注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:IPO3社、米FOMC議事録、米雇用統計など
配信日時:2021/12/25 18:37
配信元:FISCO
■株式相場見通し
予想レンジ:上限29500-下限28000円
来週・再来週の日経平均は堅調な年末を迎えた後、年始は神経質な展開か。年末年始を前に多くの機関投資家は既に休暇に入っていると思われ、クリスマス休暇明けでも取引に戻ってくる海外組は限られるだろう。そのため、来週も引き続き売買高は膨らみにくいだろうが、薄商いのなか掉尾の一振に期待した個人投資家の買いや、パフォーマンスの引き上げを狙ったファンド等の運用機関によるドレッシング買い(お化粧買い)などでスルスルと値を切り上げる展開も想定される。年末特有の実現利益との相殺を狙った「損出し売り」も受渡日を考慮した実質ベースでは12月28日が最終日となり、この日を越えた最後の2日間は特に上昇が期待できそうだ。
一方、年始は神経質な展開が想定される。米連邦準備理事会(FRB)がタカ派シフトするなか、世界的な金融引き締めによる緩和マネー縮小への警戒感がくすぶる。1月5日には12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が発表予定。FRBのウォラー理事が3月のFOMCでの利上げを示唆するなど一段とタカ派色の強い発言をしていることもあり、改めて政策メンバーらの金融引き締めへの考え方を確認したい。
特に、量的緩和(QE)の縮小(テーパリング)の先にある量的引き締め(QT)への考え方に注目。インフレ高進が続くなか、市場の想定よりも早くバランスシート縮小に動くリスクもある。前述のFRBのウォラー理事は「最初の利上げ後すぐに資産圧縮を始めることは可能。バランスシートの調整を遅らせる理由はない」とも発言している。議事録内でのQTに関する触れ方次第では、市場が再び動揺する可能性があり、短期的な下振れリスクには注意したい。
また、オミクロン株についても依然注意は必要だ。南アフリカの国立伝染病研究所や英国の保健安全庁などは、オミクロン株の入院リスクは他の変異株に比べて5~8割低いとの調査結果を報告。また、米国では食品医薬品局(FDA)が製薬会社ファイザーやメルクの新型コロナ経口薬の緊急使用を承認した。これにより、オミクロン株に対する警戒感は大きく後退した。しかし、感染率はデルタ株を超える高さで、英国や米国では1日当たりの新規感染者数が過去最多を記録している。感染者数が爆発的に増えれば、入院患者の絶対数も増えるため、医療機関の逼迫やこれを防ぐための行動規制強化といったリスクは残る。日本も京都での市中感染が報告されており、今後、欧米に遅れてオミクロン株感染が急拡大することが警戒される。
さらに再来週は米サプライマネジメント協会(ISM)が公表する景況指数のほか、週末には米雇用統計など注目度の高い経済指標が発表予定。ISMなどは構成項目の内容次第では、世界的な供給網混乱やインフレの長期化などのリスクが再び意識される場面もありそうだ。
■為替市場見通し
来週・再来週のドル・円は底堅い値動きか。年内は動意薄の状態が続くとみられているが、年明け後に米雇用情勢の改善が確認された場合、連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げへの期待が高まり、リスク回避的なドル売りは抑制される可能性がある。市場ではバイデン政権が打ち出した1.8兆ドル規模の社会保障などの政策が注目され、民主党内の合意形成に関心が向けられている。党内調整が難航した場合、米国経済の成長鈍化につながるため、足元のドル買いを抑制する要因になりやすい。
ただ、年明け以降は12月米ISM製造業景況指数、12月米ADP雇用統計、12月米雇用統計などが注目材料となる。特に1月7日発表の12月雇用統計に対する関心が高い。非農業部門雇用者数は前月比+47.5万人、失業率は4.1%と予想される。FRB当局者の一部は早期利上げの可能性を示唆しており、雇用情勢の改善が顕著なら早期利上げの思惑が広がり、ドル買いが強まりそうだ。
米雇用統計に先立って1月5日に公表予定の12月14-15日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も材料視される。FOMCは資産買入れの段階的縮小(テーパリング)を加速させる方針を打ち出している。来年の金利見通しでは6月から3回の利上げが想定されており、ドル買い地合いは続くとみる。
■来週の注目スケジュール
12月27日(月):小売売上高(11月)、日銀金融政策決定会合における主な意見(12月16、17日分)、アジアクエスト/セキュアが東証マザーズに新規上場、中・工業企業利益(11月)など
12月28日(火):失業率・有効求人倍率(11月)、鉱工業生産指数(11月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(10月)など
12月29日(水):Institution for a Global Societyが東証マザーズに新規上場、米・中古住宅販売成約指数(11月)など
12月30日(木):大納会、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(12月)など
12月31日(金):中・製造業/非製造業PMI(12月)、など
1月3日(月):欧・米・製造業PMI(12月)など
1月4日(火):大発会、製造業PMI(12月)、中・財新製造業PMI(12月)、米・ISM製造業景況指数(12月)、「OPECプラス」閣僚級会合など
1月5日(水):消費者態度指数(12月)、経済三団体記者会見、欧・米・サービス業PMI(12月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14-15日)など
1月6日(木):サービス業PMI(12月)、中・財新サービス業PMI(12月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(11月)、米・ISM非製造業景況指数(12月)など
1月7日(金):家計支出(11月)、欧・ユーロ圏小売売上高(11月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(12月)、米・雇用統計(12月)など
