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JBR Research Memo(2):「困っている人を助ける!」が経営理念
配信日時:2022/06/14 15:12
配信元:FISCO
■事業概要
1. 会社概要
ジャパンベストレスキューシステム<2453>は「困っている人を助ける!」を経営理念として、生活に関わる様々なトラブルを解決する「総合生活トラブル解決サービス」カンパニーとして1997年に設立された。2008年にジャパン少額短期保険(株)、2016年にJBRあんしん保証(株)(現 ジャパンワランティサポート)を子会社化したほか、2019年にはレスキュー損害保険(株)を設立、開業している。また、2020年に日本PCサービス<6025>の株式を取得し持分法適用関連会社(出資比率22.1%)としたほか、2021年9月には生活トラブルサービスを展開するアクトコール及びコールセンター運営事業を行う(株)TSUNAGUを簡易株式交換により完全子会社化した。直近では2022年2月に水回りトラブル解決サービスのパートナーの1社であったアクアライン<6173>の株式を追加取得して持分法適用関連会社(出資比率23.6%)とするなど、積極的なM&A・アライアンス戦略により業容を拡大している。2022年3月末時点で連結子会社は5社、持分法適用関連会社2社となっている。
なお、アクトコール及びTSUNAGUについては2022年10月1日付で同社が吸収合併する予定となっている。経営統合することで営業・管理・コールセンター業務の効率化を図ることで、グループ全体の収益性向上を図っていくことが狙いとなっている。また、2022年6月23日付でジャパンワランティサポートが東証グロース市場に上場する。株式上場の目的は、上場会社としての信用力がアップすることで、提携先企業の増加が期待できることに加えて、人材採用力、資金調達力の向上により事業成長スピードを加速していくことにある。同社の出資比率は2021年9月期末の100.0%から上場後は約52%に低下する見込みであり、非支配株主に帰属する当期純利益の増加につながるが、それ以上に株式上場することのメリット(=収益拡大)の方が大きいと判断した。株式上場後も連結対象子会社として株式を保有していく方針となっている。
2. 事業の内容
事業セグメントは、2022年9月期より現況に合わせて一部変更を実施している。従来は駆けつけ、会員、保険、リペア、ライフテックの5事業で区分していたが、ライフテック事業については2021年9月期に電力小売事業から撤退したことによりなくなり、新たに会員、保証、保険、駆けつけの4事業とその他(感染拡大防止事業等)に区分した。従来、会員事業に含めていた保証事業を独立開示したほか新規事業(感染拡大防止事業等)をその他に区分した。また、売上規模が小さく収益性に課題を抱えていたリペア事業を会員事業に統合し、会員事業のサービスの一部として提供することで、売上規模の拡大と収益性向上を進めることが狙いとなっている。特に、不動産分野では従来の賃貸市場だけでなく、新築市場にも展開していくことにしており、リペアサービスは提携先を拡大していくためのフック役になるものと期待している。なお、商業施設や飲食店向けのリペアサービスについては従来通り継続していく。
2022年9月期第2四半期累計の事業セグメント別売上構成比を見ると、会員事業が55.4%と全体の過半を占め、次いで保険事業が29.2%、保証事業が7.9%、駆けつけ事業が5.6%となっている。また、売上高のうち、会員や保険契約件数の積み上げ等によるストック型ビジネスの比率が全体の9割以上を占め、かつこれら事業は収益化しており、安定性の高い収益基盤を既に構築していることが同社の特徴であり強みとなっている。
(1) 会員事業
会員事業は、会員向けに生活トラブル全般の解決サービスを提供する事業で、会員は入会金や年会費等を事前に支払うことで、該当するトラブルが発生した時に一般料金よりも低価格、または無料でサービスを受けることができる仕組みとなっている。売上高の7割弱は会費収入となり、そのほか作業に要した部品代や特殊作業費等が含まれる。2022年3月末の契約件数は、2,330千件(アクトコール分640千件含む)と過去最高を更新している。
主力サービスは賃貸及び分譲住宅入居者向けの「安心入居サポート」で、同事業の会費収入の約52%を占めている(2022年9月期第2四半期累計)。サービスメニューとしては入居時の暮らし相談サポートや入居中の生活トラブルを解決・サポートするサービスがあり、不動産賃貸事業者等と販売代理店契約を結ぶことで契約件数を伸ばしている。会費は2年契約で約1.5万円となり、うち約6割が同社の収入で、約4割が代理店の販売手数料となる。売上計上方法は月分割方式となっているが、実際の資金の流れとしては契約時に2年分を一括して会員から徴収している。このため、貸借対照表上では残存期間分の対価について前受収益及び長期前受収益として計上されている。一方、代理店への手数料支払いについては契約月に一括して支払い、費用も同額分計上するため、契約ごとの損益で見ると会計上は開始1ヶ月目に損失を計上する格好となる。
