注目トピックス 日本株
JBR Research Memo(5):会員事業と保険事業で契約件数の増加ペースが加速
配信日時:2022/06/14 15:15
配信元:FISCO
■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 会員事業
会員事業の売上高は前年同期比73.0%増の4,884百万円、営業利益は同7.0%減の465百万円となった。アクトコール他1社の買収効果で1,761百万円の増収、97百万円の増益要因となっている。既存事業ベースでは会員数増加による増収で193百万円、収益認識会計基準等の適用による影響で105百万円の増収要因となった。一方、営業利益は会員数増加による増益が32百万円あったものの、売上構成比の上昇による配賦費用額の増加等で165百万円の減益要因となった。
2022年9月期第2四半期末の会員数は前年同期比765千件増加の2,330千件となった。このうち、アクトコール分が640千件となっており、既存事業ベースでも125千件増となっている。主力の「安心入居サポート」は136千件増の1,100千件と増加ペースが加速した。販売ネットワークの拡充が進んでいることや、家賃等に会費を含めて提供するサブスクリプション型の契約件数が増加した結果、サービス継続率が上昇していることが要因と見られる。一方、大学生協を通じて販売する「学生生活110番」については同2千件減の316千件にとどまった。コロナ禍で地方から上京して学生生活を送る新入生が減少していることが影響していると思われる。その他の会員サービスについても低採算なサービスを縮小していることから、同10千件減の272千件となった。
また、会費収入が前年同期比79.3%増の3,333百万円となった一方で、出動費用(保証事業分を含む)は同42.5%増の1,435百万円に抑えられており、費用のコントロールが適切に実施されているものと評価される。アクトコールの業績については収益性の面で想定以上に改善が進んだ。当初計画では通期で営業利益率6.9%(買収前3.2%)を目標としていたが、第2四半期累計で10.8%まで上昇した。同社の利益率の水準である20%に対してはまだ低いものの、統合によるシナジー効果が早速顕在化しているようだ。主な取り組みとして、コールセンターの業務効率化(サービス対象外の入電本数を削減する)や不採算となっている販売パートナーとの条件見直し交渉、施工パートナーに対する作業原価の是正交渉等に取り組んでおり、その効果が早速顕在化しているようだ。下期は体制強化等によるコスト増を見込んでいるため、利益率は下がる見込みとなっているが、通期の営業利益は当初計画の250百万円(第2四半期累計実績189百万円)を上回る見通しだ。
(2) 保証事業
保証事業の売上高は前年同期比14.9%増の699百万円、営業利益で同8.2%増の268百万円となった。2022年9月期第2四半期末の「あんしん修理サポート」の会員数は前年同期比203千件増の1,239千件と高成長が続いている。主力販路であるホームセンターや家電量販店等を通じた会員数獲得が続いていることに加えて、住宅メーカー等の新たな販路開拓が進んでいることも会員数の増加につながっている。同商品は契約期間が5~10年と長期間にわたるため、新規会員数増加の単年度の増収インパクトは小さいが、将来の売上となる前受収益金として積み上がる格好となっている。
また、営業利益率が低下したが主には修理件数の増加に伴う売上原価率の上昇が主因となっている。住設機器の修理については購入後7年目以降から増加する傾向にあり、こうした会員からの修理依頼が増加した。また、ジャパンワランティサポートの株式上場に向けた体制整備に関連した費用が増加したことも一因と考えられる。
(3) 保険事業
保険事業の売上高は前年同期比7.3%増の2,575百万円、営業利益は同7.5%減の188百万円となった。前述したように、契約件数が加速的に増加したことによる契約準備金繰入額の増加が減益要因となった。前年同期は繰入額戻入金を7百万円計上し、2022年9月期第2四半期累計では46百万円の準備金繰入額を計上し、差額の53百万円が減益要因となる。契約準備金繰入額の影響を除いたベースで見ると、営業利益は前年同期比19.4%増の234百万円となる。
