注目トピックス 日本株
フォースタ Research Memo(5):2022年3月期を「ハイブリッドキャピタル元年」と位置付ける
配信日時:2022/01/17 15:05
配信元:FISCO
■中長期の成長戦略
1. 市場動向
国内では政府主導のスタートアップ企業支援策が進められているほか、近年のオープンイノベーション機運の高まりもあり、スタートアップ企業の認知度や存在意義は高まりつつある。フォースタートアップス<7089>によると、国内スタートアップ資金調達市場は、2020年はコロナ禍により足踏みしたものの、2021年は大型調達のスタートアップの増加が加速しており、今後もこの傾向は続くと見込まれる。スタートアップ企業において調達資金の多くは人材採用に充当されるケースが多いことから、同社の主力サービスであるタレントエージェンシーにとって好環境下にあると言える。
2. 経営戦略
同社は中長期の成長を見据え、2022年3月期を「ハイブリッドキャピタル元年」と位置付け、人材の支援に加え、資金の支援を開始した。具体的には、タレントエージェンシーを一層強化するほか、オープンイノベーションの拡大により大手企業や官公庁・自治体などとの協力体制を築いていくほか、タレントエージェンシーのクライアント等に対して資金支援を開始することで、スタートアップ企業のさらなる成長を加速させ、成長産業支援のインフラとなることを目指す。現状では具体的な「成長産業」領域が開示されていないものの、同社の強みであるネットワークやデータベースなどは参入領域拡大においてアセットとなる要素であることから、参入リスクを軽減できると弊社では見ている。従来のアセットを生かした新規参入となるため成功確度は高く、高収益・高成長につながると期待している。
具体的な成長戦略は、以下のとおりである。
(1) スタートアップエコシステム形成による自律的成長サイクルの構築
スタートアップエコシステムの形成において同社は、(1) 起業家人材の創出、(2) 資金の供給、(3) 優秀人材の確保、(4) 大手企業や研究機関の協力、(5) 会計・法務・知財等の専門知識のサポート、(6) 起業文化の醸成、(7) EXIT環境の整備等が必要と考えており、特に「(3) 優秀人材の確保」に注力している。
同社は独自のアルゴリズムを用いて各スタートアップ企業を数値化することにより有力スタートアップ企業を選定し、優先的に支援サービスを提供する仕組みを構築している。有力スタートアップ企業に対し、人材と資金の両側面から支援することでさらなる企業成長を促進し、その結果、新たな需要を生み出す自律的な成長サイクルの構築を目指している。
既述のとおり同社のターゲット企業はスタートアップ・急成長企業で、対象人材は経営層などであるため、既存の人材サービス企業とのすみ分けがなされている。市場拡大やシェア拡大を通じて、同社の業界内でのプレゼンスやブランドが順調に高まるものと弊社では見ている。
(2) 持続的な競争優位の確保
同社は事業運営を通じて、スタートアップ企業に関する定量・定性情報を蓄積している。これらの情報は独自アルゴリズムを用いた「数値化されたスタートアップ企業情報」として可視化され、同社の競争優位の源泉となっている。スタートアップ業界は日々目まぐるしく変化しており、一般的に情報が陳腐化しやすいことから、これらの情報は参入障壁が低い人材紹介やコンサルティングビジネスにおいて障壁として有効に機能する。今後も独自アルゴリズムの強化やベンチャーキャピタル・起業家等との緊密な連携により、競争優位性の維持・確保を図っていくとしている。
(3) オペレーションの改革による生産性向上
タレントエージェンシーでは、同一のヒューマンキャピタリストがスタートアップ企業と候補者の両方を担当する、両面型の運営方式を採用している。両面型には採用スピード向上といったメリットがある一方、業務管理プロセスにおいて一定の工数が生じるなどのデメリットも存在する。このため同社では、自社でエンジニアを抱え、同プロセスの継続的な改善活動を実行することで、中長期的な生産性向上を図っている。
既述のとおり同社では、ヒューマンキャピタリストがスタートアップ企業から求人情報を獲得し、合致する候補者を他社の人材データベースを利用して発掘、ヘッドハンティングしている。このため、タレントエージェンシーの規模拡大には、ヒューマンキャピタリストの増員のほか、1人当たりの生産性向上も必要だと同社では考えている。生産性向上のために、社員間のコミュニケーションの活性化や教育研修といった人材育成施策のほか、社内業務管理システムの機能強化や業務プロセスの改革による業務効率改善を推進している。タレントエージェンシーの売上比率が大きいこともあり、1人当たりの生産性向上については今後も注視すべき点と弊社では考えている。
(4) コアコンピタンスを活用した事業領域の拡大
同社は、事業アセットを活用することで事業領域を拡大していく方針である。タレントデータベースを生かしたビジネスの多角的展開を進めるほか、「STARTUP DB」を活用することで収益機会の拡大を目指す。また、同社とスタートアップ企業、ベンチャーキャピタル、大企業、大学・研究機関等との連携を強めていくことで、成長産業支援の中核的企業としてのブランドを確立させ、収益機会の拡大を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<YM>