同サービスに関しては契約更新率が3割台と低いことが課題であったが、継続率を高める施策として家賃の一部に会費を組み込む方式(サブスクリプション型)の導入に注力している。同方式であれば引越し等で退去しない限りは、契約が継続することになるためだ。サブスクリプション型の契約率は2016年9月期末時点で40%であったが、2021年9月期末時点では60%超となっている(アクトコール除く)。アクトコールでは同様のサービス「アクト安心ライフ24(1年版、2年版)」または「緊急サポート24(月額版)」を提供しており、料金もほぼ同水準となっている。同事業の会費収入の35%を占める(2022年9月期第2四半期累計)。アクトコールの商品については月額定額サービスや1年版(税込8,800円)が契約の大半を占めている。
その他の会員サービスとしては、全国大学生活協同組合連合会(以下、大学生協)と提携して販売している大学生向けの生活トラブル解決サービス「学生生活110番」(契約期間2年、4年、6年タイプがあり、4年契約タイプで税込9,450円、うち約7割が同社の収入)のほか、通信事業者と提携して販売しているライフサポートパックなどがある。
また、リペアサービスについては住宅メーカー等の提携先企業から戸建・マンション等の床面や壁の補修作業の依頼を受け、補修サービスを行っている。石材系から金属、木質系、水まわりも含めて幅広い修復に対応できることが強みとなっており、2019年以降は宿泊施設や店舗など非住宅系にも販路を広げてきた。今後は会員サービスのメニューの一つとすることで、規模の拡大と収益力の強化を図っていく方針となっている。
なお、会員事業では入会時に顧客から会費を徴収し、作業依頼を受けた場合は入会時の条件に基づいて、無料または割引価格でネットワーク店の手配を行っており、発生した作業代金または作業代金と割引価格との差額が同社の負担となる。このため自然災害の発生等により想定以上に作業件数が増加した場合は、同社の費用負担が重くなり収益性が低下するリスクがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
1. 会社概要
ジャパンベストレスキューシステム<2453>は「困っている人を助ける!」を経営理念として、生活に関わる様々なトラブルを解決する「総合生活トラブル解決サービス」カンパニーとして1997年に設立された。2008年にジャパン少額短期保険(株)、2016年にJBRあんしん保証(株)(現 ジャパンワランティサポート)を子会社化したほか、2019年にはレスキュー損害保険(株)を設立、開業している。また、2020年に日本PCサービス<6025>の株式を取得し持分法適用関連会社(出資比率22.1%)としたほか、2021年9月には生活トラブルサービスを展開するアクトコール及びコールセンター運営事業を行う(株)TSUNAGUを簡易株式交換により完全子会社化した。直近では2022年2月に水回りトラブル解決サービスのパートナーの1社であったアクアライン<6173>の株式を追加取得して持分法適用関連会社(出資比率23.6%)とするなど、積極的なM&A・アライアンス戦略により業容を拡大している。2022年3月末時点で連結子会社は5社、持分法適用関連会社2社となっている。
なお、アクトコール及びTSUNAGUについては2022年10月1日付で同社が吸収合併する予定となっている。経営統合することで営業・管理・コールセンター業務の効率化を図ることで、グループ全体の収益性向上を図っていくことが狙いとなっている。また、2022年6月23日付でジャパンワランティサポートが東証グロース市場に上場する。株式上場の目的は、上場会社としての信用力がアップすることで、提携先企業の増加が期待できることに加えて、人材採用力、資金調達力の向上により事業成長スピードを加速していくことにある。同社の出資比率は2021年9月期末の100.0%から上場後は約52%に低下する見込みであり、非支配株主に帰属する当期純利益の増加につながるが、それ以上に株式上場することのメリット(=収益拡大)の方が大きいと判断した。株式上場後も連結対象子会社として株式を保有していく方針となっている。
2. 事業の内容
