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オープンドア Research Memo(5):2022年3月期は前期比増収、営業損失縮小
配信日時:2022/06/10 15:45
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年3月期の業績概要
オープンドア<3926>の2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の1,201百万円、営業損失が653百万円(前期は772百万円の損失)、経常損失が541百万円(同708百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が544百万円(同652百万円の損失)となった。新規感染者数が過去最多を更新するなど、前期と同様にコロナ禍の影響を受けたが、Go To トラベルキャンペーンの効果があった前期と比較し、増収・営業損失縮小で着地した。
2022年3月期の主要旅行業者の旅行取扱額の推移を見ると、2021年12月に新規感染者数が著しく減少したことで、旅行需要が増加したほか、控えられていた団体旅行が集中するなど、旅行市場に顕著な回復が見られた。しかしながら2022年1月以降にオミクロン株による感染が急拡大し、2月は新規感染者数が10万人を超え、過去最多を更新したことから、国内旅行需要は再び大きく減退することとなった。なお、3月以降については、新規感染者数が高い水準で推移しているものの減少傾向にあることから、旅行需要の回復が見込まれている。
費用については、おおむね前期と同程度となった。このうち、売上原価は前期比2.3%増の662百万円となった。内訳は、労務費が同1.7%減の453百万円、その他が同12.0%増の208百万円であった。一方、販管費は同4.3%減の1,193百万円となった。人件費は同1.2%増の786百万円と増加したものの、広告宣伝費が同19.0%減の78百万円となったことが押し下げ要因となった。広告宣伝費については、コロナ禍の影響を考慮し、引き続きテレビCMを抑制したことが減少要因となる。なお同社では、不確実な要素が多く業績の予測は困難だが、国内旅行需要は2022年末、海外旅行需要はコロナ禍による各国の出入国規制の緩和に伴い、国内旅行需要には遅れるものの2022年末に向けて徐々に回復すると予想している。このため、回復期の需要をすぐに取り込める体制整備を進めるとともに、エンジニアなどの人員を増強し開発力強化に注力している。
また、2022年3月期の取り組みとしては、旅行割引施策に関する情報の掲載など、新しい環境下における消費者のニーズへの対応を迅速に行ったほか、将来の旅行需要の回復を見据え、ユーザー利便性向上のための積極的なシステム開発など、100件以上の開発案件をリリースした。一例を挙げると、国内ダイナミックパッケージでは、特急・乗り継ぎ利用プランの掲載や複数社との連携拡大、国内ホテルではブロック割(県民割)情報の掲載、国内航空券では比較時の絞り込み機能強化とデザインリニューアル、海外航空券ではZIPAIR Tokyoとの新規連携開始及び空席料金精度の強化、トラベルコまとめでは各国のコロナ禍による入国制限など最新の海外渡航情報の掲載などを実施した。
自己資本比率94.6%と高水準を維持、無借金経営で現金及び預金は3,018百万円
2. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の資産合計は前期末比1,327百万円減少し5,368百万円となった。このうち流動資産は、現金及び預金が100百万円増加した一方、未収還付法人税等が461百万円減少したこと等により、同432百万円減の3,274百万円となった。固定資産は、海外オプショナルツアー専門の予約サイトを運営しているベルトラ<7048>株式取得の影響がなくなり投資有価証券が840百万円減少したこと等により、同895百万円減の2,094百万円となった。
負債合計は前期末比204百万円減少し280百万円となった。このうち流動負債は同53百万円増の171百万円、固定負債は繰延税金負債が257百万円減少したこと等により、同258百万円減の109百万円となった。純資産合計は同1,122百万円減少し5,087百万円となった。これは主に利益剰余金が544百万円、その他有価証券評価差額金が582百万円減少したこと等による。
経営指標を見ると、自己資本比率が94.6%(前期末は92.7%)と高い水準を維持しており、借入金はなく、現金及び預金も3,018百万円と潤沢にあることから財務の健全性は高いと判断される。足元の市場環境は依然として厳しいものの、広告宣伝費の削減を図った前期と同程度のコストとするなど、経営のスリム化を継続している。
3. キャッシュ・フロー計算書
2022年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比100百万円増加し3,018百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは117百万円の収入となった。これは主に、税金等調整前当期純損失541百万円、法人税等の還付額452百万円などによる。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出16百万円などにより17百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出により165千円の支出となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 2022年3月期の業績概要
