注目トピックス 日本株
筑波精工 Research Memo(5):2022年3月期は74百万円の営業損失
配信日時:2022/06/13 16:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年3月期の業績概要
筑波精工<6596>の2022年3月期決算は、売上高は前期比10.7%増の215百万円、営業損失は74百万円(前期は90百万円の損失)、経常損失は73百万円(同86百万円の損失)、当期純損失は113百万円(同108百万円の損失)となった。
製品別売上高は、「ステージ」が64百万円(前期比50.2%減)、「Supporter」が30百万円(同171.0%増)、「その他」が121百万円(同120.6%増)であった。主力の「Supporter」の売上高は、前期比の伸び率は高いが当初の計画は下回った。その原因は、主要顧客の生産現場での立ち上がりが遅れたことに加え、2021年秋口から自動機用の部材(主に半導体等の電子部品)の納期遅延が発生したことで、予定していた「Supporter」吸脱着用の半自動機の売上が遅延したことにある。某大手顧客(アジア最大級の半導体ファンドリ)向けに2020年秋に研究開発用に「Supporter」を出荷したが、これは特に問題なく立ち上がった。それに伴い2021年に生産工程用の出荷を開始したが、顧客側で研究開発部門と生産部門との引継ぎがスムーズにいかず、生産部門での歩留まり率が上がらなかったことから、生産が一時的に停止となった。この原因は、顧客側のIGBT表面形状が特殊で、ウエハと「Supporter」の空隙に残留する大気が通常の数十倍発生し、吸着直後に真空環境に投入すると残留した大気が爆発的に空隙から排出する現象が起きたことである。顧客の協力を引き出しつつ当該事象の対策をするため半自動機の開発に数ヶ月を労し、「Supporter」の出荷(売上高)は当初計画に対して大幅に遅れた。その後、同社と顧客で改善を進め、現在ではこれらの問題は既に解決されており、予定の出荷が進んでいる。
「ステージ」の出荷遅れは、最大の顧客が商流変更を希望したことが主な原因であり、さらに一部で部材(半導体等)の調達が遅延したこともあり、「ステージ」の売上高は前期比で大幅減となった。「その他」は前期比で大きく伸びた。これは国内顧客向け各種応用製品を中心に地道な営業をかけた結果、顧客との対話増加による信頼獲得に成功したことで当初予算を超える受注が継続したためである。
自己資本比率は60.2%、手元の現金及び預金は434百万円で財務上は懸念なし
2. 財務状況
2022年3月期末の資産合計は前期末比105百万円減の527百万円となった。流動資産は同104百万円減の493百万円となった。主に現金及び預金の減少116百万円、受取手形及び売掛金の増加7百万円、たな卸資産の増加10百万円による。固定資産は、主に投資その他の資産の減少により、同0百万円減の34百万円となった。
流動負債は同11百万円増の60百万円となった。主に支払手形及び買掛金、電子記録債務の仕入債務の増加7百万円、前受金の増加2百万円などによるものである。固定負債は同3百万円減の149百万円となったが、主にリース債務の減少3百万円による。その結果、負債合計は同7百万円増の209百万円となった。
純資産合計は当期純損失の計上などによる利益剰余金の減少等により同113百万円減の317百万円となった。その結果、2022年3月期末の自己資本比率は60.2%(前期末68.1%)となった。また、過去の増資により現金及び預金は434百万円で、財務上は安定していると言える。
2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは67百万円の支出となった。主な収入は減損損失38百万円などがあり、一方で主な支出は税引前当期純損失111百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは40百万円の支出となった。主な支出は有形固定資産の取得による支出40百万円等であった。財務活動によるキャッシュ・フローは7百万円の支出となった。主な支出はリース債務の返済による支出7百万円等であった。
この結果、期中の現金及び現金同等物は116百万円減少し、期末の現金及び現金同等物残高は374百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
1. 2022年3月期の業績概要
筑波精工<6596>の2022年3月期決算は、売上高は前期比10.7%増の215百万円、営業損失は74百万円(前期は90百万円の損失)、経常損失は73百万円(同86百万円の損失)、当期純損失は113百万円(同108百万円の損失)となった。
製品別売上高は、「ステージ」が64百万円(前期比50.2%減)、「Supporter」が30百万円(同171.0%増)、「その他」が121百万円(同120.6%増)であった。主力の「Supporter」の売上高は、前期比の伸び率は高いが当初の計画は下回った。その原因は、主要顧客の生産現場での立ち上がりが遅れたことに加え、2021年秋口から自動機用の部材(主に半導体等の電子部品)の納期遅延が発生したことで、予定していた「Supporter」吸脱着用の半自動機の売上が遅延したことにある。某大手顧客(アジア最大級の半導体ファンドリ)向けに2020年秋に研究開発用に「Supporter」を出荷したが、これは特に問題なく立ち上がった。それに伴い2021年に生産工程用の出荷を開始したが、顧客側で研究開発部門と生産部門との引継ぎがスムーズにいかず、生産部門での歩留まり率が上がらなかったことから、生産が一時的に停止となった。この原因は、顧客側のIGBT表面形状が特殊で、ウエハと「Supporter」の空隙に残留する大気が通常の数十倍発生し、吸着直後に真空環境に投入すると残留した大気が爆発的に空隙から排出する現象が起きたことである。顧客の協力を引き出しつつ当該事象の対策をするため半自動機の開発に数ヶ月を労し、「Supporter」の出荷(売上高)は当初計画に対して大幅に遅れた。その後、同社と顧客で改善を進め、現在ではこれらの問題は既に解決されており、予定の出荷が進んでいる。
「ステージ」の出荷遅れは、最大の顧客が商流変更を希望したことが主な原因であり、さらに一部で部材(半導体等)の調達が遅延したこともあり、「ステージ」の売上高は前期比で大幅減となった。「その他」は前期比で大きく伸びた。これは国内顧客向け各種応用製品を中心に地道な営業をかけた結果、顧客との対話増加による信頼獲得に成功したことで当初予算を超える受注が継続したためである。
自己資本比率は60.2%、手元の現金及び預金は434百万円で財務上は懸念なし
2. 財務状況
2022年3月期末の資産合計は前期末比105百万円減の527百万円となった。流動資産は同104百万円減の493百万円となった。主に現金及び預金の減少116百万円、受取手形及び売掛金の増加7百万円、たな卸資産の増加10百万円による。固定資産は、主に投資その他の資産の減少により、同0百万円減の34百万円となった。
流動負債は同11百万円増の60百万円となった。主に支払手形及び買掛金、電子記録債務の仕入債務の増加7百万円、前受金の増加2百万円などによるものである。固定負債は同3百万円減の149百万円となったが、主にリース債務の減少3百万円による。その結果、負債合計は同7百万円増の209百万円となった。
純資産合計は当期純損失の計上などによる利益剰余金の減少等により同113百万円減の317百万円となった。その結果、2022年3月期末の自己資本比率は60.2%(前期末68.1%)となった。また、過去の増資により現金及び預金は434百万円で、財務上は安定していると言える。
2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは67百万円の支出となった。主な収入は減損損失38百万円などがあり、一方で主な支出は税引前当期純損失111百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは40百万円の支出となった。主な支出は有形固定資産の取得による支出40百万円等であった。財務活動によるキャッシュ・フローは7百万円の支出となった。主な支出はリース債務の返済による支出7百万円等であった。
この結果、期中の現金及び現金同等物は116百万円減少し、期末の現金及び現金同等物残高は374百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
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