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チノー Research Memo(1):自動車や電子部品分野での生産活動回復による設備投資の増加等で増収増益
配信日時:2021/12/28 15:11
配信元:FISCO
■要約
チノー<6850>は、温度を中心とした計測・制御・監視を通し、「温度」というキーワードによって様々な産業分野の発展に貢献している企業である。同社の事業は子会社12社によって主に計測制御機器、計装システム、センサの3セグメントに分類される。計測・制御・監視というループソリューションを確立していることが特長であり、この点において競合企業が見当たらないことが同社の強みとなっている。売上の上位を占めているのは電子部品や半導体、自動車・航空機関連分野が挙げられるが、その他にも鉄鋼・金属、エネルギー、医療・医薬、食品、農業のように温度は様々な産業の現場で管理されるため、同社の温度管理ソリューションが利用されている。特に、厳しい温度管理が求められる医療や医薬分野も手掛けており、ワクチンや血液、血液製剤の輸送・保管においても活用されている。さらに、国際的に注目されている脱炭素化に向けた水素関連事業にも取り組んでおり、製品ラインナップには燃料電池評価試験装置や水電解(水素製造)評価装置なども揃えている。このように、事業内容が足元で需要の強い分野に対応している点も同社の強みと言えるだろう。
1. 2022年3月期第2四半期業績の概要
2022年3月期第2四半期の受注高は主に自動車や電子部品分野での生産活動回復による設備投資の増加により前年同期比13.0%増の11,712百万円と増収となり、売上高で同4.3%増の9,711百万円となった。利益面については、営業利益が同290.3%増の387百万円となった。増益の要因は、計測制御機器及びセンサの需要回復による売上高の増加及び計装システムの原価率改善などが挙げられる。親会社株主に帰属する四半期純利益は、同53.4%減の249百万円となった。これは前年同期に明陽電機(株)の連結子会社化に伴う特別利益として負ののれん発生益557百万円を計上した反動減によるものであるため、同社業績については堅調に推移しているものと考えられる。
セグメント別に見ると、特に計測制御機器セグメントにおける記録計を中心とした海外向け、特に中国を中心としたアジア地域において需要が伸長し、調節計とサイリスタレギュレータは大口顧客の需要の回復が見られた。このほかにもHACCPに沿った食品衛生管理の運用を支援する温湿度計やロガーの製品ラインナップの拡充が進んだ点が奏功した。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績見通しについては、売上高で前期比5.8%増の22,300百万円、営業利益で前期比14.4%増の1,300百万円、経常利益で同9.0%増の1,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同34.1%減の850百万円、EPSは100.36円としている。この見通しは、2021年11月10日に業績予想の上方修正を行ったもの。世界的な半導体供給不足や原材料費の高騰など、先行きの不透明感は依然として継続しているものの、2022年3月期第2四半期末では計測制御機器及びセンサの需要の回復による売上高の増加、計装システムの原価率の改善が見られた。脱炭素に関わる研究開発や IoT 化を目指す操業現場の設備投資も見込まれ、2022年3月期第3四半期以降もこの需要が堅調に推移することが予想されることが背景としてある。この修正後数値に関しても、第3四半期以降の取り組みや中期経営計画の妥当性を勘案しても達成可能性は高いものと弊社では分析している。
3. 成長戦略及び中期経営計画とその現状
2027年3月期までの中期経営計画においては、売上高で30,000百万円、営業利益で2,700百万円、ROEで10%、ROAで8%という目標を設定している。これら数値に関しては、2022年3月期第3四半期以降の取り組みや半導体及び水素関連など成長分野への積極的な投資と経営基盤強化等に取り組んでいくことから、数値目標達成への期待感が高まっている。
■Key Points
・ -270℃から3,500℃以上までの広範な温度を高い計測・制御・監視技術で管理するグローバルエキスパート企業
・ 自動車や電子部品分野での生産活動回復による設備投資の増加、計測制御機器の海外需要伸長で増収増益
