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スパークス G Research Memo(3):「マクロはミクロの集積である」という独自の投資哲学を貫く(2)
配信日時:2022/01/11 15:03
配信元:FISCO
■スパークス・グループ<8739>の会社概要
3. 同社グループの強み
同社グループの強みとしては、(1) ボトムアップ型企業調査・優れた仮説構築能力、(2) 優れた質問力、(3) 高い収益率、(4) オープンな企業風土による人材育成、(5) 長期的視点での運用、(6) CEO直轄の部署、の6点が挙げられる。
(1) ボトムアップ型企業調査・優れた仮説構築能力
「マクロはミクロの集積である」という全社に浸透した投資哲学に基づいた、「ボトムアップ型の徹底した企業調査」と「優れた仮説構築能力」がある。「マクロはミクロの集積である」とは、既述のとおり「徹底した企業調査の集積によって、大きな潮流が見えてくる」という考え方である。数多くの企業を精緻に分析しているからこそ、適切な仮説を組み立てることができ、その仮説をもとに、社会から必要とされる企業、すなわち成長性の高い企業を見つけ出せると言える。また、新ファンドの組成や新しい投資信託の開発という観点からは、投資家自身も気付いていない投資価値のある領域を見つけ出せる。投資運用会社ではアナリストが企業調査を担当し、ファンドマネージャーが運用を担当するというように分業型が敷かれていることが多いが、同社グループでは「ボトムアップ型企業調査」を重視し、ファンドマネージャーも自身の仮説をもとに企業調査を行う。
(2) 優れた質問力
徹底した企業調査が「優れた質問力」に結び付き、強みとなっている。徹底した企業調査によって、短期的な株価の変動や来期の業績といった表層的な議論にとどまらず、より本質的な質問を投資対象企業に投げかけ、深い議論を行うことが可能となる。本質的な質問をすることでより重要な情報を獲得することができ、これにより投資対象企業の業績を向上させるための適切な議論を行うことができることから、優れたエンゲージメント戦略にもつながると弊社では見ている。
(3) 高い収益率
同社グループの強みである「高い収益率」としては、残高報酬料率と成功報酬の対運用資産残高付帯比率が挙げられる。残高報酬料率や成功報酬をファンドに付帯するかどうかは、顧客との折衝で決まるが、投資信託の場合は証券会社や銀行などの販売会社との折衝で決まる。同社グループのファンドは、徹底した企業調査によって投資対象企業が優れたリターンを上げていること、運用スキームが高度で優れていることにより、高い残高報酬料率(2020年3月期第2四半期は0.78%、2021年3月期第2四半期は0.71%、2022年3月期第2四半期は0.69%)を設定することが可能となっている。また、成功報酬の対運用資産残高比率についても、高度なスキームで運用されるファンドを多数保有していることから、32.4%(2022年3月期第2四半期)と高くなっている。これらの結果、営業利益率も45.4%(同)と高くなっている。
(4) オープンな企業風土による人材育成
同社グループでは、企業調査の進捗状況を共有するミーティングを毎朝行っている。またこれとは別に毎週ミーティングがあり、仮説、投資行動の共有、議論がなされる。これは人材育成として非常に大きな意味を持っていると弊社では考えている。経験豊富な運用担当者からの鋭い指摘によって、自分自身に足りていない部分や調査する際の切り口などを学ぶことができるからだ。調査の手法や仮説構築の仕方など、マニュアル化することが難しく、ともすると属人的なものになってしまいがちな能力を、議論によって共有することに成功しているのである。これによって運用担当者のレベルを引き上げることができ、優秀な人材の蓄積が可能となる。同社グループは人材育成を非常に重視しており、時間をかけて人材を育てることを信条としているため、勤続年数が長いことも特徴だ。運用担当者の能力が会社の収益を左右する資産運用業界において、オープンな企業風土と情報共有を通じた人材育成は強みとなり、好業績につながっていると弊社では見ている。
(5) 長期的視点での運用
同社グループは、長期的な視点で運用を行うことにより、投資対象企業とより密接な関係を構築し、企業価値を高めることができると考えている。一時的なイベントによる株式相場の下落などの影響についても、長期運用によって緩和することができるため、結果として投資家にリターンを提供することが可能となる。また、運用期間が20年と長期のファンドでは運用資産残高と残高報酬が安定的に増加することから、収益の安定性にもつながる。
(6) CEO直轄の部署
「CEO本部」というCEO直轄の部署があることも特徴である。ここでは新規に立ち上げる事業などを主に扱っている。ビジネス環境が急速に変化する現在、意思決定を迅速に行いビジネスチャンスを逃さないことを目的に創設された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<YM>