第2四半期末の保険契約件数を見ると、「新すまいRoom保険」を中心とする家財保険が前年同期比32千件増の272千件と従前よりも増加ペースが加速した。販売ネットワークが拡大していることに加えて、2022年1月に賃貸仲介大手の(株)ミニミニグループとレスキュー損害保険が資本業務提携を締結し※、ミニミニグループが仲介する賃貸住宅の入居者向けに火災保険の販売を開始したことも増加要因となった。今後はミニミニグループ向けでの火災保険の販売シェア拡大に加えて、不動産分野での新たな保険商品の開発も共同で進めていく予定となっている。
※ミニミニグループは賃貸仲介、社宅代行の大手で、店舗数は約450店舗を展開している。レスキュー損害保険の株式の4.9%を取得した。家財保険の販売により年間約1億円の保険料収入を見込んでいる。
「スマホ保険」は販売チャンネルの拡大(オンライン販売)効果もあって同17千件増の63千件となり、「スポーツクラブ傷害保険」はコロナ禍でスポーツクラブの会員数が減少した影響もあって同20千件減の222千件となった。その他の少額短期保険商品については同4千件増の48千件と堅調に推移した。なお、保険料収入の構成比で見ると、家財保険が全体の85%と大半を占めており、「スマホ保険」は3%、「スポーツクラブ傷害保険」は2%となっている。
(4) 駆けつけ事業
駆けつけ事業の売上高は前年同期比29.4%減の489百万円と減収基調が続き、営業損失53百万円(前年同期0.4百万円の利益)を計上した。他社サイトからの集客を中心にWeb集客が減少したことや、コロナ禍が続くなかで他者との接触を回避する意識が引き続き強く、カギ及び水回りのトラブルに関する作業依頼件数が減少した。今後については収益化を目指すことを基本方針とするが、場合によっては事業の継続可否も含めて外部コンサルタントも交えながら議論を進めていくことにしている。
(5) その他
2021年9月期下期から開始した感染拡大防止事業については、売上高で162百万円、営業利益で16百万円となった。2021年9月期下期は売上高で274百万円、営業利益で57百万円だったが、2022年9月期下期はまん延防止等重点措置が解除されていることから、売上はほぼなくなるものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) 会員事業
会員事業の売上高は前年同期比73.0%増の4,884百万円、営業利益は同7.0%減の465百万円となった。アクトコール他1社の買収効果で1,761百万円の増収、97百万円の増益要因となっている。既存事業ベースでは会員数増加による増収で193百万円、収益認識会計基準等の適用による影響で105百万円の増収要因となった。一方、営業利益は会員数増加による増益が32百万円あったものの、売上構成比の上昇による配賦費用額の増加等で165百万円の減益要因となった。
2022年9月期第2四半期末の会員数は前年同期比765千件増加の2,330千件となった。このうち、アクトコール分が640千件となっており、既存事業ベースでも125千件増となっている。主力の「安心入居サポート」は136千件増の1,100千件と増加ペースが加速した。販売ネットワークの拡充が進んでいることや、家賃等に会費を含めて提供するサブスクリプション型の契約件数が増加した結果、サービス継続率が上昇していることが要因と見られる。一方、大学生協を通じて販売する「学生生活110番」については同2千件減の316千件にとどまった。コロナ禍で地方から上京して学生生活を送る新入生が減少していることが影響していると思われる。その他の会員サービスについても低採算なサービスを縮小していることから、同10千件減の272千件となった。
また、会費収入が前年同期比79.3%増の3,333百万円となった一方で、出動費用(保証事業分を含む)は同42.5%増の1,435百万円に抑えられており、費用のコントロールが適切に実施されているものと評価される。アクトコールの業績については収益性の面で想定以上に改善が進んだ。当初計画では通期で営業利益率6.9%(買収前3.2%)を目標としていたが、第2四半期累計で10.8%まで上昇した。同社の利益率の水準である20%に対してはまだ低いものの、統合によるシナジー効果が早速顕在化しているようだ。主な取り組みとして、コールセンターの業務効率化(サービス対象外の入電本数を削減する)や不採算となっている販売パートナーとの条件見直し交渉、施工パートナーに対する作業原価の是正交渉等に取り組んでおり、その効果が早速顕在化しているようだ。下期は体制強化等によるコスト増を見込んでいるため、利益率は下がる見込みとなっているが、通期の営業利益は当初計画の250百万円(第2四半期累計実績189百万円)を上回る見通しだ。
