注目トピックス 日本株
オプティム---AI活用の契約書管理サービス「OPTiM Contract」をNECより販売開始
配信日時:2022/01/26 14:45
配信元:FISCO
オプティム<3694>は25日、電子帳簿保存法の改正により電子保管のニーズが高まる中、オプティムが提供するAIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」を、日本電気<6701>(NEC)より販売開始したことを発表。
「OPTiM Contract」は契約書管理の効率化を実現するサービス。AI・IoTプラットフォームサービス「OPTiM Cloud IoT OS」を基盤として、安心安全な環境下での契約書管理が可能。具体的には、登録された契約書をAIが解析し、タイトルや企業名、有効期間などを自動抽出。柔軟な検索機能を搭載し、ユーザーが検索したい文言を入力するだけで、探している契約書をすぐに見つけることができ、さらに、自動抽出された有効期間を基に契約更新日をユーザーに通知することで、契約更新漏れによる、経済的な損失を防ぐことができるとしている。
同社は、契約書管理だけでなく電子契約やワークフローなど紙に纏わる業務課題を解決できるソリューションを取り揃え、ドキュメントDXを実現していく。
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「OPTiM Contract」は契約書管理の効率化を実現するサービス。AI・IoTプラットフォームサービス「OPTiM Cloud IoT OS」を基盤として、安心安全な環境下での契約書管理が可能。具体的には、登録された契約書をAIが解析し、タイトルや企業名、有効期間などを自動抽出。柔軟な検索機能を搭載し、ユーザーが検索したい文言を入力するだけで、探している契約書をすぐに見つけることができ、さらに、自動抽出された有効期間を基に契約更新日をユーザーに通知することで、契約更新漏れによる、経済的な損失を防ぐことができるとしている。
同社は、契約書管理だけでなく電子契約やワークフローなど紙に纏わる業務課題を解決できるソリューションを取り揃え、ドキュメントDXを実現していく。
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富士紡HD Research Memo(11):2026年3月期は20円増配の年間配当金150円を予定
*12:11JST 富士紡HD Research Memo(11):2026年3月期は20円増配の年間配当金150円を予定
■富士紡ホールディングス<3104>の株主還元策株主還元の基本姿勢を明確にし、利益還元のさらなる充実を図るために、2026年3月期より、配当に関する定量的な目標水準として、配当性向35%及び株主資本配当率(DOE)3.5%を下限とすることを明示している。特に、DOE3.5%を下限とすることで、資本コストを意識した財務運営に取り組んでいる。配当性向35%とは裏を返せば、成長投資に65%配分することである。利益のうち35%は株主に還元するが65%は成長投資に回し中長期的な企業価値を高めて、株主に還元するという考え方で、研磨材事業、化学工業品事業の成長投資に振り向ける内部留保を確保している。もちろん、成長を期待しつつも安定的な配当も重要視するものであり、その目安としてDOE3.5%を下限としている。「安定配当の継続」については、過去17年間配当の増配・維持を継続しており、今後もこれを継続していく予定である。減益決算となった2024年3月期も年間配当110円を維持、好業績となった2025年3月期は20円増配の130円を実施し、2026年3月期には20円増配、年間配当150円(中間配当金75円、期末配当金75円)を予定している。また期中に自己株式の5億円取得を実施予定だ。■ESGへの取り組み2024年9月、初めて「統合報告書2024」を発行した。この統合報告書は、同社の強み、成長戦略、サステナビリティ経営への取り組みを紹介することで、すべてのステークホルダーに、持続可能な社会の実現に向けた同社の取り組みと、中長期的な企業価値向上への考え方を伝えることを目的としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:11
注目トピックス 日本株
富士紡HD Research Memo(10):「資本コスト株価を意識した経営」の実現に向けた取り組みを推進
*12:10JST 富士紡HD Research Memo(10):「資本コスト株価を意識した経営」の実現に向けた取り組みを推進
