付加価値業務として「クレーム部分の訳文調整」を提案しており、業界横断で知的財産部(知的財産関連担当部署)への展開を実現している。また、「研修資料」では、言語資産が蓄積されると業界横断で人事部(人材育成担当部署)へ展開できる可能性が生まれる。さらに、ドキュメント別にモデルを作成すると機械翻訳の精度が向上し生産性がより向上する。ドキュメント別の戦略は、今後の売上高の成長と利益率の向上の両面でインパクトが期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
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