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予想レンジ:上限29500-下限28000円
来週・再来週の日経平均は堅調な年末を迎えた後、年始は神経質な展開か。年末年始を前に多くの機関投資家は既に休暇に入っていると思われ、クリスマス休暇明けでも取引に戻ってくる海外組は限られるだろう。そのため、来週も引き続き売買高は膨らみにくいだろうが、薄商いのなか掉尾の一振に期待した個人投資家の買いや、パフォーマンスの引き上げを狙ったファンド等の運用機関によるドレッシング買い(お化粧買い)などでスルスルと値を切り上げる展開も想定される。年末特有の実現利益との相殺を狙った「損出し売り」も受渡日を考慮した実質ベースでは12月28日が最終日となり、この日を越えた最後の2日間は特に上昇が期待できそうだ。
一方、年始は神経質な展開が想定される。米連邦準備理事会(FRB)がタカ派シフトするなか、世界的な金融引き締めによる緩和マネー縮小への警戒感がくすぶる。1月5日には12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が発表予定。FRBのウォラー理事が3月のFOMCでの利上げを示唆するなど一段とタカ派色の強い発言をしていることもあり、改めて政策メンバーらの金融引き締めへの考え方を確認したい。
特に、量的緩和(QE)の縮小(テーパリング)の先にある量的引き締め(QT)への考え方に注目。インフレ高進が続くなか、市場の想定よりも早くバランスシート縮小に動くリスクもある。前述のFRBのウォラー理事は「最初の利上げ後すぐに資産圧縮を始めることは可能。バランスシートの調整を遅らせる理由はない」とも発言している。議事録内でのQTに関する触れ方次第では、市場が再び動揺する可能性があり、短期的な下振れリスクには注意したい。
また、オミクロン株についても依然注意は必要だ。南アフリカの国立伝染病研究所や英国の保健安全庁などは、オミクロン株の入院リスクは他の変異株に比べて5~8割低いとの調査結果を報告。また、米国では食品医薬品局(FDA)が製薬会社ファイザーやメルクの新型コロナ経口薬の緊急使用を承認した。これにより、オミクロン株に対する警戒感は大きく後退した。しかし、感染率はデルタ株を超える高さで、英国や米国では1日当たりの新規感染者数が過去最多を記録している。感染者数が爆発的に増えれば、入院患者の絶対数も増えるため、医療機関の逼迫やこれを防ぐための行動規制強化といったリスクは残る。日本も京都での市中感染が報告されており、今後、欧米に遅れてオミクロン株感染が急拡大することが警戒される。
さらに再来週は米サプライマネジメント協会(ISM)が公表する景況指数のほか、週末には米雇用統計など注目度の高い経済指標が発表予定。ISMなどは構成項目の内容次第では、世界的な供給網混乱やインフレの長期化などのリスクが再び意識される場面もありそうだ。
■為替市場見通し
来週・再来週のドル・円は底堅い値動きか。年内は動意薄の状態が続くとみられているが、年明け後に米雇用情勢の改善が確認された場合、連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げへの期待が高まり、リスク回避的なドル売りは抑制される可能性がある。市場ではバイデン政権が打ち出した1.8兆ドル規模の社会保障などの政策が注目され、民主党内の合意形成に関心が向けられている。党内調整が難航した場合、米国経済の成長鈍化につながるため、足元のドル買いを抑制する要因になりやすい。
ただ、年明け以降は12月米ISM製造業景況指数、12月米ADP雇用統計、12月米雇用統計などが注目材料となる。特に1月7日発表の12月雇用統計に対する関心が高い。非農業部門雇用者数は前月比+47.5万人、失業率は4.1%と予想される。FRB当局者の一部は早期利上げの可能性を示唆しており、雇用情勢の改善が顕著なら早期利上げの思惑が広がり、ドル買いが強まりそうだ。
米雇用統計に先立って1月5日に公表予定の12月14-15日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も材料視される。FOMCは資産買入れの段階的縮小(テーパリング)を加速させる方針を打ち出している。来年の金利見通しでは6月から3回の利上げが想定されており、ドル買い地合いは続くとみる。
■来週の注目スケジュール
12月27日(月):小売売上高(11月)、日銀金融政策決定会合における主な意見(12月16、17日分)、アジアクエスト/セキュアが東証マザーズに新規上場、中・工業企業利益(11月)など
12月28日(火):失業率・有効求人倍率(11月)、鉱工業生産指数(11月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(10月)など
12月29日(水):Institution for a Global Societyが東証マザーズに新規上場、米・中古住宅販売成約指数(11月)など
12月30日(木):大納会、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(12月)など
12月31日(金):中・製造業/非製造業PMI(12月)、など
1月3日(月):欧・米・製造業PMI(12月)など
1月4日(火):大発会、製造業PMI(12月)、中・財新製造業PMI(12月)、米・ISM製造業景況指数(12月)、「OPECプラス」閣僚級会合など
1月5日(水):消費者態度指数(12月)、経済三団体記者会見、欧・米・サービス業PMI(12月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14-15日)など
1月6日(木):サービス業PMI(12月)、中・財新サービス業PMI(12月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(11月)、米・ISM非製造業景況指数(12月)など
1月7日(金):家計支出(11月)、欧・ユーロ圏小売売上高(11月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(12月)、米・雇用統計(12月)など
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