■中期経営計画4. 資本効率の目標と実績富士紡ホールディングス<3104>の中期経営計画「増強21-25」では、「資本効率重視」経営を掲げ、資本コスト(日本企業はおおむね8%)を意識し最終年度目標として、営業利益率16.7%、ROE・ROIC10%以上を設定した。ところが中期経営計画の2年目と3年目は、半導体不況の影響を受け、目標はすべて未達だった。2025年3月期は半導体市場が緩やかな回復基調に転じたことで、収益も回復しROE・ROICが改善した。さらに、2025年3月期のPBR(株価純資産倍率)は、業績回復と配当増、情報開示充実により1倍(過去5年平均1.08)を維持した。これは東京証券取引所のプライム市場向け「PBR改善要請(PBR1倍以上)」をクリアしている。2026年3月期は中期経営計画の最終年度にあたり、資本コストを前提にしたROE・ROIC目標10%達成に向けて、さらにもう一段の利益増への取り組みとバランスシートコントロールの強化、加えてPBRのさらなる向上を図る。5. 「資本コストや株価を意識した経営」の実現同社では「資本コストや株価を意識した経営」の実現について、“PBR向上=ROE・ROIC改善×PER向上”と定義し、1) 成長投資の推進、2) ROIC経営の実践、3) 情報開示の強化、4) 株主還元を重視の4つの視点で取り組んでいる。資本効率重視の経営の肝となるのは、成長投資の推進である。特に、研磨材・化学工業品における能力増強・研究開発投資の実行が重要だ。最先端半導体分野で研磨材(ソフトパッド)の開発競争で勝ち残っていくためには高水準の研究開発投資を継続し、迅速な投資回収と次の成長投資につなげる、という“キャッシュ・フロー循環”を確立することが肝要であると弊社では考えている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:10
注目トピックス 日本株
富士紡HD Research Memo(9):次期中期経営計画期間中に、売上高600億円、営業利益100億円の達成目指す
*12:09JST 富士紡HD Research Memo(9):次期中期経営計画期間中に、売上高600億円、営業利益100億円の達成目指す
■中期経営計画1. 富士紡ホールディングス<3104>の中期経営計画「増強21-25」の全体像2021年4月にスタートして4年目を迎えた中期経営計画「増強21-25」の前半(2021〜2023年)は、高収益体質への転換と種まき時期と位置付けた。また、2024年からの後半(2024〜2025年)は2025年のあるべき姿の実現に向け、“非連続的成長”を達成すべく、盤石な準備を行うことが喫緊の課題である。最大のキーポイントは研磨材や化学工業品を扱う中核事業のさらなる拡大のための「設備投資や研究開発投資」の適時適正な実行だ。大型設備投資の場合、発注してから稼働まで2年のタイムラグがあり、早期の意思決定が重要となるので今後も注視したい。半導体業界の足元はシリコンサイクルによる需給変動はあるものの、これは循環的要素であり構造的には高成長を持続するので、同社も先行的に設備投資を進めている。事業を拡大するためには、設備投資やM&A、アライアンスといったハード面の増強は不可欠であるが、ソフト面とのバランスも重要であり、優秀な人材(特に研究開発に携わる人材)を確保し、その能力を存分に発揮できる環境をいかに整えるかが喫緊の課題である。2. 経営目標と計画数値同社は、中期経営計画「増強21-25」の全体方針である稼ぐ力の増強を図り、収益性を向上させる(“利益あっての社会貢献”)としており、経営目標は2026年3月期の営業利益100億円(営業利益率16.7%)の実現を目指している。これは、2021年3月期の営業利益52億円の約2倍とチャレンジングな目標であり、同計画期間内の“非連続の事業拡大”が求められる数値である。この目標実現のために、2026年3月期の売上高目標は、2021年3月期比1.6倍の600億円を掲げている。中期経営計画「増強21-25」は順調にスタートをきったが、2023年3月期下期から2024年3月期上期にかけて直撃した半導体不況により、研磨材事業が大幅に落ち込み、同社の成長力にブレーキがかかった。2025年3月期は業績が回復傾向にあるものの、中期経営計画の最終年度となる2026年3月期の目標達成は困難と見ており、次期中期経営計画期間のできるだけ早期に、売上高600億円、営業利益100億円の目標達成を目指す。そのための基盤として、2026年3月期は、研磨材と化学工業品の2大中核事業への継続投資と事業拡大を推進する重要な期間と位置付けている。(1) 事業ポートフォリオと事業セグメント別主要施策の取り組み状況各事業セグメントの主要戦略・施策は、順調に進捗し、おおむね成果を上げた。