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ミロク情報 Research Memo(1):ERP事業で新規顧客開拓とサブスクリプションモデルへの移行が順調
配信日時:2022/01/18 15:41
配信元:FISCO
■要約
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手である。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)を契機に社会全体のデジタル化が急速に進むなか、新規事業として中小企業等※の経営を支援する統合型DXプラットフォーム事業を推進中であり、積極的なM&A、アライアンス戦略によってプラットフォーム基盤の強化に取り組んでいる。
※年商5億円未満の中小企業・小規模事業者を想定。
1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
2022年3月期第2四半期累計(2021年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比7.6%増※1の17,781百万円、営業利益で同5.1%減の2,362百万円となった。売上高は企業向けERP製品の新規顧客開拓とサブスクリプションモデル(以下、サブスクモデル)の推進によって、ストック型のサービス収入が同6.6%増と順調に増加し、2期ぶりに増収に転じた。同社が重要指標としているシステム導入契約売上高※2の第2四半期末受注残高(単体)は期首比で0.54ヶ月増の6.04ヶ月となり、クラウド・サブスク(ソフト使用料)の2021年9月におけるARR※3も前年同期比31.2%増となるなど、いずれも順調に積み上げができている。一方、利益面では新製品発売に伴うソフトウェア資産の償却増やサブスクモデルへの移行に伴う一時的な利益減、人員増加に伴う人件費増等により減益となった。期初計画(売上高18,200百万円、営業利益1,830百万円)に対しては、子会社の低迷で売上高が計画を下回ったものの、利益については好調な単体業績がカバーし計画を大きく上回って着地した。なお、2021年9月に持分法適用関連会社であった(株)pringの全株式を譲渡しており、株式売却益2,087百万円を特別利益として計上している。
※1 2022年3月期より「収益認識会計基準」等を適用しており、伸び率については旧会計基準の前年同期との単純比較値。なお、会計基準変更に伴う2022年3月期第2四半期累計業績への影響は、売上高で148百万円の減少、営業利益で3百万円増加要因となっている。
※2 システム導入契約売上高=ハードウェア・ソフトウェア・ユースウェア売上高の合計
※3 ARR(Annual Recurring Revenue)は当該月に発生した売上高を12倍にした数値。
2. 2022年3月期業績見通し
2022年3月期は売上高で前期比9.8%増の37,400百万円、営業利益で同11.0%減の4,030百万円と期初計画を据え置いた。コロナ禍の影響が不透明なほか半導体不足によるハードウェア製品の調達遅れの懸念がでていることが要因だ。ただ、2021年12月上旬時点ではいずれもマイナスの影響を大きく受けておらず、今後も状況に変化がなければ営業利益は上振れする可能性が高い。売上高については引き続き企業向けERP製品の販売増加、並びにサブスクモデルへの移行が進み、システム導入契約売上高で前期比5.8%増、サービス収入で同1.3%増を見込んでいる。ただ、サービス収入については保守的で新規顧客分が上積みされていくことを考えれば、通期でも6%前後の増収は可能と弊社では見ている。
3. 「中期経営計画Vision2025」の概要
2021年5月に発表した「中期経営計画Vision2025」では、基本方針として既存ERP事業の機能進化とサブスクモデルへの移行を進めることで、収益基盤の安定化と継続的成長を実現していくこと、また新規事業となる統合型DXプラットフォームを構築していくことの2点を掲げた。統合型DXプラットフォームでは中小企業等の業務効率向上や収益成長を支援する様々なサービスを提供していく予定で2023年3月期中に本格稼働を開始し、2026年3月期にユーザー数3.5万社、売上高50億円を目標としている。最終年度となる2026年3月期の業績目標は、売上高550億円、経常利益125億円を掲げている。経常利益の内訳を見ると、ERP事業を中心とした単体業績で75億円(2021年3月期実績48億円)、グループ会社で25億円(同1億円)、新規事業の統合型DXプラットフォーム事業で25億円となる。ERP事業でサブスクモデルへの移行を進めていくため、利益の伸びは中計期間の後半に加速していく格好となる。また、グループ会社では2020年4月に子会社化した組織・人事分野のコンサルティングサービスを展開する(株)トランストラクチャや、同年12月に子会社化したデジタルマーケティング支援事業、マーケティングプラットフォーム事業を展開するトライベック(株)とのシナジーが期待され、統合型DXプラットフォームにもこれら子会社のサービスを実装していくことで子会社の収益成長も加速していく可能性があり、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2022年3月期第2四半期累計業績は、新規顧客の開拓とサブスクモデルへの移行が順調に進み、営業利益ベースで会社計画を上回る
・2022年3月期業績は期初計画を据え置くも、利益ベースでは増額余地あり
