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富士紡HD Research Memo(9):次期中期経営計画期間中に、売上高600億円、営業利益100億円の達成目指す
配信日時:2025/06/20 12:09
配信元:FISCO
*12:09JST 富士紡HD Research Memo(9):次期中期経営計画期間中に、売上高600億円、営業利益100億円の達成目指す
■中期経営計画
1. 富士紡ホールディングス<3104>の中期経営計画「増強21-25」の全体像
2021年4月にスタートして4年目を迎えた中期経営計画「増強21-25」の前半(2021〜2023年)は、高収益体質への転換と種まき時期と位置付けた。また、2024年からの後半(2024〜2025年)は2025年のあるべき姿の実現に向け、“非連続的成長”を達成すべく、盤石な準備を行うことが喫緊の課題である。最大のキーポイントは研磨材や化学工業品を扱う中核事業のさらなる拡大のための「設備投資や研究開発投資」の適時適正な実行だ。大型設備投資の場合、発注してから稼働まで2年のタイムラグがあり、早期の意思決定が重要となるので今後も注視したい。
半導体業界の足元はシリコンサイクルによる需給変動はあるものの、これは循環的要素であり構造的には高成長を持続するので、同社も先行的に設備投資を進めている。事業を拡大するためには、設備投資やM&A、アライアンスといったハード面の増強は不可欠であるが、ソフト面とのバランスも重要であり、優秀な人材(特に研究開発に携わる人材)を確保し、その能力を存分に発揮できる環境をいかに整えるかが喫緊の課題である。
2. 経営目標と計画数値
同社は、中期経営計画「増強21-25」の全体方針である稼ぐ力の増強を図り、収益性を向上させる(“利益あっての社会貢献”)としており、経営目標は2026年3月期の営業利益100億円(営業利益率16.7%)の実現を目指している。これは、2021年3月期の営業利益52億円の約2倍とチャレンジングな目標であり、同計画期間内の“非連続の事業拡大”が求められる数値である。この目標実現のために、2026年3月期の売上高目標は、2021年3月期比1.6倍の600億円を掲げている。
中期経営計画「増強21-25」は順調にスタートをきったが、2023年3月期下期から2024年3月期上期にかけて直撃した半導体不況により、研磨材事業が大幅に落ち込み、同社の成長力にブレーキがかかった。2025年3月期は業績が回復傾向にあるものの、中期経営計画の最終年度となる2026年3月期の目標達成は困難と見ており、次期中期経営計画期間のできるだけ早期に、売上高600億円、営業利益100億円の目標達成を目指す。そのための基盤として、2026年3月期は、研磨材と化学工業品の2大中核事業への継続投資と事業拡大を推進する重要な期間と位置付けている。
(1) 事業ポートフォリオと事業セグメント別主要施策の取り組み状況
各事業セグメントの主要戦略・施策は、順調に進捗し、おおむね成果を上げた。
(2) 投資実績と計画
オーガニックグロース(自律的成長)を前提に、能力増強・研究開発強化を進めている。特に、研磨材事業における最先端領域強化のための研究開発投資を最重要視し、中期経営計画「増強21-25」の成長投資枠(250~300億円)の範囲内で投資を実施する。また、化学工業品事業では機能性材料が中長期的に受注拡大が見込まれていることから、2026年4月稼働に向けて柳井本社工場に新プラント設備を建設中である。なお、M&Aについては適切な案件がないため、成長投資250億円~300億円は研磨材や化学工業品領域で成長が見込めるオーガニックグロース領域に振り向けている。
3. 「総合研磨材トップメーカー」を目指す
同社は半導体の研磨材メーカーとして、ソフトパッド分野でトップシェアの地位を築いてきた。一方、市場規模がソフトパッドの10倍以上とも言われるハードパッド分野にも一部製品を取り扱っている。現状、同社のハードパッドはCMP用途でシェア数%に留まっているが、今後はソフトパッドとハードパッドの両方を提供し、半導体精密研磨材のトータルサプライヤーを目指す。
また、同社では半導体以外の分野における新規研磨材の探索・開発にも注力している。市場投入にはもうしばらく時間を要する見込みだが、2026年3月期以降に新製品を本格的に市場投入する予定である。