(2) 投資実績と計画オーガニックグロース(自律的成長)を前提に、能力増強・研究開発強化を進めている。特に、研磨材事業における最先端領域強化のための研究開発投資を最重要視し、中期経営計画「増強21-25」の成長投資枠(250~300億円)の範囲内で投資を実施する。また、化学工業品事業では機能性材料が中長期的に受注拡大が見込まれていることから、2026年4月稼働に向けて柳井本社工場に新プラント設備を建設中である。なお、M&Aについては適切な案件がないため、成長投資250億円~300億円は研磨材や化学工業品領域で成長が見込めるオーガニックグロース領域に振り向けている。3. 「総合研磨材トップメーカー」を目指す同社は半導体の研磨材メーカーとして、ソフトパッド分野でトップシェアの地位を築いてきた。一方、市場規模がソフトパッドの10倍以上とも言われるハードパッド分野にも一部製品を取り扱っている。現状、同社のハードパッドはCMP用途でシェア数%に留まっているが、今後はソフトパッドとハードパッドの両方を提供し、半導体精密研磨材のトータルサプライヤーを目指す。また、同社では半導体以外の分野における新規研磨材の探索・開発にも注力している。市場投入にはもうしばらく時間を要する見込みだが、2026年3月期以降に新製品を本格的に市場投入する予定である。半導体を中心とした研磨材分野では、主力のソフトパッドをさらに拡充するとともに、戦略製品であるハードパッドの普及拡大にも注力し、加えて半導体以外の分野での新規研磨材開発を推進する。これらにより、「総合研磨材メーカーとして、グローバルニッチナンバーワン」を目指す。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:09
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富士紡HD Research Memo(8):2026年3月期は不透明感はあるものの、引き続き増収増益を見込む(2)
*12:08JST 富士紡HD Research Memo(8):2026年3月期は不透明感はあるものの、引き続き増収増益を見込む(2)
■今後の見通し2. セグメント別業績見通し(1) 研磨材事業売上高20,700百万円(前期比7.2%増)、営業利益5,150百万円(同8.9%増、営業利益率24.9%)を予想している。研磨材事業の主軸となるCMP用途やシリコンウエハー用途では先端半導体向けを中心に2026年3月期も好調に推移するものと予想している。特に、富士紡ホールディングス<3104>の研磨材(ソフトパッド)は、ロジック半導体製造プロセスにおいて高いシェアを占めており、生成AIやIoT分野で使用されるロジック半導体の高成長が受注拡大をけん引している。また、シリコンウエハー用途でも、ソフトパッドが使われており、ロジック系半導体需要の拡大とともに受注拡大が期待できる。ハードディスク用途も、AI関連でデータセンターの建設ラッシュを背景に、ニアラインHDD(Nearline HDD)と呼ばれるデータ保存用ハードディスクドライブの需要が急増しており、売上高拡大が予想されている。液晶ガラス用途は、海外向け需要がガラス基板メーカーやパネル加工メーカーの稼働好調により回復基調になると見ている。次世代パワー半導体分野はEVの需要鈍化やFA向けの投資減退、中国の景気悪化などの要因によりSiCウエハー用途は在庫調整段階にあるが、中長期的には需要も徐々に回復していくものと予想している。また、スマートフォンやPC向け半導体デバイスでは、微細化及び高精細化プロセスが求められるため、同社のソフトパッドが使用されている。スマートフォンやPC関連市場はこれ以上の悪化は見込まれないものの、直ちに回復する兆しは見られない。しかし、同社としては今後の市場回復や売上増加の余地に期待している。新用途市場として、「半導体の微細化と積層化」を見込んでいる。メモリー半導体分野においては、AI向けHBM用途などで同社のソフトパッド需要につながる可能性がある。既にNANDフラッシュメモリ分野中心にソフトパッドが使われ始めており、今後の業績への貢献が期待できる。(2) 化学工業品事業売上高15,000百万円(前期比11.3%増)、営業利益1,300百万円(同6.8%増、営業利益率8.7%)を予想している。化学業界全体の需要回復や半導体関連を中心とした電子材料は引き続き堅調に推移すると見込んでいる。2021年より大手化学メーカーと新しい素材開発・試作を進めてきたが、既に一部量産化がスタートしており、新規顧客や新規受注獲得に注力する。さらに、機能性材料は中長期的に受注拡大が見込まれることから、国内2工場(柳井工場、武生工場)の連携強化を一層進め、2026年4月からの稼働に向けて強い需要が見込まれる製品に係わる新プラント設備の建設も進行中である。