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グローセル Research Memo(1):ソリューション提案を得意とする半導体商社
配信日時:2022/01/19 15:21
配信元:FISCO
■要約
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく社会インフラや文化的な目的(伝統的技能の継承等、後述)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まってきた。
1. 2022年3月期第2四半期連結業績(実績)
2022年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が31,848百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益310百万円(前年同期は504百万円の損失)、経常利益が362百万円(同457百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,111百万円(同392万円の損失)となった。前年同期が新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた時期であったことから、その反動もあり業績は大きく回復した。分野別では、産業分野に加え、主力の自動車向けが生産台数の回復に伴い大きく増加した。利益面では、高採算品の比率が高まったことで粗利率が1.3pt改善した。販管費はコロナ禍からの回復もあり前年同期比で2.3%増となったが、売上総利益が同35.1%増となったことから営業利益を計上した。注力商品である「STREAL」の売上高は前年同期比で約2.8倍となり、順調に拡大している。なお最終損益が大幅な損失となったのは、経営基盤強化施策推進に伴う構造改革費用1,156百万円を特別損失として計上したことによる。
2. 2022年3月期の連結業績:増収、営業利益(黒字化)を予想
進行中の2022年3月期については、現時点では売上高68,000百万円(前期比13.6%増)、営業利益660百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益710百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失870百万円(同367百万円の損失)が予想されており、期初予想(営業利益580百万円)からは上方修正されている。引き続きコロナ禍の影響が不透明であるが、自動車向けの回復、「STREAL」の伸びなどから増収、営業利益確保を予想している。下半期の売上高計画(361億円)に対して、10月末時点で主要製品の受注残が4~5ヶ月となっていることから、この予想が達成される可能性は高いだろう。また自社開発品として期待される「STREAL」は用途が広がりつつあることから2022年3月期も2,800百万円(前期比83%増)を目指している。特別損失の計上により最終損益は赤字となる見込みだが、年間配当12円は維持する方針である。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナ禍の影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。中期経営計画「SSG 2021」については、コロナ禍の影響もあり当初計画期間での目標達成は難しいが、2024年3月期に売上高700億円、営業利益率2.0%を目指している。成長ドライバーとして期待されている「STREAL」も順調に伸びていることもあり、今後の動向は要注目だ。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は営業黒字予想。「STREAL」も倍増を見込む
・中期経営計画は、2024年3月期に売上高700億円、営業利益14億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SI>
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく社会インフラや文化的な目的(伝統的技能の継承等、後述)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まってきた。
1. 2022年3月期第2四半期連結業績(実績)
2022年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が31,848百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益310百万円(前年同期は504百万円の損失)、経常利益が362百万円(同457百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,111百万円(同392万円の損失)となった。前年同期が新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた時期であったことから、その反動もあり業績は大きく回復した。分野別では、産業分野に加え、主力の自動車向けが生産台数の回復に伴い大きく増加した。利益面では、高採算品の比率が高まったことで粗利率が1.3pt改善した。販管費はコロナ禍からの回復もあり前年同期比で2.3%増となったが、売上総利益が同35.1%増となったことから営業利益を計上した。注力商品である「STREAL」の売上高は前年同期比で約2.8倍となり、順調に拡大している。なお最終損益が大幅な損失となったのは、経営基盤強化施策推進に伴う構造改革費用1,156百万円を特別損失として計上したことによる。
2. 2022年3月期の連結業績:増収、営業利益(黒字化)を予想
進行中の2022年3月期については、現時点では売上高68,000百万円(前期比13.6%増)、営業利益660百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益710百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失870百万円(同367百万円の損失)が予想されており、期初予想(営業利益580百万円)からは上方修正されている。引き続きコロナ禍の影響が不透明であるが、自動車向けの回復、「STREAL」の伸びなどから増収、営業利益確保を予想している。下半期の売上高計画(361億円)に対して、10月末時点で主要製品の受注残が4~5ヶ月となっていることから、この予想が達成される可能性は高いだろう。また自社開発品として期待される「STREAL」は用途が広がりつつあることから2022年3月期も2,800百万円(前期比83%増)を目指している。特別損失の計上により最終損益は赤字となる見込みだが、年間配当12円は維持する方針である。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナ禍の影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。中期経営計画「SSG 2021」については、コロナ禍の影響もあり当初計画期間での目標達成は難しいが、2024年3月期に売上高700億円、営業利益率2.0%を目指している。成長ドライバーとして期待されている「STREAL」も順調に伸びていることもあり、今後の動向は要注目だ。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は営業黒字予想。「STREAL」も倍増を見込む
・中期経営計画は、2024年3月期に売上高700億円、営業利益14億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SI>
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