注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米CPI、海外半導体大手決算、参議院選挙前動向
配信日時:2025/07/12 16:54
配信元:FISCO
*16:54JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米CPI、海外半導体大手決算、参議院選挙前動向
■株式相場見通し
予想レンジ:上限40000円-下限39300円
今週末の米国株式市場は反落。ダウ平均は前日比279.13ドル安の44371.51ドル、ナスダックは同45.13ポイント安の20585.53で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比10円安の39500円で取引を終えた。米トランプ政権の関税政策による経済やインフレへの影響が懸念される展開となった。
来週は、海外で注目度の高い企業の決算発表が複数予定されているほか、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策などを見極めるうえで注目される経済指標なども発表される。それぞれ短期的な株価インパクトにつながる可能性はあるが、翌週末には参議院選挙を挟む3連休が予定されているため、週末にかけてはポジション整理の動きが中心となっていきそうだ。
米国では4-6月期の決算発表が本格化する。主要金融機関の決算が集中するほか、J&J、GE、ネットフリックスなども発表予定。ただ、最注目は16日の蘭ASML、17日の台湾TSMCなど半導体大手の決算だろう。ASMLは前回決算で受注の下振れが嫌気されたほか、米国関税の影響も警戒されており、決算評価へのハードルは高くないとみられる。TSMCは先に4-6月期の売上高を発表し、市場予想を上回る水準となっている。米国ではすでにエヌビディアやマイクロンが3-5月期の好決算を発表しているため、今回の2社もそれぞれ、半導体株高を通して、日本株の支援材料につながる可能性がありそうだ。なお、熊本第2工場の延期が先に伝わっているため、TSMCの決算に対しては、米国企業ほど国内関連企業の評価は高まりにくい公算。
米国の関税政策の影響という面では、6月米輸出入物価が注目される。輸入物価の上昇が限定的であれば、海外企業が関税によるコスト増を負担していることが想定されるため、日本の輸出企業などにとってはネガティブな意識が台頭する可能性がある。この面では日本の貿易統計なども注目されよう。逆に、輸入物価の上昇がみられる場合、前々日に発表予定の6月米消費者物価指数(CPI)などと合わせて、米国でのインフレ懸念が高まる余地がある。また、関税前の駆け込み消費はほぼ一巡したとみられる中、米国の6月小売売上高も注視したい。仮に想定以上の落ち込みとなり、CPIの上昇率が限定的であれば、FRBの9月大幅利下げの可能性が高まることになる。
国内では7月20日に参議院選挙の投開票が予定されている。政権与党が議席の過半数を失う可能性も指摘される状況下、先行きの政局不透明感を見据えた警戒感は次第に強まっていこう。週末にかけては、いったん換金売りの動きが優勢となりそうだ。ちなみに、19日にはベッセント米財務長官が訪日予定ともされており、米関税政策の先行きを占ううえで、こちらも様子見材料とされよう。なお、日本への相互関税25%は、4月に伝えられた24%とほぼ同水準だが、当時は将来的な緩和も想定されていたとみられ、新たに発表された関税率は、あらためて業績コンセンサス切り下がりにつながる余地があると考えておきたい。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は上げ渋りか。米インフレ指標は加速が予想され、7月15日発表の6月米消費者物価指数(CPI)の総合、コア指数が5月実績を上回れば、早期利下げ観測は一段と後退するとみられる。ただ、物価高によって個人消費は減退し、米国経済の大幅な減速も警戒されている。今週発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、7月利下げの主張は2人にとどまったものの、貿易政策の不透明感から年内2回の利下げが引き続き想定されている。17日発表の6月米小売売上高は前月比マイナスとなる可能性があり、市場予想を下回った場合、4-6月期米国内総生産(GDP)を押し下げ、米国経済の一段の減速が警戒される。
なお、7月20日投開票の日本の参議院選挙で、与党は過半数の議席を確保できないとの見方が浮上している。与党が議席の過半数を維持しても、参院選後に財政拡大観測が強まる可能性もあるため、長期金利の上昇やこれに起因するリスク回避的な円買いも想定され、ドルを下押しする可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月14日(月):コア機械受注(5月)、鉱工業生産(5月)、設備稼働率(5月)、第3次産業活動指数(5月)、中・貿易収支(6月)、中・資金調達総額(6月、15日までに)、中・マネーサプライ(6月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(6月、15日までに)など
7月15日(火):米・消費者物価コア指数(6月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(7月)、中・新築住宅価格(6月)、中・中古住宅価格(6月)、中・GDP(4-6月)、中・小売売上高(6月)、中・鉱工業生産指数(6月)、中・固定資産投資(都市部)(6月)、中・調査失業率(6月)、中・不動産投資(6月)、中・住宅販売(6月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(5月)、独・ZEW期待指数(7月)、加・消費者物価指数(6月)など
7月16日(水):日銀金融政策決定会合議事録公表(2015年1-6月開催分)、訪日外客数(6月)、米・生産者物価コア指数(6月)、米・鉱工業生産指数(6月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、欧・ユーロ圏貿易収支(5月)、英・消費者物価指数(6月)など
7月17日(木):貿易収支(6月)、輸出(6月)、輸入(6月)、首都圏新築分譲マンション(6月)、米・小売売上高(6月)、米・輸入物価指数(6月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(7月)、米・企業在庫(5月)、米・NAHB住宅市場指数(7月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(5月)、欧・ユーロ圏CPI(6月)、英・失業率(6月)、豪・失業率(6月)、G20財務相・中央銀行総裁会議(18日まで)など