本案件は、2027年3月期の売上高・営業利益への貢献が見込まれ、さらに次期中期経営計画の化学工業品事業における収益拡大基盤となる。(3) 生活衣料事業売上高7,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益500百万円(同14.7%減、営業利益率7.1%)を予想している。繊維製品は、円安の進行により物価水準が高止まり、厳しい状況が続いているが、主力品「B.V.D.」はECサイトやSNSなど多様なメディアを活用し、認知度を高めることで商品の販売力向上を図る。また、高級肌着「アングル」も海外向けが好調であり、さらなる販路拡大に取り組む。EC販売を積極的に拡大することで実店舗での売上減少をカバーしていく。繊維素材については、事業の一部を休止し、経営資源を研磨材事業へ選択集中する計画である。(4) その他(化成品)事業売上高3,500百万円(前期比10.7%増)、営業利益50百万円(前期は57百万円の損失)を予想している。化成品部門では、医療機器用途向けのさらなる需要拡大に対応し、新工場立ち上げや統合で新たな生産体制の整備を進める。また、金型部門は当面厳しい状況が続くが、2026年3月期には自動車用金型の業績改善を見込み、事務機器用金型も利益を確保できる体制を整える予定だ。また、事業環境が変化するなか研究開発の重要性が高まっており、中長期的な視野で次世代事業の開発を推進している。3. 設備投資と研究開発費の見通し(1) 設備投資2026年3月期の設備投資額は8,230百万円(前期比2,085百万円増)の計画である。主な大型投資テーマは、研磨材事業における「台湾の研究開発施設の建設」、化学工業品事業における「機能性材料の新プラント建設」、化成品事業における「新工場建設」とそれに付随する研究開発、能力増強並びに省力化投資などだ。(2) 研磨材事業の研究開発投資2026年3月期の研磨材事業の研究投資額は、1,620百万円とほぼ前期並み(前期は1,666百万円)を予定しており、特に、台湾研究開発センターへの研究開発投資は継続実施する。半導体の微細化は、2030年頃にオングストローム時代(2nm世代から0.3nm世代へ)を迎えようとしている。顧客からの要求水準がますます厳しくなるが、同社の研磨材ソフトパッドは確実にキャッチアップできている。今後も、微細化対応への研究開発投資を継続実施できれば、研磨材事業の“未来は明るい”と同社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:08
注目トピックス 日本株
富士紡HD Research Memo(7):2026年3月期は不透明感はあるものの、引き続き増収増益を見込む(1)
*12:07JST 富士紡HD Research Memo(7):2026年3月期は不透明感はあるものの、引き続き増収増益を見込む(1)
■今後の見通し1. 2026年3月期の業績見通し富士紡ホールディングス<3104>の2026年3月期の連結業績は、売上高が46,200百万円(前期比7.7%増)、営業利益が7,000百万円(同8.1%増)、経常利益が7,200百万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,700百万円(同5.0%増)と、引き続き増収増益を見込んでいる。世界の半導体市場は2025年には過去最高の7,009億米ドルとなり2ケタ成長が見込まれている。なかでも、生成AIにけん引された最先端ロジックやメモリー半導体の需要拡大とさらなる成長が続くものと期待されている。一方、EVやスマートフォン向け半導体需要の低調が続くが、データセンター向けの持続的な投資が半導体需要の全体を押し上げる要因となっている。こうした状況を踏まえ、同社では、最先端半導体関連企業が集積する台湾に研究開発センター(2026年秋以降稼働予定)を設立し、顧客ニーズにきめ細かく対応するとともに、高性能・高品質の研磨材の開発とCMP用途拡大を図る。米国の関税政策の影響については、同社の研磨材は米国向け輸出がごく一部であることから業績予想に織り込んでいない。一方、半導体デバイスから情報通信機器までのバリューチェーン全体で中華圏から米国へ輸出される製品需給にどう影響を与えるかは不透明であり、今後の需給リスクには注視が必要である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:07
注目トピックス 日本株
富士紡HD Research Memo(6):成長戦略を推進するうえでの健全な財務体質は盤石
*12:06JST 富士紡HD Research Memo(6):成長戦略を推進するうえでの健全な財務体質は盤石