1. 市場動向
国内では政府主導のスタートアップ企業支援策が進められているほか、近年のオープンイノベーション機運の高まりもあり、スタートアップ企業の認知度や存在意義は高まりつつある。フォースタートアップス<7089>によると、国内スタートアップ資金調達市場は、2020年はコロナ禍により足踏みしたものの、2021年は大型調達のスタートアップの増加が加速しており、今後もこの傾向は続くと見込まれる。スタートアップ企業において調達資金の多くは人材採用に充当されるケースが多いことから、同社の主力サービスであるタレントエージェンシーにとって好環境下にあると言える。
2. 経営戦略
同社は中長期の成長を見据え、2022年3月期を「ハイブリッドキャピタル元年」と位置付け、人材の支援に加え、資金の支援を開始した。具体的には、タレントエージェンシーを一層強化するほか、オープンイノベーションの拡大により大手企業や官公庁・自治体などとの協力体制を築いていくほか、タレントエージェンシーのクライアント等に対して資金支援を開始することで、スタートアップ企業のさらなる成長を加速させ、成長産業支援のインフラとなることを目指す。現状では具体的な「成長産業」領域が開示されていないものの、同社の強みであるネットワークやデータベースなどは参入領域拡大においてアセットとなる要素であることから、参入リスクを軽減できると弊社では見ている。従来のアセットを生かした新規参入となるため成功確度は高く、高収益・高成長につながると期待している。
具体的な成長戦略は、以下のとおりである。
(1) スタートアップエコシステム形成による自律的成長サイクルの構築
スタートアップエコシステムの形成において同社は、(1) 起業家人材の創出、(2) 資金の供給、(3) 優秀人材の確保、(4) 大手企業や研究機関の協力、(5) 会計・法務・知財等の専門知識のサポート、(6) 起業文化の醸成、(7) EXIT環境の整備等が必要と考えており、特に「(3) 優秀人材の確保」に注力している。
同社は独自のアルゴリズムを用いて各スタートアップ企業を数値化することにより有力スタートアップ企業を選定し、優先的に支援サービスを提供する仕組みを構築している。有力スタートアップ企業に対し、人材と資金の両側面から支援することでさらなる企業成長を促進し、その結果、新たな需要を生み出す自律的な成長サイクルの構築を目指している。
既述のとおり同社のターゲット企業はスタートアップ・急成長企業で、対象人材は経営層などであるため、既存の人材サービス企業とのすみ分けがなされている。市場拡大やシェア拡大を通じて、同社の業界内でのプレゼンスやブランドが順調に高まるものと弊社では見ている。
(2) 持続的な競争優位の確保
同社は事業運営を通じて、スタートアップ企業に関する定量・定性情報を蓄積している。これらの情報は独自アルゴリズムを用いた「数値化されたスタートアップ企業情報」として可視化され、同社の競争優位の源泉となっている。スタートアップ業界は日々目まぐるしく変化しており、一般的に情報が陳腐化しやすいことから、これらの情報は参入障壁が低い人材紹介やコンサルティングビジネスにおいて障壁として有効に機能する。今後も独自アルゴリズムの強化やベンチャーキャピタル・起業家等との緊密な連携により、競争優位性の維持・確保を図っていくとしている。
(3) オペレーションの改革による生産性向上
タレントエージェンシーでは、同一のヒューマンキャピタリストがスタートアップ企業と候補者の両方を担当する、両面型の運営方式を採用している。両面型には採用スピード向上といったメリットがある一方、業務管理プロセスにおいて一定の工数が生じるなどのデメリットも存在する。このため同社では、自社でエンジニアを抱え、同プロセスの継続的な改善活動を実行することで、中長期的な生産性向上を図っている。
既述のとおり同社では、ヒューマンキャピタリストがスタートアップ企業から求人情報を獲得し、合致する候補者を他社の人材データベースを利用して発掘、ヘッドハンティングしている。このため、タレントエージェンシーの規模拡大には、ヒューマンキャピタリストの増員のほか、1人当たりの生産性向上も必要だと同社では考えている。生産性向上のために、社員間のコミュニケーションの活性化や教育研修といった人材育成施策のほか、社内業務管理システムの機能強化や業務プロセスの改革による業務効率改善を推進している。タレントエージェンシーの売上比率が大きいこともあり、1人当たりの生産性向上については今後も注視すべき点と弊社では考えている。
(4) コアコンピタンスを活用した事業領域の拡大
同社は、事業アセットを活用することで事業領域を拡大していく方針である。タレントデータベースを生かしたビジネスの多角的展開を進めるほか、「STARTUP DB」を活用することで収益機会の拡大を目指す。また、同社とスタートアップ企業、ベンチャーキャピタル、大企業、大学・研究機関等との連携を強めていくことで、成長産業支援の中核的企業としてのブランドを確立させ、収益機会の拡大を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<YM>
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