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テノックス Research Memo(1):順調にスタートした新中期経営計画
配信日時:2022/01/19 15:11
配信元:FISCO
■要約
1. 基礎工事で国内有数の技術力と信頼を誇る
テノックス<1905>は、杭工事や地盤改良工事など基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、住宅やマンション、商業施設、道路、鉄道高架橋などを目に見えない地下で支えており、品質が良くて当たり前という施工への信頼が大きな前提となっている。近年、大地震への備えや、頻発する大型台風や集中豪雨など自然災害に対する防災意識の高まりなどから、一般の人にも注目される業界になってきた。なかでも同社は、業界のパイオニアとして、中低層建築物向けに広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や鉄道などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇っている。専業者として長年培ってきた同社の経験やノウハウは、社会的にも大きな財産と言って過言ではない。
2. 強みはラインアップ、施工品質、「折り込む力」
同社は鋼管杭工事と深層の地盤改良工事を得意とし、戸建て住宅から工場、物流施設、中低層ビル・マンションなどの建築構造物、道路・鉄道橋梁や盛土、上下水道施設、土留・山留、擁壁、鉄塔などの土木構造物の基礎を支えてきた。それが近年、M&Aや資本業務提携などによって、コンクリート杭工事や既存杭の引抜き工事などラインアップを強化しており、ワンストップで総合的な提案が可能となっている。同社の強みは豊富なラインアップに加え、施工管理装置「VCCS」や施工状態を早期確認する「促進養生システム」、子会社の持つ工事技能者集団や機材などを背景とした施工品質、ゼネコンからの受注を前に設計業者に技術を提案・アピールできる「折り込む力」にある。同社は、こうした強みを背景に、設計から施工までを一貫して行うビジネスモデルを特長としている。
3. 3つの基本戦略に沿って新中期経営計画を進行
2022年3月期初に策定した新中期経営計画では、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つの基本戦略によって、変化する社会のニーズや生活様式への「適応力」を高めていく方針である。これにより、2024年3月期を最終年度に、前中期経営計画の目標値であった売上高220億円、経常利益15億円、ROE8%に再チャレンジする考えである。新中期経営計画はスタートして日はまだ浅いが、軽油に代わるクリーンなGTL(Gas to Liquids)燃料を基礎工事業界で初めて建設現場に導入したほか、既存杭引抜き工事の際に周辺地盤の強度を復旧・安定させる地盤改良技術の開発、北海道新幹線延伸事業における鋼管ソイルセメント杭の施工、基礎に二酸化炭素を固定化する技術試験など、3つの基本戦略に沿ったプロジェクトが順調に進行を開始した。
4. M&Aや提携などの成果をテコに新中期経営計画達成へ
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高6,838百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益48百万円(同189.3%増)となった。価格競争の激化により中小案件の受注が減少して減収となったが、好採算の大型案件が順調に推移したため増益となった。2022年3月期の業績見通しについて、同社は売上高18,000百万円(前期比13.2%増)、営業利益680百万円(同120.1%増)と見込んでいる。下期も大型案件が収益をけん引すると期待されるが、価格競争や資材価格高騰などのリスクも懸念される。短期的にやや厳しい経営環境が続くが、事業環境が今後徐々に改善していくことが予想されるため、3つの基本戦略に加えM&Aや提携などこれまで展開してきた戦略の成果への期待が高まる。こうした成果をテコに、同社は新中期経営計画の目標値を達成する計画である。
■Key Points
・技術力と信頼を誇る基礎工事のパイオニア。杭工事や地盤改良工事を得意とする
・ラインアップ、施工品質、「折り込む力」を強みとするビジネスモデルが特長
・新中期経営計画目標(2024年3月期経常利益15億円)に向け順調にスタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 基礎工事で国内有数の技術力と信頼を誇る
テノックス<1905>は、杭工事や地盤改良工事など基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、住宅やマンション、商業施設、道路、鉄道高架橋などを目に見えない地下で支えており、品質が良くて当たり前という施工への信頼が大きな前提となっている。近年、大地震への備えや、頻発する大型台風や集中豪雨など自然災害に対する防災意識の高まりなどから、一般の人にも注目される業界になってきた。なかでも同社は、業界のパイオニアとして、中低層建築物向けに広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路や鉄道などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇っている。専業者として長年培ってきた同社の経験やノウハウは、社会的にも大きな財産と言って過言ではない。
2. 強みはラインアップ、施工品質、「折り込む力」
同社は鋼管杭工事と深層の地盤改良工事を得意とし、戸建て住宅から工場、物流施設、中低層ビル・マンションなどの建築構造物、道路・鉄道橋梁や盛土、上下水道施設、土留・山留、擁壁、鉄塔などの土木構造物の基礎を支えてきた。それが近年、M&Aや資本業務提携などによって、コンクリート杭工事や既存杭の引抜き工事などラインアップを強化しており、ワンストップで総合的な提案が可能となっている。同社の強みは豊富なラインアップに加え、施工管理装置「VCCS」や施工状態を早期確認する「促進養生システム」、子会社の持つ工事技能者集団や機材などを背景とした施工品質、ゼネコンからの受注を前に設計業者に技術を提案・アピールできる「折り込む力」にある。同社は、こうした強みを背景に、設計から施工までを一貫して行うビジネスモデルを特長としている。
3. 3つの基本戦略に沿って新中期経営計画を進行
2022年3月期初に策定した新中期経営計画では、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つの基本戦略によって、変化する社会のニーズや生活様式への「適応力」を高めていく方針である。これにより、2024年3月期を最終年度に、前中期経営計画の目標値であった売上高220億円、経常利益15億円、ROE8%に再チャレンジする考えである。新中期経営計画はスタートして日はまだ浅いが、軽油に代わるクリーンなGTL(Gas to Liquids)燃料を基礎工事業界で初めて建設現場に導入したほか、既存杭引抜き工事の際に周辺地盤の強度を復旧・安定させる地盤改良技術の開発、北海道新幹線延伸事業における鋼管ソイルセメント杭の施工、基礎に二酸化炭素を固定化する技術試験など、3つの基本戦略に沿ったプロジェクトが順調に進行を開始した。
4. M&Aや提携などの成果をテコに新中期経営計画達成へ
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高6,838百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益48百万円(同189.3%増)となった。価格競争の激化により中小案件の受注が減少して減収となったが、好採算の大型案件が順調に推移したため増益となった。2022年3月期の業績見通しについて、同社は売上高18,000百万円(前期比13.2%増)、営業利益680百万円(同120.1%増)と見込んでいる。下期も大型案件が収益をけん引すると期待されるが、価格競争や資材価格高騰などのリスクも懸念される。短期的にやや厳しい経営環境が続くが、事業環境が今後徐々に改善していくことが予想されるため、3つの基本戦略に加えM&Aや提携などこれまで展開してきた戦略の成果への期待が高まる。こうした成果をテコに、同社は新中期経営計画の目標値を達成する計画である。
■Key Points
・技術力と信頼を誇る基礎工事のパイオニア。杭工事や地盤改良工事を得意とする
・ラインアップ、施工品質、「折り込む力」を強みとするビジネスモデルが特長
・新中期経営計画目標(2024年3月期経常利益15億円)に向け順調にスタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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