7月18日(金):消費者物価コア指数(6月)、米・住宅着工件数(6月)、米・住宅建設許可件数(6月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(7月)など
7月20日(日):参議院選挙の投開票など
<YU>
予想レンジ:上限40000円-下限39300円
今週末の米国株式市場は反落。ダウ平均は前日比279.13ドル安の44371.51ドル、ナスダックは同45.13ポイント安の20585.53で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比10円安の39500円で取引を終えた。米トランプ政権の関税政策による経済やインフレへの影響が懸念される展開となった。
来週は、海外で注目度の高い企業の決算発表が複数予定されているほか、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策などを見極めるうえで注目される経済指標なども発表される。それぞれ短期的な株価インパクトにつながる可能性はあるが、翌週末には参議院選挙を挟む3連休が予定されているため、週末にかけてはポジション整理の動きが中心となっていきそうだ。
米国では4-6月期の決算発表が本格化する。主要金融機関の決算が集中するほか、J&J、GE、ネットフリックスなども発表予定。ただ、最注目は16日の蘭ASML、17日の台湾TSMCなど半導体大手の決算だろう。ASMLは前回決算で受注の下振れが嫌気されたほか、米国関税の影響も警戒されており、決算評価へのハードルは高くないとみられる。TSMCは先に4-6月期の売上高を発表し、市場予想を上回る水準となっている。米国ではすでにエヌビディアやマイクロンが3-5月期の好決算を発表しているため、今回の2社もそれぞれ、半導体株高を通して、日本株の支援材料につながる可能性がありそうだ。なお、熊本第2工場の延期が先に伝わっているため、TSMCの決算に対しては、米国企業ほど国内関連企業の評価は高まりにくい公算。
米国の関税政策の影響という面では、6月米輸出入物価が注目される。輸入物価の上昇が限定的であれば、海外企業が関税によるコスト増を負担していることが想定されるため、日本の輸出企業などにとってはネガティブな意識が台頭する可能性がある。この面では日本の貿易統計なども注目されよう。逆に、輸入物価の上昇がみられる場合、前々日に発表予定の6月米消費者物価指数(CPI)などと合わせて、米国でのインフレ懸念が高まる余地がある。また、関税前の駆け込み消費はほぼ一巡したとみられる中、米国の6月小売売上高も注視したい。仮に想定以上の落ち込みとなり、CPIの上昇率が限定的であれば、FRBの9月大幅利下げの可能性が高まることになる。
国内では7月20日に参議院選挙の投開票が予定されている。政権与党が議席の過半数を失う可能性も指摘される状況下、先行きの政局不透明感を見据えた警戒感は次第に強まっていこう。週末にかけては、いったん換金売りの動きが優勢となりそうだ。ちなみに、19日にはベッセント米財務長官が訪日予定ともされており、米関税政策の先行きを占ううえで、こちらも様子見材料とされよう。なお、日本への相互関税25%は、4月に伝えられた24%とほぼ同水準だが、当時は将来的な緩和も想定されていたとみられ、新たに発表された関税率は、あらためて業績コンセンサス切り下がりにつながる余地があると考えておきたい。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は上げ渋りか。米インフレ指標は加速が予想され、7月15日発表の6月米消費者物価指数(CPI)の総合、コア指数が5月実績を上回れば、早期利下げ観測は一段と後退するとみられる。ただ、物価高によって個人消費は減退し、米国経済の大幅な減速も警戒されている。今週発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、7月利下げの主張は2人にとどまったものの、貿易政策の不透明感から年内2回の利下げが引き続き想定されている。17日発表の6月米小売売上高は前月比マイナスとなる可能性があり、市場予想を下回った場合、4-6月期米国内総生産(GDP)を押し下げ、米国経済の一段の減速が警戒される。
なお、7月20日投開票の日本の参議院選挙で、与党は過半数の議席を確保できないとの見方が浮上している。与党が議席の過半数を維持しても、参院選後に財政拡大観測が強まる可能性もあるため、長期金利の上昇やこれに起因するリスク回避的な円買いも想定され、ドルを下押しする可能性がある。
■来週の注目スケジュール
7月14日(月):コア機械受注(5月)、鉱工業生産(5月)、設備稼働率(5月)、第3次産業活動指数(5月)、中・貿易収支(6月)、中・資金調達総額(6月、15日までに)、中・マネーサプライ(6月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(6月、15日までに)など
7月15日(火):米・消費者物価コア指数(6月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(7月)、中・新築住宅価格(6月)、中・中古住宅価格(6月)、中・GDP(4-6月)、中・小売売上高(6月)、中・鉱工業生産指数(6月)、中・固定資産投資(都市部)(6月)、中・調査失業率(6月)、中・不動産投資(6月)、中・住宅販売(6月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(5月)、独・ZEW期待指数(7月)、加・消費者物価指数(6月)など
7月16日(水):日銀金融政策決定会合議事録公表(2015年1-6月開催分)、訪日外客数(6月)、米・生産者物価コア指数(6月)、米・鉱工業生産指数(6月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、欧・ユーロ圏貿易収支(5月)、英・消費者物価指数(6月)など
7月17日(木):貿易収支(6月)、輸出(6月)、輸入(6月)、首都圏新築分譲マンション(6月)、米・小売売上高(6月)、米・輸入物価指数(6月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(7月)、米・企業在庫(5月)、米・NAHB住宅市場指数(7月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(5月)、欧・ユーロ圏CPI(6月)、英・失業率(6月)、豪・失業率(6月)、G20財務相・中央銀行総裁会議(18日まで)など
7月18日(金):消費者物価コア指数(6月)、米・住宅着工件数(6月)、米・住宅建設許可件数(6月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(7月)など
7月20日(日):参議院選挙の投開票など
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