・ 今後は半導体や水素関連など成長分野への積極的な投資と経営基盤強化でさらなる業績拡大へ期待が高まる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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チノー<6850>は、温度を中心とした計測・制御・監視を通し、「温度」というキーワードによって様々な産業分野の発展に貢献している企業である。同社の事業は子会社12社によって主に計測制御機器、計装システム、センサの3セグメントに分類される。計測・制御・監視というループソリューションを確立していることが特長であり、この点において競合企業が見当たらないことが同社の強みとなっている。売上の上位を占めているのは電子部品や半導体、自動車・航空機関連分野が挙げられるが、その他にも鉄鋼・金属、エネルギー、医療・医薬、食品、農業のように温度は様々な産業の現場で管理されるため、同社の温度管理ソリューションが利用されている。特に、厳しい温度管理が求められる医療や医薬分野も手掛けており、ワクチンや血液、血液製剤の輸送・保管においても活用されている。さらに、国際的に注目されている脱炭素化に向けた水素関連事業にも取り組んでおり、製品ラインナップには燃料電池評価試験装置や水電解(水素製造)評価装置なども揃えている。このように、事業内容が足元で需要の強い分野に対応している点も同社の強みと言えるだろう。
1. 2022年3月期第2四半期業績の概要
2022年3月期第2四半期の受注高は主に自動車や電子部品分野での生産活動回復による設備投資の増加により前年同期比13.0%増の11,712百万円と増収となり、売上高で同4.3%増の9,711百万円となった。利益面については、営業利益が同290.3%増の387百万円となった。増益の要因は、計測制御機器及びセンサの需要回復による売上高の増加及び計装システムの原価率改善などが挙げられる。親会社株主に帰属する四半期純利益は、同53.4%減の249百万円となった。これは前年同期に明陽電機(株)の連結子会社化に伴う特別利益として負ののれん発生益557百万円を計上した反動減によるものであるため、同社業績については堅調に推移しているものと考えられる。
セグメント別に見ると、特に計測制御機器セグメントにおける記録計を中心とした海外向け、特に中国を中心としたアジア地域において需要が伸長し、調節計とサイリスタレギュレータは大口顧客の需要の回復が見られた。このほかにもHACCPに沿った食品衛生管理の運用を支援する温湿度計やロガーの製品ラインナップの拡充が進んだ点が奏功した。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績見通しについては、売上高で前期比5.8%増の22,300百万円、営業利益で前期比14.4%増の1,300百万円、経常利益で同9.0%増の1,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同34.1%減の850百万円、EPSは100.36円としている。この見通しは、2021年11月10日に業績予想の上方修正を行ったもの。世界的な半導体供給不足や原材料費の高騰など、先行きの不透明感は依然として継続しているものの、2022年3月期第2四半期末では計測制御機器及びセンサの需要の回復による売上高の増加、計装システムの原価率の改善が見られた。脱炭素に関わる研究開発や IoT 化を目指す操業現場の設備投資も見込まれ、2022年3月期第3四半期以降もこの需要が堅調に推移することが予想されることが背景としてある。この修正後数値に関しても、第3四半期以降の取り組みや中期経営計画の妥当性を勘案しても達成可能性は高いものと弊社では分析している。
3. 成長戦略及び中期経営計画とその現状
2027年3月期までの中期経営計画においては、売上高で30,000百万円、営業利益で2,700百万円、ROEで10%、ROAで8%という目標を設定している。これら数値に関しては、2022年3月期第3四半期以降の取り組みや半導体及び水素関連など成長分野への積極的な投資と経営基盤強化等に取り組んでいくことから、数値目標達成への期待感が高まっている。
■Key Points
・ -270℃から3,500℃以上までの広範な温度を高い計測・制御・監視技術で管理するグローバルエキスパート企業
・ 自動車や電子部品分野での生産活動回復による設備投資の増加、計測制御機器の海外需要伸長で増収増益
・ 今後は半導体や水素関連など成長分野への積極的な投資と経営基盤強化でさらなる業績拡大へ期待が高まる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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