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シンバイオ製薬 Research Memo(5):「リゴセルチブ」は他剤との組み合わせによる開発の可能性を探索
配信日時:2021/12/23 15:25
配信元:FISCO
■開発パイプラインの動向
2. 「リゴセルチブ」(注射剤/経口剤)
「リゴセルチブ」はユニークなマルチキナーゼ阻害作用(がん細胞の増殖、浸潤及び転移に関与する複数のキナーゼを阻害することによりがん細胞を死に至らしめる作用)を有する抗がん剤候補品となる。導入元のオンコノバにおいて、現在の標準治療法である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、または低メチル化剤に不耐用性を示した高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)における全生存期間を主要評価項目とした国際共同第3相臨床試験(INSPIRE試験)が進められてきたが、2020年8月に医師選択療法との比較において主要評価項目が達成されなかったことを発表した。
シンバイオ製薬<4582>は日本における臨床開発を担当しており、INSPIRE試験の追加解析から得られた知見などから、新規疾患ターゲットの探索を進めていく方針としている。具体的には、東京大学医科学研究所や群馬大学との共同研究を通じて、「ベンダムスチン」及び「リゴセルチブ」の併用療法や他の既存薬との併用による新治療法の創出、がん領域以外の治療領域も含めた新疾患ターゲットの探索をAI技術も活用しながら進めていくことにしている。複数の抗がん剤を治療で用いる場合、副作用が同じ薬剤では副作用の影響が増幅するリスクがあるが、「ベンダムスチン」と「リゴセルチブ」は副作用が異なるため併用療法が可能と見られる。同社では、これらの研究をもとに2022年には「リゴセルチブ」の新たな開発計画を策定する方針となっている。
また、「リゴセルチブ」経口剤の開発についてはオンコノバで、進行性KRAS※変異NSCLC(非小細胞肺がん、ステージIV)を対象とした医師主導の第1/2a相試験(免疫チェックポイント阻害剤との併用)の中間結果を2021年9月に発表している。内容は、併用療法において抗腫瘍活性を示す肯定的なデータが得られたとしており、「リゴセルチブ」経口剤との併用により免疫チェックポイント阻害剤の有効性を高める可能性があることが示唆されたとしており、今後の開発動向が注目される。同社においては、単剤により高用量の安全性及び日本人での忍容性を確認するための国内第1相臨床試験を2019年に完了している。
※KRAS:がん遺伝子の1つであり、通常はKRAS遺伝子が細胞の増殖を制御しているが、KRAS遺伝子に変異が生じると「細胞を増殖せよ」というシグナルが出され続け、がん細胞の増殖が活性化され続けることになる。大腸がんや肺がんなどでKRAS遺伝子変異に起因する患者が一定割合いることが知られている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 「リゴセルチブ」(注射剤/経口剤)
「リゴセルチブ」はユニークなマルチキナーゼ阻害作用(がん細胞の増殖、浸潤及び転移に関与する複数のキナーゼを阻害することによりがん細胞を死に至らしめる作用)を有する抗がん剤候補品となる。導入元のオンコノバにおいて、現在の標準治療法である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、または低メチル化剤に不耐用性を示した高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)における全生存期間を主要評価項目とした国際共同第3相臨床試験(INSPIRE試験)が進められてきたが、2020年8月に医師選択療法との比較において主要評価項目が達成されなかったことを発表した。
シンバイオ製薬<4582>は日本における臨床開発を担当しており、INSPIRE試験の追加解析から得られた知見などから、新規疾患ターゲットの探索を進めていく方針としている。具体的には、東京大学医科学研究所や群馬大学との共同研究を通じて、「ベンダムスチン」及び「リゴセルチブ」の併用療法や他の既存薬との併用による新治療法の創出、がん領域以外の治療領域も含めた新疾患ターゲットの探索をAI技術も活用しながら進めていくことにしている。複数の抗がん剤を治療で用いる場合、副作用が同じ薬剤では副作用の影響が増幅するリスクがあるが、「ベンダムスチン」と「リゴセルチブ」は副作用が異なるため併用療法が可能と見られる。同社では、これらの研究をもとに2022年には「リゴセルチブ」の新たな開発計画を策定する方針となっている。
また、「リゴセルチブ」経口剤の開発についてはオンコノバで、進行性KRAS※変異NSCLC(非小細胞肺がん、ステージIV)を対象とした医師主導の第1/2a相試験(免疫チェックポイント阻害剤との併用)の中間結果を2021年9月に発表している。内容は、併用療法において抗腫瘍活性を示す肯定的なデータが得られたとしており、「リゴセルチブ」経口剤との併用により免疫チェックポイント阻害剤の有効性を高める可能性があることが示唆されたとしており、今後の開発動向が注目される。同社においては、単剤により高用量の安全性及び日本人での忍容性を確認するための国内第1相臨床試験を2019年に完了している。
※KRAS:がん遺伝子の1つであり、通常はKRAS遺伝子が細胞の増殖を制御しているが、KRAS遺伝子に変異が生じると「細胞を増殖せよ」というシグナルが出され続け、がん細胞の増殖が活性化され続けることになる。大腸がんや肺がんなどでKRAS遺伝子変異に起因する患者が一定割合いることが知られている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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