3. 同社グループの強み
同社グループの強みとしては、(1) ボトムアップ型企業調査・優れた仮説構築能力、(2) 優れた質問力、(3) 高い収益率、(4) オープンな企業風土による人材育成、(5) 長期的視点での運用、(6) CEO直轄の部署、の6点が挙げられる。
(1) ボトムアップ型企業調査・優れた仮説構築能力
「マクロはミクロの集積である」という全社に浸透した投資哲学に基づいた、「ボトムアップ型の徹底した企業調査」と「優れた仮説構築能力」がある。「マクロはミクロの集積である」とは、既述のとおり「徹底した企業調査の集積によって、大きな潮流が見えてくる」という考え方である。数多くの企業を精緻に分析しているからこそ、適切な仮説を組み立てることができ、その仮説をもとに、社会から必要とされる企業、すなわち成長性の高い企業を見つけ出せると言える。また、新ファンドの組成や新しい投資信託の開発という観点からは、投資家自身も気付いていない投資価値のある領域を見つけ出せる。投資運用会社ではアナリストが企業調査を担当し、ファンドマネージャーが運用を担当するというように分業型が敷かれていることが多いが、同社グループでは「ボトムアップ型企業調査」を重視し、ファンドマネージャーも自身の仮説をもとに企業調査を行う。
(2) 優れた質問力
徹底した企業調査が「優れた質問力」に結び付き、強みとなっている。徹底した企業調査によって、短期的な株価の変動や来期の業績といった表層的な議論にとどまらず、より本質的な質問を投資対象企業に投げかけ、深い議論を行うことが可能となる。本質的な質問をすることでより重要な情報を獲得することができ、これにより投資対象企業の業績を向上させるための適切な議論を行うことができることから、優れたエンゲージメント戦略にもつながると弊社では見ている。
(3) 高い収益率
同社グループの強みである「高い収益率」としては、残高報酬料率と成功報酬の対運用資産残高付帯比率が挙げられる。残高報酬料率や成功報酬をファンドに付帯するかどうかは、顧客との折衝で決まるが、投資信託の場合は証券会社や銀行などの販売会社との折衝で決まる。同社グループのファンドは、徹底した企業調査によって投資対象企業が優れたリターンを上げていること、運用スキームが高度で優れていることにより、高い残高報酬料率(2020年3月期第2四半期は0.78%、2021年3月期第2四半期は0.71%、2022年3月期第2四半期は0.69%)を設定することが可能となっている。また、成功報酬の対運用資産残高比率についても、高度なスキームで運用されるファンドを多数保有していることから、32.4%(2022年3月期第2四半期)と高くなっている。これらの結果、営業利益率も45.4%(同)と高くなっている。
(4) オープンな企業風土による人材育成
同社グループでは、企業調査の進捗状況を共有するミーティングを毎朝行っている。またこれとは別に毎週ミーティングがあり、仮説、投資行動の共有、議論がなされる。これは人材育成として非常に大きな意味を持っていると弊社では考えている。経験豊富な運用担当者からの鋭い指摘によって、自分自身に足りていない部分や調査する際の切り口などを学ぶことができるからだ。調査の手法や仮説構築の仕方など、マニュアル化することが難しく、ともすると属人的なものになってしまいがちな能力を、議論によって共有することに成功しているのである。これによって運用担当者のレベルを引き上げることができ、優秀な人材の蓄積が可能となる。同社グループは人材育成を非常に重視しており、時間をかけて人材を育てることを信条としているため、勤続年数が長いことも特徴だ。運用担当者の能力が会社の収益を左右する資産運用業界において、オープンな企業風土と情報共有を通じた人材育成は強みとなり、好業績につながっていると弊社では見ている。
(5) 長期的視点での運用
同社グループは、長期的な視点で運用を行うことにより、投資対象企業とより密接な関係を構築し、企業価値を高めることができると考えている。一時的なイベントによる株式相場の下落などの影響についても、長期運用によって緩和することができるため、結果として投資家にリターンを提供することが可能となる。また、運用期間が20年と長期のファンドでは運用資産残高と残高報酬が安定的に増加することから、収益の安定性にもつながる。
(6) CEO直轄の部署
「CEO本部」というCEO直轄の部署があることも特徴である。ここでは新規に立ち上げる事業などを主に扱っている。ビジネス環境が急速に変化する現在、意思決定を迅速に行いビジネスチャンスを逃さないことを目的に創設された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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