■業績動向3. 財務状況と経営指標(1) 財務状況富士紡ホールディングス<3104>の2025年3月期末の財務状況は、資産合計が前期末比4,096百万円増加の66,608百万円となった。これは現金及び預金が減少したが売上債権が増加したためである。また、固定資産は同2,733百万円増加の41,556百万円となった。これは研磨材事業や化学工業品事業における設備投資により有形固定資産が増加したことなどによる。負債合計は同609百万円増加の19,148百万円となった。流動負債は同742百万円増加の12,499百万円、固定負債は同132百万円減少の6,649百万円となった。これは、長短借入金のほか設備関係支払手形などのその他流動負債が減少した一方で、仕入債務や未払法人税等が増加したことなどによる。純資産合計は同3,486百万円増加し、47,460百万円となった。これは、剰余金の配当による減少が1,304百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が4,477百万円あったことなどによる。(2) 経営指標短期借入金の返済効果により有利子負債は471百万円まで減少し財務状況が改善され、財務の健全性指標である流動比率200.4%、自己資本比率71.3%、有利子負債比率1.0%と、財務体質は強固であり、中長期的な成長戦略を推進するうえでの経営基盤は盤石であると言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:06
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富士紡HD Research Memo(5):2025年3月期は売上高・各利益ともに大幅増
*12:05JST 富士紡HD Research Memo(5):2025年3月期は売上高・各利益ともに大幅増
■業績動向1. 2025年3月期の業績概要富士紡ホールディングス<3104>は中期経営計画「増強21-25」において、中期経営計画1年目は順調なスタートを切ったが、2年目の2023年3月期下期から2024年3月期上期にかけて、“史上最悪級”の半導体不況が直撃し、半導体関連材料の研磨材を扱う事業を中核とする同社も深刻な受注減に陥った。しかし、4年目の2025年3月期は、生成AIなどの先端半導体がけん引役となり半導体需要は回復局面に転じ、研磨材事業も急速に回復・拡大し、同時に化学工業品事業も市況悪化が底を打ち回復傾向となり、中期経営計画期間中では最高の業績(売上高・営業利益)を達成した。2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比18.8%増の42,912百万円、営業利益が同129.8%増の6,476百万円、経常利益が同103.7%増の6,675百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同111.4%増の4,477百万円と、売上高・各利益ともに大幅増となった。また、同社が2025年1月31日に公表した上方修正計画(売上高44,300百万円、営業利益6,400百万円、経常利益6,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,300百万円)との比較では、売上高で3.1%減、営業利益で1.2%増、経常利益で1.1%増、親会社株主に帰属する当期純利益で4.1%増と、各利益で計画値を上回った。利益が大きく上昇した要因として、半導体需要の回復による研磨材事業の大幅な受注増及び化学工業品事業の業績回復が挙げられる。また、研磨材事業は限界利益率が高く、受注数量が増大すればするほど利益が増幅する高収益構造であり、営業利益は6,476百万円となった。これは2017年3月期の最高益6,816百万円に迫る勢いである。四半期業績については、第4四半期(1〜3月)の売上高はその他四半期比で減少する傾向にある。これは、研磨材事業と生活衣料事業の季節変動特性による。研磨材事業では、顧客企業の多くが中華圏にあり、春節(旧正月)を見越して第3四半期(10〜12月)に生産を集中させる傾向にある。そのため、年末商戦をもって生産が一段落し、第4四半期は稼働が下がる傾向にある。また、生活衣料事業においては冬物肌着の需要が12月にピークを迎え、その後第4四半期には需要が減少する。したがって、繁忙期(第3四半期)と閑散期(第4四半期)を平準化して業績評価すべきである。2. セグメント別業績概要(1) 研磨材事業主力の超精密加工用研磨材は、半導体デバイス向けのCMP用途は大幅な受注増となった。