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泉州電業 Research Memo(1):堅実経営で着実な成長続く。財務内容は堅固で株主還元にも前向き
配信日時:2022/01/06 15:11
配信元:FISCO
■要約
泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。
1. 2021年10月期の連結業績(実績)
2021年10月期の連結業績は、売上高92,463百万円(前期比24.5%増)、営業利益4,743百万円(同51.8%増)、経常利益5,004百万円(同47.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,583百万円(同52.4%増)となり、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。増収の最大の要因は銅価格の上昇(前期比48.8%増)であるが、実需も半導体製造装置向けの好調に加えて、工作機械向けや自動車業界向けが回復したことから堅調に推移した。また子会社も好調であり連結業績に寄与した。銅価格の上昇により売上総利益率は低下したが、増収により売上総利益は前期比15.3%増となり、販管費の伸びが2.5%にとどまったことから営業利益は大幅増益となった。これに伴い、年間配当を90円(当初予定は80円)に増配した。
2. 2022年10月期の連結業績(予想)
2022年10月期通期の連結業績※は、売上高97,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益4,800百万円(同1.2%増)、経常利益5,100百万円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,600百万円(同0.5%増)と予想されている。平均銅価格は、1,050千円/t(前期比3.8%増)と見ている。半導体製造装置向け、自動車や工作機械向けなどの需要は堅調に推移すると予想されるが、前期(2021年10月期)の業績が高水準であったことから、慎重な予想となっている。そのため、この予想が達成される可能性は高く、今後の各需要先の動向によっては上方修正の可能性もあるだろう。
※2022年10月期から「収益認識に関する会計基準」を適用。前期数値は未適用のため前期比増減は参考値。以下同様。
3. 中期経営計画:目標数値を上方修正、最終年度(2024年10月期)に経常利益63億円目標
同社は、2024年10月期に売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE8.0%以上を目指す中期経営計画を発表していたが、経常利益については既に達成されたことや日本電線工業会の2025年度出荷数量予測に基づいて、この目標数値を売上高1,050億円、経常利益63億円へ上方修正した。銅価格は現在の水準が続くとの前提だが、「脱炭素」「AI・IoT・5G」「万博・IR」等のビジネス機会を背景にこれらの目標達成を目指す。
4. 株主還元、資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE8.0%以上を目指す」と述べている。実現のための具体策として、配当を継続的に増配している。2021年10月期の年間配当は当初は80円の予定であったが、最終的には年間90円に増配した。さらに進行中の2022年10月期も年間100円の配当(予想配当性向25.1%)を行う予定で、これにより9年連続の増配となる見込みだ。
加えて同社は、自社株買いも積極的に行っている。2016年10月期に271,700株、2018年10月期に150,000株、2019年10月期に300,000株、2020年10月期に315,700株の自社株買いを行った。2021年10月期も268,600株の自社株買いを行った。さらに進行中の2022年10月期も100,000株(500百万円)の自社株買いおよび300,000株の消却を行うことを発表している。このような積極的な株主還元、資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。
■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2022年10月期は前期比、1.2%の営業増益予想だが上振れの可能性も
・中期経営計画は、数値目標を2024年10月期に経常利益63億円へ上方修正
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。
1. 2021年10月期の連結業績(実績)
2021年10月期の連結業績は、売上高92,463百万円(前期比24.5%増)、営業利益4,743百万円(同51.8%増)、経常利益5,004百万円(同47.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,583百万円(同52.4%増)となり、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。増収の最大の要因は銅価格の上昇(前期比48.8%増)であるが、実需も半導体製造装置向けの好調に加えて、工作機械向けや自動車業界向けが回復したことから堅調に推移した。また子会社も好調であり連結業績に寄与した。銅価格の上昇により売上総利益率は低下したが、増収により売上総利益は前期比15.3%増となり、販管費の伸びが2.5%にとどまったことから営業利益は大幅増益となった。これに伴い、年間配当を90円(当初予定は80円)に増配した。
2. 2022年10月期の連結業績(予想)
2022年10月期通期の連結業績※は、売上高97,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益4,800百万円(同1.2%増)、経常利益5,100百万円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,600百万円(同0.5%増)と予想されている。平均銅価格は、1,050千円/t(前期比3.8%増)と見ている。半導体製造装置向け、自動車や工作機械向けなどの需要は堅調に推移すると予想されるが、前期(2021年10月期)の業績が高水準であったことから、慎重な予想となっている。そのため、この予想が達成される可能性は高く、今後の各需要先の動向によっては上方修正の可能性もあるだろう。
※2022年10月期から「収益認識に関する会計基準」を適用。前期数値は未適用のため前期比増減は参考値。以下同様。
3. 中期経営計画:目標数値を上方修正、最終年度(2024年10月期)に経常利益63億円目標
同社は、2024年10月期に売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE8.0%以上を目指す中期経営計画を発表していたが、経常利益については既に達成されたことや日本電線工業会の2025年度出荷数量予測に基づいて、この目標数値を売上高1,050億円、経常利益63億円へ上方修正した。銅価格は現在の水準が続くとの前提だが、「脱炭素」「AI・IoT・5G」「万博・IR」等のビジネス機会を背景にこれらの目標達成を目指す。
4. 株主還元、資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE8.0%以上を目指す」と述べている。実現のための具体策として、配当を継続的に増配している。2021年10月期の年間配当は当初は80円の予定であったが、最終的には年間90円に増配した。さらに進行中の2022年10月期も年間100円の配当(予想配当性向25.1%)を行う予定で、これにより9年連続の増配となる見込みだ。
加えて同社は、自社株買いも積極的に行っている。2016年10月期に271,700株、2018年10月期に150,000株、2019年10月期に300,000株、2020年10月期に315,700株の自社株買いを行った。2021年10月期も268,600株の自社株買いを行った。さらに進行中の2022年10月期も100,000株(500百万円)の自社株買いおよび300,000株の消却を行うことを発表している。このような積極的な株主還元、資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。
■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2022年10月期は前期比、1.2%の営業増益予想だが上振れの可能性も
・中期経営計画は、数値目標を2024年10月期に経常利益63億円へ上方修正
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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