オープンドア<3926>の2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の1,201百万円、営業損失が653百万円(前期は772百万円の損失)、経常損失が541百万円(同708百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が544百万円(同652百万円の損失)となった。新規感染者数が過去最多を更新するなど、前期と同様にコロナ禍の影響を受けたが、Go To トラベルキャンペーンの効果があった前期と比較し、増収・営業損失縮小で着地した。
2022年3月期の主要旅行業者の旅行取扱額の推移を見ると、2021年12月に新規感染者数が著しく減少したことで、旅行需要が増加したほか、控えられていた団体旅行が集中するなど、旅行市場に顕著な回復が見られた。しかしながら2022年1月以降にオミクロン株による感染が急拡大し、2月は新規感染者数が10万人を超え、過去最多を更新したことから、国内旅行需要は再び大きく減退することとなった。なお、3月以降については、新規感染者数が高い水準で推移しているものの減少傾向にあることから、旅行需要の回復が見込まれている。
費用については、おおむね前期と同程度となった。このうち、売上原価は前期比2.3%増の662百万円となった。内訳は、労務費が同1.7%減の453百万円、その他が同12.0%増の208百万円であった。一方、販管費は同4.3%減の1,193百万円となった。人件費は同1.2%増の786百万円と増加したものの、広告宣伝費が同19.0%減の78百万円となったことが押し下げ要因となった。広告宣伝費については、コロナ禍の影響を考慮し、引き続きテレビCMを抑制したことが減少要因となる。なお同社では、不確実な要素が多く業績の予測は困難だが、国内旅行需要は2022年末、海外旅行需要はコロナ禍による各国の出入国規制の緩和に伴い、国内旅行需要には遅れるものの2022年末に向けて徐々に回復すると予想している。このため、回復期の需要をすぐに取り込める体制整備を進めるとともに、エンジニアなどの人員を増強し開発力強化に注力している。
また、2022年3月期の取り組みとしては、旅行割引施策に関する情報の掲載など、新しい環境下における消費者のニーズへの対応を迅速に行ったほか、将来の旅行需要の回復を見据え、ユーザー利便性向上のための積極的なシステム開発など、100件以上の開発案件をリリースした。一例を挙げると、国内ダイナミックパッケージでは、特急・乗り継ぎ利用プランの掲載や複数社との連携拡大、国内ホテルではブロック割(県民割)情報の掲載、国内航空券では比較時の絞り込み機能強化とデザインリニューアル、海外航空券ではZIPAIR Tokyoとの新規連携開始及び空席料金精度の強化、トラベルコまとめでは各国のコロナ禍による入国制限など最新の海外渡航情報の掲載などを実施した。
自己資本比率94.6%と高水準を維持、無借金経営で現金及び預金は3,018百万円
2. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の資産合計は前期末比1,327百万円減少し5,368百万円となった。このうち流動資産は、現金及び預金が100百万円増加した一方、未収還付法人税等が461百万円減少したこと等により、同432百万円減の3,274百万円となった。固定資産は、海外オプショナルツアー専門の予約サイトを運営しているベルトラ<7048>株式取得の影響がなくなり投資有価証券が840百万円減少したこと等により、同895百万円減の2,094百万円となった。
負債合計は前期末比204百万円減少し280百万円となった。このうち流動負債は同53百万円増の171百万円、固定負債は繰延税金負債が257百万円減少したこと等により、同258百万円減の109百万円となった。純資産合計は同1,122百万円減少し5,087百万円となった。これは主に利益剰余金が544百万円、その他有価証券評価差額金が582百万円減少したこと等による。
経営指標を見ると、自己資本比率が94.6%(前期末は92.7%)と高い水準を維持しており、借入金はなく、現金及び預金も3,018百万円と潤沢にあることから財務の健全性は高いと判断される。足元の市場環境は依然として厳しいものの、広告宣伝費の削減を図った前期と同程度のコストとするなど、経営のスリム化を継続している。
3. キャッシュ・フロー計算書
2022年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比100百万円増加し3,018百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは117百万円の収入となった。これは主に、税金等調整前当期純損失541百万円、法人税等の還付額452百万円などによる。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出16百万円などにより17百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出により165千円の支出となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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