(2) 保証事業
保証事業の売上高は前年同期比14.9%増の699百万円、営業利益で同8.2%増の268百万円となった。2022年9月期第2四半期末の「あんしん修理サポート」の会員数は前年同期比203千件増の1,239千件と高成長が続いている。主力販路であるホームセンターや家電量販店等を通じた会員数獲得が続いていることに加えて、住宅メーカー等の新たな販路開拓が進んでいることも会員数の増加につながっている。同商品は契約期間が5~10年と長期間にわたるため、新規会員数増加の単年度の増収インパクトは小さいが、将来の売上となる前受収益金として積み上がる格好となっている。
また、営業利益率が低下したが主には修理件数の増加に伴う売上原価率の上昇が主因となっている。住設機器の修理については購入後7年目以降から増加する傾向にあり、こうした会員からの修理依頼が増加した。また、ジャパンワランティサポートの株式上場に向けた体制整備に関連した費用が増加したことも一因と考えられる。
(3) 保険事業
保険事業の売上高は前年同期比7.3%増の2,575百万円、営業利益は同7.5%減の188百万円となった。前述したように、契約件数が加速的に増加したことによる契約準備金繰入額の増加が減益要因となった。前年同期は繰入額戻入金を7百万円計上し、2022年9月期第2四半期累計では46百万円の準備金繰入額を計上し、差額の53百万円が減益要因となる。契約準備金繰入額の影響を除いたベースで見ると、営業利益は前年同期比19.4%増の234百万円となる。
第2四半期末の保険契約件数を見ると、「新すまいRoom保険」を中心とする家財保険が前年同期比32千件増の272千件と従前よりも増加ペースが加速した。販売ネットワークが拡大していることに加えて、2022年1月に賃貸仲介大手の(株)ミニミニグループとレスキュー損害保険が資本業務提携を締結し※、ミニミニグループが仲介する賃貸住宅の入居者向けに火災保険の販売を開始したことも増加要因となった。今後はミニミニグループ向けでの火災保険の販売シェア拡大に加えて、不動産分野での新たな保険商品の開発も共同で進めていく予定となっている。
※ミニミニグループは賃貸仲介、社宅代行の大手で、店舗数は約450店舗を展開している。レスキュー損害保険の株式の4.9%を取得した。家財保険の販売により年間約1億円の保険料収入を見込んでいる。
「スマホ保険」は販売チャンネルの拡大(オンライン販売)効果もあって同17千件増の63千件となり、「スポーツクラブ傷害保険」はコロナ禍でスポーツクラブの会員数が減少した影響もあって同20千件減の222千件となった。その他の少額短期保険商品については同4千件増の48千件と堅調に推移した。なお、保険料収入の構成比で見ると、家財保険が全体の85%と大半を占めており、「スマホ保険」は3%、「スポーツクラブ傷害保険」は2%となっている。
(4) 駆けつけ事業
駆けつけ事業の売上高は前年同期比29.4%減の489百万円と減収基調が続き、営業損失53百万円(前年同期0.4百万円の利益)を計上した。他社サイトからの集客を中心にWeb集客が減少したことや、コロナ禍が続くなかで他者との接触を回避する意識が引き続き強く、カギ及び水回りのトラブルに関する作業依頼件数が減少した。今後については収益化を目指すことを基本方針とするが、場合によっては事業の継続可否も含めて外部コンサルタントも交えながら議論を進めていくことにしている。
(5) その他
2021年9月期下期から開始した感染拡大防止事業については、売上高で162百万円、営業利益で16百万円となった。2021年9月期下期は売上高で274百万円、営業利益で57百万円だったが、2022年9月期下期はまん延防止等重点措置が解除されていることから、売上はほぼなくなるものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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