CMP用途では、生成AIブームを背景にHBMなどのメモリや最先端ロジック系半導体の需要の急増とそれに伴う一部ユーザーの在庫水準の引き上げにより受注が増加し、売上高が前期比50%増加した。CMP用途は微細化や高精細化と生成AIなど最先端半導体向け研磨材(ソフトパッド)であり、高付加価値製品として収益貢献した。シリコンウエハー用途では、汎用品用途の需要は低調であるものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保したことに加え、海外市場での需要が高まり、売上高が同50%増加した。また、汎用品用途のウエハーはまだ需要回復していないが、早晩需要回復するものと思われる。液晶ガラス用途は2025年3月期下期からTV需要の増加によってパネルの消費も進み、売上高も前期比26%増加した。ハードディスク用途もデータセンター向けハードディスク需要が戻りつつあり、売上高が同57%増加した。一方、SiCウエハー用途の受注は依然として厳しい状況が続いている。これは、電気自動車(EV)や太陽光関連の需要が停滞しているためであり、市場ではSiCウエハーが供給過剰となって在庫調整が進んでいないことに起因する。次世代パワー半導体(SiCウエハー)は成長が期待される分野であり、いずれ回復が見込まれるものの、当面は厳しい状況が続くと考えられる。この結果、売上高は前期比43.9%増の19,307百万円、営業利益は同334.8%増の4,729百万円(営業利益率24.5%)の増収増益となった。(2) 化学工業品事業農薬関連で世界的な在庫調整が継続しているものの、半導体を含む電子材料市場の緩やかな拡大と在庫調整の一巡により需要が回復し、一部の機能性材料を中心に受注が堅調に推移した。これまで得意先(大手化学メーカー)からの処方・レシピや要求仕様に基づき、新製品の試作品作りに注力してきたが、2024年前半より新製品の一部量産化が進められ、工場の稼働率アップと受注増に貢献した。また、原材料・エネルギー価格高騰による製品コスト上昇部分については、2023年4月から随時価格転嫁を進めてきたが、おおむね改定後の価格に置き代わり収益改善効果が得られた。この結果、売上高は前期比7.6%増の13,474百万円、営業利益は同37.0%増の1,217百万円(営業利益率9.0%)の増収増益となった。(3) 生活衣料事業生活衣料事業の直近5年間の売上高は約70億円前後で推移しているが、売上・利益構造は徐々に変化が見られる。主力ブランドであるB.V.D.(インナーウエア)への依存度が高まり、全体売上の7割以上を占める一方で、量販店での販売は漸減傾向にある。代わりにEC販売は増加傾向にある。また、B.V.D.以外で高級肌着「アングル」は、Made in Japanを掲げ、アジアの富裕層に人気が高く、徐々に存在感を増している。利益・コスト面では、円安の進行に伴う原材料や資材の価格高騰が続いているため利益率が低下した。この結果、売上高は前期比0.2%増の6,967百万円、営業利益は同25.0%減の586百万円(営業利益率8.4%)の増収減益となった。同社は繊維事業領域で営業利益率8%を上げている稀有な存在である。また、同社にとっては創業事業でもあり、引き続き、構造改革を進め利益率の向上を図る。(4) その他(化成品)事業化成品部門においては、医療機器用部品及びデジタルカメラ用部品の受注が堅調に推移し、前期比で増収となった。一方、金型部門では、自動車用金型の受注環境は自動車メーカーの品質不正問題などにより依然として厳しい。また、事務機器用金型は前期の受注が予想以上に好調であった反動により受注が落ち込んでいる。この結果、売上高は前期比1.8%減の3,162百万円、営業損失は57百万円(前期は59百万円の利益)の減収減益となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:05
注目トピックス 日本株
富士紡HD Research Memo(4):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ(2)
*12:04JST 富士紡HD Research Memo(4):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ(2)