・ERP事業のサブスクモデルへの移行と統合型DXプラットフォーム事業の構築、グループ会社とのシナジーにより、2026年3月期に経常利益125億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手である。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)を契機に社会全体のデジタル化が急速に進むなか、新規事業として中小企業等※の経営を支援する統合型DXプラットフォーム事業を推進中であり、積極的なM&A、アライアンス戦略によってプラットフォーム基盤の強化に取り組んでいる。
※年商5億円未満の中小企業・小規模事業者を想定。
1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
2022年3月期第2四半期累計(2021年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比7.6%増※1の17,781百万円、営業利益で同5.1%減の2,362百万円となった。売上高は企業向けERP製品の新規顧客開拓とサブスクリプションモデル(以下、サブスクモデル)の推進によって、ストック型のサービス収入が同6.6%増と順調に増加し、2期ぶりに増収に転じた。同社が重要指標としているシステム導入契約売上高※2の第2四半期末受注残高(単体)は期首比で0.54ヶ月増の6.04ヶ月となり、クラウド・サブスク(ソフト使用料)の2021年9月におけるARR※3も前年同期比31.2%増となるなど、いずれも順調に積み上げができている。一方、利益面では新製品発売に伴うソフトウェア資産の償却増やサブスクモデルへの移行に伴う一時的な利益減、人員増加に伴う人件費増等により減益となった。期初計画(売上高18,200百万円、営業利益1,830百万円)に対しては、子会社の低迷で売上高が計画を下回ったものの、利益については好調な単体業績がカバーし計画を大きく上回って着地した。なお、2021年9月に持分法適用関連会社であった(株)pringの全株式を譲渡しており、株式売却益2,087百万円を特別利益として計上している。
※1 2022年3月期より「収益認識会計基準」等を適用しており、伸び率については旧会計基準の前年同期との単純比較値。なお、会計基準変更に伴う2022年3月期第2四半期累計業績への影響は、売上高で148百万円の減少、営業利益で3百万円増加要因となっている。
※2 システム導入契約売上高=ハードウェア・ソフトウェア・ユースウェア売上高の合計
※3 ARR(Annual Recurring Revenue)は当該月に発生した売上高を12倍にした数値。
2. 2022年3月期業績見通し
2022年3月期は売上高で前期比9.8%増の37,400百万円、営業利益で同11.0%減の4,030百万円と期初計画を据え置いた。コロナ禍の影響が不透明なほか半導体不足によるハードウェア製品の調達遅れの懸念がでていることが要因だ。ただ、2021年12月上旬時点ではいずれもマイナスの影響を大きく受けておらず、今後も状況に変化がなければ営業利益は上振れする可能性が高い。売上高については引き続き企業向けERP製品の販売増加、並びにサブスクモデルへの移行が進み、システム導入契約売上高で前期比5.8%増、サービス収入で同1.3%増を見込んでいる。ただ、サービス収入については保守的で新規顧客分が上積みされていくことを考えれば、通期でも6%前後の増収は可能と弊社では見ている。
3. 「中期経営計画Vision2025」の概要
2021年5月に発表した「中期経営計画Vision2025」では、基本方針として既存ERP事業の機能進化とサブスクモデルへの移行を進めることで、収益基盤の安定化と継続的成長を実現していくこと、また新規事業となる統合型DXプラットフォームを構築していくことの2点を掲げた。統合型DXプラットフォームでは中小企業等の業務効率向上や収益成長を支援する様々なサービスを提供していく予定で2023年3月期中に本格稼働を開始し、2026年3月期にユーザー数3.5万社、売上高50億円を目標としている。最終年度となる2026年3月期の業績目標は、売上高550億円、経常利益125億円を掲げている。経常利益の内訳を見ると、ERP事業を中心とした単体業績で75億円(2021年3月期実績48億円)、グループ会社で25億円(同1億円)、新規事業の統合型DXプラットフォーム事業で25億円となる。ERP事業でサブスクモデルへの移行を進めていくため、利益の伸びは中計期間の後半に加速していく格好となる。また、グループ会社では2020年4月に子会社化した組織・人事分野のコンサルティングサービスを展開する(株)トランストラクチャや、同年12月に子会社化したデジタルマーケティング支援事業、マーケティングプラットフォーム事業を展開するトライベック(株)とのシナジーが期待され、統合型DXプラットフォームにもこれら子会社のサービスを実装していくことで子会社の収益成長も加速していく可能性があり、今後の動向が注目される。
■Key Points
・2022年3月期第2四半期累計業績は、新規顧客の開拓とサブスクモデルへの移行が順調に進み、営業利益ベースで会社計画を上回る
・2022年3月期業績は期初計画を据え置くも、利益ベースでは増額余地あり
・ERP事業のサブスクモデルへの移行と統合型DXプラットフォーム事業の構築、グループ会社とのシナジーにより、2026年3月期に経常利益125億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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