事業セグメントは、2022年9月期より現況に合わせて一部変更を実施している。従来は駆けつけ、会員、保険、リペア、ライフテックの5事業で区分していたが、ライフテック事業については2021年9月期に電力小売事業から撤退したことによりなくなり、新たに会員、保証、保険、駆けつけの4事業とその他(感染拡大防止事業等)に区分した。従来、会員事業に含めていた保証事業を独立開示したほか新規事業(感染拡大防止事業等)をその他に区分した。また、売上規模が小さく収益性に課題を抱えていたリペア事業を会員事業に統合し、会員事業のサービスの一部として提供することで、売上規模の拡大と収益性向上を進めることが狙いとなっている。特に、不動産分野では従来の賃貸市場だけでなく、新築市場にも展開していくことにしており、リペアサービスは提携先を拡大していくためのフック役になるものと期待している。なお、商業施設や飲食店向けのリペアサービスについては従来通り継続していく。
2022年9月期第2四半期累計の事業セグメント別売上構成比を見ると、会員事業が55.4%と全体の過半を占め、次いで保険事業が29.2%、保証事業が7.9%、駆けつけ事業が5.6%となっている。また、売上高のうち、会員や保険契約件数の積み上げ等によるストック型ビジネスの比率が全体の9割以上を占め、かつこれら事業は収益化しており、安定性の高い収益基盤を既に構築していることが同社の特徴であり強みとなっている。
(1) 会員事業
会員事業は、会員向けに生活トラブル全般の解決サービスを提供する事業で、会員は入会金や年会費等を事前に支払うことで、該当するトラブルが発生した時に一般料金よりも低価格、または無料でサービスを受けることができる仕組みとなっている。売上高の7割弱は会費収入となり、そのほか作業に要した部品代や特殊作業費等が含まれる。2022年3月末の契約件数は、2,330千件(アクトコール分640千件含む)と過去最高を更新している。
主力サービスは賃貸及び分譲住宅入居者向けの「安心入居サポート」で、同事業の会費収入の約52%を占めている(2022年9月期第2四半期累計)。サービスメニューとしては入居時の暮らし相談サポートや入居中の生活トラブルを解決・サポートするサービスがあり、不動産賃貸事業者等と販売代理店契約を結ぶことで契約件数を伸ばしている。会費は2年契約で約1.5万円となり、うち約6割が同社の収入で、約4割が代理店の販売手数料となる。売上計上方法は月分割方式となっているが、実際の資金の流れとしては契約時に2年分を一括して会員から徴収している。このため、貸借対照表上では残存期間分の対価について前受収益及び長期前受収益として計上されている。一方、代理店への手数料支払いについては契約月に一括して支払い、費用も同額分計上するため、契約ごとの損益で見ると会計上は開始1ヶ月目に損失を計上する格好となる。
同サービスに関しては契約更新率が3割台と低いことが課題であったが、継続率を高める施策として家賃の一部に会費を組み込む方式(サブスクリプション型)の導入に注力している。同方式であれば引越し等で退去しない限りは、契約が継続することになるためだ。サブスクリプション型の契約率は2016年9月期末時点で40%であったが、2021年9月期末時点では60%超となっている(アクトコール除く)。アクトコールでは同様のサービス「アクト安心ライフ24(1年版、2年版)」または「緊急サポート24(月額版)」を提供しており、料金もほぼ同水準となっている。同事業の会費収入の35%を占める(2022年9月期第2四半期累計)。アクトコールの商品については月額定額サービスや1年版(税込8,800円)が契約の大半を占めている。
その他の会員サービスとしては、全国大学生活協同組合連合会(以下、大学生協)と提携して販売している大学生向けの生活トラブル解決サービス「学生生活110番」(契約期間2年、4年、6年タイプがあり、4年契約タイプで税込9,450円、うち約7割が同社の収入)のほか、通信事業者と提携して販売しているライフサポートパックなどがある。
また、リペアサービスについては住宅メーカー等の提携先企業から戸建・マンション等の床面や壁の補修作業の依頼を受け、補修サービスを行っている。石材系から金属、木質系、水まわりも含めて幅広い修復に対応できることが強みとなっており、2019年以降は宿泊施設や店舗など非住宅系にも販路を広げてきた。今後は会員サービスのメニューの一つとすることで、規模の拡大と収益力の強化を図っていく方針となっている。
なお、会員事業では入会時に顧客から会費を徴収し、作業依頼を受けた場合は入会時の条件に基づいて、無料または割引価格でネットワーク店の手配を行っており、発生した作業代金または作業代金と割引価格との差額が同社の負担となる。このため自然災害の発生等により想定以上に作業件数が増加した場合は、同社の費用負担が重くなり収益性が低下するリスクがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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