■会社概要3. 特長と強み(1) 顧客に選ばれるニッチナンバーワン富士紡ホールディングス<3104>の中期経営計画「増強21-25」のあるべき姿の「顧客に選ばれるニッチナンバーワン」が特長及び強みである。「ニッチナンバーワン」には2つの意味があり、1つは一般に使われる「事業領域でのニッチポジション」、もう1つは「顧客のニーズにきめ細かく対応することで高いシェアを獲得するという意味でのニッチ」と称している。研磨材事業では、欧米トップシェア企業のデファクトスタンダード(標準化)戦略に対して、同社は独自開発のソフトパッドにより“小さな池で大きな魚になる”ことに成功している。また、化学工業品事業でも、大手化学メーカーが自社生産しない小ロット品の中間体製品の受託生産で「ニッチナンバーワン」ポジションを築いている。(2) 利益重視同社は、「売上規模は追求しない。利益重視」を徹底している。この背景には、2006年から始まった「事業構造改革」を実践した経験が生かされている。実際に、旧 繊維事業は2006年には売上高500億円からリーマンショックの2008年には300億円まで縮小した。その間、合理化と構造改革を推進し、複数の工場を閉鎖して赤字体質から脱却した。今では営業利益率10%台(2023年3月期下期から2024年3月期上期までの半導体不況期は除く)を達成し、高収益事業へ見事変身した。このストーリーを経営層や現場の幹部が体現しているので、新しい経営体制への移行後も、経営の軸はブレないと弊社では見ている。(3) 繊維技術から派生した技術を応用レーヨン技術の延長線上でフィルム加工技術や不織布技術へと発展してきた同社の技術は、元々繊維関連がベースである。研磨材(ソフトパッド)は、高分子材料加工技術(ポリウレタン樹脂)、フィルム加工技術を活用したものである。一方、化学工業品もレーヨン材料(二硫化炭素)の製造工場から発展したものである。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:04
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富士紡HD Research Memo(3):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ(1)
*12:03JST 富士紡HD Research Memo(3):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ(1)
■会社概要2. 事業概要(1) 事業構造改革富士紡ホールディングス<3104>の2006年から始まった「事業構造改革」では、繊維事業比率を下げ、非繊維分野(研磨材、化学工業品など)を拡大してきた。繊維事業の売上高比率は19年前(2006年)には5割以上あったが、リーマンショックが起きた2008年には繊維事業分野と非繊維事業分野の売上高が逆転し、2023年では繊維事業比率は2割を切るに至った。事業構造の変革が進むなか、国内で糸を紡ぐ(紡績)工場はすべて閉鎖し、タイ工場へシフトした。(2) 事業概要主力事業は研磨材事業と化学工業品事業、準主力事業として生活衣料(B.V.D.など)事業が位置付けられ、この3つが中核事業である。売上構成比は研磨材事業が4割強、化学工業品事業が約3割、生活衣料事業が2割弱で、その他事業の中の化成品(樹脂金型)事業を“第4の柱”とすべく育成を図っている。(a) 研磨材事業研磨材にはソフトパッドとハードパッドを中心に、その中間の不織布パッドと3タイプがあり、同社は半導体向けでは主にソフトパッドを供給している。ハードとソフトで市場が棲み分けられており、ソフトパッド分野では同社はトップシェアを獲得している。半導体の微細化が進展すると、研磨プロセスの難易度が高まり、精緻化技術がキーとなるためソフトパッドの重要性が高まるが、同社のソフトパッドは顧客(半導体メーカー&ファウンドリー)から高く評価されている。今後、半導体の微細化・積層化の進展とともに、研磨材には平坦化が求められ、同社のソフトパッドにとってはますます追い風になると弊社では見ている。同事業における同社の強みは、半導体メーカーからの高い要求に対して製販技一体できめ細かく対応し、エンドユーザーと研究開発部門が共同で作り込みを行えることにある。加えて、自社内で研磨材試作品を評価し、評価データとともにサンプル品の適時提供と報告が可能である。また、5工場体制で生産能力強化と生産リスクへ的確な対応が可能であり※、研磨技術に関わる特許の確保と活用戦略(知的財産室)を保有していることも強みとしている。※ 主力工場は愛媛県の壬生川工場、小山工場、小坂井工場、大分工場(2020年竣工)、及び台湾工場(2017年竣工)。半導体の用途市場は現在ロジック分野が主流であるが、今後はメモリー分野でも積層化が進みソフトパッドのニーズの顕在化が見込まれるため、顧客は世界の主要半導体メーカー(ファウンドリーを含む)に及ぶと見られる。競合最大手の欧米メーカーが市場で大きなシェアを持ち、トップリーダーとして、デファクトスタンダード(標準化)戦略で商品のラインナップが豊富だが、同社の競争戦略は小回りを利かせた顧客ニーズにカスタマイズされた商品開発と改良であり、ニッチ市場を深耕している。