半導体を中心とした研磨材分野では、主力のソフトパッドをさらに拡充するとともに、戦略製品であるハードパッドの普及拡大にも注力し、加えて半導体以外の分野での新規研磨材開発を推進する。これらにより、「総合研磨材メーカーとして、グローバルニッチナンバーワン」を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. 富士紡ホールディングス<3104>の中期経営計画「増強21-25」の全体像
2021年4月にスタートして4年目を迎えた中期経営計画「増強21-25」の前半(2021〜2023年)は、高収益体質への転換と種まき時期と位置付けた。また、2024年からの後半(2024〜2025年)は2025年のあるべき姿の実現に向け、“非連続的成長”を達成すべく、盤石な準備を行うことが喫緊の課題である。最大のキーポイントは研磨材や化学工業品を扱う中核事業のさらなる拡大のための「設備投資や研究開発投資」の適時適正な実行だ。大型設備投資の場合、発注してから稼働まで2年のタイムラグがあり、早期の意思決定が重要となるので今後も注視したい。
半導体業界の足元はシリコンサイクルによる需給変動はあるものの、これは循環的要素であり構造的には高成長を持続するので、同社も先行的に設備投資を進めている。事業を拡大するためには、設備投資やM&A、アライアンスといったハード面の増強は不可欠であるが、ソフト面とのバランスも重要であり、優秀な人材(特に研究開発に携わる人材)を確保し、その能力を存分に発揮できる環境をいかに整えるかが喫緊の課題である。
2. 経営目標と計画数値
同社は、中期経営計画「増強21-25」の全体方針である稼ぐ力の増強を図り、収益性を向上させる(“利益あっての社会貢献”)としており、経営目標は2026年3月期の営業利益100億円(営業利益率16.7%)の実現を目指している。これは、2021年3月期の営業利益52億円の約2倍とチャレンジングな目標であり、同計画期間内の“非連続の事業拡大”が求められる数値である。この目標実現のために、2026年3月期の売上高目標は、2021年3月期比1.6倍の600億円を掲げている。
中期経営計画「増強21-25」は順調にスタートをきったが、2023年3月期下期から2024年3月期上期にかけて直撃した半導体不況により、研磨材事業が大幅に落ち込み、同社の成長力にブレーキがかかった。2025年3月期は業績が回復傾向にあるものの、中期経営計画の最終年度となる2026年3月期の目標達成は困難と見ており、次期中期経営計画期間のできるだけ早期に、売上高600億円、営業利益100億円の目標達成を目指す。そのための基盤として、2026年3月期は、研磨材と化学工業品の2大中核事業への継続投資と事業拡大を推進する重要な期間と位置付けている。
(1) 事業ポートフォリオと事業セグメント別主要施策の取り組み状況
各事業セグメントの主要戦略・施策は、順調に進捗し、おおむね成果を上げた。
(2) 投資実績と計画
オーガニックグロース(自律的成長)を前提に、能力増強・研究開発強化を進めている。特に、研磨材事業における最先端領域強化のための研究開発投資を最重要視し、中期経営計画「増強21-25」の成長投資枠(250~300億円)の範囲内で投資を実施する。また、化学工業品事業では機能性材料が中長期的に受注拡大が見込まれていることから、2026年4月稼働に向けて柳井本社工場に新プラント設備を建設中である。なお、M&Aについては適切な案件がないため、成長投資250億円~300億円は研磨材や化学工業品領域で成長が見込めるオーガニックグロース領域に振り向けている。
3. 「総合研磨材トップメーカー」を目指す
同社は半導体の研磨材メーカーとして、ソフトパッド分野でトップシェアの地位を築いてきた。一方、市場規模がソフトパッドの10倍以上とも言われるハードパッド分野にも一部製品を取り扱っている。現状、同社のハードパッドはCMP用途でシェア数%に留まっているが、今後はソフトパッドとハードパッドの両方を提供し、半導体精密研磨材のトータルサプライヤーを目指す。
また、同社では半導体以外の分野における新規研磨材の探索・開発にも注力している。市場投入にはもうしばらく時間を要する見込みだが、2026年3月期以降に新製品を本格的に市場投入する予定である。
半導体を中心とした研磨材分野では、主力のソフトパッドをさらに拡充するとともに、戦略製品であるハードパッドの普及拡大にも注力し、加えて半導体以外の分野での新規研磨材開発を推進する。これらにより、「総合研磨材メーカーとして、グローバルニッチナンバーワン」を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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