ニッチ市場ではプレイヤーが少なく、高付加価値商品を提供しているため、結果的に高収益体質に寄与している。(b) 化学工業品事業同社子会社の柳井化学工業は、大手化学品メーカーなどから機能性材料、農薬、医薬品の中間体製品※の受託生産を行っており、中間体受託生産で“色が付いていない”独立系企業では国内専業トップクラスである。大手化学品メーカーは大ロット品なら自社生産するが、小ロット品の場合は外注するのが一般的であり、同社はQCD(高品質・低コスト・短納期)で作り込む受託生産企業として高く評価されている。※ 目的とする化学反応の途中に生じる化合物及び化学工業において製品に至る前の段階の生成物を指す。同社は中間体製品の受託生産企業であり、化学業界では黒子の役割であるが、全国津々浦々から口コミで同社へ受託生産の依頼が後を絶たず、国内2工場(柳井工場、武生工場)ともに高い稼働状態が続いている。同社の事業ポートフォリオでは研磨材事業が高収益事業として目立っているが、化学工業品事業は隠れた高収益事業である。継続的に設備投資を実施しているため、営業利益率は9%台であるが、EBITDAベースで減価償却費を加えるとさらに高水準の収益を確保している。同事業における同社の強みとしては、「同社でしか作れない中間体製品を有する」「Lab~試作~量産まで一気通貫の生産体制を構築している」「国内大手化学メーカーからの厚い信頼」「景気の波を受けにくい多種多様な製品・市場構造」「生産能力強化と生産リスクへ的確に対応できる2工場体制」が挙げられる。(c) 生活衣料事業(旧 繊維事業)B.V.D.を中心に高品質なアンダーウエアの製造・販売を行っている。B.V.D.とアングルの2ブランドで生活衣料事業売上高の75%を占める。採算性の高い製品への絞り込みにより、今では営業利益率8.4%を達成している。特に、Eコマース販売(ネット販売)の強化により、新規顧客開拓と顧客ニーズにきめ細かく対応している。Eコマース販売は2005年からスタートし、2017年の中期経営計画からさらに注力して取り組んでいる。同社の子会社アングル(株)(旧 アングル・ミユキ(株))は2012年に東洋紡<3101>から買収した。元々、百貨店中心の高級インナーウエアを販売していたが、百貨店販売の不振が続いたため、積み上がった在庫を解消すべく、百貨店販売を縮小しEコマース販売へシフトした格好だ。2020年に(株)フジボウアパレルとアングルが合併し、Eコマース販売を加速化している。アングル製品は、高級質感の「アサメリー」、「エアメリー」を中心に高品質な日本製が評価され、海外向け販売が好調に推移している。同事業は最盛期には売上高が数百億円規模であったが、その後長期的な繊維不況に陥り、不採算製品の縮小・撤退や在庫縮減など地道な合理化活動を進め、利益が出る体質になった。今では売上高の規模は縮小したものの、ビジネスモデルをEコマースへ転換することで高効率販売と低コスト構造を実現し、高収益体質の事業転換に成功した。縫製工場はタイ工場に集約、国内や中国の縫製工場はすべて撤退して身軽になった。コアコンピタンスも、従来のモノづくりからマーケティング、商品企画、ブランディングなどにシフトし、リソース(ヒト、モノ、カネ、情報)も大きく入れ替えた。(d) その他(化成品)事業同社の化成品事業は、精密機械・医療分野で高評価される射出成形技術で成形加工の事業を展開してきた。2018年に樹脂金型の(株)東京金型を子会社化したことで、上流(金型の設計・製造)と下流(射出成形)の一気通貫プロセスが実現し、顧客にとっての選択肢が広がった。東京金型は自動車Tier1(自動車部品)との取引があり、同社の新しい取引先拡大に貢献している。また、2022年には(株)IPMを買収した。精密小型金型分野での金型の幅広いラインナップ化と金型・射出成形品を合わせた提案強化ができるようになり、顧客の多様なニーズに応えている。化成品金型市場は、不採算金型企業と競争力のある高収益金型企業に二極化する傾向があるが、東京金型やIPMは後者の高収益金型企業である。ちなみに、東京金型は、精度、価格、納期、品質面で自動車業界向けに競争力と知名度があり、顧客から厚い信頼を得ている。射出成形事業(従来の社内ビジネス)と樹脂金型事業(東京金型、IPMの買収事業)は事業シナジーが強く、今後、同社の戦略事業と位置付け、“第4の柱”とすべく育成を図っている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2025/06/20 12:03
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